41 / 49
CHAPTER.6 無邪気な鳥の子色(ムジャキナトリノコイロ)【天体衝突6週間前(雨水)】
§ 6ー5 2月19日 白き両翼
しおりを挟む
--神奈川県・横浜市近郊--
フフフフーン、フフフ、フフ~♪
冷たい小雨が降る帰り道。2人傘を差し、彩は機嫌良さそうに鼻歌を奏でる。「看護士さんたちに『かわいいね』って言われちゃった♪」と言われたのもあるが、腕に傷がないのが一番の理由だろう。きっと、彩のお母さんは今日は穏やかな表情をしていたに違いない。
彩のお母さんの病室には今はついていかない。彩にそうしてほしいと言われたからだ。待っているときによく顔を合わせる看護士(上原夏生)の夏生さんに話を聞いたが、どうやら彩はその日1日にあった事をお母さんに報告してるらしい。「キミの名前もよく出てくるよ、颯太くん♪」と言われた時は、流石に照れ臭くなった。
薄雲が広がる空の端が茜色に染まり出す。白髪を束ねた黒猫のバレッタ。鼻歌を口ずさむ唇は昨日よりも瑞々しく潤っている気がした。
様子が変わったのは、彩の中で何かを変えたかったからなのだろう。世界が終焉に近づいているのに、いや、だからなのか前向きに生きようとしている。
おれはどうだろう? 決心はしたものの、今は前向きに生きれてるだろうか。彩といる時間は増えた。けど、それだけじゃないだろうか?
「ねぇ、どうしたの?」こちらを覗き込む彩。
「え、いや、別に」咄嗟に誤魔化す。
「ふーん。あ! ねぇ、颯太。昔の約束覚えてる?」
「約束? んー……、あ! あれだ。野良猫のシロを先に捕まえたほうが、なんでも言うことを聞くってやつだ」
「違うよー。だいたいシロは近所の稲垣さんのお婆さんの飼い猫だったじゃん」
「あれ、そうだったっけ? んー……、他に約束かぁー」
「はい、時間切れぇー! 颯太は記憶力がないなー。ほら、私が歌って颯太がギターで伴奏してくれるって約束したじゃん。針千本飲んでもらうからね!」
ハッとする。なんでそんな大事なことを忘れていたのだろう。それはギターを弾く、音楽を始めるきっかけ。『今』ばかり追いかけて『過去』を置いてけぼりにしていたことに気づく。
過去の積み重ねが今なのに。
♦ ♦ ♦ ♦
小学6年のときにした彩との約束。ついムキになって交わした約束だったが、それが音楽を始めたきっかけだった。
最初の目標は親父。多趣味な親父だが、何事も飲み込みが早く、大体のことは一週間ものめり込めば基本をマスターしてしまう。そんな親父に教えを請うと、指先が痛かろうができるまで続けさせるスパルタ指導で徐々にギターを弾けるようになっていった。
そのうち、生の音をふさわしい場所で聞こう、とライブハウスに連れて行かれた。地下の薄暗い狭い空間に人が群がり、曲が始まるや否や熱狂的な歓声が上がる。耳で、鼻で、目で、肌で感じる音楽は、こんなにも心が沸き立つものなのかと衝撃を受けた。それからはますます音楽にのめり込み、自分もバンドを組んでライブをしてみたいと思った。
…………
俺たちが高校1年の時、彩が交通事故にあった。おじさんが亡くなり、おばさんも彩も入院した。それは、それまで生きてきた中で一番辛い経験だった。幸い、彩はそれほど酷い怪我でなかったことに、心からホッとした。
彩は退院してからもどこか様子がおかしかった。しかし、颯太は彼女の力になる事ができなかった。音楽にも集中できず、中途半端な日々。
そんなとき、彩の心を治し、前向きにさせたのは学校に来ていたスクールカウンセラーの宮橋圭太という20代の男だった。彼とのカウンセリングを重ねる度に、彩が前向きになっていく。そんな姿を脇で見る度、自分の無力さを思い知らされた。ふさぎ込んでいる彩にかける言葉が思いつかなかった。何もしてあげることができなかった。そんな自分が情けなくてしょうがなかった。
だから思った。彩の力になれているカウンセラーの彼のように、自分もカウンセラーになればよいと。それからだ。心理学に興味を持つようになったのは。
ギターも心理学も、彩がいたから。喫茶ル・シャ・ブランを紹介したのも、成城紗良とのことも……。
紗良さんと別れてから解かったこと。それは、『本当に向き合う』ということ。
男と女、恋愛関係。それがどんなものか知らなかったから、颯太はただ知りたかった。付き合うということ、恋人になるということを。
小学・中学時代に周りから彩との仲を揶揄われたときから、心の何処かに芽生えていた気持ち。それはあの日、彩の部屋で雪のように白い髪に変わった姿を見たときに、芽吹き蕾をつけた。でも、蕾が開くことを恐れた。まだ何者にもなれていない自分が彩と恋仲になってもきっと上手くいかないと。だから、知りたかったのだ。恋愛関係というものを。そんなときに紗良さんから向けられた好意に飛びついてしまった。
だからといって、紗良さんといい加減に付き合っていたわけではない。彼氏として、真剣に向き合っていた。いたつもりだった。心の奥には彩がいて『彩とならどうだろう』『彩ならこうしたら喜ぶかな』と無意識に考えていたことはあった。それで、本当に紗良さんと向き合えていたのか。今ではそれが別れた理由だと思っている。
今。今だから、今の彩と本気で向き合いたい。彼女の『今』に共にありたい。今現在の自分を形作っているのは、間違いなく過去から今に至る彼女だから。
だから、今。動くんだ!
♦ ♦ ♦ ♦
茜色が広がる空は、何かを察したのか泣くのをやめていた。雲の切れ目から溢れる陽光。きっと、この時のための決心と約束だったのだと覚悟を後押しする。
「雨止んだね~」
「そうだな……」
傘を畳む彩を見て、足を止めて颯太も傘を畳む。スー、ハー、と助走のための深い呼吸を1つする。彩が振り返る。
「どうしたの?」
「あのさ、彩……。約束、守らせてくれないかな?」
「ん? 約束って?」
「さっき言ってた約束のこと。彩が歌って、オレがギターで伴奏するっていう約束だよ」
「えっ、……これから?」
「いや、そのための曲も場所も用意する。だから、一緒にやらないか! パンドラが衝突して、結果、世界が終わってしまうなら、約束を果たせるのは今しかないから!」
雲間から夕日が差し込む。その光のスポットライトの中、彩は空を見上げた。白い髪はほんのり熱を帯びて煌めいている。光の中、首を傾げてこちらを見るその瞳は、虹彩の1つ1つまで解るほどの鮮明さを宿していた。
「……急に真剣な顔するから何かと思ったよ。そっかぁ。そんな改まった感じでやるんだ。なんか緊張しちゃうけど、うん、いいよ。約束だもんね、やろうよ、颯太♪」
キラキラしている。雨上がりの茜色は、水の雫に光が乱反射する。その光がすべて一点に集まって、色を失った彩を彩っていた。
このとき解かったんだ。
ただ彩のことが好きだったんだ、てね。
…………
畳まれた傘を、プラン、プラン、と揺らしながら、夕闇の駅のホームで電車を待つ。彩の白く透き通る髪は闇の中でこそ映える。
「ねぇ、颯太。私たち2人で歌うなら、ユニットの名前をつけなきゃだよ」
「名前? あー、そうだよな。考えてなかった」
「そういうところは昔から変わらないんだからー。ちゃんとしてくれるんじゃないのー?」
彩はにやけ顔でこちらを覗き込む。かわいい。
「えーっと、わかった、わかったよ。ちゃんと考えるから」
「うん、よろしくね♪」
どんな名前にしようか? とりあえず、思いつくものを連想してみる。
彩・笑顔・白・光・闇・星・歌・音楽・ギター・黒い翼・パンドラ・家族・父・母・凛・男・女・彼氏・彼女……
黒や暗いものは無しだ。今の彩に似合わない。似合うのは『白』。彩には自由に空を舞える鳥のような、いや、さっきの彩だと天使になるかな。天使? 輪っか? 輪っかはなんか死者を想起させるな……。ダメだな。となると『翼』。天使の白い二翼。白い両翼……
「白い2つの翼。白い両翼っていうのはどう?」
「白い翼かぁ。ブランって、ル・シャ・ブランの『ブラン』と同じなの?」
「そうだよ。『ル・シャ・ブラン』は『白い猫』って意味だからね」
「そっかぁ。うーん……、なんかいいかも♪ 颯太は厨二病だから不安だったけどね」
「厨二病言うな! でも、気に入ったなら、この名前にしよっか?」
「うん♪ 私たち2人で白い両翼だね」
フフフフーン、フフフ、フフ~♪
冷たい小雨が降る帰り道。2人傘を差し、彩は機嫌良さそうに鼻歌を奏でる。「看護士さんたちに『かわいいね』って言われちゃった♪」と言われたのもあるが、腕に傷がないのが一番の理由だろう。きっと、彩のお母さんは今日は穏やかな表情をしていたに違いない。
彩のお母さんの病室には今はついていかない。彩にそうしてほしいと言われたからだ。待っているときによく顔を合わせる看護士(上原夏生)の夏生さんに話を聞いたが、どうやら彩はその日1日にあった事をお母さんに報告してるらしい。「キミの名前もよく出てくるよ、颯太くん♪」と言われた時は、流石に照れ臭くなった。
薄雲が広がる空の端が茜色に染まり出す。白髪を束ねた黒猫のバレッタ。鼻歌を口ずさむ唇は昨日よりも瑞々しく潤っている気がした。
様子が変わったのは、彩の中で何かを変えたかったからなのだろう。世界が終焉に近づいているのに、いや、だからなのか前向きに生きようとしている。
おれはどうだろう? 決心はしたものの、今は前向きに生きれてるだろうか。彩といる時間は増えた。けど、それだけじゃないだろうか?
「ねぇ、どうしたの?」こちらを覗き込む彩。
「え、いや、別に」咄嗟に誤魔化す。
「ふーん。あ! ねぇ、颯太。昔の約束覚えてる?」
「約束? んー……、あ! あれだ。野良猫のシロを先に捕まえたほうが、なんでも言うことを聞くってやつだ」
「違うよー。だいたいシロは近所の稲垣さんのお婆さんの飼い猫だったじゃん」
「あれ、そうだったっけ? んー……、他に約束かぁー」
「はい、時間切れぇー! 颯太は記憶力がないなー。ほら、私が歌って颯太がギターで伴奏してくれるって約束したじゃん。針千本飲んでもらうからね!」
ハッとする。なんでそんな大事なことを忘れていたのだろう。それはギターを弾く、音楽を始めるきっかけ。『今』ばかり追いかけて『過去』を置いてけぼりにしていたことに気づく。
過去の積み重ねが今なのに。
♦ ♦ ♦ ♦
小学6年のときにした彩との約束。ついムキになって交わした約束だったが、それが音楽を始めたきっかけだった。
最初の目標は親父。多趣味な親父だが、何事も飲み込みが早く、大体のことは一週間ものめり込めば基本をマスターしてしまう。そんな親父に教えを請うと、指先が痛かろうができるまで続けさせるスパルタ指導で徐々にギターを弾けるようになっていった。
そのうち、生の音をふさわしい場所で聞こう、とライブハウスに連れて行かれた。地下の薄暗い狭い空間に人が群がり、曲が始まるや否や熱狂的な歓声が上がる。耳で、鼻で、目で、肌で感じる音楽は、こんなにも心が沸き立つものなのかと衝撃を受けた。それからはますます音楽にのめり込み、自分もバンドを組んでライブをしてみたいと思った。
…………
俺たちが高校1年の時、彩が交通事故にあった。おじさんが亡くなり、おばさんも彩も入院した。それは、それまで生きてきた中で一番辛い経験だった。幸い、彩はそれほど酷い怪我でなかったことに、心からホッとした。
彩は退院してからもどこか様子がおかしかった。しかし、颯太は彼女の力になる事ができなかった。音楽にも集中できず、中途半端な日々。
そんなとき、彩の心を治し、前向きにさせたのは学校に来ていたスクールカウンセラーの宮橋圭太という20代の男だった。彼とのカウンセリングを重ねる度に、彩が前向きになっていく。そんな姿を脇で見る度、自分の無力さを思い知らされた。ふさぎ込んでいる彩にかける言葉が思いつかなかった。何もしてあげることができなかった。そんな自分が情けなくてしょうがなかった。
だから思った。彩の力になれているカウンセラーの彼のように、自分もカウンセラーになればよいと。それからだ。心理学に興味を持つようになったのは。
ギターも心理学も、彩がいたから。喫茶ル・シャ・ブランを紹介したのも、成城紗良とのことも……。
紗良さんと別れてから解かったこと。それは、『本当に向き合う』ということ。
男と女、恋愛関係。それがどんなものか知らなかったから、颯太はただ知りたかった。付き合うということ、恋人になるということを。
小学・中学時代に周りから彩との仲を揶揄われたときから、心の何処かに芽生えていた気持ち。それはあの日、彩の部屋で雪のように白い髪に変わった姿を見たときに、芽吹き蕾をつけた。でも、蕾が開くことを恐れた。まだ何者にもなれていない自分が彩と恋仲になってもきっと上手くいかないと。だから、知りたかったのだ。恋愛関係というものを。そんなときに紗良さんから向けられた好意に飛びついてしまった。
だからといって、紗良さんといい加減に付き合っていたわけではない。彼氏として、真剣に向き合っていた。いたつもりだった。心の奥には彩がいて『彩とならどうだろう』『彩ならこうしたら喜ぶかな』と無意識に考えていたことはあった。それで、本当に紗良さんと向き合えていたのか。今ではそれが別れた理由だと思っている。
今。今だから、今の彩と本気で向き合いたい。彼女の『今』に共にありたい。今現在の自分を形作っているのは、間違いなく過去から今に至る彼女だから。
だから、今。動くんだ!
♦ ♦ ♦ ♦
茜色が広がる空は、何かを察したのか泣くのをやめていた。雲の切れ目から溢れる陽光。きっと、この時のための決心と約束だったのだと覚悟を後押しする。
「雨止んだね~」
「そうだな……」
傘を畳む彩を見て、足を止めて颯太も傘を畳む。スー、ハー、と助走のための深い呼吸を1つする。彩が振り返る。
「どうしたの?」
「あのさ、彩……。約束、守らせてくれないかな?」
「ん? 約束って?」
「さっき言ってた約束のこと。彩が歌って、オレがギターで伴奏するっていう約束だよ」
「えっ、……これから?」
「いや、そのための曲も場所も用意する。だから、一緒にやらないか! パンドラが衝突して、結果、世界が終わってしまうなら、約束を果たせるのは今しかないから!」
雲間から夕日が差し込む。その光のスポットライトの中、彩は空を見上げた。白い髪はほんのり熱を帯びて煌めいている。光の中、首を傾げてこちらを見るその瞳は、虹彩の1つ1つまで解るほどの鮮明さを宿していた。
「……急に真剣な顔するから何かと思ったよ。そっかぁ。そんな改まった感じでやるんだ。なんか緊張しちゃうけど、うん、いいよ。約束だもんね、やろうよ、颯太♪」
キラキラしている。雨上がりの茜色は、水の雫に光が乱反射する。その光がすべて一点に集まって、色を失った彩を彩っていた。
このとき解かったんだ。
ただ彩のことが好きだったんだ、てね。
…………
畳まれた傘を、プラン、プラン、と揺らしながら、夕闇の駅のホームで電車を待つ。彩の白く透き通る髪は闇の中でこそ映える。
「ねぇ、颯太。私たち2人で歌うなら、ユニットの名前をつけなきゃだよ」
「名前? あー、そうだよな。考えてなかった」
「そういうところは昔から変わらないんだからー。ちゃんとしてくれるんじゃないのー?」
彩はにやけ顔でこちらを覗き込む。かわいい。
「えーっと、わかった、わかったよ。ちゃんと考えるから」
「うん、よろしくね♪」
どんな名前にしようか? とりあえず、思いつくものを連想してみる。
彩・笑顔・白・光・闇・星・歌・音楽・ギター・黒い翼・パンドラ・家族・父・母・凛・男・女・彼氏・彼女……
黒や暗いものは無しだ。今の彩に似合わない。似合うのは『白』。彩には自由に空を舞える鳥のような、いや、さっきの彩だと天使になるかな。天使? 輪っか? 輪っかはなんか死者を想起させるな……。ダメだな。となると『翼』。天使の白い二翼。白い両翼……
「白い2つの翼。白い両翼っていうのはどう?」
「白い翼かぁ。ブランって、ル・シャ・ブランの『ブラン』と同じなの?」
「そうだよ。『ル・シャ・ブラン』は『白い猫』って意味だからね」
「そっかぁ。うーん……、なんかいいかも♪ 颯太は厨二病だから不安だったけどね」
「厨二病言うな! でも、気に入ったなら、この名前にしよっか?」
「うん♪ 私たち2人で白い両翼だね」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる