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第73話 まず警戒すべき人物
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皇帝に睨まれるような恰好になった柚吏がゴクリと息を呑む。
「同時に3人を警戒するのは難しいでしょうから、アタクシと紗里が3人中1人を。残り1人をゴウちゃんにお任せしようと思うのだけれど、皆さんはそれでいいかしら?」
「私はOK。皇帝がいっしょなら心強いし」
「僕も皇帝の案に賛成。ただ伊賀忍者の調査もしながらは、ちょっと大変だな…」
「わかってるわよぉ。だからアタクシもできるだけゴウちゃんをサポートしますわ。高野紗里、あんたも手伝いなさいよ」
「はい、はぁ~い」
「…じゃあ決まりですね。馬戸柚吏と白波末明は、“刀自古郎女”の末裔にあたる十時爪子を警戒してください。“刀自古郎女”は聖徳太子を毒殺したとされる最重要人物。心してください」
頷いた柚吏に
「“刀自古郎女”は扇の先祖、蘇我馬子の娘でもあります。そのようなことはないとは思いますが…。扇が爪子を助けたり、爪子が扇に助けを求めたりする可能性も十分に考えられるのでご注意を」
皇帝が警告した。
“刀自古郎女”…。
聖徳太子を毒殺したかもしれない人?
…ってことは、柚吏の天敵…?
そのほかに2人も警戒しなきゃいけない人物がこの学園にいるとかもう…。
パニックすぎて、明日から学校へ行きたくなさすぎる。
ただ柚吏の自我を封じ込めるだけの任務だったはずなのに、いつからこんなことになったんだろう…?
あぁ、ちょっと前の平和な頃に戻りたい。
「あんなでかい爆発があったから少しの間は普通の学園生活に戻るとは思うけど、みんなも十分に警戒して。まぁ、ちょっとくらいは平穏な日々がないと僕も困る。復帰早々に大爆発とか…。警察も介入したし、学園側の人間としてはどうやって穏便に済ませるか頭の痛いところだよ」
白川先生は溜め息をついた。
そうか…。この人たちは、私よりももっと大変な感じだよね…。
乗り掛かった舟…。
できることなら力になりたいけど、私に何ができるだろう…?
「同時に3人を警戒するのは難しいでしょうから、アタクシと紗里が3人中1人を。残り1人をゴウちゃんにお任せしようと思うのだけれど、皆さんはそれでいいかしら?」
「私はOK。皇帝がいっしょなら心強いし」
「僕も皇帝の案に賛成。ただ伊賀忍者の調査もしながらは、ちょっと大変だな…」
「わかってるわよぉ。だからアタクシもできるだけゴウちゃんをサポートしますわ。高野紗里、あんたも手伝いなさいよ」
「はい、はぁ~い」
「…じゃあ決まりですね。馬戸柚吏と白波末明は、“刀自古郎女”の末裔にあたる十時爪子を警戒してください。“刀自古郎女”は聖徳太子を毒殺したとされる最重要人物。心してください」
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