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第43話 好きかもしれない
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「いや…。俺たちとしては行方不明ホストの情報を少し集めてもらえるのは嬉しいが、あんたはCREATEで働くイチ社員だし、俺たちに協力する義務や必要性もないのにと思ってな」
「でも、これからしばらくは飛鷹さんたちのおうちに置いてもらうわけですし」
「いや、でもそれはあんたが頼んできたわけではないだろう」
「それはまぁ、そうですけど」
「俺たちには変な気遣いとかいらないから」
言ったあとで飛鷹は照れ臭そうにコホンと小さく咳払いすると
「まぁ、なんだ…。笑顔の特訓と俺の料理を味見してもらうだけでも十分というか…。やってもらいすぎというか」
そんなことを言う。
あぁ…。
どうしよう。
やっぱり飛鷹さん、めちゃめちゃいい人だ…。
沙那はなるべく心を無にして飛鷹といっしょに荷物を取りに自宅へ行ったのに。
飛鷹の家へ持って行く荷物をカバンに詰めながら、なんだか虚しい気持ちになった。
こうして振り返ってみると、拓人のモノって何もない。
いっしょに住んではいなかったけど結構な頻度でここに来てたのに、私が勝手に買って揃えたものばかり。
歯ブラシにお揃いのマグカップ。
いっしょに撮った写真がスマホのなかに何枚かあるだけ。
こんなの付き合ってたっていうのかな?
気づいたら涙がこぼれていて
「おい、大丈夫か?」
心配そうな表情をした飛鷹が何も言わずに抱きしめてくれていた。
…飛鷹さんは、なんてあったかいんだろう…。
無意識に飛鷹の服を掴んでいる自分に驚いて沙那はそっと手を放す。
本当にどうしよう。
このままいっしょにいたら好きになってしまうかもしれない。
…というかもう、すでに好きかもしれない…。
「でも、これからしばらくは飛鷹さんたちのおうちに置いてもらうわけですし」
「いや、でもそれはあんたが頼んできたわけではないだろう」
「それはまぁ、そうですけど」
「俺たちには変な気遣いとかいらないから」
言ったあとで飛鷹は照れ臭そうにコホンと小さく咳払いすると
「まぁ、なんだ…。笑顔の特訓と俺の料理を味見してもらうだけでも十分というか…。やってもらいすぎというか」
そんなことを言う。
あぁ…。
どうしよう。
やっぱり飛鷹さん、めちゃめちゃいい人だ…。
沙那はなるべく心を無にして飛鷹といっしょに荷物を取りに自宅へ行ったのに。
飛鷹の家へ持って行く荷物をカバンに詰めながら、なんだか虚しい気持ちになった。
こうして振り返ってみると、拓人のモノって何もない。
いっしょに住んではいなかったけど結構な頻度でここに来てたのに、私が勝手に買って揃えたものばかり。
歯ブラシにお揃いのマグカップ。
いっしょに撮った写真がスマホのなかに何枚かあるだけ。
こんなの付き合ってたっていうのかな?
気づいたら涙がこぼれていて
「おい、大丈夫か?」
心配そうな表情をした飛鷹が何も言わずに抱きしめてくれていた。
…飛鷹さんは、なんてあったかいんだろう…。
無意識に飛鷹の服を掴んでいる自分に驚いて沙那はそっと手を放す。
本当にどうしよう。
このままいっしょにいたら好きになってしまうかもしれない。
…というかもう、すでに好きかもしれない…。
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