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第1章
4.攻略対象者と接触したけど私には関係
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何事もなかったかのように私は王女宮を退出した。
本来なら真っすぐ王宮を出る。こんな場所に長くいたいとは思わない。
でも、今日は違った。
アイルに気に入られたことを喜ぶ父。どんな命令にも従えと言ってくる彼がいる邸に帰りたくなくて私は中庭に出た。
噴水の縁に座って水の中を覗く。そこには見慣れない茶髪の女の子が映っていた。
「何が、そっちの方が似合うよ。ただ妬ましいだけでしょう」
私は息を思いっきり吸い込んだ後に止めて、ざぶんと噴水に頭を突っ込んだ。
水の中から頭を出す。
ぽたぽたと茶色の水滴が地面に吸収される。
再度水の中を見ると金と茶色がまばらについた髪をした少女がいた。
染粉というのは親しみがなかったから心配だったけど、良かった。簡単に水で落ちるタイプなんだ。まぁ、日本みたいな水に浸けも落ちない高度な染粉なんてこの世界にはまだないよね。
古臭い封建制度がある世界だもの。
もう一度浴びたら完全にとれるかな。そう思って息を止めようとした時「風邪をひくよ」と声をかけられた。
心臓が止まるかと思った。
深緑の髪に金色の目。銀縁の眼鏡をしたその少年は顔立ちはまだ幼いけど生前、マヤに無理やり見せられたゲームのパッケージに載っていた男性の一人だ。
ということは、攻略対象者。
興味なかったからマヤが何を言っていたとかゲームの流れとか全く知らないんだよな。
これって、バッドエンドとかないよね。
よくあるのが親友の王女を守って死ぬとか、巻き込まれて死ぬとか。それで王女は「私の為に死んでしまった彼女の為に幸せになるわ」みたいなオチ。
絶対に嫌だわ。あんたの為に死ぬなんて死んでも御免だ。
攻略対象者には極力、関わらないようにしよう。
「お気になさらず」
「でも」
私は彼を無視しても再度、噴水の中に頭を突っ込んだ。
これで染粉は完全に落ちた。
「あ、あの、これ、どうぞ」
「まだいたの」
少年がハンカチを出してきた。
噴水に頭を突っ込んでいるようなおかしな女の子となんか気にせずにさっさとどこかに行ってくれればいいのに。
私は少年とハンカチを交互にも見る。
私がハンカチを取ろうとしないのに少年は私がハンカチを取るまでずっと差し出すつもりのようだ。
彼が善意でハンカチを差し出しているのは分かる。それを無碍にするものではないか。
攻略対象者に深く関わるつもりはないけど彼が私に何かしたわけでもないし。
「ありがとう」
私がハンカチを受け取ると少年は安心したように笑った。
「僕、アシュベル・バルトロマイ」
バルトロマイって確か伯爵家で、現在の宰相だよね。地位は伯爵家だけど彼の叔母がオルジェイトゥ帝国の皇帝に見初められて、皇后になっている。
彼よりも上の身分の家でも帝国の皇族関係者ということで下手に扱えないんだよな。
そこまで特殊で権力や発言力があるとなるとやはり彼は攻略対象者だろう。ということはヤンデレなのか。
こんな天使みたいな可愛らしい見た目をしているのに。人は見かけによらないな。いや、もしかしたらまだヤンデレ化する原因がないのかも。今後、成長する過程で何かがあってヤンデレ化した可能性がある。
「レイファ・ミラノ」
定番なら前世の記憶があり、自分のポジションに不満のある私は彼がヤンデレにならないように孤軍奮闘するのだろう。
が、私はそんな無駄なことはしたくない。
ゲームの流れなんて知らないし、記憶があるからって人様の運命に干渉できるなんて傲慢な考えは持ち合わせていない。
本来なら真っすぐ王宮を出る。こんな場所に長くいたいとは思わない。
でも、今日は違った。
アイルに気に入られたことを喜ぶ父。どんな命令にも従えと言ってくる彼がいる邸に帰りたくなくて私は中庭に出た。
噴水の縁に座って水の中を覗く。そこには見慣れない茶髪の女の子が映っていた。
「何が、そっちの方が似合うよ。ただ妬ましいだけでしょう」
私は息を思いっきり吸い込んだ後に止めて、ざぶんと噴水に頭を突っ込んだ。
水の中から頭を出す。
ぽたぽたと茶色の水滴が地面に吸収される。
再度水の中を見ると金と茶色がまばらについた髪をした少女がいた。
染粉というのは親しみがなかったから心配だったけど、良かった。簡単に水で落ちるタイプなんだ。まぁ、日本みたいな水に浸けも落ちない高度な染粉なんてこの世界にはまだないよね。
古臭い封建制度がある世界だもの。
もう一度浴びたら完全にとれるかな。そう思って息を止めようとした時「風邪をひくよ」と声をかけられた。
心臓が止まるかと思った。
深緑の髪に金色の目。銀縁の眼鏡をしたその少年は顔立ちはまだ幼いけど生前、マヤに無理やり見せられたゲームのパッケージに載っていた男性の一人だ。
ということは、攻略対象者。
興味なかったからマヤが何を言っていたとかゲームの流れとか全く知らないんだよな。
これって、バッドエンドとかないよね。
よくあるのが親友の王女を守って死ぬとか、巻き込まれて死ぬとか。それで王女は「私の為に死んでしまった彼女の為に幸せになるわ」みたいなオチ。
絶対に嫌だわ。あんたの為に死ぬなんて死んでも御免だ。
攻略対象者には極力、関わらないようにしよう。
「お気になさらず」
「でも」
私は彼を無視しても再度、噴水の中に頭を突っ込んだ。
これで染粉は完全に落ちた。
「あ、あの、これ、どうぞ」
「まだいたの」
少年がハンカチを出してきた。
噴水に頭を突っ込んでいるようなおかしな女の子となんか気にせずにさっさとどこかに行ってくれればいいのに。
私は少年とハンカチを交互にも見る。
私がハンカチを取ろうとしないのに少年は私がハンカチを取るまでずっと差し出すつもりのようだ。
彼が善意でハンカチを差し出しているのは分かる。それを無碍にするものではないか。
攻略対象者に深く関わるつもりはないけど彼が私に何かしたわけでもないし。
「ありがとう」
私がハンカチを受け取ると少年は安心したように笑った。
「僕、アシュベル・バルトロマイ」
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彼よりも上の身分の家でも帝国の皇族関係者ということで下手に扱えないんだよな。
そこまで特殊で権力や発言力があるとなるとやはり彼は攻略対象者だろう。ということはヤンデレなのか。
こんな天使みたいな可愛らしい見た目をしているのに。人は見かけによらないな。いや、もしかしたらまだヤンデレ化する原因がないのかも。今後、成長する過程で何かがあってヤンデレ化した可能性がある。
「レイファ・ミラノ」
定番なら前世の記憶があり、自分のポジションに不満のある私は彼がヤンデレにならないように孤軍奮闘するのだろう。
が、私はそんな無駄なことはしたくない。
ゲームの流れなんて知らないし、記憶があるからって人様の運命に干渉できるなんて傲慢な考えは持ち合わせていない。
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