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番外編
夫婦から家族へ 2
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◇
手袋をして繋いだ手は、亮一のコートのポケットの中に入れられた。ポケットの中、大きな手に包まれた手は窮屈だ。だが、擦り合わせても温まらなかった指先は、あっという間に血が通った。可南子が一人笑むと、亮一は白い息を吐いて「たまにはこういうのも良いな」と星の無い空を見上げた。
穏やかな時間のひとつひとつが、可南子のなかに大切に積もっていく。誰にも踏み荒らしてほしくはないが、他人からすると些末な事なのかもしれない。だったらせめて、自分だけも大切にしたいと思うのは弱さなのだろうか。可南子は温まらないもう片方の手で、握り拳を作った。
少し歩いた所にあるチェーン店のうどん屋はセルフサービスだ。その安さから学生からサラリーマンまで客層が幅広く、平日の夜とはいえ人は多かった。亮一は本当にお腹が空いていたらしく、うどんの他におでんや天ぷらを一皿ずつたっぷり取った。ちょうど空いた四人掛けの席に二人は向かい合って座る。
「もう二十三時過ぎなのに、すごい食欲」
「香水のにおいで食事が喉に通らなかったんだ。俺も繊細になった」
「繊細の使い方が、違う気がする」
可南子が呆れ気味にいうと、亮一は笑う。
亮一は味の染みた茶色の大根を箸で一口大にすると、可南子の口元に運んだ。
「ほら、口を開けろ」
「……外」
「考え過ぎてる『何か』を俺に喋るか、大根を食べるか、二択だな」
可南子は髪を耳に掛けて口を開けると、亮一の箸から大根を食べた。適度に冷めた大根は口の中を火傷させることなく、濃い出汁の味を口いっぱいに広げた。途端に空腹が頭を出した。美味しい、と思いながら可南子は咀嚼して飲みこむ。
ややあって周りの目を思い出し、はっとして俯く。
亮一は肩をすくめて、今度は厚揚げを一口大に切りだした。
「頑固だな。抱えすぎるなよ。二人でいるんだ」
亮一が伝えてくれる言葉は一貫していて嘘は無い。可南子は信頼しきった笑顔を浮かべると頷いた。
「うん。ちゃんと相談する」
「そうか」
亮一は安堵の表情を浮かべて、厚揚げを可南子の口元に運んだ。それも素直に食べると、亮一は肩をすくめる。
「考え過ぎて勝手に結論付けて俺から離れる。それはやめてくれよ」
亮一はぼそりと呟いて、眉間に皺を寄せたまま、うどんを食べ始めた。可南子もつられるように、うどんをすすった。冷えていた身体が内臓から温まるのを感じる。
「……自分が離れたいから、そういうことを言ってる?」
髪を耳に掛けなおしながら冗談めかして言うと、亮一から表情がすとん、と落ちた。
「……俺が可南子から離れる時は、死ぬ時だ」
抑揚のない声だった。亮一の瞳の奥に篝火のような火が灯る。ひりひりするような視線を受けて、可南子は息苦しくなる。
可南子は他の男と肌を合わせることを想像できない。考えただけでも寒気がする。だが、亮一は他の女の人を抱いてきた。……抱けるのだ。
子供をいつ作るかは話し合ってきた。だが、子供が出来なかったら、どうするかとは話し合ってはいない。
「亮一さんが、私に愛想をつかさなければ良いなって、いつも思ってる」
「俺が可南子に愛想をつかす、か」
亮一はあっという間に食べ終えたうどんのどんぶりを端にやって、テーブルに肘をついた。
「それ、広信と結衣に言ってみたらいい。第三者の意見ってやつが聞ける」
「二人に?」
「あと、早めに俺に相談しろよ」
「……亮一さんは、誰とでもどこででもやっていけるね」
亮一が不満げに顔を歪めたのを、可南子は微笑んで受け止める。
食事を取った身体はポカポカしていた。
身体に血が通うと、脈絡のない、まとまらなかった考えが急に形を露にする。
そして、あの手紙にとても傷ついた自分に気づく。
可南子はふわり、と笑んだ。
三年子なきは去れ。
出世も見込めない仕事。
わがまま。
亮一が他に女性を作っても文句を言えない状況。
不妊治療専門の病院。
今すぐ通うように。
自分なりに頑張って生きているつもりだっただけに響いた。
ましてや、そんな事を母親から言われたなどと、とても言えない。
「……かな」
目から零れだした涙が頬を伝った。
昔なら辛抱強く聞けた母親の話は、今ではとても頷けない。違う、と叫びたい。だが、視点を変えればなにも違わないと思ってしまう。
夢ならいいのに、と思う。もしかしたら何も読んでいないかもしれない。全てが自分の想像で、バッグには手紙なんて入ってはいない。それならどんなにいいだろう。誰にも何も言われないのを良いことに、今を楽しいんでいたのも事実だ。仕事も可南子の頑張り程度なら、母親が認めるような出世は望めない事はわかっている。
震える唇を手で塞いだ。弱い自分が嫌だ。無理やりにでも笑おうとしても無理だった。瞬きをせずに俯いて、涙がこれ以上、頬にこぼれないように膝を見つめる。濃紺のスキニーパンツにこぼれた涙は、涙の模様も描かず姿を消す。こんな風に、真っ暗な色に紛れて、誰にも何も見えなければいいのに、と可南子は思う。
目の前にハンカチが差し出された。顔を上げるとひどく真剣な目をした亮一にハンカチを押し付けられる。
可南子は受け取ると、涙を拭いた。
「ご、ごめんなさい。大丈夫」
「……どこが大丈夫だ。誰に何をされたんだ。……男か」
「違う」
慌てて頭を上げて首を振った。亮一の表情に烈しい感情が浮かんでいる。亮一の身体を纏っていた迸る怒りが、ふっと立ち消える。
「……俺か」
「違う!」
自分でも驚くほど大きな声だった。店にいた客に振り向かれて、いたたまれず可南子はまた俯いた。
亮一のせいではない。だが、まだ話せるほど気持ちが整理できていない。
「うどんが温かくておいしくて、ホッとしちゃった……。今度、ちゃんと、話すから」
「かな」
「だから……そばにいて、ほしいです」
いつも甘えてばかりでごめんなさい。
もう一度、涙をハンカチで拭った。そのハンカチを膝の上に置いて、可南子は鼻をすすりながらうどんを口に運ぶ。食べないと、と思った。あのまま、寝ていたらきっとまた自分の中に押し込めて考え込んでいた。食べて、泣いて、発散できた。
咀嚼したうどんを飲み込んだ可南子の鼻を、ティッシュを持った亮一がつまむ。
「ううっ」
「鼻水も食べるのか」
「た、食べない」
ティッシュを引き取って鼻を拭くと、可南子はうどんを口に運び続けた。
その様子を見て溜息を付くと、亮一は口を開く。
「大根と糸こんにゃくも食べれるか。……好きだろ」
言われてあらためておでんが乗った皿を見ると、大根、厚揚げ、糸こんにゃくと、可南子が好きなものばかりが乗っていた。可南子が食べられなければ、亮一が片付けてくれるつもりだったのだろう。先ほどとは違う涙がじわりと出てくる。
「……餅巾着が、食べたかった」
「おい」
「嘘。食べる」
「無理するなよ」
うん、と頷くとまた涙が零れた。
「嫌だと言われてもそばにいるから、覚悟だけしといてくれ」
うん、と可南子は二度頷く。ありがとう、と言って、うどんをすする。
ちゃんと食べて、寝る。そして、ある程度ショックが薄れたら、話そう。可南子は泣いてだいぶ軽くなった心を感じながら、出汁の聞いたスープを飲んだ。
手袋をして繋いだ手は、亮一のコートのポケットの中に入れられた。ポケットの中、大きな手に包まれた手は窮屈だ。だが、擦り合わせても温まらなかった指先は、あっという間に血が通った。可南子が一人笑むと、亮一は白い息を吐いて「たまにはこういうのも良いな」と星の無い空を見上げた。
穏やかな時間のひとつひとつが、可南子のなかに大切に積もっていく。誰にも踏み荒らしてほしくはないが、他人からすると些末な事なのかもしれない。だったらせめて、自分だけも大切にしたいと思うのは弱さなのだろうか。可南子は温まらないもう片方の手で、握り拳を作った。
少し歩いた所にあるチェーン店のうどん屋はセルフサービスだ。その安さから学生からサラリーマンまで客層が幅広く、平日の夜とはいえ人は多かった。亮一は本当にお腹が空いていたらしく、うどんの他におでんや天ぷらを一皿ずつたっぷり取った。ちょうど空いた四人掛けの席に二人は向かい合って座る。
「もう二十三時過ぎなのに、すごい食欲」
「香水のにおいで食事が喉に通らなかったんだ。俺も繊細になった」
「繊細の使い方が、違う気がする」
可南子が呆れ気味にいうと、亮一は笑う。
亮一は味の染みた茶色の大根を箸で一口大にすると、可南子の口元に運んだ。
「ほら、口を開けろ」
「……外」
「考え過ぎてる『何か』を俺に喋るか、大根を食べるか、二択だな」
可南子は髪を耳に掛けて口を開けると、亮一の箸から大根を食べた。適度に冷めた大根は口の中を火傷させることなく、濃い出汁の味を口いっぱいに広げた。途端に空腹が頭を出した。美味しい、と思いながら可南子は咀嚼して飲みこむ。
ややあって周りの目を思い出し、はっとして俯く。
亮一は肩をすくめて、今度は厚揚げを一口大に切りだした。
「頑固だな。抱えすぎるなよ。二人でいるんだ」
亮一が伝えてくれる言葉は一貫していて嘘は無い。可南子は信頼しきった笑顔を浮かべると頷いた。
「うん。ちゃんと相談する」
「そうか」
亮一は安堵の表情を浮かべて、厚揚げを可南子の口元に運んだ。それも素直に食べると、亮一は肩をすくめる。
「考え過ぎて勝手に結論付けて俺から離れる。それはやめてくれよ」
亮一はぼそりと呟いて、眉間に皺を寄せたまま、うどんを食べ始めた。可南子もつられるように、うどんをすすった。冷えていた身体が内臓から温まるのを感じる。
「……自分が離れたいから、そういうことを言ってる?」
髪を耳に掛けなおしながら冗談めかして言うと、亮一から表情がすとん、と落ちた。
「……俺が可南子から離れる時は、死ぬ時だ」
抑揚のない声だった。亮一の瞳の奥に篝火のような火が灯る。ひりひりするような視線を受けて、可南子は息苦しくなる。
可南子は他の男と肌を合わせることを想像できない。考えただけでも寒気がする。だが、亮一は他の女の人を抱いてきた。……抱けるのだ。
子供をいつ作るかは話し合ってきた。だが、子供が出来なかったら、どうするかとは話し合ってはいない。
「亮一さんが、私に愛想をつかさなければ良いなって、いつも思ってる」
「俺が可南子に愛想をつかす、か」
亮一はあっという間に食べ終えたうどんのどんぶりを端にやって、テーブルに肘をついた。
「それ、広信と結衣に言ってみたらいい。第三者の意見ってやつが聞ける」
「二人に?」
「あと、早めに俺に相談しろよ」
「……亮一さんは、誰とでもどこででもやっていけるね」
亮一が不満げに顔を歪めたのを、可南子は微笑んで受け止める。
食事を取った身体はポカポカしていた。
身体に血が通うと、脈絡のない、まとまらなかった考えが急に形を露にする。
そして、あの手紙にとても傷ついた自分に気づく。
可南子はふわり、と笑んだ。
三年子なきは去れ。
出世も見込めない仕事。
わがまま。
亮一が他に女性を作っても文句を言えない状況。
不妊治療専門の病院。
今すぐ通うように。
自分なりに頑張って生きているつもりだっただけに響いた。
ましてや、そんな事を母親から言われたなどと、とても言えない。
「……かな」
目から零れだした涙が頬を伝った。
昔なら辛抱強く聞けた母親の話は、今ではとても頷けない。違う、と叫びたい。だが、視点を変えればなにも違わないと思ってしまう。
夢ならいいのに、と思う。もしかしたら何も読んでいないかもしれない。全てが自分の想像で、バッグには手紙なんて入ってはいない。それならどんなにいいだろう。誰にも何も言われないのを良いことに、今を楽しいんでいたのも事実だ。仕事も可南子の頑張り程度なら、母親が認めるような出世は望めない事はわかっている。
震える唇を手で塞いだ。弱い自分が嫌だ。無理やりにでも笑おうとしても無理だった。瞬きをせずに俯いて、涙がこれ以上、頬にこぼれないように膝を見つめる。濃紺のスキニーパンツにこぼれた涙は、涙の模様も描かず姿を消す。こんな風に、真っ暗な色に紛れて、誰にも何も見えなければいいのに、と可南子は思う。
目の前にハンカチが差し出された。顔を上げるとひどく真剣な目をした亮一にハンカチを押し付けられる。
可南子は受け取ると、涙を拭いた。
「ご、ごめんなさい。大丈夫」
「……どこが大丈夫だ。誰に何をされたんだ。……男か」
「違う」
慌てて頭を上げて首を振った。亮一の表情に烈しい感情が浮かんでいる。亮一の身体を纏っていた迸る怒りが、ふっと立ち消える。
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「違う!」
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「かな」
「だから……そばにいて、ほしいです」
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咀嚼したうどんを飲み込んだ可南子の鼻を、ティッシュを持った亮一がつまむ。
「ううっ」
「鼻水も食べるのか」
「た、食べない」
ティッシュを引き取って鼻を拭くと、可南子はうどんを口に運び続けた。
その様子を見て溜息を付くと、亮一は口を開く。
「大根と糸こんにゃくも食べれるか。……好きだろ」
言われてあらためておでんが乗った皿を見ると、大根、厚揚げ、糸こんにゃくと、可南子が好きなものばかりが乗っていた。可南子が食べられなければ、亮一が片付けてくれるつもりだったのだろう。先ほどとは違う涙がじわりと出てくる。
「……餅巾着が、食べたかった」
「おい」
「嘘。食べる」
「無理するなよ」
うん、と頷くとまた涙が零れた。
「嫌だと言われてもそばにいるから、覚悟だけしといてくれ」
うん、と可南子は二度頷く。ありがとう、と言って、うどんをすする。
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