もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第183話 怪しいスタッフの態度

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「すぐに出てください!」

謝罪をされることもなく、緊迫した声でスタッフからそう指示され、押し出されるようなカタチでもとのステージ下の待機スペースへ。

「出口と間違えて、この先に連れ迷い込んでしまって」

スタッフに説明する飛鷹を横目に、美羽はステージ下の待機スペースから楽屋へと勝手に入って同じように掛けられていた黒いカーテンをめくってドアを見つけた。

それに気づいたスタッフが
「勝手なことをしないでください」
すごい剣幕で注意する。

「ここもさっきの場所につながる感じなんですか?」

言いながら勝手にドアノブを回してドアを押すと、見えたのはさっきと同じ景色。
さっきと同じ建物だ…。

「やめてください!」
尋常ではない様子でスタッフが美羽を制止。

不満そうな顔をした美羽にハッと我に返ったかのようなスタッフが
「ひ、ひとまずお連れ様が見つかるまでゆっくりしてください」
楽屋にあった冷蔵庫からペットボトルのジュースを3人分出して愛想笑いを浮かべた。

そんなスタッフの言動は明らかに普通じゃない。

しばらくして建物のなかへと相師を探しに行った別のスタッフが戻ってきたけれど、ひとりだけ。
相師の姿はない。

青ざめたまま首を振ったスタッフをもうひとりのスタッフが
「どうするんだ?!あの建物には絶対に立ち入らないようオーナーから厳しく言われていたはずだろう?誰がカギを開けたんだ…?」
責め立てるような口調で言ったとき、成金が楽屋に入ってきて怪訝そうな顔をした。

「一体、なんの騒ぎ?」
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