ホール~初めてのHは冒険の始まりでした~

暗黒のみたらし団子

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伝説の3匹のリュウ

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「ふぅ」
「良い湯だったなー」
「そうですねー」
女湯からミランと3匹が出てきた。
「あ、3人とも!気持ちよかったでしょ!」
「そうだなー」

…「おーい。お主ら、朝御飯じゃぞー」
「はーい!」
「あ、じゃあ、私ミラン姉ちゃん呼んでくるね。」
「それは俺がいくよ。ミランは先にいってろ。」
「わかった!」
廊下をくねくねと曲がって部屋にいく。
コンコンコン
「開けるぞー」
返事がない。
ガラガラ
そこには桜が寝ていた。
「おーい。桜!ご飯だってよー。」
「……」
寝顔が可愛かった。
しかし、額にビショリと汗をかいている。
「おい、大丈夫か?」
「う、うん。おはよ。」
「おま、熱あんじゃないのか?」
「うーん?そうなのかな?
頭がボーッとして…」
桜のおでこに手をあてる。
すごい熱だ。
「ちょっと待ってて!冷やすもの持ってくる!」

タタタタタ…
「はあはあ、厨房からおしぼりと氷水とお粥持ってきた。」
「ありがとう。あとは自分でするから…」
「ダメだ!さっきもぶっ倒れてただろ!
俺が看病してやるから。じっとしてろ。」
「ごめんね。」
「待っててくれただろ?俺の事。
今度は俺の番だ。」
氷水に浸したおしぼりを絞って額にのせた。
「つめたっ!」
「冷たすぎたか?」
「少し」
「お粥食べる?ダッシュで作ってきたんだけど?」
「うん。」
体を起こす桜。
おでこのおしぼりが落ちる。
「口を開けて。」
大人しく目をつぶって口を開ける桜。
頬が赤い。きっと熱のせいだろう。
フーフー
吐息で冷ましてから口の中へ運ぶ。
「熱いから気を付けろよ。あーん。」
パクっ
笑顔になる。
「美味しい…」
無理に笑ってるんだろう。
キツイはずなのに。
ギュッと抱き締めた。
「無理すんな。今日は休んで。ずっとそばにいるから。」
「はい…」
そして、ハグしたあと、彼方の胸を離れ、倒れこむ。
落ちたおしぼりを冷たくしてまたおでこの上にのせる。

5分後……
ペチャペチャペチャ
可愛らしい足音が幾重にも重なる。
「彼方よ。スレンダー美人は大丈夫なのか。」
「ライトニング。すごい熱だけど、何とか食欲はあるみたい。」
「ニーズヘッグ。慈愛の息吹でなんとかならんのか。」
「我の技は怪我は治せるが、病気は。」
「お、俺の…せい……かな?」
「彼方…お主のせいじゃない…」
「だって!だって寒いなか沢山待たせたんだぞ!
それで熱が…」
彼方の涙が桜の顔に落ちる。

「か…なたの…せいじゃ…ないよ…」
聞こえるか聞こえないかギリギリの声で慰めてくれた。
「ごめん。ごめんごめんごめんごめん…………………
ごめんな。」
「ふふっ」
心から微笑むと涙を拭ってくれた。
「ありがとう。」
「泣くのは彼方らしくないよ。」
「うん…そだな…」
目頭が熱くなって、さらに涙が溢れる。
恥ずかしくて桜の体の上に突っ伏した。
桜が頭を撫でてくれた。優しく…優しく。

ペチャペチャペチャ
「おーいー。ぼくのつくったお薬飲みなー。」
部屋へとゴルデが入ってくる。
「薬?」
「そう薬ー。あれ?泣いてるのー?」
「な、泣いてねぇよ!」
「そうなんだー。それよりはい。」
小さなクッキーをくれた。
「それはねー。解熱花のクッキーだよー。
ただ飲ませるのは苦くて、病人には刺激が強いから、彼方が口移しで飲ませるんだよー。」
「く、口移しで!?」
「大丈夫。そんなに苦くないし、風邪も移ったりしないからねー。」
「兎に角、ワシらは状況を他の仲間たちに報告してくるかのー。」
「そうするか…ククク」
3匹は食堂に帰っていった。

静かになる部屋。
再び二人きりになる。
さっき貰った薬を口の中へ入れてみた。
「にがっ!」
全然苦かった。
クッキーを口の中でコロコロ転がして、桜の方を見る。
「桜。口開けて。」
「ん。」
口づけをする。
とてもとても熱かった。
「んっ、んっ。」
ゴクリ。
薬を飲み込んだ。
口の中の薬がなくなるまでキスをした。
「苦いね。」
「まあな。良薬口に苦しって言うだろ?」
「うん。」
「気づかなくてごめん。」
「私もいつも足手まといになっちゃってごめん。」
「いいんだ。そのくらいが可愛い。」
「ありがとう。」
モゾモゾ。
彼方が布団の中へ入る。
「なっ!」
桜はビックリしたようだ。
「あったけー。風呂より暖かい。
そして、一番近くに桜がいる。幸せだな~。」
「出てってよ。移っちゃよ?」
「いいの。半分個出来るじゃん。
俺にも分けろよ。桜の風邪。」
「ダメ。キツイのは私だけでいいの。」
横を見た。目をつぶってる桜がいる。
そっと髪を撫でた。
声は出さなかったが笑顔になった。
嬉しかったからコチョコチョとくすぐった。
「ちょっとーくすぐったい。熱上がっちゃうよー」
「熱上がったら沢山一緒にいれるじゃん。」
「私だけキツくなるんですけど?」
「あ、そうだった。やっぱ今のなしで!」
「フフフッ」
「ハハハ。」
そのままおでこをくっつけるようにして寝た。
寝たふりをした。
おしぼりが冷たかった。
スースーと桜の可愛い寝息が聞こえる。
桜が完全に寝たところでそっと起こさないように布団から出ておしぼりを替えた。
頬を赤くして眠っている桜。
その桜の手を握った。
どれだけ強くても、最強の魔法使いでも、手は小さくて可愛い。
「早く元気になれよ。」
呟いた。
それが桜に届いたのかはわからない。
だが、
「彼方ぁ、だいしゅき…」
寝言をいった。頬をムニュってしてやろうかと思ったけど、それは起きてからでいいか。
「俺も好きだよ。桜」

そしていつの間にか僕も寝てた。
そりゃそうだ。昨日寝てないからな。
桜に覆い被さるように寝た。
桜の体と僕の体で挟まれた布団から暖かくて柔らかい桜の体の感触がとても心地よかった。




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