もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第568話 それぞれの思惑

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「それがさっきの話につながるんだ。シンを自宅に匿っているという後ろめたさもあってだな…。シンのことを聞かれたら気まずいと思って、少し時間を潰していたんだ。何度か様子を見に行って、高峰タクシーがいなくなったタイミングで店へ戻ったってわけ」

大垣が説明するも腑におちないシズク。

「じゃあ、あのマイクロSDはなんだったんです?それにそもそも、シンさんを自宅に匿っているって、どういうことですか?シンさんが自分の親にも恋人にも内緒でそんなことをするとは思えないんですけど…」

「質問が多いな…」

さすがに大垣も疲れてきたらしくボソリ。

「当たり前でしょう!大垣さんはいま、疑われているんですよ!」

きつく突っ込むシズクに
「まいったなぁ…」
頭をポリポリと掻きながら大垣は続けた。

「シンは黛さんがすでに行方不明ホストについて探っていることを知らなかった。そんなときシンが不審な行動をとっていることに気づいて声をかけたら、シンも行方不明ホストのことを調べているとは知らなくてな。シンが俺に口止めしてきたわけよ」

深く溜め息をついた大垣の言葉を拾って
「もしかして、黛さんからは前々から口止めをされていたからシンさんには言えなかったってヤツですか…?」
聞いたシズクに頷く大垣。

「シンも黛さんも、どっちもが裏に大きな組織が絡んでいるんじゃないかというところまでは突き止めていてな。お互いを巻き込まないようにとの口止めだったから言えなかったんだ。俺には裏切者だった過去もあるから余計にな」

黙っていたことをやっと吐き出せたと少し軽くなった表情で大垣は続けた。

「マイクロSDの中身は、シンが独自に調査して集めた行方不明ホストの情報。それを黒服や黛さんに見せてほしいと俺に託したモノでな。あの日、まずは黒服に見せるつもりで置いてあったんだ。黒服のデスクなんて普段は、絢世もシズクも見たりしないだろう?」
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