もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第139話 もっと言いなりになれ

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美羽を見つめた相師が「いい情報って何?」いつになく感じの悪い表情と声で聞く。

それが気に食わなかったのか美羽が
「シイタケファームのことなんだけど、追加情報は不要?」
持っていた茶色いA4封筒をパッと高く上げて相師をチラ見。

「え?シイタケファーム?」

相師が食いついたのを確認して意味深なことを言いながら乱暴にA4封筒を突きつけた。

「社長秘書である私のコネと人脈にちゃんと感謝してよね?もっとヘーコラして私の言いなりになってくれなきゃ、今後は二度と手伝わない。わかってるわよね?そもそも幼馴染みじゃなきゃこんな調べもの、いくら条件付きだったとしても絶対にやらないんだから」

ヘーコラに言いなりって…。

そりゃあ私は3人がどんな関係を築いてきたのかは知らないけど。
幼馴染みにそんなこと、言う?

「うわぁ、ありがとう!さすが幼馴染みの美羽。美羽はやさしいなぁ」
あきらかに棒読み状態でお礼を言う相師。

それでも満足したのか
「ちゃんと香村さんにも、私がいかに自慢の友達いなのか、しっかりと説明しておいてよね。じゃあ、また来るから」
さっさと倉庫から出て行ってしまった。

うわぁあああ、感じ悪い。
感じが悪すぎる!

そしてどんどんと襲ってくる虚しくてどうしようもなく救いようのない気持ちだけがまだ残っていて戸惑う。

ズキズキする旨の痛みをどうにかやわらげようと深呼吸をしていた沙那の隣でA4封筒から書類を取り出した相師が声を上げた。

「…やっば。なにこれ?シイタケファーム、会社として成立してないじゃん…」
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