140 / 185
第140話 粉飾決済
しおりを挟む
飛鷹とキスをしたことをcreateの社長秘書・宮坂美羽から耳元で囁かれ、気分は一気にトーンダウン。
頭の中は真っ白になったままで戸惑う。
こんなショックを受けるなんて私…。
めちゃくちゃ飛鷹さんのこと好きじゃん。
なんともいえない嫌な気持ちに包まれていたとき
「粉飾決済か…」
相師のつぶやくような声が現実へと引き戻す。
過去のシイタケファームや前オーナーを知っているだけに脳が聞き逃せなかったようで
「…え?シイタケファームが粉飾決済?」
沙那は反射的に聞き返していた。
「粉飾決済って、企業が儲かっていないのに儲かっているみたいにみたいにみせる悪質な行為のことだよね?」
「そう。赤字なのに黒字のフリをして銀行の融資や取引先企業との契約を有利に進めるためなんかに企業なんか使う手口だね。民事責任や刑事責任を問われる可能性があるやつ」
シイタケファームはシイタケを愛してやまない前オーナーがひとりで起業。
肥料や環境など細部にまでこだわって育てられた肉厚で大きなシイタケは価値のあるブランドシイタケへと成長し、高級食材を扱うような飲食店からも引く手あまただった。
高額でも欲しいという人たちが群がるなか、地元の人たちにも味わってほしいという前オーナーの思いから工場見学をすれば特別にシイタケを購入できるよう配慮しないといけなかったほど。
「それって…?」
思わず聞いた沙那に
「前オーナーが亡くなる少し前くらいから。ちょうどまえの決算くらいからかな?」
相師が苦い表情で答える。
「表面上の年商なんかは問題なかったけど、成金のことがあったから気になってもういちど詳しく美羽に深く調べてもらったんだ…。シイタケファーム、怖いくらいにどんどん怪しくなっていくね…」
頭の中は真っ白になったままで戸惑う。
こんなショックを受けるなんて私…。
めちゃくちゃ飛鷹さんのこと好きじゃん。
なんともいえない嫌な気持ちに包まれていたとき
「粉飾決済か…」
相師のつぶやくような声が現実へと引き戻す。
過去のシイタケファームや前オーナーを知っているだけに脳が聞き逃せなかったようで
「…え?シイタケファームが粉飾決済?」
沙那は反射的に聞き返していた。
「粉飾決済って、企業が儲かっていないのに儲かっているみたいにみたいにみせる悪質な行為のことだよね?」
「そう。赤字なのに黒字のフリをして銀行の融資や取引先企業との契約を有利に進めるためなんかに企業なんか使う手口だね。民事責任や刑事責任を問われる可能性があるやつ」
シイタケファームはシイタケを愛してやまない前オーナーがひとりで起業。
肥料や環境など細部にまでこだわって育てられた肉厚で大きなシイタケは価値のあるブランドシイタケへと成長し、高級食材を扱うような飲食店からも引く手あまただった。
高額でも欲しいという人たちが群がるなか、地元の人たちにも味わってほしいという前オーナーの思いから工場見学をすれば特別にシイタケを購入できるよう配慮しないといけなかったほど。
「それって…?」
思わず聞いた沙那に
「前オーナーが亡くなる少し前くらいから。ちょうどまえの決算くらいからかな?」
相師が苦い表情で答える。
「表面上の年商なんかは問題なかったけど、成金のことがあったから気になってもういちど詳しく美羽に深く調べてもらったんだ…。シイタケファーム、怖いくらいにどんどん怪しくなっていくね…」
15
あなたにおすすめの小説
国王一家は堅実です
satomi
恋愛
オスメーモ王国…そこは国王一家は麗しくいつも輝かんばかりのドレスなどを身につけている。
その実態は、国王一家は国民と共に畑を耕したり、国民(子供)に読み書きを教えたり庶民的な生活をしている。
国王には現在愛する妻と双子の男女の子に恵まれ、幸せに生活している。
外部に行くときは着飾るが、領地に戻れば庶民的で非常に無駄遣いをしない王族である。
国庫は大事に。何故か、厨房担当のワーグが王家の子どもたちからの支持を得ている。
忘れられたら苦労しない
菅井群青
恋愛
結婚を考えていた彼氏に突然振られ、二年間引きずる女と同じく過去の恋に囚われている男が出会う。
似ている、私たち……
でもそれは全然違った……私なんかより彼の方が心を囚われたままだ。
別れた恋人を忘れられない女と、運命によって引き裂かれ突然亡くなった彼女の思い出の中で生きる男の物語
「……まだいいよ──会えたら……」
「え?」
あなたには忘れらない人が、いますか?──
らっきー♪
市尾彩佳
恋愛
公爵家の下働きをしているアネットと、その公爵の息子であるケヴィン。同じ邸で育ちながら、出会ったのはケヴィン16歳の年。しかもふかふかなベッドの中。
意思の疎通の食い違いから“知り合い”になった二人。互いに結ばれることがないとわかっているからこそ、頑なに距離を保ち続けていたはずが──。「これがわたしの旦那さま」の過去編です。本編をお読みでなくても大丈夫な書き方を目指しました。「小説家になろう」さんでも公開しています。
傷付いた騎士なんて要らないと妹は言った~残念ながら、変わってしまった関係は元には戻りません~
キョウキョウ
恋愛
ディアヌ・モリエールの妹であるエレーヌ・モリエールは、とてもワガママな性格だった。
両親もエレーヌの意見や行動を第一に優先して、姉であるディアヌのことは雑に扱った。
ある日、エレーヌの婚約者だったジョセフ・ラングロワという騎士が仕事中に大怪我を負った。
全身を包帯で巻き、1人では歩けないほどの重症だという。
エレーヌは婚約者であるジョセフのことを少しも心配せず、要らなくなったと姉のディアヌに看病を押し付けた。
ついでに、婚約関係まで押し付けようと両親に頼み込む。
こうして、出会うことになったディアヌとジョセフの物語。
エリザは恋について考えていた
通木遼平
恋愛
「シューディルくんのこと好きじゃないなら、彼に付きまとうのはやめてほしいの」――名前も知らない可愛らしい女子生徒にそう告げられ、エリザは困惑した。シューディルはエリザの幼馴染で、そういう意味ではちゃんと彼のことが好きだ。しかしそうではないと言われてしまう。目の前の可愛らしい人が先日シューディルに告白したのは知っていたが、その「好き」の違いは何なのだろう? エリザはずっと考えていた。
※他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる