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第1章
3.理不尽な命令
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「ミキちゃんの髪、金髪で派手だよね」
早く帰りたい。
神様が私にどんなチート能力を与えてくれたか分からないけど、私が願ったら行きたい場所にすぐに連れて行ってくれるテレポートのような能力だったらいいのに。
そうしたら私はすぐに自分の部屋に戻って、引きこもっているだろう。
「でも、ミキちゃんには似合わないよね」
私は今、王女の部屋に居る。
王女が王様と私の父に毎日私に会いたいと言ったそうだ。
アイルは一人娘。王もアイルには弱いようですぐに行動に移した。そして何とか王族に取り入って社交界での地位を上げたい父は二つ返事でOKをした。そこに私の意思は存在しない。
ここは日本で言うところの平安時代のような考え方なのだろう。
子供の意志は存在しない。貴族の子供は家の繁栄の為の道具。貴族の大人は国の繁栄の為の道具。そこに意志は必要ない。
自分よりも身分の高い者がそうせよと命じたのなら下の者はどんなに理不尽だろうと従わなければならない。実に窮屈な場所だ。
なんでマヤはそんな世界に転生することを望んだんだろう。ネットもない。娯楽の少ないこんな世界に。
「私がね、ミキちゃんに似合う色を選んであげたの」
「王女殿下、私はミキではなくレイファという名前です。それと、私は今の髪の色を気に入っているのでできれば変えたくはありません」
アイルが手に持っているのは染粉。しかも色は地味な茶色だ。
茶色なんて平民に多い色ではないか。こんな色に髪を染め直せと言われたら侮辱しているのかと怒ってもおかしくはない。
相手が馬鹿女代表のマヤでも今は王女。公爵家の私がどうこう言える立場にはないけど。
「あら、駄目よ。ミキちゃんには似合わないわ。ミキちゃんって昔からお洒落には疎いわよね。服とかももっと自分にあったものを着ればいいのに。私が何度もプレゼントしてあげたけど、一回も着てくれたことなかったよね」
私の意見は通らない。
いつもそうだ。自分が正しい。周囲は自分の意見に従うべきだ。という考えで何でも思い通りに動かそうとする。彼女のそういうところが大嫌いだ。
「王女殿下、私は髪を染めたくはありません」
「大丈夫よ。あなたにぴったりの色だから。心配しないで」
そういう心配は一切していない。ただ染めたくないと言っているのだ。どうして通じない。
「じゃあ、お願いね」
「ちょっと、止めてよ。放して」
アイルつきの侍女に無理やり抑えつけられ、もう一人が私の髪を茶色に染めていく。
「申し訳ありません。けれど、姫様に従わなければ私どもはクビになっていましますので」
アイルの侍女は頻繁に変わる。
みんなアイルを窘めたり、アイルの我儘を聞かなかった人たちなのだろう。
転生してもそういう我儘は変わらない。
「あら、やっぱり似合うじゃない」
鏡に映ったのは茶髪の女。
綺麗な金色の髪だったのに。気に入っていたのに。涙が出そうになった。だけど何を勘違いしたのかアイルは「泣くほど嬉しいのね。良かった。やった甲斐があったわ」と喜ぶ始末。
頭の中で何百回と彼女の顔面を殴りつける自分を想像して留意を無理やり下げた。
ここは日本とは違う。
対処方法を間違えれば私は下手をすれば不敬罪で殺されるのだ。
「お礼とか良いからね。私はただミキちゃんの為に私がしてあげたかったことをしただけだから」
「‥…」
あんたに感謝する日なんか一生来ねぇよ。
早く帰りたい。
神様が私にどんなチート能力を与えてくれたか分からないけど、私が願ったら行きたい場所にすぐに連れて行ってくれるテレポートのような能力だったらいいのに。
そうしたら私はすぐに自分の部屋に戻って、引きこもっているだろう。
「でも、ミキちゃんには似合わないよね」
私は今、王女の部屋に居る。
王女が王様と私の父に毎日私に会いたいと言ったそうだ。
アイルは一人娘。王もアイルには弱いようですぐに行動に移した。そして何とか王族に取り入って社交界での地位を上げたい父は二つ返事でOKをした。そこに私の意思は存在しない。
ここは日本で言うところの平安時代のような考え方なのだろう。
子供の意志は存在しない。貴族の子供は家の繁栄の為の道具。貴族の大人は国の繁栄の為の道具。そこに意志は必要ない。
自分よりも身分の高い者がそうせよと命じたのなら下の者はどんなに理不尽だろうと従わなければならない。実に窮屈な場所だ。
なんでマヤはそんな世界に転生することを望んだんだろう。ネットもない。娯楽の少ないこんな世界に。
「私がね、ミキちゃんに似合う色を選んであげたの」
「王女殿下、私はミキではなくレイファという名前です。それと、私は今の髪の色を気に入っているのでできれば変えたくはありません」
アイルが手に持っているのは染粉。しかも色は地味な茶色だ。
茶色なんて平民に多い色ではないか。こんな色に髪を染め直せと言われたら侮辱しているのかと怒ってもおかしくはない。
相手が馬鹿女代表のマヤでも今は王女。公爵家の私がどうこう言える立場にはないけど。
「あら、駄目よ。ミキちゃんには似合わないわ。ミキちゃんって昔からお洒落には疎いわよね。服とかももっと自分にあったものを着ればいいのに。私が何度もプレゼントしてあげたけど、一回も着てくれたことなかったよね」
私の意見は通らない。
いつもそうだ。自分が正しい。周囲は自分の意見に従うべきだ。という考えで何でも思い通りに動かそうとする。彼女のそういうところが大嫌いだ。
「王女殿下、私は髪を染めたくはありません」
「大丈夫よ。あなたにぴったりの色だから。心配しないで」
そういう心配は一切していない。ただ染めたくないと言っているのだ。どうして通じない。
「じゃあ、お願いね」
「ちょっと、止めてよ。放して」
アイルつきの侍女に無理やり抑えつけられ、もう一人が私の髪を茶色に染めていく。
「申し訳ありません。けれど、姫様に従わなければ私どもはクビになっていましますので」
アイルの侍女は頻繁に変わる。
みんなアイルを窘めたり、アイルの我儘を聞かなかった人たちなのだろう。
転生してもそういう我儘は変わらない。
「あら、やっぱり似合うじゃない」
鏡に映ったのは茶髪の女。
綺麗な金色の髪だったのに。気に入っていたのに。涙が出そうになった。だけど何を勘違いしたのかアイルは「泣くほど嬉しいのね。良かった。やった甲斐があったわ」と喜ぶ始末。
頭の中で何百回と彼女の顔面を殴りつける自分を想像して留意を無理やり下げた。
ここは日本とは違う。
対処方法を間違えれば私は下手をすれば不敬罪で殺されるのだ。
「お礼とか良いからね。私はただミキちゃんの為に私がしてあげたかったことをしただけだから」
「‥…」
あんたに感謝する日なんか一生来ねぇよ。
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