【奨励賞・受賞】彼氏がイケメンなのは絶対ヒミツ

竹柏凪紗

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第64話 飛ばされた順番

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教室に戻る途中、
「そういえば、末明のおじぃちゃんって呪術とか使えるんだね?」
真剣な表情で紗里に聞かれてふと思う。

「そういえば私も、おじぃちゃんが呪術を使ってるとこ見たこないかも…」
「だよね。まぁ忍者協会に所属してるぐらいだから、忍者ってことに間違いはないんだろうけど、どれぐらいのランクなんだろ?」

「う~ん、考えたこともなかった。おじぃちゃんってば、家でも外でも、それに忍者協会でもおちゃらけてるっていうか、あんまり真面目な表情すら見たことなくて」

「確かに!私たちが小さい頃によく忍者協会に連れて行ってもらったけど、呪術を練習してるのも見たことないし、いつもヘラヘラ笑ってる感じだったもんね。まぁそれは、いまも変わらないか」

苦笑いする紗里に激しく同意しつつ、
「だから昨日お祭りの帰りが遅くなって怒られたときと、さっきはちょっとびっくりっていうか…。ちょっと怖かったかも」
そう言ったらまた、柚吏の話をぶり返された。

「それほど末明のことが心配ってことだよ。契約を反故にするってことは忍者協会から追われて消されるってことだからね。私だって、末明がいなくなるとかは絶対に嫌。だからもう、自我の柚吏には惑わされたりしないでほしい」

紗里にそう言われたタイミングで教室へ到着。

ツカツカと歩み寄ってきた担任に
「お前ら、どこに行ってたんだ?高野紗里こうのは呼んだがいなかったから、順番が最後になってるからな」
そう告げられた。

「えーっ!そんな酷い…。これって、どんな順番で呼んでるんですか?!出席番号順でも席順でもないとか…、おかしいし…」
ブチ切れモードの紗里。

「いやいや、授業中なのに席に着いていないお前がおかしいから」
担任は至極当然なことを冷静な口調で言うと、スタスタと教壇のほうへ戻って行った。
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