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第172話 権利を欲しがる男
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一体なんの権利なのか、それを譲ってほしいと再び懇願してきた中年男キタ。
パーティーでは沙那たちに交渉を持ちかけているところを主催者である成金にみつかり、事前に申請もなく参加者同士でそういった取り引きをすることは参加資格の欠落事由に該当すると脅されてペナルティ料の300万円を支払わされていた。
300万円といえば大金。
それなのに性懲りもなくこうしてまた権利を譲ってほしいと言ってくるなんて、その権利というのは余裕で300万円以上もの価値があるということ?
権利だってタダで譲ってくれと言ってきたわけじゃない。
購入させてほしいと言ってきた。
金額は聞いていないから、いくらで購入するつもりなのかはわからないけれど…。
キタが欲しがっているものには相当な価値があることになる。
一体なに…?
「早く俺にも聞かせて?その話。俺なら協力できるかもよ?」
相師があらためてキタに声をかけたとき
「アタシのところに権利の懇願に来て大金を積んだかと思えば、その足でまたこっそり交渉しようとするとは…」
蔑んだような声とともに姿を現したのは、成金。
「…あ」
反射的に声を上げた沙那を見たかと思うとすぐに飛鷹のほうへと視線を移して微笑んだ。
「ベストカップルコンテスト、優勝おめでとう。この前はパーティー会場で、そして今日は遊園地で会うなんて縁があるのね」
相師に目で合図された飛鷹は、普段の不愛想から一転。
「そのようにおっしゃっていただけて光栄です」
イケメンオーラがダダ漏れの営業スマイルで成金に微笑みかける。
キタは成金のほうを見つめながら小刻みに震えると
「頼むから…。頼みますから、どうか参加資格のはく奪だけは勘弁してください!」
周囲の目も気にせず成金の足にしがみついた。
成金はキタの頬を思いっきり平手打ち。
「イケメンと話をしているのに邪魔するんじゃないわよっ!」
声を押さえながら低くて圧のある声でそう言った。
パーティーでは沙那たちに交渉を持ちかけているところを主催者である成金にみつかり、事前に申請もなく参加者同士でそういった取り引きをすることは参加資格の欠落事由に該当すると脅されてペナルティ料の300万円を支払わされていた。
300万円といえば大金。
それなのに性懲りもなくこうしてまた権利を譲ってほしいと言ってくるなんて、その権利というのは余裕で300万円以上もの価値があるということ?
権利だってタダで譲ってくれと言ってきたわけじゃない。
購入させてほしいと言ってきた。
金額は聞いていないから、いくらで購入するつもりなのかはわからないけれど…。
キタが欲しがっているものには相当な価値があることになる。
一体なに…?
「早く俺にも聞かせて?その話。俺なら協力できるかもよ?」
相師があらためてキタに声をかけたとき
「アタシのところに権利の懇願に来て大金を積んだかと思えば、その足でまたこっそり交渉しようとするとは…」
蔑んだような声とともに姿を現したのは、成金。
「…あ」
反射的に声を上げた沙那を見たかと思うとすぐに飛鷹のほうへと視線を移して微笑んだ。
「ベストカップルコンテスト、優勝おめでとう。この前はパーティー会場で、そして今日は遊園地で会うなんて縁があるのね」
相師に目で合図された飛鷹は、普段の不愛想から一転。
「そのようにおっしゃっていただけて光栄です」
イケメンオーラがダダ漏れの営業スマイルで成金に微笑みかける。
キタは成金のほうを見つめながら小刻みに震えると
「頼むから…。頼みますから、どうか参加資格のはく奪だけは勘弁してください!」
周囲の目も気にせず成金の足にしがみついた。
成金はキタの頬を思いっきり平手打ち。
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声を押さえながら低くて圧のある声でそう言った。
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