悪役令嬢の妹は自称病弱なネガティブクソヒロイン

音無砂月

文字の大きさ
25 / 43
第2章 グロリアの再教育に向けて

XXV.賑やかな伯爵家

しおりを挟む
 私のパソコンに25話が表示されないのでもう一度書きます(@ ̄□ ̄@;)!!
 なのでみなさんのパソコンで二重表示になっていたらごめんなさいm(__)m
 もしそうなっている場合は直ぐに削除するので教えてください!!
 (中身が多少変わります。)
********************

 邸の中でカーネル先生の怒号が響き渡る。
 そんな中でセシルはルルに淹れてもらった紅茶を優雅に飲んでいた。
 セシルの傍にはジークも控えていた。

 「賑やかですね。お嬢様」
 「そうね。なかなかいい先生を見つけて来たわね。お父様」

 カーネル先生が来てから逃げるグロリアをカーネル先生が怒号を上げながら追う姿はここラインネット家では当たり前の光景となっていた。
 本来、邸の令嬢を先生が追うなんて光景は眉を顰める行為なのかもしれないが邸の人間は見て見ぬフリをしている。
 これでグロリアの性格が改善されたらとみんなが思っているのだ。

 「ところでお嬢様」
 「何、ジーク」
 「クリス様がグロリア様のお部屋にいるはずなのですが、今はどうしているのでしょう?」
 「部屋の主であるグロリアが出て行ってその後を先生が追いかけていったわね」
 「つまり、グロリア様のお部屋で1人取り残されている状態ですね」
 「そうね。ルル、クリス様を呼んでくださる」
 「畏まりました」

 暫くしてルルに連れられてクリス様が来た。

 カーネル先生の怒号はまだ続いていた。

 「この邸も賑やかになりましたね」
 「そうね。ところでグロリアの教育を見たご感想は?」
 「取り敢えず足が痛い」
 「?」
 「いや、ちょっとダンスの相手をさせられて」
 「それは災難でしたね」

 ルルはクリス様の分の紅茶を淹れてテーブルに置く。

 「ありがとう、ルル」
 「いいえ」

 クリス様は私の対面に座り、紅茶の匂いを堪能してから口を付けた。
 茶葉を扱った仕事をしているだけあって彼は紅茶が大好きなのだ。

 「今日見ただけじゃあ、あまり分からないんですけどグロリア嬢の成果はどうなんですか?」
 「成果?そうねぇ」

 セシルは手にしていたカップを置き、グロリアの様子を思い浮かべる。

 「取り敢えず、時間はかかるけどノックをすれば返事がありますわね。
 ダンスは前は最低でも6回は足を踏んでいたのだけれど今では最低2回かしらね。
 声も前よりかは聞き取りやすくなったわ」

 成程、取り敢えず成長はしているようだ。

 「それは何よりです」
 「あなたに渡す前には人前に出れるぐらいにはしてもらいますわ」
 「そうしてもらえると有難いです、非常に。
 さすがに社交ができないのは致命的なので」
 「ええ、分かっていますわ」
 「よろしくお願いします」
 「はい」

 未婚の女性の部屋に長いこと殿方が留まるのはあまりよろしくはないのでクリス様は紅茶を1杯だけ飲んではラインネット家を後にした。
 その際にもカーネル先生の怒号は聞こえる。

 「本当に賑やかになったものね」

 私はカーネル先生の怒号を聞きながら仕事に戻った。
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

【完結済】悪役令嬢の妹様

ファンタジー
 星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。  そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。  ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。  やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。  ―――アイシアお姉様は私が守る!  最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する! ※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>  既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

慟哭の螺旋(「悪役令嬢の慟哭」加筆修正版)

浜柔
ファンタジー
前世で遊んだ乙女ゲームと瓜二つの世界に転生していたエカテリーナ・ハイデルフトが前世の記憶を取り戻した時にはもう遅かった。 運命のまま彼女は命を落とす。 だが、それが終わりではない。彼女は怨霊と化した。

【完結済】監視される悪役令嬢、自滅するヒロイン

curosu
恋愛
【書きたい場面だけシリーズ】 タイトル通り

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

処理中です...