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おまけ 甲斐夫婦と皆川夫婦
しおりを挟む甲斐家の両親は、皆川家の両親と学生の頃からの親友だ。
甲斐家父の弘明は皆川家父の穂高と高校で出会った。見た目も良く成績優秀、何もしなくてもチヤホヤされる弘明は、いつもつまらなかった。そんなある日図書館で勉強に励む穂高と出会った。穂高はドジなところがあり、よく転びよくトラブルに巻き込まれた。本人はいつも穏やかで、何より媚びてこない。側にいると癒される上に、いつも何か起きて飽きなかった。弘明は穂高に夢中になった。ずっと側にいて、自分が守ってやらねばと思った。
甲斐家母の恵美と、皆川家母の優子は中学校で知り合った。旧姓が浅田と井倉だった2人は、席が前後だったことがキッカケで仲良くなった。恵美は近所では評判の美少女で、変質者に絡まれることも少なくなかった。ある日、知らない大人が恵美に話しかけてきた。何度立ち去ろうとしてもしつこく付きまとわれ、さらに手を掴まれそうになった時、そこに偶然優子がやってきた。優子はとっさに恵美の手を掴み、引っ張って走り一緒に逃げてくれた。中学校に戻り、職員室にいた先生に事情を話した後、親に迎えにきてもらうことになった。待っている間、優子は震える小さめの手で、ずっと恵美の手を握ってくれた。怖かったよね、もう大丈夫だよ、と優しく恵美に言いながら。
実は、恵美はそういうことが頻繁に起こるので、空手やら護身術やら使えそうなものは片っ端から習得した。恵美は決して弱い少女ではなかった。なのであの時も、手を掴まれたら相手の腕を捻り上げて逃げれば良いと思っていた。でも、自分より弱い優子が助けてくれて、震えるくらい怖かったのに自分を気遣う優しさに心を打たれた。そこから恵美は優子を特別に思い、守り続けた。
その後はまぁ色々あって、穂高と優子が結婚することになり、その2人の友人として引き合わされ、意外にも相性の悪くなかった弘明と恵美も結婚することにした。2人で力を合わせて、穂高と優子の幸せを守るという意志のもと、能力とやる気の高い甲斐夫婦はその後が凄かった。お互いの子どもが同年で産まれて揃って成長し、最終的に結婚することになるとは思ってもみなかったが。
ただ一つ言えることがある。そんな熱量の高い2人の思いが、恋愛感情に発展することがなかったのが、皆川夫婦にとっては実は1番の幸せだということだ。
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