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第1章
2.転生の原因は馬鹿二人
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「すまない」
腰まである白髪に黄金の目をしたイケメンが私に向かって深々と頭を下げる。
「‥…誰?」
この世界が、マヤがはまっていた乙女ゲームの世界であることと私がヒロインの親友ポジションであること、そしてそのヒロインが生前私が嫌っていたマヤであることが判明した私は王宮から帰った後は疲れてそのまま食事も摂らずにベッドの中に入ったはずだ。
けれど私は今、何もない真っ白な世界に居る。
そこには真っ白な髪をしたイケメンがいる。
これはどういう状況だろう。夢だと安直に考えて良いのだろうか。
「私はルイ。神だ」
‥‥‥神。神か。マヤもそんなことを言っていたな。神様にお願いしたと。
「私の同僚にイシュルという神がいる。彼はマヤに恋をしていた。いつも幸せそうに笑っていて、社交的な彼女に惚れたと言っていた」
「それはまた、随分と趣味の悪い神様ですね」
「イシュルは死んだマヤの魂と対面した。マヤは当時嵌っていたゲームと同じ世界に入ること、そこでヒロインとして生きること、君をヒロインの親友であるレイファ・ミラノに転生させることを望んだ」
「どこまでも身勝手な女ね」
「当然だが、人間の創作で作られた世界と酷似した世界などない。そこでイシュルはマヤの為に世界を作った」
ここはまさにマヤの為だけに作られた世界ということね。
ぞっとするわ。
「そしてマヤの望みを叶えた。マヤはアイル・ルシファーノに。君はレイファ・ミラノに」
「はた迷惑な話ね。神様的にはOKなんですか?」
ルイと名乗った神様は首を左右に振った。
まぁ、そうだろうな。
そんなことをOKされて、ほいほい叶えさせられたら巻き込まれた者はたまったもんじゃない。
「正当な理由なく死した魂と対面することも輪廻転生に干渉することも許されない。罰として彼は謹慎を言い渡された」
「世界の創造は許されることなんですか?」
「割と頻繁に創造している。世界は創造してもすぐに滅ぶからな」
「そうですか」
輪廻転生に干渉って私たちにとっては今世の一生を決められる重要な局面だけど神様にとっては謹慎処分ですませる程度なのか。
過ぎたことをぐちぐち言っても仕方がない。ましてや彼はイシュルとかいう馬鹿神の同僚であって今回の件には関係の神様なんだから。彼を責めるのは筋違いよね。
「それで?わざわざ同僚がやらかしたことに謝罪をする為だけに姿を見せたんですか?それって私的には非生産的で無意味な行動に分類されるので不要な行動ですね。それとも巻き込まれた私を憐れんで何か与えてくださるんですか?せめてもの罪滅ぼし的なことで。それでしたら快く受け取らせていただきます。慰謝料代わりに」
「‥…」
神様に微妙な顔をされている。
「何ですか?」
「君の先ほどの言葉を要約すると謝罪は不要。謝意を示すのなら何か寄こせと?」
「当然では?」
まさか嫌だとは言わないよね。神とはそこまで傲慢で人でなしなのか。まぁ、だからこそ人間なんてものを作れるのだろうけど。
人間(子供)とは神様(親)に似るものだ。
「謝罪されたところであるかどうかも分からないあなたの罪悪感が減るだけです」
「君、見かけによらず辛らつだね」
「あなたが得するだけで私には一文の得にもなりません」
「なるほど。一理あるね。そして、とても合理的な考え方だ。嫌いじゃない。では、私から君に授けよう」
神様はそう言って私の額をちょんっと突っついた。
特に希望とか聞いてくれないのね。勝手に決めて勝手に授けるのか。どうせなら希望を聞いてくれてもよくない。
「君たちの世界で言うところのチートという奴だ。上手く使いなさい」
まぁ、いいか。
役に立ちそうなものみたいだし。
腰まである白髪に黄金の目をしたイケメンが私に向かって深々と頭を下げる。
「‥…誰?」
この世界が、マヤがはまっていた乙女ゲームの世界であることと私がヒロインの親友ポジションであること、そしてそのヒロインが生前私が嫌っていたマヤであることが判明した私は王宮から帰った後は疲れてそのまま食事も摂らずにベッドの中に入ったはずだ。
けれど私は今、何もない真っ白な世界に居る。
そこには真っ白な髪をしたイケメンがいる。
これはどういう状況だろう。夢だと安直に考えて良いのだろうか。
「私はルイ。神だ」
‥‥‥神。神か。マヤもそんなことを言っていたな。神様にお願いしたと。
「私の同僚にイシュルという神がいる。彼はマヤに恋をしていた。いつも幸せそうに笑っていて、社交的な彼女に惚れたと言っていた」
「それはまた、随分と趣味の悪い神様ですね」
「イシュルは死んだマヤの魂と対面した。マヤは当時嵌っていたゲームと同じ世界に入ること、そこでヒロインとして生きること、君をヒロインの親友であるレイファ・ミラノに転生させることを望んだ」
「どこまでも身勝手な女ね」
「当然だが、人間の創作で作られた世界と酷似した世界などない。そこでイシュルはマヤの為に世界を作った」
ここはまさにマヤの為だけに作られた世界ということね。
ぞっとするわ。
「そしてマヤの望みを叶えた。マヤはアイル・ルシファーノに。君はレイファ・ミラノに」
「はた迷惑な話ね。神様的にはOKなんですか?」
ルイと名乗った神様は首を左右に振った。
まぁ、そうだろうな。
そんなことをOKされて、ほいほい叶えさせられたら巻き込まれた者はたまったもんじゃない。
「正当な理由なく死した魂と対面することも輪廻転生に干渉することも許されない。罰として彼は謹慎を言い渡された」
「世界の創造は許されることなんですか?」
「割と頻繁に創造している。世界は創造してもすぐに滅ぶからな」
「そうですか」
輪廻転生に干渉って私たちにとっては今世の一生を決められる重要な局面だけど神様にとっては謹慎処分ですませる程度なのか。
過ぎたことをぐちぐち言っても仕方がない。ましてや彼はイシュルとかいう馬鹿神の同僚であって今回の件には関係の神様なんだから。彼を責めるのは筋違いよね。
「それで?わざわざ同僚がやらかしたことに謝罪をする為だけに姿を見せたんですか?それって私的には非生産的で無意味な行動に分類されるので不要な行動ですね。それとも巻き込まれた私を憐れんで何か与えてくださるんですか?せめてもの罪滅ぼし的なことで。それでしたら快く受け取らせていただきます。慰謝料代わりに」
「‥…」
神様に微妙な顔をされている。
「何ですか?」
「君の先ほどの言葉を要約すると謝罪は不要。謝意を示すのなら何か寄こせと?」
「当然では?」
まさか嫌だとは言わないよね。神とはそこまで傲慢で人でなしなのか。まぁ、だからこそ人間なんてものを作れるのだろうけど。
人間(子供)とは神様(親)に似るものだ。
「謝罪されたところであるかどうかも分からないあなたの罪悪感が減るだけです」
「君、見かけによらず辛らつだね」
「あなたが得するだけで私には一文の得にもなりません」
「なるほど。一理あるね。そして、とても合理的な考え方だ。嫌いじゃない。では、私から君に授けよう」
神様はそう言って私の額をちょんっと突っついた。
特に希望とか聞いてくれないのね。勝手に決めて勝手に授けるのか。どうせなら希望を聞いてくれてもよくない。
「君たちの世界で言うところのチートという奴だ。上手く使いなさい」
まぁ、いいか。
役に立ちそうなものみたいだし。
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