66 / 177
第65話 3人だけを残した理由
しおりを挟む
クラスメイトたちが事情聴取を終えて帰っていくなか、残されたのは3人だけ。
「まるで最初から仕組まれていたみたいね?」
紗里は苦笑いをして末明と柚吏を見つめた。
「まぁ、そういうところかな?高野たちが授業に遅れていてもいなくても、担任に頼んでお前たち3人を最後に残してもらうつもりだったから」
いつの間にか話に割り込んできていたのは…。
「えっと…、誰でしょう?」
まるでコンカフェの店員かのように白衣が違う意味で似合っているその大人な男性は、
「あ、そうか。みんなからすると僕は初めましてだよね?僕はこの学校でカウンセラーをやっている白川郷だよ。よろしく」
やさしく微笑みかけてきた。
金髪に近い茶色のサラサラとした髪に整った目鼻立ち。
白い肌にやさしそうな雰囲気の白川先生は校内を歩いているだけで目立ちそうなものだけど…。
そんなことを思っていると、
「あらぁ~ん、ゴウちゃん、復帰したのなら言ってくださらないとぉ~!」
皇帝が教室に飛び込んできて白川先生の手をぎゅぅっと握り、細身なのにガッチリと頼りがいのありそうな肩に頬をすり寄せた。
「皇帝、お前は10年経っても相変わらずキモ路線を突っ走ってるな」
苦笑いする白川先生にもお構いなし。
「あ~、もうまたそんな意地悪を言うぅうう。しかも10年ぶりに会ったような口ぶりで言われると寂しいかぎりです。ゴウちゃんが休職する2年前にはお会いしましたし、お話もしましたでしょう?」
白川先生の腕を人差し指でグリグリしながらイジけている皇帝をまるで空気のように扱いながら、
「警察の事情聴取では余計なことを言わないように。その口止めがしたくて3人を最後に残したんだ。あと明日からはいつもの担任に代わって僕がこのクラスを担当することになるから、些細なことでも変わったことがあれば相談するように」
そう続けた。
「まるで最初から仕組まれていたみたいね?」
紗里は苦笑いをして末明と柚吏を見つめた。
「まぁ、そういうところかな?高野たちが授業に遅れていてもいなくても、担任に頼んでお前たち3人を最後に残してもらうつもりだったから」
いつの間にか話に割り込んできていたのは…。
「えっと…、誰でしょう?」
まるでコンカフェの店員かのように白衣が違う意味で似合っているその大人な男性は、
「あ、そうか。みんなからすると僕は初めましてだよね?僕はこの学校でカウンセラーをやっている白川郷だよ。よろしく」
やさしく微笑みかけてきた。
金髪に近い茶色のサラサラとした髪に整った目鼻立ち。
白い肌にやさしそうな雰囲気の白川先生は校内を歩いているだけで目立ちそうなものだけど…。
そんなことを思っていると、
「あらぁ~ん、ゴウちゃん、復帰したのなら言ってくださらないとぉ~!」
皇帝が教室に飛び込んできて白川先生の手をぎゅぅっと握り、細身なのにガッチリと頼りがいのありそうな肩に頬をすり寄せた。
「皇帝、お前は10年経っても相変わらずキモ路線を突っ走ってるな」
苦笑いする白川先生にもお構いなし。
「あ~、もうまたそんな意地悪を言うぅうう。しかも10年ぶりに会ったような口ぶりで言われると寂しいかぎりです。ゴウちゃんが休職する2年前にはお会いしましたし、お話もしましたでしょう?」
白川先生の腕を人差し指でグリグリしながらイジけている皇帝をまるで空気のように扱いながら、
「警察の事情聴取では余計なことを言わないように。その口止めがしたくて3人を最後に残したんだ。あと明日からはいつもの担任に代わって僕がこのクラスを担当することになるから、些細なことでも変わったことがあれば相談するように」
そう続けた。
3
あなたにおすすめの小説
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※noichigoさんに転載。
※ブザービートからはじまる恋
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
その付喪神、鑑定します!
陽炎氷柱
児童書・童話
『彼女の”みる目”に間違いはない』
七瀬雪乃は、骨董品が大好きな女の子。でも、生まれたときから”物”に宿る付喪神の存在を見ることができたせいで、小学校ではいじめられていた。付喪神は大好きだけど、普通の友達も欲しい雪乃は遠い私立中学校に入ることに。
今度こそ普通に生活をしようと決めたのに、入学目前でトラブルに巻き込まれて”力”を使ってしまった。しかもよりによって助けた男の子たちが御曹司で学校の有名人!
普通の生活を送りたい雪乃はこれ以上関わりたくなかったのに、彼らに学校で呼び出されてしまう。
「俺たちが信頼できるのは君しかいない」って、私の”力”で大切な物を探すの!?
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる