26 / 43
第2章 グロリアの再教育に向けて
XXVI.カーネル先生とグロリアの攻防
しおりを挟む
「手を!手を動かすざます!」
「無理、もうできない」
「口ではなく手を動かすざます」
「私、気分が悪いわ。くらくらするの」
「ちょっとくらいくらくらしても問題ないざます。
私もくらくらしているざます。
ついでに言うと頭も痛くなってきたざます。
ガタガタ言っていないで手を動かすざます。
これが終わらなければ食事も休憩も睡眠も抜きざます」
「そんなぁ!死んでしまうわ」
「人間死ぬ気になれば何でもできるざます」
「お母様なら私にこんなことさせなかったわ」
「私はあなたのお母様ではないざます。
いつまでおしゃべりを楽しむつもりざますか?
さっさと手を動かすざます。終わらないざます」
「あなたが終わらせないんでしょう。
酷い虐待だわ。こんなの。無理やりさせるなんて。
それに私はあなたとの会話を楽しんではいないわ」
「そうざますか。私にっとは楽しい会話ざますよ。
話していると頭が痛くなって、無意味に叫びたくなるぐらいにはあなたとの会話を楽しんでいるざます。
それと教育とは大概、無理やりさせるものざます。
勿論、子供がその気になってくれて自主的なのが好ましいざますがね。
そんな子は滅多にいないざます。
そんな子供に教育させるのが家庭教師の役目ざます。
多少の厳しさなど世間の荒波に比べたら屁の河童ざます。
それに『虐待だ』と訴えるなら本物の虐待がといういうものか見てから言うざます。
さぁ、手を動かすざます。
でなければ終わるものも終わらないざます。
ああ、それと伯爵様には私が声をかけるまで食事を運ばないように言っているので安心するざます。
さぁ、これで心置きなく宿題ができるざますね」
さんざん逃げた挙句先生に捕まり無理やり部屋に引っ張り込まれた後、逃げられないように部屋に鍵をかけられたグロリアの目の前には2日分の宿題が置かれていた。
逃げられない部屋で先生と二人っきりの空間はグロリアにとって耐えがたいものだった。
どうして私ばかりこんな辛い目に合わなければいけないの?
私は何も悪いことはしていないのに。
それにクリス様との婚約だって勝手に決められて。
私の意志は無視。
誰も私の話なんて聞いてはくれない。
もう嫌、死んでしまいたい。
ミハエル様に会いたい。
グロリアの目から大粒の涙が流れて来た。
「泣いてもダメざます。
あなたが宿題をしてこないからこうなったざます。
何かをサボればそれだけリスクを背負うことになるざます」
「・・・・お願い、少し1人にして」
「ダメざます。これが終われば好きにしていいざます。
何もしないで自分の要求だけは聞いてもらおうなんてそんな都合のいい話はそこら辺に転がっていないざます。
自分にとって都合の良いものがそこら辺に転がっている場合は何かしらの悪意が含まれていると見た方が良いざますね。
リスクもなく得られるものなど何もないざますよ」
「私は伯爵家の令嬢よ」
「よく存じ上げているざます」
「私にこんなことをしていいと思っているの?」
「私は自分がしてはいけないと思ったことはまずしないざます」
「私じゃなくてお姉様だったら絶対にあなたはこんなことはしないでしょうね」
「セシル嬢ならその前に私の授業から逃げ出さないのでこんな状況にはならないざます」
何よ、それ。
それじゃあ、まるで私が逃げているみたいじゃない。
私は好きで逃げているわけじゃないのに。
本当に気分が悪くて、それで少し横になりたいだけなのに。
だれも私のことを分かってはくれない。
みんな私のことが嫌いなんだわ。
だからみんな私だけに辛く当たる。
どうせ私はお姉様みたいに綺麗じゃないもの。
私にお姉様のような美しさがあれば絶対、みんな私を好きになったわ。
「グロリア嬢、いつまで休憩しているざますか」
ああ、私はなんて可哀想なのかしら。
ミハエル様に会いたいわ。
「無理、もうできない」
「口ではなく手を動かすざます」
「私、気分が悪いわ。くらくらするの」
「ちょっとくらいくらくらしても問題ないざます。
私もくらくらしているざます。
ついでに言うと頭も痛くなってきたざます。
ガタガタ言っていないで手を動かすざます。
これが終わらなければ食事も休憩も睡眠も抜きざます」
「そんなぁ!死んでしまうわ」
「人間死ぬ気になれば何でもできるざます」
「お母様なら私にこんなことさせなかったわ」
「私はあなたのお母様ではないざます。
いつまでおしゃべりを楽しむつもりざますか?
さっさと手を動かすざます。終わらないざます」
「あなたが終わらせないんでしょう。
酷い虐待だわ。こんなの。無理やりさせるなんて。
それに私はあなたとの会話を楽しんではいないわ」
「そうざますか。私にっとは楽しい会話ざますよ。
話していると頭が痛くなって、無意味に叫びたくなるぐらいにはあなたとの会話を楽しんでいるざます。
それと教育とは大概、無理やりさせるものざます。
勿論、子供がその気になってくれて自主的なのが好ましいざますがね。
そんな子は滅多にいないざます。
そんな子供に教育させるのが家庭教師の役目ざます。
多少の厳しさなど世間の荒波に比べたら屁の河童ざます。
それに『虐待だ』と訴えるなら本物の虐待がといういうものか見てから言うざます。
さぁ、手を動かすざます。
でなければ終わるものも終わらないざます。
ああ、それと伯爵様には私が声をかけるまで食事を運ばないように言っているので安心するざます。
さぁ、これで心置きなく宿題ができるざますね」
さんざん逃げた挙句先生に捕まり無理やり部屋に引っ張り込まれた後、逃げられないように部屋に鍵をかけられたグロリアの目の前には2日分の宿題が置かれていた。
逃げられない部屋で先生と二人っきりの空間はグロリアにとって耐えがたいものだった。
どうして私ばかりこんな辛い目に合わなければいけないの?
私は何も悪いことはしていないのに。
それにクリス様との婚約だって勝手に決められて。
私の意志は無視。
誰も私の話なんて聞いてはくれない。
もう嫌、死んでしまいたい。
ミハエル様に会いたい。
グロリアの目から大粒の涙が流れて来た。
「泣いてもダメざます。
あなたが宿題をしてこないからこうなったざます。
何かをサボればそれだけリスクを背負うことになるざます」
「・・・・お願い、少し1人にして」
「ダメざます。これが終われば好きにしていいざます。
何もしないで自分の要求だけは聞いてもらおうなんてそんな都合のいい話はそこら辺に転がっていないざます。
自分にとって都合の良いものがそこら辺に転がっている場合は何かしらの悪意が含まれていると見た方が良いざますね。
リスクもなく得られるものなど何もないざますよ」
「私は伯爵家の令嬢よ」
「よく存じ上げているざます」
「私にこんなことをしていいと思っているの?」
「私は自分がしてはいけないと思ったことはまずしないざます」
「私じゃなくてお姉様だったら絶対にあなたはこんなことはしないでしょうね」
「セシル嬢ならその前に私の授業から逃げ出さないのでこんな状況にはならないざます」
何よ、それ。
それじゃあ、まるで私が逃げているみたいじゃない。
私は好きで逃げているわけじゃないのに。
本当に気分が悪くて、それで少し横になりたいだけなのに。
だれも私のことを分かってはくれない。
みんな私のことが嫌いなんだわ。
だからみんな私だけに辛く当たる。
どうせ私はお姉様みたいに綺麗じゃないもの。
私にお姉様のような美しさがあれば絶対、みんな私を好きになったわ。
「グロリア嬢、いつまで休憩しているざますか」
ああ、私はなんて可哀想なのかしら。
ミハエル様に会いたいわ。
45
あなたにおすすめの小説
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
慟哭の螺旋(「悪役令嬢の慟哭」加筆修正版)
浜柔
ファンタジー
前世で遊んだ乙女ゲームと瓜二つの世界に転生していたエカテリーナ・ハイデルフトが前世の記憶を取り戻した時にはもう遅かった。
運命のまま彼女は命を落とす。
だが、それが終わりではない。彼女は怨霊と化した。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる