やさしさの溢れる世界で

竹柏凪紗

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第12話 従うしかない惨めさ

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「ほらほら、もっと俺に抱きつくようにくっついておかないと夏の制服だからブラウスから先っぽが透けて見えちゃうよ?」

意地の悪い笑みを浮かべながら嗤うクズホストの言葉が耳に纏わりつく。

「いいの?こんなふうに離れて歩いても?」

肩は強く握ったまま、それでも里奈のカラダを突き放すようにして正面を向けさせたクズホストはニヤニヤが止まらない。
薄い夏の制服からは胸の先端がいやらしく透けて見える状態。

「前から誰か歩いてきたら面白いのにな」
ますます意地悪く嗤う。

じわりと無意識に涙があふれそうになった。
家の近所なのにこんな格好を誰かに見られたら…。

里奈が胸を隠すようにそっと近づいたのを確認して
「どうした?こんな自分から胸を押し当ててきて。もうこれ、合意だよな?えろいことしてほしいって、お前から言ってきたんだからな」
クズホストは里奈の胸をもみしだきながら得意気に息巻いた。

この世界に神様はいないのかな…?

そんな思いとともに我慢していた涙が込み上げて静かに頬を伝って零れ落ちる。
だからといって、いまの状況は何も変わらない。

ただ、公園との距離が近づいていくだけ。
ゆっくりと。

もう無理…。
気がつくと涙で視界がかすんでいた。

従うしかない自分が惨めすぎる…。
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