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Phase4 戦争モノ的な何か!
バトルフィールドへようこそ!②
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作戦は単純だ、囮が敵陣深くまで切り込んで引き摺りだす。
その囮を務めるのは、もし戦闘になっても簡単には死なない天炎者だ。たった四人しか所属していないが、二人も組み込まれている班がある。つまるところ、由梨花班が適任だった。
面倒事を引き受けるのが役目だからとて、この仕打ちはどうなんだと理性が反発する。理解は出来るが納得がいかない。魔法を発動していないと情けない精神になるのはもはやご愛敬だった。
そこの君、いつまでもうじうじしてんじゃねーよとか思ってはいけない。根暗野郎のウケが悪いことくらいは知っているが、俺はただの人間なんだ。
「目標ポイントまであと少しです!」
「止まるな少年、しっかり走らせろ!」
「追い付かれたら呑み込まれるであります!」
口々に怒号を飛ばしたのは、恐怖に竦む体を押し留める為だろうか。
俺たちの背後には緑の波。敵の大群が押し寄せてきているのだ。藪蛇どころではない、藪をつついたらミドガルズオルムが出てきた。大地を呑み込むほどの巨大な蛇にしか見えない濁流から、俺たち由梨花班は必死に逃げていた。
幸い、馬の方が僅かばかり早いので、このペースなら逃げ切れる。だがスタミナは有限だ、疲れてしまえば途端に追い付かれ、白兵戦に切り替えなければならない。囮以外に誰もいない、この地獄で。
「あと50!」
「走れ!」
「頑張って欲しいであります!」
枯れた木々が鬱蒼と茂る道をひた走る。
ぽっかりと開いたように光が差す空間を目掛け、ただひたすらに走らせた。
あと40、30──由梨花のカウントが淡々と刻まれる中、深くまで切り込んだ時の情景を思い出していた。魔王、と呼ぶべきものを見た……気がした。箱庭に宮殿を建築した、世界に破滅をもたらあす魔王。
疑問に思っていたことがある。箱庭は包囲されて監視網を敷いているのに、何故死縛者や天炎者が中に潜んでいるのか。響はどうやって辿り着いたのか。
「あと10!」
いや考える余裕なんて無い。それに見間違いだ。頭を振って雑念を削ぎ落す。
単体生殖するらしいあの怪物どもを一匹残らず殲滅する。そうしたらきっと、この身も赦される。
「ゼロ!」
由梨花が叫び、目標ポイントを通過──ワンテンポ遅れて翠の波がそこを通り──轟音が響き渡った。
「相変わらず、凄い……」
思わず後方確認し、その音の正体に目を向ける。全てを呑み込むシュヴァルツシルトの闇が、地面を、敵を、空間を球形に捻じ切っていた。禁忌の魔法が発動された証拠だった。
その間にも新たな球体が断続的に発生し、一面に広がる濁流に風穴を開けていく。詠唱も発射音も無く破壊をもたらした原因は、上空を駆けるシムルグたちの編隊だった。
「まさに絨毯爆撃ですね、制空権を取れるとこうも有利だとは。後は母艦があれば敵なしです」
確かに、あいつらだけで十分じゃないかと思ってしまうほどの光景。だが操る義勇軍は手持ちの砲弾を投下し終わると、新たな砲弾を補給する為に翻る。一度に運べるのは一羽(正しいのだろうか)につき2個だ。
禁呪が込められた鉄球を軽々と運ぶ姿は畏怖すべきものだが、握り過ぎて自爆するのではないかとヒヤヒヤする。
「しかしユリカ様、やはり私は納得出来ません。異能殺しの撃鉄は我々の奥の手といってよい切り札です、それを他国の兵に……」
「マリーが決めたことです。あなたの心情も理解出来ますが、現場の我々は受け入れましょう……現に今、こうして助けられているのですから」
「それは、そうですが、いやしかし!」
「もし持ち去られたとしても解析は困難ですし、複製も生半可にはいかないと聞いています。配合物や炭素の量を調節し、硬く、尚且つ柔らかくて粘り強い砲弾。それらを極めたこの国の技術力があってこそ、あの魔術を練り込めるのです」
いくらかスピードを落とした由梨花班は、緊張が解けたのか他愛もない──ことはないが、身をほぐすように談笑にふける。それはまあ悪くない、とりあえずの危機は去った。
「瑞希は焼き入れという言葉の意味を知っていますか?」
「聞いたことはあるけど、知らないな……暴力を振るって意味じゃねーの?」
突然聞かれたのでそう答えた。不良が言っていたような気もする。
「金属を硬くする方法ですよ。金属というのは、熱してから急激に冷やすと硬くなるという性質を持っています」
「へぇ……それが?」
「それだけですが?」
「知識自慢か……」
「いけませんか?」
「頭良いですアピールはやめたらどうだ、本当に頭が良いやつは知識をひけらかしたりしないんだ。それをどう現実に応用するかで頭が良いかどうかをアピールしろ」
「それが上司に向けて言う言葉ですか? ここで殺りますか?」
「時と場合を弁えろ!」
「では置いていきましょう、彼らの餌になって下さい」
「慈悲も無いのか!?」
随分と頭の悪い上司だ。レベルの低いやり取りを見たヴァルターとウィーザは苦笑い。しかしこれも、恐怖や緊張をほぐす彼女なりの優しさだと理解出来る。
実際はネチネチと講座を開くつもりだったとは思うが、流石にそれは気が引けたのだろう。鉄は熱いうちに打て、という諺を布教する気だったに違いない。
「本隊と合流しますよ、第二フェーズです。追撃してくる敵を大砲や混濁詠唱の魔術で焼き払います。それの後はいよいよ白兵戦です」
厳とした声で告げ、馬を加速させる。そうだ、戦争はまだ始まったばかり。
俺たちの戦いはここからだ!
「よく無事に帰って来てくれたわ、みんなお疲れ様」
第一次防衛線へ帰還すると、ライアーが声を掛けた。
「これから砲撃が始まるから休んでて。漏れた敵は私たちが相手するから」
「束の間の休息ですね。ですが奥にはもっと潜んでいる筈です、くれぐれも……」
「分かってるわよ、心配してくれてありがと」
「あれで全部じゃないのか……」
「そう簡単に終結するわけないですよ、今は敵の漸減が第一目標です。ですが砲弾の数にも限りがあります、撃ち尽くしたら血みどろの争いになることを覚悟して下さい」
「ああ、分かってる」
止まない轟音に震えながら、きつく拳を握る。
憂いを晴らすだとか国の為だとかいう愛国心は甚だ持ち合わせてはいないが、自分がやらなければならないのだという確信はあった。どの道、ここから逃げることなど不可能だ。敵前逃亡は重罪に当たり処罰される。囮として逃げたのは任務だから問題ない。
「うふふ、二人とも仲が良くて羨ましいわ」
「違います」
「上司と部下です」
「あらそう?」
ライアーと別れた後は兵站が集積された後方へ退き、息の上がった馬へ水を与えた。すっかり仲良くなった愛馬を労っていると、久方ぶりに会う人物と顔を合わせた。
「ノーレン……」
涼し気な顔に凍てつく瞳を宿した少女、ノーレン・スミスだった。
友人であった筈の由梨花は目を合わせようともせず馬の世話をやき、ヴァルターは心配そうにオロオロしている。以前の要塞戦では距離が戻ったように見えたが、やはりわだかまりはしつこく根付いているようだ。
「……なに」
「いや、なにってワケでもないんだけど……そうだ、少し話があるんだ」
「……なに?」
短く返す言葉は無感情。だが若干の興味の色が滲んでいた。
聞かれて不味い話ではないが、由梨花たちから距離をとって会話した。
「あの時は悪かった。俺、頭に血が上ってたんだと思う」
「……どの時?」
ノーレンってアホの子だっけ。
「グラナを……なんだろ、取り合い? した時だよ。闘争団として正しかったのはノーレンだったんだ、そのことを謝りたくて」
だが単独行動の許可がおりているノーレンは簡単に捕まらず、今日の日を迎えてしまっていた。
「……なんで謝るの?」
「へ?」
「……情報屋に手出しは出来ない。そっちが正しかった」
省略する癖でもあるのか説明がいまいちわかり辛いが、結果的には俺の行為を肯定してくれているのだろう。
実際のところ、カノーネン・フォーゲルの実態は俺のような下っ端には知らされていない。どうやら闘争団と同じように転移者を保護する組織のようだが──
「……終わり?」
「え、あ、まぁ、うん」
やけに素直すぎる対応に、つっかえながら返答。すると用が済んだと判断したのか歩き出す。まあ、こちらも胸につっかえていた棘が抜けたような気分だし、これでいいか。初対面時に殺されそうになったことは忘れていないが。
「……でも戦場では甘えを捨てて」
足音が止み、代わりに冷徹な声が響く。
「……払わなければならない犠牲がある」
低く、押し殺すように忠告した。すぐさま歩を進め、戦地への道を辿る。
分かってる、作戦は未だ準備段階だ、これからが本当の闘いになる。天炎者が優先すべきは敵の死縛者や寝返った天炎者だ、その他を相手にする余裕はない。どれだけの団員や軍人が死のうとも。何もかもを守れる力なんて、誰も持っていないのだから。
それでも。
「なあノーレン……俺たち、戦友だよな?」
初めて口にした言葉を、小さな背中へ語り掛けた。
「……甘いよ」
★ ★ ★
同時刻、血の闘争団本部。
「みなさん、ちゃんと帰ってきますよね……」
ティア・アムレットは一枚の皿を丁寧に拭きながら、傍らに立つ男性へ悲痛を込めた言葉をかける。
「そうなったらいいッスけど、どうッスかねぇ。おっと申し訳ないッス、悪気はないんッス」
「分かってますコルトさん。それでも……」
それでも、無事を願わずにはいられない。魔王討伐へ向かった勇者たちの帰還を。
彼女は“共に連れて行って欲しい”と由梨花に何度も相談したが、力不足だと聞き入れては貰えなかった。だがその代わりに、団本部で帰還を待つという望みは聞き入れてもらえた。本部といっても食堂だったが。
残った団員や職員たちが慌ただしい様子で戦地の情報を集めている為、部外者である自分に聞かせるわけにはいかないのだ。
流石に呆けているのは気が引けたので、知り合ったコルトたち給仕係を手伝っている。
「毛皮無き者よ、昼餉は中々のものだったぞ」
ひょこり、と軽い様子で台所へ出現した影が一つ。
「そりゃ良かったッス。夕食も豪勢ッスよ、期待してて欲しいッス」
「うむ、同志にも食わせてやりたいものだ。友よ、同志は何処だ?」
「知らねッス」
褐色の毛皮と細長い胴体を併せ持った生物。それは人語を介し、コルトと長年の友人のように喋っていた。
「可愛い……」
「へ?」
「ぬ?」
「可愛いー! コルトさんのペットですか、触っていいですか、撫でていいですか!?」
不安を打ち消すように、未知の生物へ関心を向ける。
「ならん、騎士だからな。騎士は常に孤独なのだ、孤高なのだ」
「ずっと居座ってるッスけどね」
「友よ、嫌気が差したのか」
「自覚あるんスかねぇ……ティアお嬢、コイツは訳あって団で預かってるノインっていうやつッス。まぁ、タダメシ食いなんで好きにしていいッスよ」
「ほんとですか!? なんだか御伽噺に出てた気がするけど、いいんですか!?」
「構わねッス」
「友よ、見捨てるのか」
「事実を言ったまでッス」
了承を得たティアは手に持つ皿を静かに置き、獲物へ詰め寄っていく。
もふもふしたい。具体的に言うと、首にマフラーみたいに巻いてみたい──頭の中には邪な野望が渦巻いていた。それを察知したのか、喋る生物は身を竦ませて後ずさる。
「騎士に後退など許されん!」
「退いてるッスよ」
「騎士団万歳! 騎士団万歳!」
「だから退いてるッスよ」
じりじりと迫る手に恐怖でも覚えたのか、ノインは四本足で颯爽と流し台から床へ逃亡した。
「あっ!」
「食後の運動に励む。ではな友よ、探さんでくれ」
そう言い残し、ノインはどことも知れず駆け出した。
「夕食時には戻ってくるッスよ、そこで目一杯可愛がってやって欲しいッス」
少し残念だったが、気を取り直して残りの皿へ手を向ける。大丈夫、きっと帰ってくる。
みなさんは戦ってるんだもん、私だって戦わないと──戦場に赴けないことを悔やみながら、今は只、自分に出来る事をした。
「あら、どうして一般人がここにいらっしゃるのかしら?」
「え、侵入者!? ど、どうしよ、捕まえる!?」
甲高い騒ぎ声がノインと入れ替わるように食堂へ響き渡る。それは本部へ残された予備戦力であるオニキス班、それに所属するラナ・クロイゼルとアネット・ヴィアヴェルのものだった。
「余計な心配いらないッスよお二方。団長の許可がおりてるッスから」
「信用出来るのかしら?」
「お、オニキスに頼るべき!? いやでも、これを私が解決すればきっと褒めてくれるよね!」
「だから、必要ないッス。はぁ、面倒なのを予備に残してくれたっスねぇ」
コルトは言葉の通じなさに呆れながらも説得を続け、納得いかないながらもラナとアネットが折れる形で決着がついた。
「すみません皆さん。私、部外者なのに……」
そう言って、深々と頭を下げる。ただでさえピリピリしている時に訪れてしまい、口論の原因となってしまった自分が悪いのだ。
「ま、まあ……認めてあげなくともありませんわ」
「本当にゴメン! でもオニキスに手を出すのは認めないからねっ、寵愛を受けるのは私だもん!」
「そんなこと認めませんわ!」
「認めてよ!」
また新たな口論が開始された二人を前に、緊張をほぐす為かコルトが優しく声をかける。
「申し訳ないッスお嬢、どうか許して欲しいッス。今は気が立ってるだけなんッス」
その言葉を受け、ティアはかぶりを振って何事もないことをアピールした。
「分かってます」
彼女たちにも勇者の素質がある筈なのに、戦場へ行けないもどかしさ。それが何となく感じ取られ、自分もそうなのだと痛いほどに胸に刺さる。
「ああ君たち、ここにいたか」
新たな声が食堂に響いた。それを聞き、ラナとアネットは瞳を輝かせて振り向いた。
「オニキス様!」
「オニキス!」
ティアもそちらへ目をやると、黒衣に身を纏う少年が──大勢の兵士を引き連れて佇んでいた。
「あら?」
「あれ?」
瞳を丸くさせたのは、上司であり意中の人であるオニキス・アンドラスが剣を構えていたからだろうか。
「傷付けるつもりはないんだ、大人しく縄についてくれないか。この場にいる者一人残らずな……給仕も、そこの女も」
感情を感じさせない、低い声で囁く。
「冬は終わる。オレ達が終わらせるんだ。悪く思わないでくれよ血の闘争団、そして天炎者」
その囮を務めるのは、もし戦闘になっても簡単には死なない天炎者だ。たった四人しか所属していないが、二人も組み込まれている班がある。つまるところ、由梨花班が適任だった。
面倒事を引き受けるのが役目だからとて、この仕打ちはどうなんだと理性が反発する。理解は出来るが納得がいかない。魔法を発動していないと情けない精神になるのはもはやご愛敬だった。
そこの君、いつまでもうじうじしてんじゃねーよとか思ってはいけない。根暗野郎のウケが悪いことくらいは知っているが、俺はただの人間なんだ。
「目標ポイントまであと少しです!」
「止まるな少年、しっかり走らせろ!」
「追い付かれたら呑み込まれるであります!」
口々に怒号を飛ばしたのは、恐怖に竦む体を押し留める為だろうか。
俺たちの背後には緑の波。敵の大群が押し寄せてきているのだ。藪蛇どころではない、藪をつついたらミドガルズオルムが出てきた。大地を呑み込むほどの巨大な蛇にしか見えない濁流から、俺たち由梨花班は必死に逃げていた。
幸い、馬の方が僅かばかり早いので、このペースなら逃げ切れる。だがスタミナは有限だ、疲れてしまえば途端に追い付かれ、白兵戦に切り替えなければならない。囮以外に誰もいない、この地獄で。
「あと50!」
「走れ!」
「頑張って欲しいであります!」
枯れた木々が鬱蒼と茂る道をひた走る。
ぽっかりと開いたように光が差す空間を目掛け、ただひたすらに走らせた。
あと40、30──由梨花のカウントが淡々と刻まれる中、深くまで切り込んだ時の情景を思い出していた。魔王、と呼ぶべきものを見た……気がした。箱庭に宮殿を建築した、世界に破滅をもたらあす魔王。
疑問に思っていたことがある。箱庭は包囲されて監視網を敷いているのに、何故死縛者や天炎者が中に潜んでいるのか。響はどうやって辿り着いたのか。
「あと10!」
いや考える余裕なんて無い。それに見間違いだ。頭を振って雑念を削ぎ落す。
単体生殖するらしいあの怪物どもを一匹残らず殲滅する。そうしたらきっと、この身も赦される。
「ゼロ!」
由梨花が叫び、目標ポイントを通過──ワンテンポ遅れて翠の波がそこを通り──轟音が響き渡った。
「相変わらず、凄い……」
思わず後方確認し、その音の正体に目を向ける。全てを呑み込むシュヴァルツシルトの闇が、地面を、敵を、空間を球形に捻じ切っていた。禁忌の魔法が発動された証拠だった。
その間にも新たな球体が断続的に発生し、一面に広がる濁流に風穴を開けていく。詠唱も発射音も無く破壊をもたらした原因は、上空を駆けるシムルグたちの編隊だった。
「まさに絨毯爆撃ですね、制空権を取れるとこうも有利だとは。後は母艦があれば敵なしです」
確かに、あいつらだけで十分じゃないかと思ってしまうほどの光景。だが操る義勇軍は手持ちの砲弾を投下し終わると、新たな砲弾を補給する為に翻る。一度に運べるのは一羽(正しいのだろうか)につき2個だ。
禁呪が込められた鉄球を軽々と運ぶ姿は畏怖すべきものだが、握り過ぎて自爆するのではないかとヒヤヒヤする。
「しかしユリカ様、やはり私は納得出来ません。異能殺しの撃鉄は我々の奥の手といってよい切り札です、それを他国の兵に……」
「マリーが決めたことです。あなたの心情も理解出来ますが、現場の我々は受け入れましょう……現に今、こうして助けられているのですから」
「それは、そうですが、いやしかし!」
「もし持ち去られたとしても解析は困難ですし、複製も生半可にはいかないと聞いています。配合物や炭素の量を調節し、硬く、尚且つ柔らかくて粘り強い砲弾。それらを極めたこの国の技術力があってこそ、あの魔術を練り込めるのです」
いくらかスピードを落とした由梨花班は、緊張が解けたのか他愛もない──ことはないが、身をほぐすように談笑にふける。それはまあ悪くない、とりあえずの危機は去った。
「瑞希は焼き入れという言葉の意味を知っていますか?」
「聞いたことはあるけど、知らないな……暴力を振るって意味じゃねーの?」
突然聞かれたのでそう答えた。不良が言っていたような気もする。
「金属を硬くする方法ですよ。金属というのは、熱してから急激に冷やすと硬くなるという性質を持っています」
「へぇ……それが?」
「それだけですが?」
「知識自慢か……」
「いけませんか?」
「頭良いですアピールはやめたらどうだ、本当に頭が良いやつは知識をひけらかしたりしないんだ。それをどう現実に応用するかで頭が良いかどうかをアピールしろ」
「それが上司に向けて言う言葉ですか? ここで殺りますか?」
「時と場合を弁えろ!」
「では置いていきましょう、彼らの餌になって下さい」
「慈悲も無いのか!?」
随分と頭の悪い上司だ。レベルの低いやり取りを見たヴァルターとウィーザは苦笑い。しかしこれも、恐怖や緊張をほぐす彼女なりの優しさだと理解出来る。
実際はネチネチと講座を開くつもりだったとは思うが、流石にそれは気が引けたのだろう。鉄は熱いうちに打て、という諺を布教する気だったに違いない。
「本隊と合流しますよ、第二フェーズです。追撃してくる敵を大砲や混濁詠唱の魔術で焼き払います。それの後はいよいよ白兵戦です」
厳とした声で告げ、馬を加速させる。そうだ、戦争はまだ始まったばかり。
俺たちの戦いはここからだ!
「よく無事に帰って来てくれたわ、みんなお疲れ様」
第一次防衛線へ帰還すると、ライアーが声を掛けた。
「これから砲撃が始まるから休んでて。漏れた敵は私たちが相手するから」
「束の間の休息ですね。ですが奥にはもっと潜んでいる筈です、くれぐれも……」
「分かってるわよ、心配してくれてありがと」
「あれで全部じゃないのか……」
「そう簡単に終結するわけないですよ、今は敵の漸減が第一目標です。ですが砲弾の数にも限りがあります、撃ち尽くしたら血みどろの争いになることを覚悟して下さい」
「ああ、分かってる」
止まない轟音に震えながら、きつく拳を握る。
憂いを晴らすだとか国の為だとかいう愛国心は甚だ持ち合わせてはいないが、自分がやらなければならないのだという確信はあった。どの道、ここから逃げることなど不可能だ。敵前逃亡は重罪に当たり処罰される。囮として逃げたのは任務だから問題ない。
「うふふ、二人とも仲が良くて羨ましいわ」
「違います」
「上司と部下です」
「あらそう?」
ライアーと別れた後は兵站が集積された後方へ退き、息の上がった馬へ水を与えた。すっかり仲良くなった愛馬を労っていると、久方ぶりに会う人物と顔を合わせた。
「ノーレン……」
涼し気な顔に凍てつく瞳を宿した少女、ノーレン・スミスだった。
友人であった筈の由梨花は目を合わせようともせず馬の世話をやき、ヴァルターは心配そうにオロオロしている。以前の要塞戦では距離が戻ったように見えたが、やはりわだかまりはしつこく根付いているようだ。
「……なに」
「いや、なにってワケでもないんだけど……そうだ、少し話があるんだ」
「……なに?」
短く返す言葉は無感情。だが若干の興味の色が滲んでいた。
聞かれて不味い話ではないが、由梨花たちから距離をとって会話した。
「あの時は悪かった。俺、頭に血が上ってたんだと思う」
「……どの時?」
ノーレンってアホの子だっけ。
「グラナを……なんだろ、取り合い? した時だよ。闘争団として正しかったのはノーレンだったんだ、そのことを謝りたくて」
だが単独行動の許可がおりているノーレンは簡単に捕まらず、今日の日を迎えてしまっていた。
「……なんで謝るの?」
「へ?」
「……情報屋に手出しは出来ない。そっちが正しかった」
省略する癖でもあるのか説明がいまいちわかり辛いが、結果的には俺の行為を肯定してくれているのだろう。
実際のところ、カノーネン・フォーゲルの実態は俺のような下っ端には知らされていない。どうやら闘争団と同じように転移者を保護する組織のようだが──
「……終わり?」
「え、あ、まぁ、うん」
やけに素直すぎる対応に、つっかえながら返答。すると用が済んだと判断したのか歩き出す。まあ、こちらも胸につっかえていた棘が抜けたような気分だし、これでいいか。初対面時に殺されそうになったことは忘れていないが。
「……でも戦場では甘えを捨てて」
足音が止み、代わりに冷徹な声が響く。
「……払わなければならない犠牲がある」
低く、押し殺すように忠告した。すぐさま歩を進め、戦地への道を辿る。
分かってる、作戦は未だ準備段階だ、これからが本当の闘いになる。天炎者が優先すべきは敵の死縛者や寝返った天炎者だ、その他を相手にする余裕はない。どれだけの団員や軍人が死のうとも。何もかもを守れる力なんて、誰も持っていないのだから。
それでも。
「なあノーレン……俺たち、戦友だよな?」
初めて口にした言葉を、小さな背中へ語り掛けた。
「……甘いよ」
★ ★ ★
同時刻、血の闘争団本部。
「みなさん、ちゃんと帰ってきますよね……」
ティア・アムレットは一枚の皿を丁寧に拭きながら、傍らに立つ男性へ悲痛を込めた言葉をかける。
「そうなったらいいッスけど、どうッスかねぇ。おっと申し訳ないッス、悪気はないんッス」
「分かってますコルトさん。それでも……」
それでも、無事を願わずにはいられない。魔王討伐へ向かった勇者たちの帰還を。
彼女は“共に連れて行って欲しい”と由梨花に何度も相談したが、力不足だと聞き入れては貰えなかった。だがその代わりに、団本部で帰還を待つという望みは聞き入れてもらえた。本部といっても食堂だったが。
残った団員や職員たちが慌ただしい様子で戦地の情報を集めている為、部外者である自分に聞かせるわけにはいかないのだ。
流石に呆けているのは気が引けたので、知り合ったコルトたち給仕係を手伝っている。
「毛皮無き者よ、昼餉は中々のものだったぞ」
ひょこり、と軽い様子で台所へ出現した影が一つ。
「そりゃ良かったッス。夕食も豪勢ッスよ、期待してて欲しいッス」
「うむ、同志にも食わせてやりたいものだ。友よ、同志は何処だ?」
「知らねッス」
褐色の毛皮と細長い胴体を併せ持った生物。それは人語を介し、コルトと長年の友人のように喋っていた。
「可愛い……」
「へ?」
「ぬ?」
「可愛いー! コルトさんのペットですか、触っていいですか、撫でていいですか!?」
不安を打ち消すように、未知の生物へ関心を向ける。
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「ずっと居座ってるッスけどね」
「友よ、嫌気が差したのか」
「自覚あるんスかねぇ……ティアお嬢、コイツは訳あって団で預かってるノインっていうやつッス。まぁ、タダメシ食いなんで好きにしていいッスよ」
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「構わねッス」
「友よ、見捨てるのか」
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了承を得たティアは手に持つ皿を静かに置き、獲物へ詰め寄っていく。
もふもふしたい。具体的に言うと、首にマフラーみたいに巻いてみたい──頭の中には邪な野望が渦巻いていた。それを察知したのか、喋る生物は身を竦ませて後ずさる。
「騎士に後退など許されん!」
「退いてるッスよ」
「騎士団万歳! 騎士団万歳!」
「だから退いてるッスよ」
じりじりと迫る手に恐怖でも覚えたのか、ノインは四本足で颯爽と流し台から床へ逃亡した。
「あっ!」
「食後の運動に励む。ではな友よ、探さんでくれ」
そう言い残し、ノインはどことも知れず駆け出した。
「夕食時には戻ってくるッスよ、そこで目一杯可愛がってやって欲しいッス」
少し残念だったが、気を取り直して残りの皿へ手を向ける。大丈夫、きっと帰ってくる。
みなさんは戦ってるんだもん、私だって戦わないと──戦場に赴けないことを悔やみながら、今は只、自分に出来る事をした。
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「え、侵入者!? ど、どうしよ、捕まえる!?」
甲高い騒ぎ声がノインと入れ替わるように食堂へ響き渡る。それは本部へ残された予備戦力であるオニキス班、それに所属するラナ・クロイゼルとアネット・ヴィアヴェルのものだった。
「余計な心配いらないッスよお二方。団長の許可がおりてるッスから」
「信用出来るのかしら?」
「お、オニキスに頼るべき!? いやでも、これを私が解決すればきっと褒めてくれるよね!」
「だから、必要ないッス。はぁ、面倒なのを予備に残してくれたっスねぇ」
コルトは言葉の通じなさに呆れながらも説得を続け、納得いかないながらもラナとアネットが折れる形で決着がついた。
「すみません皆さん。私、部外者なのに……」
そう言って、深々と頭を下げる。ただでさえピリピリしている時に訪れてしまい、口論の原因となってしまった自分が悪いのだ。
「ま、まあ……認めてあげなくともありませんわ」
「本当にゴメン! でもオニキスに手を出すのは認めないからねっ、寵愛を受けるのは私だもん!」
「そんなこと認めませんわ!」
「認めてよ!」
また新たな口論が開始された二人を前に、緊張をほぐす為かコルトが優しく声をかける。
「申し訳ないッスお嬢、どうか許して欲しいッス。今は気が立ってるだけなんッス」
その言葉を受け、ティアはかぶりを振って何事もないことをアピールした。
「分かってます」
彼女たちにも勇者の素質がある筈なのに、戦場へ行けないもどかしさ。それが何となく感じ取られ、自分もそうなのだと痛いほどに胸に刺さる。
「ああ君たち、ここにいたか」
新たな声が食堂に響いた。それを聞き、ラナとアネットは瞳を輝かせて振り向いた。
「オニキス様!」
「オニキス!」
ティアもそちらへ目をやると、黒衣に身を纏う少年が──大勢の兵士を引き連れて佇んでいた。
「あら?」
「あれ?」
瞳を丸くさせたのは、上司であり意中の人であるオニキス・アンドラスが剣を構えていたからだろうか。
「傷付けるつもりはないんだ、大人しく縄についてくれないか。この場にいる者一人残らずな……給仕も、そこの女も」
感情を感じさせない、低い声で囁く。
「冬は終わる。オレ達が終わらせるんだ。悪く思わないでくれよ血の闘争団、そして天炎者」
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【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー
みーしゃ
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生まれつきMPが1しかないカテリーナは、義母や義妹たちからイジメられ、ないがしろにされた生活を送っていた。しかし、本をきっかけに女神への信仰と勉強を始め、イケメンで優秀な兄の力も借りて、宮廷大学への入学を目指す。
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物語は、後期ビザンツ帝国時代に似た、魔物や魔法が存在する異世界です。だんだんと逆ハーレムな展開になっていきます。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
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スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
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「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
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女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
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ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
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世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
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バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
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バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
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これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
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異世界学園バトル。
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※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
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