いちばんを奪う彼

竹柏凪紗

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第5話 お断りします

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たとえ会社に新入社員が入社しても性別が違うと業務が異なるため、最初の挨拶を交わすくらいでそのあとは何の接点もないというのがこれまでのパターン。

そういった流れもあって、変な時期に入社してきた新人社員の宮瀬和泉みやせいずみも同じだと思っていた。

それなのに勤務時間が終わって帰社しようとするなり
「さっきは心強い言葉をかけてくださって、めちゃめちゃ嬉しかったです」
わざわざお礼を言いに寄ってきただけでなく…。

「そんなやさしい川崎先輩ともっと親睦を深めたいので、もしこのあとお時間あれば食事とかどうですか?」
なんて誘ってくる。

まったく意味がわからない。

親睦なんか深めたところでいいことなんかひとつもないどころか…。
麻衣は嫌なことを思い出しそうになってプルプルと首を振った。

「お誘いは嬉しいけど、私はこのあと用事あるんだよね」

本当は用事なんてないけど、お断りします。

家に帰ってカップラーメン食べながらスマホアプリで少女漫画を読む。
それが私の日課でストレス発散法。

だからプライベートな時間は誰にも邪魔されたくない。

「じゃあ明日とかはどうです?」

「う…ん。ごめん、明日も忙しくて。平日は基本、用事が入ってるんだよね。習い事とか」
「へぇ。仕事で疲れているのにアクティブなんですね!じゃあ週末とかはどうですか?」

いやいや、察してくれ~!
断ってるのよ。

しかも週末を提案してくるって、何なの?
会社が休みの日にわざわざ職場の人間と会うとかないわ。

どう断ろうかと困っていた麻衣はふと同僚の女子社員と目が合ってピンときた。
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