もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第150話 ラブラブで明日の準備

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沙那から振り向きざまに突然キスをされて驚いた飛鷹は目を見開いたまま。
いつもの不愛想でクールな飛鷹がびっくりした顔をしているのが可愛くてたまらない。

「飛鷹さんからばっかりだから…。私からもキス…してみました」

小さく笑った沙那を
「可愛すぎる…」
そっとハグ。

ふわりと香るいい匂いに包まれながらムラムラを我慢するのがしんどくて戸惑う。
このまま抱いてしまいたいという気持ちと大事にしたいという想いの葛藤がすごい。

「…なにをつくる?」

「上原さんが買い置きしているミンチがあったので、一応ハンバーグにしようかと思っていたんですけど。なにがいいですか?鶏肉に豚肉、それから野菜とかも結構そろっていたので、なんでも作れそうです。お2人、本格的な自炊するんですね?」

「本格的かどうかはわからんが、自炊はする。…というか、相師が適当に買い物をしてきて腐らすから俺がつくっているという感じだな」
少し呆れたように言いながら答える飛鷹。

上原さんにはあまあまな飛鷹さん、やっぱり可愛い。

そして上原さんのことがよほど大事なんだろうとも思う。
だからこそ、何度も危ない目に巻き込もうとした悠馬さんのことをよく思っていない。

飛鷹さんは、行方不明になっている悠馬さんが見つかることを望んでいるのかな?

疑問がわいてきたとき
「ハンバーグにしよう」
そんな飛鷹の声が聞こえて
「はい。おいしいのをつくりましょう」
にっこりと沙那は微笑み返す。

いっしょにハンバーグをつくって笑いながらごはんを食べて
「ABC遊園地、けっこう本格的なんだな」
ABC遊園地のマップや乗り物をスマホでチェックして…。

「なかなかにスリルがありそうな乗り物もある」

楽しそうな飛鷹の隣に座って、沙那はずっとこんな日々が続けばいいなと思った。
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