もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第55話 危険人物を排除する策士

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「あぁ、きのう飛鷹から話を聞いた時点で川崎さんを会社に置いておくのは危険だなって思ってね。川崎さんの性格と飛鷹から聞いた昨日の行動から推測して作戦を立てたって感じかな?」

飛鷹の問いに愉しいという様子で答えた相師は
「俺の狙いどおり会社のエントランスでみんなの注目を浴びながら自爆してくれてホッとしたよ。もし失敗したらどうしようって内心ドキドキだった」
胸を撫でおろす。

「…由衣の性格って…?」

「あぁ、会社が入社時と1年に1回実施している適性検査あるでしょ?あれを参考に…」
言いながら相師はカバンからタブレットを取り出し“川崎由衣”と書かれたページを表示して見せた。

「うわ…。こんなふうに分析されていたなんて…」

「仕事の適正を見極めたり人事異動のときに使ったりね。悪用はしないよ。でも川崎さんみたいなのをのさぼらせておくと会社にとってもよくないからさ。そういうときにも使ったりするかな」

「本当に相師は、危険人物を排除する策士だな」

呆れる飛鷹に
「まぁいいじゃん」
答えた相師を
「どういうことですか…?」
よくわからないという目で見つめる沙那。

「あぁ、えっとね。簡単に説明すると、女子からモテまくっている俺と注目されている飛鷹が香村さんと3人で会社に通勤すればみんなの注目が集まると思ってね」

…え?
怖い。

「いっしょに出勤するところからすべて仕組まれてたってことですか…?」
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