親友面した女の巻き添えで死に、転生先は親友?が希望した乙女ゲーム世界!?転生してまでヒロイン(お前)の親友なんかやってられるかっ!!

音無砂月

文字の大きさ
8 / 63
第1章

7.当然の不満だけど、やり過ぎにはご注意を

私はアイルの荒唐無稽な話を聞き、適当に相槌を打って乙女ゲームについての話を聞き出した。
途中、入室して来たおそらく彼女の専属侍女たちだろう。
アイルが自慢げに話す乙女ゲームの話を無表情で聞き流してきた。
きっと、慣れているのだろう。
マヤのことだ。
自分がアイルになったこと、ここが乙女ゲームの世界で自分がヒロインであることを自慢げに話していたに違いない。
ということは、上手くすればアイル以外からも情報が得られるかもしれない。
早速私は行動に移すことにした。
が、世の中そんなに甘くないことを思い知ることになった。

◇◇◇

「公爵令嬢なのに姫様の専属侍女なの?普通は行儀見習いで一時的に侍女になるだけでしょう」
「姫様の希望らしいよ」
「しかも、本当は昨日から仕事だったのに一日中、姫様と話してたんだって」
「うわっ。それで給金貰えるの!?給料泥棒じゃん。仕事舐めてんじゃないの」
「いいわよね。公爵令嬢ってだけで楽ができて」
「でもさぁ、いくら姫様に言われたからって普通する?公爵令嬢が侍女なんて。権力に尻尾ばっか振って恥ずかしくないのかしら」
「クスッ。プライドがないのね。公爵令嬢なのに、ださっ」
聞こえてるっつぅの!
陰口なら本人のいないところでしなさいよね。
後ろに私がいるって分かってて言ってるんだから性格も根性も悪いわよね。
がたがた文句言っているのは下級貴族の令嬢だ。彼女たちは長姉ではないから家を継げないのだ。
良縁に恵まれたら結婚と同時に侍女の仕事は辞められるが、結婚相手の財政事情によっては結婚後も侍女として働くことがある。
彼女たちが文句を言いたい理由は分かる。
彼女たちの仕事に対する姿勢に問題がないわけではないけど、同じ給金を貰っているのに方や座って馬鹿女のくだらない話を聞いているだけ。方や水仕事や力仕事などキツイ仕事を任されるのだ。
私だって立場が逆だったら気に入らないだろう。
だからって。
「きゃあっ、ごっめんなさぁい」
ばしゃん。
これ見ようがしに上位貴族の娘に水を顔面からかけるようなことはしないけど。
幾ら、原則として職場に身分を持ち込まないものだとしても最低限の礼儀はある。
「クスッ。大丈夫?さっさと着替えた方がいいんじゃないの?」
「そうよ。そんなみっともない姿をしては姫様にも失礼でしょう」
そう言って三人の侍女は私を嘲笑う。
ダークブラウンの髪を一つのまとめてお団子にしている子はマヌエット・ガーナ男爵令嬢
黒い髪を二つにして下で結んでいるのはエーベル・アディソン子爵令嬢
赤毛をハーフアップにしている子はブルネッタ・マルセ男爵令嬢
神様が与えてくれたチート能力の一つは記憶力。一度見たものは決して忘れない。だから私は毎年更新される貴族名鑑を全て記憶している。
見ただけで彼女たちが誰でどこの血を引いているのか全て把握できるのだ。
神様が与えてくれたチート能力。裏を返せばこれで自力で現状を打破しろと何とも無責任な力ではあるがないよりはましだろう。
「人に水をかけておいて謝罪もできない不作法な侍女が王女宮にいるという方が王女殿下に対して失礼に当たるのではないでしょうか」
「はぁっ!?」
「何ですって!」
「わざとじゃないのに怒るなんて、ちょっと心が狭すぎじゃないの。公爵令嬢なら寛大な心で許すもんでしょ。上級貴族の嗜みも持たないから侍女なんかに落とされたんじゃないの。あんた、実は家では厄介者なんじゃないの?」
侍女なんか、ねぇ。
その言葉だけで彼女たちが自分の仕事をどう思っているかまる分かりだ。それに‥…。
「さっきかたら“公爵令嬢”、“公爵令嬢”と私のことを言いますが、分かっているの?あなたたち、その公爵令嬢相手に何をしているのかしら?」
「そ、それは」
急に口ごもる彼女たちを私はくすりと笑った。
すると三人は顔をかっと真っ赤にした。
「ここ、水を零したのはあなたたちなんだから自分たちで片付けておいてね」
ここで追及することもできたけどあまり目立ちたくはないし、この程度で大事にするのも大人げない気がしたのでこれ以上は何もしなかった。
感想 4

あなたにおすすめの小説

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜

白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」  即位したばかりの国王が、宣言した。  真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。  だが、そこには大きな秘密があった。  王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。  この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。  そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。 第一部 貴族学園編  私の名前はレティシア。 政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。  だから、いとこの双子の姉ってことになってる。  この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。  私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。 第二部 魔法学校編  失ってしまったかけがえのない人。  復讐のために精霊王と契約する。  魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。  毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。  修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。 前半は、ほのぼのゆっくり進みます。 後半は、どろどろさくさくです。 小説家になろう様にも投稿してます。

【完結】追放された転生聖女は、無手ですべてを粉砕する

ゆきむらちひろ
ファンタジー
「祈るより、殴る方が早いので」 ひとりの脳筋聖女が、本人にまったくその気がないまま、緻密に練られたシリアスな陰謀を片っ端から台無しにしていく痛快無比なアクションコメディ。 ■あらすじ 聖女セレスティアは、その類稀なる聖なる力(物理)ゆえに王都から追放された。 実は彼女には前世の記憶があって、平和な日本で暮らしていたしがないOLだった。 そして今世にて、神に祈りを捧げる乙女として王国に奉仕する聖女に転生。 だがなぜかその身に宿ったのは治癒の奇跡ではなく、岩をも砕く超人的な筋力だった。 儀式はすっぽかす。祈りの言葉は覚えられない。挙句の果てには、神殿に押し入った魔物を祈祷ではなくラリアットで撃退する始末。 そんな彼女に愛想を尽かした王国は、新たに現れた完璧な治癒能力を持つ聖女リリアナを迎え入れ、セレスティアを「偽りの聖女」として追放する。 「まあ、田舎でスローライフも悪くないか」 追放された本人はいたって能天気。行く先も分からぬまま彼女は新天地を求めて旅に出る。 しかし、彼女の行く手には、王国転覆を狙う宰相が仕組んだシリアスな陰謀の影が渦巻いていた。 「お嬢さん、命が惜しければこの密書を……」 「話が長い! 要点は!? ……もういい、面倒だから全員まとめてかかってこい!」 刺客の脅しも、古代遺跡の難解な謎も、国家を揺るがす秘密の会合も、セレスティアはすべてを「考えるのが面倒くさい」の一言で片付け、その剛腕で粉砕していく。 果たしてセレスティアはスローライフを手にすることができるのか……。 ※「小説家になろう」、「カクヨム」、「アルファポリス」に同内容のものを投稿しています。 ※この作品以外にもいろいろと小説を投稿しています。よろしければそちらもご覧ください。

姉の忘れ形見を育てたいだけなのに、公爵閣下の執着が重いんですが!?~まっすぐ突き進み系令嬢の公爵家再建計画

及川えり
ファンタジー
突然届いた双子の姉からの手紙。 【これをあなたが読んでいるころにはわたしはもう死んでいることでしょう。わたしのことは探さないでね。双子を引き取ってもらえないかしら?】 姉の遺言通り双子を育てようと姉の嫁ぎ先へと突入する。 双子を顧みなかったという元夫のウィルバート公爵に何とか双子を引き取れるよう掛け合うが、話の流れからそのまま公爵家に滞在して双子を育てる羽目に。 だが、この公爵家、何かおかしい? 異常に気付いたハンナは公爵家に巣くう膿をとりのぞくべく、奮闘しはじめる。 一方ハンナを最初は適当にあしらっていたウィルバートだったが、ハンナの魅力に気付き始め……。 2026.4.6 完結しました。 感想たくさんいただきとても嬉しく拝見しています。 ブックマーク登録、いいね❤️、エール📣、感想などたくさんいただきありがとうございます。 とてもとてもとても励みになります。 なろうにも掲載しています。 ※続編書く予定です。

破棄されたのは、婚約だけではありませんでした

しばゎんゎん
ファンタジー
「私、ヴァルディア伯爵家次男、レオン・ヴァルディアはエリシアとの婚約を破棄する」 それは、一方的な婚約破棄だった。 公衆の面前で告げられた言葉と、エリシアに向けられる嘲笑。 だがエリシア・ラングレイは、それを静かに受け入れる。 断罪される側として…。 なぜなら、彼女は知っていたからだ。 この栄華を、誰が支え、誰が築き上げてきたのかを。 愚かな選択は、やがて当然の帰結をもたらす。 時が来たとき、真に断罪される者が明確に示される。 残酷な結果。 支えを外し、高みを目指した結果、真っ逆さまに転落する男、レオン。 利用価値がなくなった男〘レオン〙を容赦なく切り捨てる女、アルシェ侯爵家令嬢のミレイユ。 そう、真の勝者は彼らではない… 真の勝者はすべてを見通し、手中に収めたエリシアだった。 これは、静かにすべてを制する才女と、 自ら破滅を選んだ愚かな者たちの物語。 ※毎日2話ずつ公開予定です(午前/午後 各1話を順次予約投稿予定)。 ※16話で完結しました

虚無の器と呼ばれた私が、神々の力で奪われた運命を取り戻す

タマ マコト
ファンタジー
名門侯爵家の令嬢リュシエンヌは、“魔力ゼロ”と判定されたことで家族にも婚約者である王太子にも見放され、王都の夜会で公開の婚約破棄を突きつけられる。だがそれは単なる個人の冷酷さではなく、神殿と王家が結託し「異質な存在」を排除するために仕組んだ儀式だった。謹慎処分として隔離された旧離宮で、彼女は過去に同じように消された“測定不能者”の記録と、改竄された神託の痕跡に辿り着く。そこで初めて、自分が無能なのではなく“都合が悪い存在”だったと知る。絶望の底で彼女は、七柱の神と対峙し、力と引き換えに大きな代償を伴う契約を提示される。リュシエンヌは逃げることをやめ、「奪われた運命を取り戻す」と自ら選び、物語が動き出す。

わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました

柚木ゆず
ファンタジー
 より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。 「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」 現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。