43 / 216
第43話 好きかもしれない
しおりを挟む
「いや…。俺たちとしては行方不明ホストの情報を少し集めてもらえるのは嬉しいが、あんたはCREATEで働くイチ社員だし、俺たちに協力する義務や必要性もないのにと思ってな」
「でも、これからしばらくは飛鷹さんたちのおうちに置いてもらうわけですし」
「いや、でもそれはあんたが頼んできたわけではないだろう」
「それはまぁ、そうですけど」
「俺たちには変な気遣いとかいらないから」
言ったあとで飛鷹は照れ臭そうにコホンと小さく咳払いすると
「まぁ、なんだ…。笑顔の特訓と俺の料理を味見してもらうだけでも十分というか…。やってもらいすぎというか」
そんなことを言う。
あぁ…。
どうしよう。
やっぱり飛鷹さん、めちゃめちゃいい人だ…。
沙那はなるべく心を無にして飛鷹といっしょに荷物を取りに自宅へ行ったのに。
飛鷹の家へ持って行く荷物をカバンに詰めながら、なんだか虚しい気持ちになった。
こうして振り返ってみると、拓人のモノって何もない。
いっしょに住んではいなかったけど結構な頻度でここに来てたのに、私が勝手に買って揃えたものばかり。
歯ブラシにお揃いのマグカップ。
いっしょに撮った写真がスマホのなかに何枚かあるだけ。
こんなの付き合ってたっていうのかな?
気づいたら涙がこぼれていて
「おい、大丈夫か?」
心配そうな表情をした飛鷹が何も言わずに抱きしめてくれていた。
…飛鷹さんは、なんてあったかいんだろう…。
無意識に飛鷹の服を掴んでいる自分に驚いて沙那はそっと手を放す。
本当にどうしよう。
このままいっしょにいたら好きになってしまうかもしれない。
…というかもう、すでに好きかもしれない…。
「でも、これからしばらくは飛鷹さんたちのおうちに置いてもらうわけですし」
「いや、でもそれはあんたが頼んできたわけではないだろう」
「それはまぁ、そうですけど」
「俺たちには変な気遣いとかいらないから」
言ったあとで飛鷹は照れ臭そうにコホンと小さく咳払いすると
「まぁ、なんだ…。笑顔の特訓と俺の料理を味見してもらうだけでも十分というか…。やってもらいすぎというか」
そんなことを言う。
あぁ…。
どうしよう。
やっぱり飛鷹さん、めちゃめちゃいい人だ…。
沙那はなるべく心を無にして飛鷹といっしょに荷物を取りに自宅へ行ったのに。
飛鷹の家へ持って行く荷物をカバンに詰めながら、なんだか虚しい気持ちになった。
こうして振り返ってみると、拓人のモノって何もない。
いっしょに住んではいなかったけど結構な頻度でここに来てたのに、私が勝手に買って揃えたものばかり。
歯ブラシにお揃いのマグカップ。
いっしょに撮った写真がスマホのなかに何枚かあるだけ。
こんなの付き合ってたっていうのかな?
気づいたら涙がこぼれていて
「おい、大丈夫か?」
心配そうな表情をした飛鷹が何も言わずに抱きしめてくれていた。
…飛鷹さんは、なんてあったかいんだろう…。
無意識に飛鷹の服を掴んでいる自分に驚いて沙那はそっと手を放す。
本当にどうしよう。
このままいっしょにいたら好きになってしまうかもしれない。
…というかもう、すでに好きかもしれない…。
14
あなたにおすすめの小説
【完結】勘違いしないでください!
青空一夏
恋愛
自分の兄の妻に憧れすぎて妻を怒らせる夫のお話です。
私はマドリン・バーンズ。一代限りの男爵家の次女ですが、サマーズ伯爵家の次男ケントンと恋仲になりました。あちらは名門貴族なので身分が釣り合わないと思いましたが、ケントンは気にしないと言ってくれました。私たちは相思相愛で、とても幸せな結婚生活を始めたのです。
ところが、ケントンのお兄様が結婚しサマーズ伯爵家を継いだ頃から、ケントンは兄嫁のローラさんを頻繁に褒めるようになりました。毎日のように夫はローラさんを褒め続けます。
いいかげんうんざりしていた頃、ケントンはあり得ないことを言ってくるのでした。ローラさんは確かに美人なのですが、彼女の化粧品を私に使わせて・・・・・・
これは兄嫁に懸想した夫が妻に捨てられるお話です。あまり深く考えずにお読みください💦
※二話でおしまい。
※作者独自の世界です。
※サクッと読めるように、情景描写や建物描写などは、ほとんどありません。
心理のぬま
竹柏凪紗
ライト文芸
「人の心理を利用すればだいたいのことは解決できる」が口癖の冷静で頭が切れるうえイケメンすぎる宮津楓衣とともに亡くなった祖父が経営していた探偵事務所という建前の「なんでも屋」を引き継ぐことになったチャラ男でニートの里山理玖。正式な遺言書をみつけ、一等地にある古い自社ビルの探偵事務所をさっさと売り払って豪遊しようと目論んでいた理玖だったが楓衣に教えてもらった心理術で一儲けして味を占める。仕事を手伝う代わりにおいしい蜜を吸わせてもらっていたのが、気がついたときには大きなトラブルに巻き込まれていて──
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
もう恋なんてしない
竹柏凪紗
BL
「ずっと一緒にいよう」怖いぐらい束縛していたはずの恋人から突然フラれて深く傷ついた千隼(ちはや)は二度と恋などしないと誓う。仕事に専念していたとき社長のヘッドハンティングにより現役ホストで見た目はチャラいが仕事もできるし頼りになる絢世(あやせ)が入社。2人の距離が徐々に縮まっていくなか、社長の怪しい行動や絢世が入社した本当の理由が明らかになっていく。社長は敵か味方か。そして千隼と絢世の運命は──?
※ストーリーが進んだのであらすじを修正・追記しました。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
【完結】身代わりの仮婚約者になったら、銀髪王子に人生丸ごと買い占められた件
ななせくるみ
恋愛
聖プレジール学園。
そこは、世界中の富豪の子息が集まる超名門校
特待生の庶民・花咲ひまりの目標は
目立たず平穏に卒業すること。
だがある日、学園の絶対君主であり、
完璧な「王子」と称えられる一条蓮から
衝撃の宣言をされる。
「今日から君が、俺の仮の婚約者だ」と。
冷徹な王子様だと思っていた蓮は
二人きりになるとまるで別人で――?
格差1億円の溺愛シンデレラストーリー
開幕です!!
とめどなく波が打ち寄せるように
月山 歩
恋愛
男爵令嬢のセシルは、従者と秘密の恋をしていた。彼が従者長になったら、父に打ち明けて、交際を認めてもらうつもりだった。けれども、それを知った父は嘘の罪を被せて、二人の仲を割く。数年後再会した二人は、富豪の侯爵と貧困にあえぐ男爵令嬢になっていた。そして、彼は冷たい瞳で私を見下した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる