78 / 205
魔法学園編
77 商談と諫言
しおりを挟む
王都のとある料理屋。繁華街にほど近いこの店は、利用客の大半は庶民だ。大勢の客で賑わい、うるさいくらいの店内は、話を盗み聞きされる心配もない。密会にはおあつらえ向きだった。
「ブルーノ殿がこのような界隈に来られるとは、失礼ながら少々意外です」
相変わらず地味な格好をしたネーザルが、きょろきょろと店内を見回す。
「粗野な連中は断る店ゆえ、安心なさるといい」
店内を見渡せば、若い女性の姿もちら見える。そう言えば先ほど店の前で、ひょろっとした若者が両手に麻袋を抱えた女の子を口説いていた。実はこの店、若いカップルも利用する人気店だったりするのだ。さすがブルーノ。ナウい店は一通りチェックしている。
「とりあえずエールを」
給仕に酒を頼み、二人はテーブルを囲んだ。
「若者が多いですな」
「意外と料理が美味いんですよ」
ブルーノが言うと、ネーザルは「それは楽しみだ」と顔を綻ばせばせた。
まだ、この男と堂々と会うのは避けている。完全に味方と判じたわけでもない。ただ、『美姫』の取引を既に始めているため、何の連絡もしないまま、というわけにもいかない。
「ネーザル殿は領地はよろしいのか?」
遠回しに、戻らなくてもいいのかとブルーノは尋ねた。アーロンの足取りがわからぬ今、ベイリンに近い領地を放置して不安ではないのか。
「ええ。信頼のおける部下に任せて参りましたし、」
人心地ついたのか、ネーザルはエールを一口飲み、こう答えた。
「アーロン殿は、恐らくエレイン辺りに逗留されておりますから」
常宿があるのですよ、とネーザルは付け加えた。そんなことは初耳である。アーロンがエレインに…
「付き合いが長かったですから。あの方の行動パターンくらい、予想がつきます」
なるほど。まだ、ネーザルにちょっかいをかける余裕はないと見たのか。
「ああ、失礼。取引の話でしたな。実は折り入ってお話したいことがありまして」
コトリとエールのジョッキを置いて、ネーザルは真面目な顔をした。
◆◆◆
「織物商人を?」
目を瞬くブルーノに、ネーザルは説明した。
「ええ。アーロン殿からは離れましたが、付き合いのある商人までも切り捨てるのは少々…」
曰く、アーロンはネーザルで加工した『美姫』を帝国の織物商人に卸し、染め上がった布地――主にサテンやベルベットを同じ商人から買い取り、自領の毛織物と合わせて国内で売ってカネに変えていたという。特に件のサテンやベルベットは、王妃をはじめとした有力者に献上もしていたという。元・政敵から聞くベイリンのお財布事情はブルーノの興味を引くに十分な話題だった。
「なんと…!マダム・ヨランダのドレス地はベイリンから…」
「ええ」
念のため言うが、『美姫』の国内産地はネーザルだけではない。希少だが、王都の近くにも産地はあるのだ。そして当然だが、近隣の産地の方が織物の値も安くなる。遠方から運んでくれば、その分輸送コストが価格に上乗せされるからだ。しかし、割高でも王都近隣産を差し置いて、オートクチュールの名店がベイリンの織物を買い取るとは…。
「輸送コストを差し引いても帝国の絹は質が良い。ぜひこのツテは手放したくないのです」
ゴクリと唾を呑み込んだ。算盤を弾かずとも、かの商品が巨利をもたらすことは疑いない。丸ごと手に入れるチャンスが、手の届くところにある。
「その帝国の織物商人と今は?」
危ない橋かもしれない。だが、相手が帝国人ということが、ブルーノを幾分積極的にした。何せモルゲンは、帝国に開けた湾に港を持っているのだ。
「かの商人はニミュエ領内の港に商館を持っておりまして。今まではそこで商談をしておりました。この時期なら会頭がいるはずです」
「紹介してくれないだろうか。モルゲンは湾に港がある故、ぜひにも」
ブルーノが問うと、「すぐに発てる」とネーザルは答えた。
◆◆◆
「サイラスは、男性です」
寮に帰ってきた俺に、グレンは開口一番こう言った。
「アルフレッド様にとって、彼はあくまでも臨時で雇ったペレアス人であって、厳密にはアルフレッド様の部下ではない。私の言葉に間違いはありませんね?」
つらつらと流れるように言い放った部下は、懐から一枚の植物紙を取り出して広げてみせた。領地の父からの手紙だ。
「ファントゥーシュ伯爵が養女を探している…?」
「伯爵の後ろには皇帝陛下が」
おわかりですね?、とグレンが圧のある眼差しを俺に向けた。
「サアラか…」
「伯爵の養女なら、次期公爵の妻にするのも可能…。ですが、それは皇帝陛下にも当てはまります。陛下はアルフレッド様が飛びつくのを手ぐすね引いて待っておられる。あの方から護りたければ、手放すべきです」
拳を握り締めた。皇帝が、俺とサアラが古代魔法で蘇生したことを嗅ぎつけた。手の甲の呪印も黒い手袋で隠し、決して口外しなかったはずなのに、だ。
はじめは俺だけがターゲットだった。宮廷に呼び出されたかと思うと、その時のことを根掘り葉掘り聞かれ、挙げ句縁戚たる俺に刺客を放ってきた。
蘇生した人間は殺したら死ぬのか。ぜひ知りたいものだ。
退屈しのぎに、モノを見るように。
そんな皇帝がサアラにたどり着くのに時間はかからなかった。宮廷に連れてこいと、戯れに言われたことが何度あったか。その都度、とぼけて素知らぬふりをしたものの、こうして貴族の養女の話を持ち出してくるということは、まだ諦めてはいないのだろう。
俺がアイツの手を放せば、皇帝の探索の糸は切れる…
「正式な妻にすることだけが、正解ではありませんよ」
グレンの忠告が、細い矢のように突き刺さる。確かに、一理あるだろう。でも――何かを必死に抑え込むかのような空色の瞳を想う。
「アル…ダメ、だ」
震える声は確かに拒絶の言葉を紡いだ。普段ポーカーフェイスなアイツにしてはずいぶん下手くそな拒絶を。その裏にある心がわからないほど、馬鹿ではない。それに…
アイツはこのまま埋もれるようなヤツか?
植物紙を開発し、強大な『魔の森』の力を使役する――たった数年で、あの辺鄙な田舎の村を、小規模な街と言えるほどに発展させた。そんなアイツが、このまま『ド庶民』として終わるとはどうしても思えない。
「アイツは…皇帝陛下のことを知らない」
もし近い将来、その残虐性を名君の仮面の下に押し隠し、皇帝がアイツを引き寄せたら…
「グレン。手放すのは、最善の解ではない」
護ると約束した。そのために、強くなると決めたのだから。
◆◆◆
「戻る?貴女はそれでいいのか?」
王都でアルと会った翌日の夕方。男装して学園に戻ってきた私に、グレンさんは目を瞬いた。
「悩むのは性に合わないんで。仕事します」
アルとのいろいろに、良い解答を見つけたわけじゃないけど。でも、このままモルゲン邸に引きこもっていたって時間の無駄だ。せっかく王都に、学園に来たのだから、この機会を有効活用しようと思っただけだよ。ま、男色云々のことがあるから、もうしばらくアルとは距離を置くつもりだけどね。
「なら、」
グレンさんは言いかけ、ふと探るように私を見つめた。
「貴女は…何を望むのか聞いても?」
ぼかした問い方だけど、それがアルとのことだとはすぐにわかった。私は苦笑した。
「私が?田舎の農民風情がお貴族様に物申せると?」
私は庶民。アルは貴族。庶民の私が、貴族たるアルを愛称で呼んだり、馴れ馴れしくすることなんて普通はできないし、したらいけない。アルは私の意思を聞いてくれたけど、本来、庶民はお貴族様に望まれれば、一も二もなく従わなきゃいけない。はじめから『私の』望みの余地なんかないんだ、と。私はそらっとぼけた。
「貴女の意思はない、と?」
「仮にあったとして。それを私に言わせますか?」
返した言葉に、グレンさんはややあって「いえ…」と首を振った。
「読めない人ですね…」
「褒め言葉と受け取っておきますよ」
それでその話は終わった。グレンさんからは、アルと接触しない仕事として与えられたのは…
「え?事務仕事?それだけ?」
◆◆◆
仕事が減った分時間ができた私は、学園の図書室で過ごすことに決めた。田舎に本は少ない。だから、読めるだけ読んで知識を蓄えようと考えたのだ。ダライアスが当初命じてきた情報収集の仕事は、ヴィクターで事足りているようだしね。
「魔力増幅の呪印…?あ、コレ雷撃付与の弓のアレと似てる」
気になった情報を片っ端から手持ちの植物紙に写す。
「竜縛りの陣??」
選別の基準としては、ウィリスで役に立つかどうかと……厨二的な興味をそそられるかどうか。異世界のお勉強は楽しい。でも…
閉じこもってるだけじゃ、つまらないよねぇ?
そんなわけで。
「いらっしゃーい!王都名店のクッキーだよー!」
学園で働くメイドさんたちをターゲットに、お店、始めました!売り文句の通り、王都で庶民に人気の菓子屋から日持ちのするクッキー等を仕入れ、植物紙で可愛くラッピングして販売している。
「あら、かわいいじゃない。これ」
「このクッキーってマダムシュクレの?!」
お昼時になると大盛況だよ。植物紙は、折り紙の要領で袋にし、持ち歩いて食べるスタイルを提案してみました!うふふ…やっぱお店って楽しいよね!それに、王都の店やメイドさんたちとの何気ない話は貴重な情報源だ。
「ん?!なんかマダムシュクレのクッキー、味が変わってない?」
買ったばかりのクッキーを口にしたメイドさんが呟いた。
「んー?そう?」
「うん。小麦が違うのかしら…」
考えこむメイドさん。そう言えば、店主のおばさんが小麦の産地が変わったとか言ってたね。味の違いがわかりますか。
「ま、美味しいからいいけどね!」
「私、そんな繊細な味覚してないしぃ」
きゃっきゃと笑いながらメイドさんたちが歩いていく。その背を笑顔で見送りながら、私はダライアスに送る手紙の文面を考えていた。
小麦を外国から買い入れているんだよ、この国。
今のところ、戦争が起こる気配はないけど、用心するに越したことはないよね。
「ブルーノ殿がこのような界隈に来られるとは、失礼ながら少々意外です」
相変わらず地味な格好をしたネーザルが、きょろきょろと店内を見回す。
「粗野な連中は断る店ゆえ、安心なさるといい」
店内を見渡せば、若い女性の姿もちら見える。そう言えば先ほど店の前で、ひょろっとした若者が両手に麻袋を抱えた女の子を口説いていた。実はこの店、若いカップルも利用する人気店だったりするのだ。さすがブルーノ。ナウい店は一通りチェックしている。
「とりあえずエールを」
給仕に酒を頼み、二人はテーブルを囲んだ。
「若者が多いですな」
「意外と料理が美味いんですよ」
ブルーノが言うと、ネーザルは「それは楽しみだ」と顔を綻ばせばせた。
まだ、この男と堂々と会うのは避けている。完全に味方と判じたわけでもない。ただ、『美姫』の取引を既に始めているため、何の連絡もしないまま、というわけにもいかない。
「ネーザル殿は領地はよろしいのか?」
遠回しに、戻らなくてもいいのかとブルーノは尋ねた。アーロンの足取りがわからぬ今、ベイリンに近い領地を放置して不安ではないのか。
「ええ。信頼のおける部下に任せて参りましたし、」
人心地ついたのか、ネーザルはエールを一口飲み、こう答えた。
「アーロン殿は、恐らくエレイン辺りに逗留されておりますから」
常宿があるのですよ、とネーザルは付け加えた。そんなことは初耳である。アーロンがエレインに…
「付き合いが長かったですから。あの方の行動パターンくらい、予想がつきます」
なるほど。まだ、ネーザルにちょっかいをかける余裕はないと見たのか。
「ああ、失礼。取引の話でしたな。実は折り入ってお話したいことがありまして」
コトリとエールのジョッキを置いて、ネーザルは真面目な顔をした。
◆◆◆
「織物商人を?」
目を瞬くブルーノに、ネーザルは説明した。
「ええ。アーロン殿からは離れましたが、付き合いのある商人までも切り捨てるのは少々…」
曰く、アーロンはネーザルで加工した『美姫』を帝国の織物商人に卸し、染め上がった布地――主にサテンやベルベットを同じ商人から買い取り、自領の毛織物と合わせて国内で売ってカネに変えていたという。特に件のサテンやベルベットは、王妃をはじめとした有力者に献上もしていたという。元・政敵から聞くベイリンのお財布事情はブルーノの興味を引くに十分な話題だった。
「なんと…!マダム・ヨランダのドレス地はベイリンから…」
「ええ」
念のため言うが、『美姫』の国内産地はネーザルだけではない。希少だが、王都の近くにも産地はあるのだ。そして当然だが、近隣の産地の方が織物の値も安くなる。遠方から運んでくれば、その分輸送コストが価格に上乗せされるからだ。しかし、割高でも王都近隣産を差し置いて、オートクチュールの名店がベイリンの織物を買い取るとは…。
「輸送コストを差し引いても帝国の絹は質が良い。ぜひこのツテは手放したくないのです」
ゴクリと唾を呑み込んだ。算盤を弾かずとも、かの商品が巨利をもたらすことは疑いない。丸ごと手に入れるチャンスが、手の届くところにある。
「その帝国の織物商人と今は?」
危ない橋かもしれない。だが、相手が帝国人ということが、ブルーノを幾分積極的にした。何せモルゲンは、帝国に開けた湾に港を持っているのだ。
「かの商人はニミュエ領内の港に商館を持っておりまして。今まではそこで商談をしておりました。この時期なら会頭がいるはずです」
「紹介してくれないだろうか。モルゲンは湾に港がある故、ぜひにも」
ブルーノが問うと、「すぐに発てる」とネーザルは答えた。
◆◆◆
「サイラスは、男性です」
寮に帰ってきた俺に、グレンは開口一番こう言った。
「アルフレッド様にとって、彼はあくまでも臨時で雇ったペレアス人であって、厳密にはアルフレッド様の部下ではない。私の言葉に間違いはありませんね?」
つらつらと流れるように言い放った部下は、懐から一枚の植物紙を取り出して広げてみせた。領地の父からの手紙だ。
「ファントゥーシュ伯爵が養女を探している…?」
「伯爵の後ろには皇帝陛下が」
おわかりですね?、とグレンが圧のある眼差しを俺に向けた。
「サアラか…」
「伯爵の養女なら、次期公爵の妻にするのも可能…。ですが、それは皇帝陛下にも当てはまります。陛下はアルフレッド様が飛びつくのを手ぐすね引いて待っておられる。あの方から護りたければ、手放すべきです」
拳を握り締めた。皇帝が、俺とサアラが古代魔法で蘇生したことを嗅ぎつけた。手の甲の呪印も黒い手袋で隠し、決して口外しなかったはずなのに、だ。
はじめは俺だけがターゲットだった。宮廷に呼び出されたかと思うと、その時のことを根掘り葉掘り聞かれ、挙げ句縁戚たる俺に刺客を放ってきた。
蘇生した人間は殺したら死ぬのか。ぜひ知りたいものだ。
退屈しのぎに、モノを見るように。
そんな皇帝がサアラにたどり着くのに時間はかからなかった。宮廷に連れてこいと、戯れに言われたことが何度あったか。その都度、とぼけて素知らぬふりをしたものの、こうして貴族の養女の話を持ち出してくるということは、まだ諦めてはいないのだろう。
俺がアイツの手を放せば、皇帝の探索の糸は切れる…
「正式な妻にすることだけが、正解ではありませんよ」
グレンの忠告が、細い矢のように突き刺さる。確かに、一理あるだろう。でも――何かを必死に抑え込むかのような空色の瞳を想う。
「アル…ダメ、だ」
震える声は確かに拒絶の言葉を紡いだ。普段ポーカーフェイスなアイツにしてはずいぶん下手くそな拒絶を。その裏にある心がわからないほど、馬鹿ではない。それに…
アイツはこのまま埋もれるようなヤツか?
植物紙を開発し、強大な『魔の森』の力を使役する――たった数年で、あの辺鄙な田舎の村を、小規模な街と言えるほどに発展させた。そんなアイツが、このまま『ド庶民』として終わるとはどうしても思えない。
「アイツは…皇帝陛下のことを知らない」
もし近い将来、その残虐性を名君の仮面の下に押し隠し、皇帝がアイツを引き寄せたら…
「グレン。手放すのは、最善の解ではない」
護ると約束した。そのために、強くなると決めたのだから。
◆◆◆
「戻る?貴女はそれでいいのか?」
王都でアルと会った翌日の夕方。男装して学園に戻ってきた私に、グレンさんは目を瞬いた。
「悩むのは性に合わないんで。仕事します」
アルとのいろいろに、良い解答を見つけたわけじゃないけど。でも、このままモルゲン邸に引きこもっていたって時間の無駄だ。せっかく王都に、学園に来たのだから、この機会を有効活用しようと思っただけだよ。ま、男色云々のことがあるから、もうしばらくアルとは距離を置くつもりだけどね。
「なら、」
グレンさんは言いかけ、ふと探るように私を見つめた。
「貴女は…何を望むのか聞いても?」
ぼかした問い方だけど、それがアルとのことだとはすぐにわかった。私は苦笑した。
「私が?田舎の農民風情がお貴族様に物申せると?」
私は庶民。アルは貴族。庶民の私が、貴族たるアルを愛称で呼んだり、馴れ馴れしくすることなんて普通はできないし、したらいけない。アルは私の意思を聞いてくれたけど、本来、庶民はお貴族様に望まれれば、一も二もなく従わなきゃいけない。はじめから『私の』望みの余地なんかないんだ、と。私はそらっとぼけた。
「貴女の意思はない、と?」
「仮にあったとして。それを私に言わせますか?」
返した言葉に、グレンさんはややあって「いえ…」と首を振った。
「読めない人ですね…」
「褒め言葉と受け取っておきますよ」
それでその話は終わった。グレンさんからは、アルと接触しない仕事として与えられたのは…
「え?事務仕事?それだけ?」
◆◆◆
仕事が減った分時間ができた私は、学園の図書室で過ごすことに決めた。田舎に本は少ない。だから、読めるだけ読んで知識を蓄えようと考えたのだ。ダライアスが当初命じてきた情報収集の仕事は、ヴィクターで事足りているようだしね。
「魔力増幅の呪印…?あ、コレ雷撃付与の弓のアレと似てる」
気になった情報を片っ端から手持ちの植物紙に写す。
「竜縛りの陣??」
選別の基準としては、ウィリスで役に立つかどうかと……厨二的な興味をそそられるかどうか。異世界のお勉強は楽しい。でも…
閉じこもってるだけじゃ、つまらないよねぇ?
そんなわけで。
「いらっしゃーい!王都名店のクッキーだよー!」
学園で働くメイドさんたちをターゲットに、お店、始めました!売り文句の通り、王都で庶民に人気の菓子屋から日持ちのするクッキー等を仕入れ、植物紙で可愛くラッピングして販売している。
「あら、かわいいじゃない。これ」
「このクッキーってマダムシュクレの?!」
お昼時になると大盛況だよ。植物紙は、折り紙の要領で袋にし、持ち歩いて食べるスタイルを提案してみました!うふふ…やっぱお店って楽しいよね!それに、王都の店やメイドさんたちとの何気ない話は貴重な情報源だ。
「ん?!なんかマダムシュクレのクッキー、味が変わってない?」
買ったばかりのクッキーを口にしたメイドさんが呟いた。
「んー?そう?」
「うん。小麦が違うのかしら…」
考えこむメイドさん。そう言えば、店主のおばさんが小麦の産地が変わったとか言ってたね。味の違いがわかりますか。
「ま、美味しいからいいけどね!」
「私、そんな繊細な味覚してないしぃ」
きゃっきゃと笑いながらメイドさんたちが歩いていく。その背を笑顔で見送りながら、私はダライアスに送る手紙の文面を考えていた。
小麦を外国から買い入れているんだよ、この国。
今のところ、戦争が起こる気配はないけど、用心するに越したことはないよね。
0
あなたにおすすめの小説
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる