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第51話 底辺の暮らし
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「でさぁ、その芸人さんがまた面白いのよ。よく見てたらビジュアルの良さにも気づいちゃってほんとやばいの。伊吹の家に着いたら動画みよう~!」
里奈の涙にびっくりした秋穂と伊吹だったけれど、太郎のサポートもあって芸人の話へ。
「太郎って芸人、好きなんだな?」
「はぁ…。まぁ」
「なんなんだよ、その気の抜けた返しは。さっきまで生き生きしながらしゃべってただろ?ずっとあれくらいのテンションでしゃべれよ。温度差がありすぎて怖ぇわ」
伊吹が太郎に突っ込んだとき
「友だちか?」
じめじめとした雰囲気の日当たりが悪そうな長屋から出てきた男が声をかけてきた。
首から指の先までガッツリ入れ墨なのかタトゥーなのかを入れた中年の男性。
白髪交じりの茶色い髪をかき上げ
「原チャ借りるぞ~」
片手に持った半ヘルを大きく上げて伊吹に言う。
「あぁっ?車はどこやったんだよ?」
「金融屋」
「はぁっ?またカネ借りたんかよ」
溜め息をつく伊吹の言葉をかるくかわし
「だから取り返しに行ってくるわ」
なんて言う。
「馬鹿じゃねぇの?またスロットだろ?」
「いんや。今回はボートだ。夜のレースはアツいぜぇ」
「くそだな」
「お前に言われたかねぇよ。そんじゃあな」
中年男はどうやら伊吹の父親らしく
「あ、ゆっくりしてってくださいね。汚ないとこですけど」
里奈たちに声をかけて原付バイクのエンジンを始動。
「やばいだろ?ウチ、ほんと底辺の暮らし。まぁ、こんなだから太郎、遠慮せず居ていいから」
少しだけ気まずそうに言いながら伊吹は長屋の玄関をガラリと開けた。
里奈の涙にびっくりした秋穂と伊吹だったけれど、太郎のサポートもあって芸人の話へ。
「太郎って芸人、好きなんだな?」
「はぁ…。まぁ」
「なんなんだよ、その気の抜けた返しは。さっきまで生き生きしながらしゃべってただろ?ずっとあれくらいのテンションでしゃべれよ。温度差がありすぎて怖ぇわ」
伊吹が太郎に突っ込んだとき
「友だちか?」
じめじめとした雰囲気の日当たりが悪そうな長屋から出てきた男が声をかけてきた。
首から指の先までガッツリ入れ墨なのかタトゥーなのかを入れた中年の男性。
白髪交じりの茶色い髪をかき上げ
「原チャ借りるぞ~」
片手に持った半ヘルを大きく上げて伊吹に言う。
「あぁっ?車はどこやったんだよ?」
「金融屋」
「はぁっ?またカネ借りたんかよ」
溜め息をつく伊吹の言葉をかるくかわし
「だから取り返しに行ってくるわ」
なんて言う。
「馬鹿じゃねぇの?またスロットだろ?」
「いんや。今回はボートだ。夜のレースはアツいぜぇ」
「くそだな」
「お前に言われたかねぇよ。そんじゃあな」
中年男はどうやら伊吹の父親らしく
「あ、ゆっくりしてってくださいね。汚ないとこですけど」
里奈たちに声をかけて原付バイクのエンジンを始動。
「やばいだろ?ウチ、ほんと底辺の暮らし。まぁ、こんなだから太郎、遠慮せず居ていいから」
少しだけ気まずそうに言いながら伊吹は長屋の玄関をガラリと開けた。
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