2 / 4
#01
脅される奴との出会い ■数ヶ月前■
しおりを挟む
「チェキの売り上げが落ちてるんだよね。君らからなんかアイディアある?」
マネージャーから終演後の一言はそれだった。
今日俺は連日の寝不足で少し声が出にくかったけど、そんなところは見てくれない。
そういうのは運営の仕事じゃねえのか?と思いながらも神妙な面持ちで反応することしかできなかった。
他のメンバー2人は、
「毎週来てたもえのんちゃんが今日来てないからじゃないのー?」
「もえのんさん佐藤センパイのTOですもんね。」
とダラダラ帰り支度をしながらつぶやいた。
「いいや、もえのんさんが来た想定でも落ちてるんだ。右肩下がりというところかな。何か原因わかるか。」
原因。それは高すぎるからみんなお金がないだけじゃないのか。
ツーショが撮れるからと一回3000円もするチェキを、そう何枚も撮れるものじゃない。
「もっと見に来てくれるお客さんが増えると嬉しいんだけどね~」
「でも今日、男の人きてたよね~!初じゃない?珍しいよね」
「え、俺だれかの彼氏かなんかかと思ってた」
キャッキャしてるガキ2人にまたこうなるのかとつまらなさそうにするマネージャー。
それに毎回、耐えかねて、自分を犠牲にする自分も嫌いだ。
「そうですね・・・じゃあ、僕がチェキ強化月間ということでインライでなんかしますね!お疲れ様でした。」
そう言って俺は、小さなライブ会場を後にした。
元々ダンスや歌が好きで、劇団のオーディションを受けるか悩んでいたところ、
「自分でダンスも歌も自由にプロデュースできる」と大手事務所に声をかけられた。
しかし、実際は小さな箱で毎週ライブをしてチェキや握手会ばかりをする男性地下アイドルというやつだった。
プロデュースというか、常駐で制作をしてくれるスタッフがいないから、カバー曲を歌って自分たちで振り付けしているだけだ。
チケット代とドリンク代以外、ほぼ顔馴染みの人たちと1回3000円のチェキを取ることが主な収益。
そんなことばっかりしてるから、先週も変なファンにつけられてしまい、トラブルになってしまった。
そのことが原因で頭を悩ませてずっと寝不足だ。
「もえのん」というやつだ。
今日は来ていないしSNSの更新もしていないようだ。
やはりかなり揉めてしまったのでもう降りてしまったかもしれない。
チェキの売上がとかなんだか言っているが、正直、いなくなってほしい。
実はこれは事務所には言っていないのだが、その女に暴力を振るってしまった。
付きまとわれたといはいえ、その女に暴力を振ってしまった。正直、正当防衛だと思う。
ただその後俺は怖くなって逃げてしまったため、どれくらいの怪我だったかわからない。
正直怖い。
でも、事務所には信用がおけなくて、相談できていない。
そもそも「もえのん」がこれを機に消えてくれればいいと思う。
ただ、「佐藤に暴力を振られた」なんて訴訟のようなものが来たら恐ろしい。
俺はアーティストとして活動したかったのに、色恋営業みたいなことをするからこんなことになるんだ。
これは本当になんなんだ。
駅までの道のりはついついそうやって考え事をしてしまうから嫌だ。
冷たい夜風も、地下に降りていくとだんだん淀んいってさらに気持ちを落ち込ませる。
どうせなら表現のことで悩みたかった。
踊って歌っている時だけが最高だ。
俺はホストじゃない。
老若男女関係なく、俺の表現でみんなが感動したり元気をもらったり癒されてほしい。
そういう意味では今日、男性が来てくれたのは嬉しかった。
もっと客層が広がればいいのに。
改札に入ろうとスマホを取り出した時、
ライブ終演からだいぶ時間が経っているのに、俺たちのライブ会場の案内のポスターのところに、
俺のブロマイドらしきものと記念撮影している奴を見つけた。
一応事務所が大手なだけあって、こういう広告だけは一丁前にある。
今日の男の観客だ。
ガキ2人のうち1人は「誰かの彼氏」なんて言ってた彼だ。
メガネをかけていて暗い髪で、幼い学生のようにも思えたが、同じ目線にいると意外と俺より少し背が高かった。
あのポスターを記念写真として撮影するのはファンじゃないとしない行為だ。
俺は、男のファンもいるんだと少し嬉しくなった。
細身でスタイルも悪くないから、もしかしてダンスをしていて俺の踊りを気に入ったとか?
でも少し猫背気味だから歌か芝居をやっているんだろうか?
それとも何かのクリエイターで俺が目に止まったんだろうか
どうして俺に興味を持ってくれたのか聞きたくて仕方なかった。
「あの、もしかして佐藤君ですか?」
はっとしたが、そうやって考え込んで立ち止まっていてはそう声をかけられるだろう。
「はい・・・そうです。」
「あ、さっきライブ見ました。あ、待ち伏せしてたわけじゃなくてライブの余韻すごくて醒ますために
この辺本屋とかドラックストアとかLOFTとかブラブラしちゃってたらこんな時間になっただけでえっとめちゃくちゃかっこよかったです。最高でした。」
「あ、ありがとう・・・。」
「ごめんなさい、男のファンなんて気持ち悪いですよね。僕佐藤君が歌っている時や踊っている時の輝いている姿が好きで・・・
もっとステージでパフォーマンスしている姿が見たいんです。
チェキとかもいいけど、もっとアーティストとして輝いている姿が見たいな、なんて・・・
あ、ごめんなさい出過ぎた真似を。でもただ上手いだけじゃなくて、本当に歌って踊ることが好きなんだなって伝わってくるから
見ていて楽しいし勇気もらえるんです。」
びっくりした。先週変なファンに会ってからとても悩んでいたから。まるで救世主のようにさえ思えた。
応援してくれるのはありがたいけど、みんな自分を恋人候補のように扱う
アーティストとして扱ってくれない。かっこいいと可愛いと言ってもらえるのはありがたいけど異性としてで
表現に対してのことではなかったから。
この人にはちゃんと俺が努力して表に出したこと届けたかったことが届いているんだととても嬉しかった。
同性に誉められるというのは純粋にこういう嬉しさがある。
そして決して変なヤバい人に付き纏われるだけではなかったんだという安心感。
いつの間にか、俺は泣いてしまった。
「え、え!?どうしたんですか?」
「ごめん・・・ちょっと疲れてて・・・」
改札に向かう人がチラチラ見てくるのはわかったが抑えられなかった。
無理に抑えようとすると嗚咽も出てきた。
「あ、あの、ここじゃあなんですから、ちょっとどこか座りましょうか?」
それから俺達はカフェに入ってしまった。
ファンの人とお茶をするなんて不公平であってはならない・・・が、彼は男だし、幸いファングッズをつけている様子はないし
万が一見つかってもただの男友達といるようにしか見えない。
彼自身も、俺に声をかけていた時はドギマギしていたが、俺が急に泣き出してしまってからは毅然としていた。
適当に注文してくるから先に席に座っててと言ったほどだ。
しかし適当と言いながら、注文して持ってきたのは俺が最近よくインスタライブで美味しいから飲めと言っているはちみつカプチーノだった。
「急に誘ってしまってごめんなさい。
こんなお茶なんかしたらダメですよね。」
「いや、俺の方こそ、急にあんなところで泣いてしまってごめんなさい。」
好きと言ってくれるファンの前で紙ナプキンで鼻水を拭いてしまう。
「ライブ終わりだし、お疲れだと涙腺おかしいことになりますよ。あ、これ飲んだら僕は帰りますから。」
にっこりしながら熱いはずの紅茶をぐびぐび飲む彼にさらに安心した。
だからか、ついぽろりと言ってしまった。
「いや、この前ちょっと変なファンに付きまとわれてしまって、ちょっと最近ピリピリしてたからかな」
「え!?そんなことが!?だったら余計俺話しかけたの迷惑でしたよね!本当にすみません!もう帰りますから!」
「あ、いやいいんです。えっと、名前は・・・」
「■■です」
初めて聞く名前だ。本名を教えてくれたのだろうか?SNSでは違う名前で活動してるのか。
「■■くんは男だし、大人しそうだから、そんなに警戒してないっていうか・・・女性でちょっと過激な子は困っててさ」
「そんな・・・何かあったんですか?」
メガネをかけていたから分からなかったのか、俺にはよしきの目が純粋で優しい目に見えたんだ。
だから俺はそのまま先週何があったかを話してしまった。
俺のことを好きだと言ってくれた初めての同性のファンで嬉しかったし、きっと悩んでいたから、正常な判断ができなかったんだ。
何がおとなしそうだから大丈夫だ。
あの時からこの男は俺に正体を隠して近づいていたのに。
全くもって見る目がなかった。
男性だから変なことをしてこないという思い込みがなんであったんだ。
とんでもない奴だったのに。
マネージャーから終演後の一言はそれだった。
今日俺は連日の寝不足で少し声が出にくかったけど、そんなところは見てくれない。
そういうのは運営の仕事じゃねえのか?と思いながらも神妙な面持ちで反応することしかできなかった。
他のメンバー2人は、
「毎週来てたもえのんちゃんが今日来てないからじゃないのー?」
「もえのんさん佐藤センパイのTOですもんね。」
とダラダラ帰り支度をしながらつぶやいた。
「いいや、もえのんさんが来た想定でも落ちてるんだ。右肩下がりというところかな。何か原因わかるか。」
原因。それは高すぎるからみんなお金がないだけじゃないのか。
ツーショが撮れるからと一回3000円もするチェキを、そう何枚も撮れるものじゃない。
「もっと見に来てくれるお客さんが増えると嬉しいんだけどね~」
「でも今日、男の人きてたよね~!初じゃない?珍しいよね」
「え、俺だれかの彼氏かなんかかと思ってた」
キャッキャしてるガキ2人にまたこうなるのかとつまらなさそうにするマネージャー。
それに毎回、耐えかねて、自分を犠牲にする自分も嫌いだ。
「そうですね・・・じゃあ、僕がチェキ強化月間ということでインライでなんかしますね!お疲れ様でした。」
そう言って俺は、小さなライブ会場を後にした。
元々ダンスや歌が好きで、劇団のオーディションを受けるか悩んでいたところ、
「自分でダンスも歌も自由にプロデュースできる」と大手事務所に声をかけられた。
しかし、実際は小さな箱で毎週ライブをしてチェキや握手会ばかりをする男性地下アイドルというやつだった。
プロデュースというか、常駐で制作をしてくれるスタッフがいないから、カバー曲を歌って自分たちで振り付けしているだけだ。
チケット代とドリンク代以外、ほぼ顔馴染みの人たちと1回3000円のチェキを取ることが主な収益。
そんなことばっかりしてるから、先週も変なファンにつけられてしまい、トラブルになってしまった。
そのことが原因で頭を悩ませてずっと寝不足だ。
「もえのん」というやつだ。
今日は来ていないしSNSの更新もしていないようだ。
やはりかなり揉めてしまったのでもう降りてしまったかもしれない。
チェキの売上がとかなんだか言っているが、正直、いなくなってほしい。
実はこれは事務所には言っていないのだが、その女に暴力を振るってしまった。
付きまとわれたといはいえ、その女に暴力を振ってしまった。正直、正当防衛だと思う。
ただその後俺は怖くなって逃げてしまったため、どれくらいの怪我だったかわからない。
正直怖い。
でも、事務所には信用がおけなくて、相談できていない。
そもそも「もえのん」がこれを機に消えてくれればいいと思う。
ただ、「佐藤に暴力を振られた」なんて訴訟のようなものが来たら恐ろしい。
俺はアーティストとして活動したかったのに、色恋営業みたいなことをするからこんなことになるんだ。
これは本当になんなんだ。
駅までの道のりはついついそうやって考え事をしてしまうから嫌だ。
冷たい夜風も、地下に降りていくとだんだん淀んいってさらに気持ちを落ち込ませる。
どうせなら表現のことで悩みたかった。
踊って歌っている時だけが最高だ。
俺はホストじゃない。
老若男女関係なく、俺の表現でみんなが感動したり元気をもらったり癒されてほしい。
そういう意味では今日、男性が来てくれたのは嬉しかった。
もっと客層が広がればいいのに。
改札に入ろうとスマホを取り出した時、
ライブ終演からだいぶ時間が経っているのに、俺たちのライブ会場の案内のポスターのところに、
俺のブロマイドらしきものと記念撮影している奴を見つけた。
一応事務所が大手なだけあって、こういう広告だけは一丁前にある。
今日の男の観客だ。
ガキ2人のうち1人は「誰かの彼氏」なんて言ってた彼だ。
メガネをかけていて暗い髪で、幼い学生のようにも思えたが、同じ目線にいると意外と俺より少し背が高かった。
あのポスターを記念写真として撮影するのはファンじゃないとしない行為だ。
俺は、男のファンもいるんだと少し嬉しくなった。
細身でスタイルも悪くないから、もしかしてダンスをしていて俺の踊りを気に入ったとか?
でも少し猫背気味だから歌か芝居をやっているんだろうか?
それとも何かのクリエイターで俺が目に止まったんだろうか
どうして俺に興味を持ってくれたのか聞きたくて仕方なかった。
「あの、もしかして佐藤君ですか?」
はっとしたが、そうやって考え込んで立ち止まっていてはそう声をかけられるだろう。
「はい・・・そうです。」
「あ、さっきライブ見ました。あ、待ち伏せしてたわけじゃなくてライブの余韻すごくて醒ますために
この辺本屋とかドラックストアとかLOFTとかブラブラしちゃってたらこんな時間になっただけでえっとめちゃくちゃかっこよかったです。最高でした。」
「あ、ありがとう・・・。」
「ごめんなさい、男のファンなんて気持ち悪いですよね。僕佐藤君が歌っている時や踊っている時の輝いている姿が好きで・・・
もっとステージでパフォーマンスしている姿が見たいんです。
チェキとかもいいけど、もっとアーティストとして輝いている姿が見たいな、なんて・・・
あ、ごめんなさい出過ぎた真似を。でもただ上手いだけじゃなくて、本当に歌って踊ることが好きなんだなって伝わってくるから
見ていて楽しいし勇気もらえるんです。」
びっくりした。先週変なファンに会ってからとても悩んでいたから。まるで救世主のようにさえ思えた。
応援してくれるのはありがたいけど、みんな自分を恋人候補のように扱う
アーティストとして扱ってくれない。かっこいいと可愛いと言ってもらえるのはありがたいけど異性としてで
表現に対してのことではなかったから。
この人にはちゃんと俺が努力して表に出したこと届けたかったことが届いているんだととても嬉しかった。
同性に誉められるというのは純粋にこういう嬉しさがある。
そして決して変なヤバい人に付き纏われるだけではなかったんだという安心感。
いつの間にか、俺は泣いてしまった。
「え、え!?どうしたんですか?」
「ごめん・・・ちょっと疲れてて・・・」
改札に向かう人がチラチラ見てくるのはわかったが抑えられなかった。
無理に抑えようとすると嗚咽も出てきた。
「あ、あの、ここじゃあなんですから、ちょっとどこか座りましょうか?」
それから俺達はカフェに入ってしまった。
ファンの人とお茶をするなんて不公平であってはならない・・・が、彼は男だし、幸いファングッズをつけている様子はないし
万が一見つかってもただの男友達といるようにしか見えない。
彼自身も、俺に声をかけていた時はドギマギしていたが、俺が急に泣き出してしまってからは毅然としていた。
適当に注文してくるから先に席に座っててと言ったほどだ。
しかし適当と言いながら、注文して持ってきたのは俺が最近よくインスタライブで美味しいから飲めと言っているはちみつカプチーノだった。
「急に誘ってしまってごめんなさい。
こんなお茶なんかしたらダメですよね。」
「いや、俺の方こそ、急にあんなところで泣いてしまってごめんなさい。」
好きと言ってくれるファンの前で紙ナプキンで鼻水を拭いてしまう。
「ライブ終わりだし、お疲れだと涙腺おかしいことになりますよ。あ、これ飲んだら僕は帰りますから。」
にっこりしながら熱いはずの紅茶をぐびぐび飲む彼にさらに安心した。
だからか、ついぽろりと言ってしまった。
「いや、この前ちょっと変なファンに付きまとわれてしまって、ちょっと最近ピリピリしてたからかな」
「え!?そんなことが!?だったら余計俺話しかけたの迷惑でしたよね!本当にすみません!もう帰りますから!」
「あ、いやいいんです。えっと、名前は・・・」
「■■です」
初めて聞く名前だ。本名を教えてくれたのだろうか?SNSでは違う名前で活動してるのか。
「■■くんは男だし、大人しそうだから、そんなに警戒してないっていうか・・・女性でちょっと過激な子は困っててさ」
「そんな・・・何かあったんですか?」
メガネをかけていたから分からなかったのか、俺にはよしきの目が純粋で優しい目に見えたんだ。
だから俺はそのまま先週何があったかを話してしまった。
俺のことを好きだと言ってくれた初めての同性のファンで嬉しかったし、きっと悩んでいたから、正常な判断ができなかったんだ。
何がおとなしそうだから大丈夫だ。
あの時からこの男は俺に正体を隠して近づいていたのに。
全くもって見る目がなかった。
男性だから変なことをしてこないという思い込みがなんであったんだ。
とんでもない奴だったのに。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる