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第667話 盗聴用の仕掛け
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シズクが戻ってきたらお仕置きをしてやろうと微笑んだ千隼は
「まぁ、そういうことだ」
言いながら床に落ちていたグラスを拾い上げて絢世に手渡した。
「これは?」
「この穴とラップは盗聴用の仕掛け。このグラスも盗聴に使ったみたいだな」
「盗聴に?」
聞き返した絢世に頷く千隼。
「さっきもこの穴が盗聴用だとか覗き穴だとか言ってましたけど、変なラップも貼りつけてありますし、こんなグラスなんかで隣の音を聞き取れたりするものなんです?」
「あぁ。開けた穴をラップで覆うことによって音が伝わりやすくなる」
「ふぇええ。知りませんでした」
感心した様子の絢世といつもみたいに話したいと思ってしまった千隼は
「音を伝えやすい素材にはビニール紐やエナメル線なんかもあるぞ」
得意気に知識を披露。
「さすがは千隼さんですね」
褒められて少しだけお互いの間に蔓延っていた嫌な空気がやわらいだことにホッとした。
「それにしてもこの穴、ドリルで開けたんですかね?」
苦笑いしながら聞く絢世に
「だろうな」
呆れながら千隼が返す。
「寂しいからって他人の家の壁にそっと穴を開けても見捨てられないなんてシズクくらいでしょうね」
ボソリと言った絢世に頷いた千隼は
「俺たちがいない間にドリルで壁に穴を開け、この紐と強力両面テープで穴を開けたときに散った破片を片づけたらしい」
床に落ちていた紐を手に取って見せた。
「…片づけが苦手な性格のせいでぜんぶ痕跡が見つかりますね」
「まぁ盗聴用の仕掛けをする手間も省けたし、ちょうどいい。魚が来るまで片づけでもしていよう」
ゴミ袋を取り出した千隼は
「どういうことか、きちんと説明してください?」
怒りのこもった目で絢世に睨まれていた。
「まぁ、そういうことだ」
言いながら床に落ちていたグラスを拾い上げて絢世に手渡した。
「これは?」
「この穴とラップは盗聴用の仕掛け。このグラスも盗聴に使ったみたいだな」
「盗聴に?」
聞き返した絢世に頷く千隼。
「さっきもこの穴が盗聴用だとか覗き穴だとか言ってましたけど、変なラップも貼りつけてありますし、こんなグラスなんかで隣の音を聞き取れたりするものなんです?」
「あぁ。開けた穴をラップで覆うことによって音が伝わりやすくなる」
「ふぇええ。知りませんでした」
感心した様子の絢世といつもみたいに話したいと思ってしまった千隼は
「音を伝えやすい素材にはビニール紐やエナメル線なんかもあるぞ」
得意気に知識を披露。
「さすがは千隼さんですね」
褒められて少しだけお互いの間に蔓延っていた嫌な空気がやわらいだことにホッとした。
「それにしてもこの穴、ドリルで開けたんですかね?」
苦笑いしながら聞く絢世に
「だろうな」
呆れながら千隼が返す。
「寂しいからって他人の家の壁にそっと穴を開けても見捨てられないなんてシズクくらいでしょうね」
ボソリと言った絢世に頷いた千隼は
「俺たちがいない間にドリルで壁に穴を開け、この紐と強力両面テープで穴を開けたときに散った破片を片づけたらしい」
床に落ちていた紐を手に取って見せた。
「…片づけが苦手な性格のせいでぜんぶ痕跡が見つかりますね」
「まぁ盗聴用の仕掛けをする手間も省けたし、ちょうどいい。魚が来るまで片づけでもしていよう」
ゴミ袋を取り出した千隼は
「どういうことか、きちんと説明してください?」
怒りのこもった目で絢世に睨まれていた。
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