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第114話 億を支払っても手に入れたいモノ
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「数百万~数千万円、場合によっては億さえ支払うのにヘーコラする参加者…か。シュウの言動に態度、気になるな」
唇に手を当てて少し考え込んでいた飛鷹だったけれど
「…可愛すぎだな…」
沙那を見つめてボソリ。
可愛すぎ、なんてはじめて言われた。
めちゃめちゃしっかりと目を見つめながら。
「お世辞でも嬉しい」
嬉しそうに言った沙那を飛鷹が睨む。
「…は?」
「…え?ひ、飛鷹さん…、こ、怖い…」
「どうしてお世辞?」
「…え?だって、可愛いすぎるなんて…。そんなことはじめて言われた…」
言った沙那を
「…は?」
ものすごく不機嫌に睨みつけたかと思うと、急に口の片端だけが上がって戸惑う。
ひ、飛鷹さん、いま、笑ってるよね?
ほぼ無表情でわかりづらいけど!
なにが起こったのか困惑している沙那の手をそっとつないだ飛鷹は言う。
「見る目のないヤツばかりでよかった」
「…え?」
聞き返され、一気に恥ずかしくなった飛鷹は小さく咳払い。
「とにかく沙那は可愛すぎて危なっかしい。さっきもアンに襲われかけていたしな」
いえいえ、あれは飛鷹さん、それは私が可愛いとかが原因ではないんですけどね…。
私が襲われそうになった原因は、飛鷹さんがアンさんを冷たくあしらったからだから!
…そりゃあ、きっぱりと突き放してくれて私は嬉しかったけど。
「それにシュウだって沙那に鬱陶しいくらい耳打ちをしていた」
…う~ん。
残念だけど、そえも私が可愛かったから耳打ちしていたわけじゃないんですよね…。
店でシュウさんを指名して高いボトルを入れるよう脅されていただけで。
そう説明したじゃん…。
「ほかのヤツに盗られないようにきちんと手をつないでおかないとな」
飛鷹が言ってあらためて沙那の手を握ったとき
「あなたたちの権利を購入させてはもらえないだろうか?」
でっぷりとした中年男がいきなり声をかけてきた。
唇に手を当てて少し考え込んでいた飛鷹だったけれど
「…可愛すぎだな…」
沙那を見つめてボソリ。
可愛すぎ、なんてはじめて言われた。
めちゃめちゃしっかりと目を見つめながら。
「お世辞でも嬉しい」
嬉しそうに言った沙那を飛鷹が睨む。
「…は?」
「…え?ひ、飛鷹さん…、こ、怖い…」
「どうしてお世辞?」
「…え?だって、可愛いすぎるなんて…。そんなことはじめて言われた…」
言った沙那を
「…は?」
ものすごく不機嫌に睨みつけたかと思うと、急に口の片端だけが上がって戸惑う。
ひ、飛鷹さん、いま、笑ってるよね?
ほぼ無表情でわかりづらいけど!
なにが起こったのか困惑している沙那の手をそっとつないだ飛鷹は言う。
「見る目のないヤツばかりでよかった」
「…え?」
聞き返され、一気に恥ずかしくなった飛鷹は小さく咳払い。
「とにかく沙那は可愛すぎて危なっかしい。さっきもアンに襲われかけていたしな」
いえいえ、あれは飛鷹さん、それは私が可愛いとかが原因ではないんですけどね…。
私が襲われそうになった原因は、飛鷹さんがアンさんを冷たくあしらったからだから!
…そりゃあ、きっぱりと突き放してくれて私は嬉しかったけど。
「それにシュウだって沙那に鬱陶しいくらい耳打ちをしていた」
…う~ん。
残念だけど、そえも私が可愛かったから耳打ちしていたわけじゃないんですよね…。
店でシュウさんを指名して高いボトルを入れるよう脅されていただけで。
そう説明したじゃん…。
「ほかのヤツに盗られないようにきちんと手をつないでおかないとな」
飛鷹が言ってあらためて沙那の手を握ったとき
「あなたたちの権利を購入させてはもらえないだろうか?」
でっぷりとした中年男がいきなり声をかけてきた。
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