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幼少期編
02 領主の息子
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私の――俺の名はサイラス。ウィリス村の領主だというアイザック・ウィリスの息子、ということになった。孤児だった私には名前がなかったし、名前をもらえたのは、正直嬉しかった。その………性別が違う名前だったけど。
そう。私は、女だ。
けど、生きるために性別を偽った。だから俺はサイラスとして生きてゆく。
私の家族は、父親がアイザック――茶髪に青色の瞳の背の高いオッサン――に、母親がキャサリンといってくすんだ金髪に灰色の瞳のおっとりしたオバサンの二人。息子もどきを探していただけあって、兄弟姉妹はいなかった。
後で知ったことだけど、領主夫妻に子供、つまり跡取りがいないのは、非常にマズいことなんだそうだ。子供ができないと、家が取り潰しになって領地を取りあげられる。だからアイザックは死体を漁ってまで、『息子と偽れる子供』を探していた、というわけ。
……どんだけ必死なんよ。お貴族様ってそんなにいいものかなぁ?生活水準が庶民並みの貧乏貴族なのにさ。解せぬ。
ここはウィリス村。大きな暗い森が迫る小さな集落。領地はこの小さな集落とその周辺の田畑のみ。子供でも半日で一周できる、笑っちゃうくらい小さな領地だ。
わかるでしょ?貴族とは名ばかり。暮らしは他の村人と大差ない。服は下着以外は何日も同じものを着ているし、当然いい服なわけがない。すり切れ継ぎ接ぎは当たり前。お風呂に入る文化もないから、袖口とかは垢で黒ずんでいる。それがフツー。誰も気にしない。
拾われた先が貧乏領主なんて運がない?いやいや、むしろ超幸運だよ。屋根のあるところで寝られて、とりあえず毎日食べられるし、何より親の前で裸にならなくてよかったんだから。
体を洗う場所は、近くの小川。村人は時間が被らないように適当に水浴びをしている。冬は家でぬるま湯を作って、布で体を拭くだけ。服を全部脱ぐ必要はない。
風呂なし生活に感謝する日が来るなんて、ねぇ…。
よって、性別詐称はバレることなく、私は領主の息子としてこの村で幼少期を過ごすことになる。
◆◆◆
アイザックに拾われて、数日が過ぎたある日。私はアイザックに連れられて、隣村を治める貴族に挨拶に行くことになった。
「いいか。私が話すからおまえは余計なことを言わず、話を合わせろ?な?」
と、アイザックから耳にタコができるほど言いつけられた。
曰く、跡取りが生まれると、隣近所の領主にお披露目の挨拶に行くのが通例だそうだ。戸籍というシステムはない。紙――羊皮紙は大変高価で、小粒貧乏領主にとっては贅沢品。ちょっとしたことを記録するために使えるものではないとのこと。だから、跡取りの有無は、定期的に挨拶に訪れ、各人の記憶に残す、という大変原始的な方法をとる。面倒くさいことこの上ないけど、重要な案件だというのだから仕方がない。
ニマム村までは、馬で半日もあればたどり着く。ここもウィリス村と同じような、森の縁に広がる小さな集落だった。民家のまわりに田畑があるそれ。領主、というか村長の家といった方がしっくりくる家で、アイザックはここの領主、ヘクターという爺ちゃんとぼそぼそ世間話をした。話の内容は、畑のこととか森のこととかいろいろ…お互いの近況報告だ。ちなみに、ヘクター爺ちゃんには既に成人した息子と娘がいて、彼らとも顔を合わせた。
話が終わると、アイザックは私をずいと前に出した。
「息子のサイラスだ。五つになる。」
サイラスは五歳という設定らしい。まあ見た目からしても妥当な歳だ。私自身、自分の正確な年齢も誕生日もわからないから、設定してくれるならそれに従う。
「アイザック・ウィリスが息子、サイラスと申します。以後、お見知りおきを。」
そう言ってペコリとお辞儀をすれば、なぜか周りにいた大人たちが黙りこんだ。
………あれ?
なんかマズいこと言った?フツーに『ご挨拶』しただけ……だよね?
「い…いやぁ、小さいのにしっかりした子だの。もう一丁前に挨拶ができるのな。」
数秒後、ヘクターの爺ちゃんが破顔して、私の頭をわしわしと撫でた。
「あ…ああ、それはどうも…」
しどろもどろになりながら、答えるアイザックは…小声で「以後、お見知りおきを…なんてどこで覚えたんだ?」と首を捻っている。
ハッ!そういや普通の五歳児はそんな小難しい言い回しなんかしないわ。ついうっかり『私(※大人)』の語彙を使っちゃったよ。いかんいかん…
◆◆◆
その日はニマム村に一泊し、翌朝、ヘクター爺ちゃん達に別れを告げて、私たちは次の目的地へと向かった。行き先はモルゲン。
「モルゲンはここいらでは大きな街だ。商人も来る。」
アイザックが説明した。心なしか緊張しているみたい。曰く、田畑の作物の売り先であり、村で手に入らない生活用品を買える街なのだとか。そして、何より強調されたのは、モルゲン領主は爵位持ちの偉い人だから、くれぐれも失礼のないように、とのことだった。挨拶は、ヘクター爺ちゃんにしたのと同じようにやれ、と指示された。
昼を回る頃、モルゲン領の市街地を取りまく城壁が見えてきた。
(おおっ!街だ!)
今まで貧相な柵で囲んだ農村しか見たことがなかったから、初めて見る城壁に興奮する。
中世だ!中世ヨーロッパだよファンタジーじゃん!
もう、わくわくの連続だよ。
三階建てのビルくらいは高さのある石の城壁。深く掘られた堀と、跳ね橋。馬上から見下ろすと、その深さに身体の芯がずくんと震える。そして城門の両脇に立つ衛兵。漫画やアニメに出てくるような軍服を着て帯剣し、背筋をビシッと伸ばして検問の列を睨む姿……
本物だよ!カッコイイ!
モルゲンの中心街は、ハーフティンバーの家々が建ち並ぶ、おとぎ話そのものの光景だった。田舎とは比べものにならない人の数、人の種類。
城門の近くに市場があって、露店の天幕が密集する中、所狭しと置かれた籠や敷物には、山盛りの野菜や肉、魚、チーズの塊。奥では羊毛かな。ふわふわした白いモノが見える。鳴き声が聞こえると思ったら、柵の中でガチョウやヤギといった家畜まで売られていた。
軽くヨーロッパ旅行に来た気分だね。
客を呼ぶ威勢のいい声に心が浮き立つ。
いいねぇ~、活気があってさ!
心躍るけど、領主への挨拶が先だ。見物なら帰りにもできるかもしれない。後でアイザックに頼んでみよう。
きょろきょろしては目を輝かせるニセ息子に、アイザックは、頼むから大人しくしておいてくれよと、心配そうに何度も念を押した。
モルゲンのメインストリートは、行き交う大勢の人でとても混雑している。時折、荷を山積みにした、見上げるように大きな荷馬車が人をかきわけるように進んでゆく。私はアイザックと馬に乗っているから平気だけど、あれは横を歩く歩行者は、一歩間違えれば轢かれかねない。前世でも、チャリンコに乗ってる真横を大型トラックがすれすれに走ってくとハラハラしたけど、それに似ている。しかも、人が多すぎて視界悪いし。事故とか頻発してそうだね。どっち側通行というのもなさそうだし、なんというか…カオス。馬でよかった。
そんな通りをカポカポと進み、私たちは領主の屋敷にたどり着いた。大型ホテルですか?ってくらい大きな邸宅の前には、門番。街が大きいだけあって税収豊かなんだろう。領主様は大金持ち。間違いない。
「アイザック・ウィリスが息子、サイラスと申します。以後お見知りおきを。」
胸に手を当て、ヘクター爺ちゃんにやったのよりも、より丁寧にお辞儀をする。推定五歳児のやることだから、様になっているかは怪しいけど。そんな私に、モルゲン領主ダライアス・フォン・モルゲンは、値踏みするような視線を向けてきた。
大金持ちな領主様――でっぷり肥った脂ギッシュ親父を想像していたけど、実際の領主様は痩身のナイスミドル。白髪の交じる黒髪を撫でつけて、片眼鏡というインテリアイテムがよく似合う。これで黒の燕尾服でも着ていたら、完全に執事様だね。
「小賢しい挨拶だな。しかし、付け焼き刃の知識だけ与えるといずれ痛い目を見るぞ、アイザックよ。」
ドスのある低い声でダライアスが言った。ぎろりと睨まれて、アイザックは萎縮したみたいに身をちぢこめる。
…なんか怖いんだけどこの人!なぜに??
どぎまぎしていたら、鋭い双眸が、今度は私に向けられた。
「サイラスといったか。試しに聞くが、このペンは…一本七ソルド半する。五本買うといくらになるかわかるか?」
……え?算数の問題?
なんだ簡単じゃん。見た目五歳児だけど、中身はアラサーだからね、私は。
「三十七ソルド半です。」
ぱぱっと計算して答えた。どうよ?
でも、返ってきたのは………沈黙。ダライアスは射殺さんばかりの視線を私に向けている。あれ?違ってた?
「計算は間違ってないと思ったんですが…。あ!税込で答えないといけなかったですか?だったら税率何パーですか?あ、それともソルドの上位単位でもありました?」
とりあえずそんなことを聞いてみた。すると、たっぷり十秒くらい間があって…
「……間違ってはいない。」
苦み走った声でダライアスが言った。
………合ってんじゃん。
なんでそんなコワイ顔するんよ、このセバスチャン。そのセバスチャン――ダライアスはその鬼のような顔を後ろにいるアイザックに向けた。
「アイザック、コレをどこで拾ってきた?」
「!?」
あ……。いやな予感。
そして。私たちニセ親子は屋敷の地下牢に放り込まれた。
そう。私は、女だ。
けど、生きるために性別を偽った。だから俺はサイラスとして生きてゆく。
私の家族は、父親がアイザック――茶髪に青色の瞳の背の高いオッサン――に、母親がキャサリンといってくすんだ金髪に灰色の瞳のおっとりしたオバサンの二人。息子もどきを探していただけあって、兄弟姉妹はいなかった。
後で知ったことだけど、領主夫妻に子供、つまり跡取りがいないのは、非常にマズいことなんだそうだ。子供ができないと、家が取り潰しになって領地を取りあげられる。だからアイザックは死体を漁ってまで、『息子と偽れる子供』を探していた、というわけ。
……どんだけ必死なんよ。お貴族様ってそんなにいいものかなぁ?生活水準が庶民並みの貧乏貴族なのにさ。解せぬ。
ここはウィリス村。大きな暗い森が迫る小さな集落。領地はこの小さな集落とその周辺の田畑のみ。子供でも半日で一周できる、笑っちゃうくらい小さな領地だ。
わかるでしょ?貴族とは名ばかり。暮らしは他の村人と大差ない。服は下着以外は何日も同じものを着ているし、当然いい服なわけがない。すり切れ継ぎ接ぎは当たり前。お風呂に入る文化もないから、袖口とかは垢で黒ずんでいる。それがフツー。誰も気にしない。
拾われた先が貧乏領主なんて運がない?いやいや、むしろ超幸運だよ。屋根のあるところで寝られて、とりあえず毎日食べられるし、何より親の前で裸にならなくてよかったんだから。
体を洗う場所は、近くの小川。村人は時間が被らないように適当に水浴びをしている。冬は家でぬるま湯を作って、布で体を拭くだけ。服を全部脱ぐ必要はない。
風呂なし生活に感謝する日が来るなんて、ねぇ…。
よって、性別詐称はバレることなく、私は領主の息子としてこの村で幼少期を過ごすことになる。
◆◆◆
アイザックに拾われて、数日が過ぎたある日。私はアイザックに連れられて、隣村を治める貴族に挨拶に行くことになった。
「いいか。私が話すからおまえは余計なことを言わず、話を合わせろ?な?」
と、アイザックから耳にタコができるほど言いつけられた。
曰く、跡取りが生まれると、隣近所の領主にお披露目の挨拶に行くのが通例だそうだ。戸籍というシステムはない。紙――羊皮紙は大変高価で、小粒貧乏領主にとっては贅沢品。ちょっとしたことを記録するために使えるものではないとのこと。だから、跡取りの有無は、定期的に挨拶に訪れ、各人の記憶に残す、という大変原始的な方法をとる。面倒くさいことこの上ないけど、重要な案件だというのだから仕方がない。
ニマム村までは、馬で半日もあればたどり着く。ここもウィリス村と同じような、森の縁に広がる小さな集落だった。民家のまわりに田畑があるそれ。領主、というか村長の家といった方がしっくりくる家で、アイザックはここの領主、ヘクターという爺ちゃんとぼそぼそ世間話をした。話の内容は、畑のこととか森のこととかいろいろ…お互いの近況報告だ。ちなみに、ヘクター爺ちゃんには既に成人した息子と娘がいて、彼らとも顔を合わせた。
話が終わると、アイザックは私をずいと前に出した。
「息子のサイラスだ。五つになる。」
サイラスは五歳という設定らしい。まあ見た目からしても妥当な歳だ。私自身、自分の正確な年齢も誕生日もわからないから、設定してくれるならそれに従う。
「アイザック・ウィリスが息子、サイラスと申します。以後、お見知りおきを。」
そう言ってペコリとお辞儀をすれば、なぜか周りにいた大人たちが黙りこんだ。
………あれ?
なんかマズいこと言った?フツーに『ご挨拶』しただけ……だよね?
「い…いやぁ、小さいのにしっかりした子だの。もう一丁前に挨拶ができるのな。」
数秒後、ヘクターの爺ちゃんが破顔して、私の頭をわしわしと撫でた。
「あ…ああ、それはどうも…」
しどろもどろになりながら、答えるアイザックは…小声で「以後、お見知りおきを…なんてどこで覚えたんだ?」と首を捻っている。
ハッ!そういや普通の五歳児はそんな小難しい言い回しなんかしないわ。ついうっかり『私(※大人)』の語彙を使っちゃったよ。いかんいかん…
◆◆◆
その日はニマム村に一泊し、翌朝、ヘクター爺ちゃん達に別れを告げて、私たちは次の目的地へと向かった。行き先はモルゲン。
「モルゲンはここいらでは大きな街だ。商人も来る。」
アイザックが説明した。心なしか緊張しているみたい。曰く、田畑の作物の売り先であり、村で手に入らない生活用品を買える街なのだとか。そして、何より強調されたのは、モルゲン領主は爵位持ちの偉い人だから、くれぐれも失礼のないように、とのことだった。挨拶は、ヘクター爺ちゃんにしたのと同じようにやれ、と指示された。
昼を回る頃、モルゲン領の市街地を取りまく城壁が見えてきた。
(おおっ!街だ!)
今まで貧相な柵で囲んだ農村しか見たことがなかったから、初めて見る城壁に興奮する。
中世だ!中世ヨーロッパだよファンタジーじゃん!
もう、わくわくの連続だよ。
三階建てのビルくらいは高さのある石の城壁。深く掘られた堀と、跳ね橋。馬上から見下ろすと、その深さに身体の芯がずくんと震える。そして城門の両脇に立つ衛兵。漫画やアニメに出てくるような軍服を着て帯剣し、背筋をビシッと伸ばして検問の列を睨む姿……
本物だよ!カッコイイ!
モルゲンの中心街は、ハーフティンバーの家々が建ち並ぶ、おとぎ話そのものの光景だった。田舎とは比べものにならない人の数、人の種類。
城門の近くに市場があって、露店の天幕が密集する中、所狭しと置かれた籠や敷物には、山盛りの野菜や肉、魚、チーズの塊。奥では羊毛かな。ふわふわした白いモノが見える。鳴き声が聞こえると思ったら、柵の中でガチョウやヤギといった家畜まで売られていた。
軽くヨーロッパ旅行に来た気分だね。
客を呼ぶ威勢のいい声に心が浮き立つ。
いいねぇ~、活気があってさ!
心躍るけど、領主への挨拶が先だ。見物なら帰りにもできるかもしれない。後でアイザックに頼んでみよう。
きょろきょろしては目を輝かせるニセ息子に、アイザックは、頼むから大人しくしておいてくれよと、心配そうに何度も念を押した。
モルゲンのメインストリートは、行き交う大勢の人でとても混雑している。時折、荷を山積みにした、見上げるように大きな荷馬車が人をかきわけるように進んでゆく。私はアイザックと馬に乗っているから平気だけど、あれは横を歩く歩行者は、一歩間違えれば轢かれかねない。前世でも、チャリンコに乗ってる真横を大型トラックがすれすれに走ってくとハラハラしたけど、それに似ている。しかも、人が多すぎて視界悪いし。事故とか頻発してそうだね。どっち側通行というのもなさそうだし、なんというか…カオス。馬でよかった。
そんな通りをカポカポと進み、私たちは領主の屋敷にたどり着いた。大型ホテルですか?ってくらい大きな邸宅の前には、門番。街が大きいだけあって税収豊かなんだろう。領主様は大金持ち。間違いない。
「アイザック・ウィリスが息子、サイラスと申します。以後お見知りおきを。」
胸に手を当て、ヘクター爺ちゃんにやったのよりも、より丁寧にお辞儀をする。推定五歳児のやることだから、様になっているかは怪しいけど。そんな私に、モルゲン領主ダライアス・フォン・モルゲンは、値踏みするような視線を向けてきた。
大金持ちな領主様――でっぷり肥った脂ギッシュ親父を想像していたけど、実際の領主様は痩身のナイスミドル。白髪の交じる黒髪を撫でつけて、片眼鏡というインテリアイテムがよく似合う。これで黒の燕尾服でも着ていたら、完全に執事様だね。
「小賢しい挨拶だな。しかし、付け焼き刃の知識だけ与えるといずれ痛い目を見るぞ、アイザックよ。」
ドスのある低い声でダライアスが言った。ぎろりと睨まれて、アイザックは萎縮したみたいに身をちぢこめる。
…なんか怖いんだけどこの人!なぜに??
どぎまぎしていたら、鋭い双眸が、今度は私に向けられた。
「サイラスといったか。試しに聞くが、このペンは…一本七ソルド半する。五本買うといくらになるかわかるか?」
……え?算数の問題?
なんだ簡単じゃん。見た目五歳児だけど、中身はアラサーだからね、私は。
「三十七ソルド半です。」
ぱぱっと計算して答えた。どうよ?
でも、返ってきたのは………沈黙。ダライアスは射殺さんばかりの視線を私に向けている。あれ?違ってた?
「計算は間違ってないと思ったんですが…。あ!税込で答えないといけなかったですか?だったら税率何パーですか?あ、それともソルドの上位単位でもありました?」
とりあえずそんなことを聞いてみた。すると、たっぷり十秒くらい間があって…
「……間違ってはいない。」
苦み走った声でダライアスが言った。
………合ってんじゃん。
なんでそんなコワイ顔するんよ、このセバスチャン。そのセバスチャン――ダライアスはその鬼のような顔を後ろにいるアイザックに向けた。
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あ……。いやな予感。
そして。私たちニセ親子は屋敷の地下牢に放り込まれた。
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