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再会
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Pi
入場ゲートに学生証をかざし、図書館に入る。さて今日は一体何を読もうか。俺が通う大学の図書館は近隣の大学の中では一番大きいらしく、蔵書数もかなりのものだ。そのため本好きの俺は1年のころからかなり足繫く通っている。そういえば時代小説の新刊が出ていたはずだと思い、新刊コーナーに向かう。新刊コーナーでお目当ての本をゲットし、さっそく借りる手続きをする。図書館で読むのもいいが今日は天気もいいし大学構内の喫茶店のテラス席で読むことにした。
図書館から出て喫茶店に行く。
「キャラメルラテ一つ」
キャラメルラテを買ってテラス席に向かう。大学構内には喫茶店が2つあり、もう一つの大手チェーンは連日大盛況で学生でごった返しているようだが、こっちの個人経営の方は敷地の端にあるせいか閑古鳥が鳴いている。時代小説を開き、没頭する。こうしてゆっくり本を読む時間が人生を豊かにすると思う。小説の第一章を読み終わり、キャラメルラテを半分飲み終えたころ
「あ、今朝の…」
と話しかけられた。本から顔を上げるとそこにはナンパされていた美人がいた。
「あ、今朝の人」
「今朝はありがとう。助けてくれたのに警戒してごめんなさい」
「いや、警戒するのも無理はないし気にしてないよ」
そう伝えると美人はほっとしたように微笑んだ。さすがの美しさに思わず目を見開いていると
「そういえば自己紹介がまだだったね。私はレオノーラ。ベルギーからの留学生で先週に日本に来たばかりなの」
「これはご丁寧にどうも。俺は北村秀輝。日本語上手だな」
「ふふっ、ありがとう。両親が親日家で昔から日本語を習わされていたの」
そういえば明美が言っていた留学生ってレオノーラのことなのかもなと思ったが、別にどうでもいいことかと思い直した。
「ねえ秀輝、私とお友達になってくれないかしら」
「え?」
「私日本に来たばかりで友達もいないし、友達が欲しいと思ってもナンパばっかりで友達にしたいような人が中々見つからなくて困っていたの」
「…なんで俺?」
「ナンパから助けてくれたいい人だし、それにあなた私に興味ないもの」
「まあ別に友達になる分には問題ないけど、別に面白くないぞ?」
「もう十分に面白いわよ」
美人の考えることはよくわからない。
「で、レオノーラはどうしてここに?こんな大学の端、なにか用でもないと中々来ることないだろ」
「敷地を散策していたのよ。それに人がいっぱいのところあんまり得意じゃないの。もう一つの喫茶店は人が多くてね。あとノーラでいいわよ」
「愛称ってやつか?いいのか?」
「いいわよ。私たち友達じゃない」
そういってノーラはスマホを取り出し、QRコードを見せてきた。
「はい。連絡先」
断る理由もないので提示されたQRコードを読み込む。明美と紗栄子以外の女性の連絡先を手に入れることになるとは思わなかった。しかもこんな美人の。
入場ゲートに学生証をかざし、図書館に入る。さて今日は一体何を読もうか。俺が通う大学の図書館は近隣の大学の中では一番大きいらしく、蔵書数もかなりのものだ。そのため本好きの俺は1年のころからかなり足繫く通っている。そういえば時代小説の新刊が出ていたはずだと思い、新刊コーナーに向かう。新刊コーナーでお目当ての本をゲットし、さっそく借りる手続きをする。図書館で読むのもいいが今日は天気もいいし大学構内の喫茶店のテラス席で読むことにした。
図書館から出て喫茶店に行く。
「キャラメルラテ一つ」
キャラメルラテを買ってテラス席に向かう。大学構内には喫茶店が2つあり、もう一つの大手チェーンは連日大盛況で学生でごった返しているようだが、こっちの個人経営の方は敷地の端にあるせいか閑古鳥が鳴いている。時代小説を開き、没頭する。こうしてゆっくり本を読む時間が人生を豊かにすると思う。小説の第一章を読み終わり、キャラメルラテを半分飲み終えたころ
「あ、今朝の…」
と話しかけられた。本から顔を上げるとそこにはナンパされていた美人がいた。
「あ、今朝の人」
「今朝はありがとう。助けてくれたのに警戒してごめんなさい」
「いや、警戒するのも無理はないし気にしてないよ」
そう伝えると美人はほっとしたように微笑んだ。さすがの美しさに思わず目を見開いていると
「そういえば自己紹介がまだだったね。私はレオノーラ。ベルギーからの留学生で先週に日本に来たばかりなの」
「これはご丁寧にどうも。俺は北村秀輝。日本語上手だな」
「ふふっ、ありがとう。両親が親日家で昔から日本語を習わされていたの」
そういえば明美が言っていた留学生ってレオノーラのことなのかもなと思ったが、別にどうでもいいことかと思い直した。
「ねえ秀輝、私とお友達になってくれないかしら」
「え?」
「私日本に来たばかりで友達もいないし、友達が欲しいと思ってもナンパばっかりで友達にしたいような人が中々見つからなくて困っていたの」
「…なんで俺?」
「ナンパから助けてくれたいい人だし、それにあなた私に興味ないもの」
「まあ別に友達になる分には問題ないけど、別に面白くないぞ?」
「もう十分に面白いわよ」
美人の考えることはよくわからない。
「で、レオノーラはどうしてここに?こんな大学の端、なにか用でもないと中々来ることないだろ」
「敷地を散策していたのよ。それに人がいっぱいのところあんまり得意じゃないの。もう一つの喫茶店は人が多くてね。あとノーラでいいわよ」
「愛称ってやつか?いいのか?」
「いいわよ。私たち友達じゃない」
そういってノーラはスマホを取り出し、QRコードを見せてきた。
「はい。連絡先」
断る理由もないので提示されたQRコードを読み込む。明美と紗栄子以外の女性の連絡先を手に入れることになるとは思わなかった。しかもこんな美人の。
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