【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗

文字の大きさ
80 / 127

第80話 カラ元気

しおりを挟む
「か…、和馬くん、めちゃめちゃ顔色悪いけど大丈夫…?」
遅刻ギリギリで教室へ入るなり、二羽が心配そうに駆け寄ってきた。

「確かに顔色悪いな。保健室でも行くか?」
続くように声をかけてきたのは、二羽と同じで和馬の幼馴染みである洸紀。

ここしばらくは、大和のことが大好きすぎて俺にウソの告白をしてきたり階段の上から机やイスを投げてきたりした過去を持つ結香ちゃんと休日や放課後に寮近くの公園で筋トレしているらしい。
その影響もあって、休み時間や昼休みも2人は筋肉の話をしていることが増えた。

これだけ2人の相性がよくて馴染むとは予想もしていなかったけど、優香ちゃんも洸紀も楽しそうでなりよりだとあらためて思う。
ただ、いまはそんな2人の姿さえ見たくない。

「あ~、ぜんぜん平気。なんなら学校終わったらナンパでもしに行こうかな?って思ってるぐらい」
そう言いながら、今朝のことを思い出す。

起きてすぐから頭痛はするし熱っぽいし、だるくてしんどくて絶不調。
それでも熱はないし、咳も出ていない。

きのう大和とあんなことがあったばかりだし、学校を休むと気まずくなりそうで嫌な感じ。
まぁ、向こうは気にしてもないんだろうけど。

なんて思いながら気合いを入れてカラダを起こし、急いでシャワーを浴びて制服に着替え、玄関ドアを開けるときには大和の笑顔を期待していたような女々しい自分。

大和が玄関前や寮の下にいて
「おはよう」
そう言ってくれるのではないかと…。

気分がしんみりと凹み気味になったとき、
「…えっ!サナちゃんとはどうなったの?放課後に会うって言ってなかった?!」
驚いた二羽の声によって現実に引き戻された。

そして、サナの記憶だけがぼんやりとしていることに気づいて驚く。
同じ昨日の出来事なのはずなのに…。

「あ、えっと…、サナちゃんとは俺のほうがうまく会話できなくてさ…。あはは…。やっぱ女の子とは、いままでみたいにヤるだけの関係とか付き合っても軽い感じのほうがラクでいいかな?みたいな。なっ…?」

カラ笑いしながらそんなことを言っている自分に気持ち悪くなったけど、これでいいのだとあらためて自分を諭した。

そう、このカラ笑いもカラ元気も数日経てば板につくはずだから…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義兄が溺愛してきます

ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。 その翌日からだ。 義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。 翔は恋に好意を寄せているのだった。 本人はその事を知るよしもない。 その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。 成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。 翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。 すれ違う思いは交わるのか─────。

そばにいられるだけで十分だから僕の気持ちに気付かないでいて

千環
BL
大学生の先輩×後輩。両片想い。 本編完結済みで、番外編をのんびり更新します。

猫カフェの溺愛契約〜獣人の甘い約束〜

なの
BL
人見知りの悠月――ゆづきにとって、叔父が営む保護猫カフェ「ニャンコの隠れ家」だけが心の居場所だった。 そんな悠月には昔から猫の言葉がわかる――という特殊な能力があった。 しかし経営難で閉店の危機に……
愛する猫たちとの別れが迫る中、運命を変える男が現れた。 猫のような美しい瞳を持つ謎の客・玲音――れお。 
彼が差し出したのは「店を救う代わりに、お前と契約したい」という甘い誘惑。 契約のはずが、いつしか年の差を超えた溺愛に包まれて――
甘々すぎる生活に、だんだんと心が溶けていく悠月。 だけど玲音には秘密があった。
満月の夜に現れる獣の姿。猫たちだけが知る彼の正体、そして命をかけた契約の真実 「君を守るためなら、俺は何でもする」 これは愛なのか契約だけなのか……
すべてを賭けた禁断の恋の行方は? 猫たちが見守る小さなカフェで紡がれる、奇跡のハッピーエンド。

イケメン俳優は万年モブ役者の鬼門です

はねビト
BL
演技力には自信があるけれど、地味な役者の羽月眞也は、2年前に共演して以来、大人気イケメン俳優になった東城湊斗に懐かれていた。 自分にはない『華』のある東城に対するコンプレックスを抱えるものの、どうにも東城からのお願いには弱くて……。 ワンコ系年下イケメン俳優×地味顔モブ俳優の芸能人BL。 外伝完結、続編連載中です。

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。 突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。 有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。 約束の10年後。 俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。 どこからでもかかってこいや! と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。 そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変? 急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。 慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし! このまま、俺は、絆されてしまうのか!? カイタ、エブリスタにも掲載しています。

不器用に惹かれる

タッター
BL
月影暖季は人見知りだ。そのせいで高校に入って二年続けて友達作りに失敗した。 といってもまだ二年生になって一ヶ月しか経っていないが、悲観が止まらない。 それは一年まともに誰とも喋らなかったせいで人見知りが悪化したから。また、一年の時に起こったある出来事がダメ押しとなって見事にこじらせたから。 怖い。それでも友達が欲しい……。 どうするどうすると焦っていれば、なぜか苦手な男が声をかけてくるようになった。 文武両道にいつも微笑みを浮かべていて、物腰も声色も優しい見た目も爽やかイケメンな王子様みたいな男、夜宮。クラスは別だ。 一年生の頃、同じクラスだった時にはほとんど喋らず、あの日以降は一言も喋ったことがなかったのにどうして急に二年になってお昼を誘ってくるようになったのか。 それだけじゃない。月影君月影君と月影攻撃が止まない。 にこにことした笑顔になんとか愛想笑いを返し続けるも、どこか夜宮の様子がおかしいことに気づいていく。 そうして夜宮を知れば知るほどーー

処理中です...