心理のぬま

竹柏凪紗

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第7話 お前が試してみればいい

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「なぜ、お前がドヤ顔で聞く?」

不機嫌な楓衣の表情を見て、このままでは空腹時のリスクについて教えてもらえないかもしれないと焦った理玖は
「わ、悪かったよ」
雑にだが素直に謝罪。

軽く頭を下げてから楓衣を見た。

「…態度をコロコロと…。仕方のないヤツだな。たとえば空腹時、『いまここにパンがある。食べてもいいが、2時間後であればビュッフェが食べられる。好きなものが食べ放題で楽しめるだけでなく、有名ホテルのビュッフェだ』そう言われたとする。選びたいと思うのはどっちだ?」

「そりゃあ誰が考えたってホテルのビュッフェだよな」

そう答えてすぐ理玖は
「けど、お腹が空いているときの2時間はきついなぁ…」
本音を漏らす。

「そうだろう?そんなふうに広い視野や将来的な利益ではなく目先の事柄や短期的な利益に囚われてしまうというのが空腹時のリスクだ」

「はっ、そんなの食べ物で釣られたら当たり前のことだろ?腹が減っているんだ。お腹に溜まれば何でもいい。普通はそうなるだろう?」

「いいや。それは食べ物だけじゃない」

そう答えると
「だからお前だって意地でも権利書を手に入れる方法を探るよりも、今日の夜に数十万を手に入れられるほうを選択したんだよ」
ボソリと楓衣。

「…ん?何か言ったか?」

反応した理玖にそっと微笑み返し
「それは食べ物だけに留まらないってことだ。信じられないと思うなら、お前が試してみればいい」
そう促した。

「…ど、どうやって…?」
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