132 / 205
建国~黎明~編
131 親書 侵食 彼シャツ?!
しおりを挟む
「ところで、帝国皇帝から手紙って…」
手回し洗濯機手作りしてたら、昼近くになってしまった。遠くでアナベル様がまたもや火おこしを始め、ギャラリーが集まりだした。アナベル様…サバイバル能力を確実に身につけておられる――こないだ初めて飛んでいるカルガーモを射落としてガッツポーズして…以下略。
「あ…ああ。親書が届いたんだぁ。謁見に来いってさ」
「謁見?帝国の皇宮に?」
「じゃない?リアちゃんは飛竜を借りれないかアル君に話しに行ったよ」
帝都は馬車を使うと、ひと月じゃ辿り着けない…季節によってはふた月近くかかるくらい遠い。
「ここは私が残るし、今までだってひと月くらい留守にしたって大丈夫だったし…」
ウィリスのことは心配しないでいいと言いながら、エヴァの声は暗い。
「皇帝はパッと見は名君なんだけどぉ…」
あくまでも『ゲーム』ではね、と前置きして、エヴァは声を潜めた。
「嗜虐趣味もある冷酷キャラだから、気をつけて」
「…ヤバい人ってこと?」
尋ね返す私に、エヴァは珍しく困ったように眉を下げた。
「う…ん、実際会ったことないから、人となりはわからないんだぁ。私、外交に首を突っ込む前にママンといろいろあったからさぁ」
そう言って、アル君を連れていきな、と不服そうに助言をくれたのだった。
◆◆◆
お昼時。私は一人で魔の森の中にいた。
「ティナ、近くに誰もいない?」
「大丈夫~。誰もいないよー」
ティナに確認を取ってから、私は服を脱いだ。
ここは、森の奥にある小さな泉。持ってきた盥に水を汲んで魔法でお湯を作り、頭からそれを被った。
「ふぅ…」
竜化した腕を見られないために、私は村の皆が食事をしている時間に、森の奥で水浴びをしている。持ってきた石鹸を泡立て、丁寧に髪や身体の汚れを落とす。
「また…広がってる」
左腕だけだった鱗は、今や背中は肩甲骨の辺りまで覆い尽くし、左胸も半分くらい侵食してきている。
確実に、『その時』は近づいているのだろう。
それまでに…なんとか。
この国を安定させて、ちょっとやそっとじゃ揺らがない平和を手に入れる――
「帝国…」
今、私が胸の内にしまっている考えを実行するには、かの国も巻き込んだ方がいいだろう。身体の泡を洗い落としながら、私はまだ見ぬ帝国に思いを馳せた。
◆◆◆
「この先が、魔の森…」
松葉杖をつきながらやってきた森の入口で。私――イヴァンジェリンは薄暗い森を見つめて呟いた。『ゲーム』でも、不気味な森の背景スチルは出てきた。そして――
(あの湖も、きっとこの森にある)
アルフレッドルートの回想シーン。彼がサイラスを手にかけたと告白する場面。テキスト枠の後ろに、睡蓮咲き誇る美しい湖の背景――
(勘だけど、たぶんサイラス君の死にあの場所が関わっている…!)
正直、この不気味な森に脚の悪い自分が一人で入るのは勇気がいる。けれど、ウィリス村の人たちは、口を揃えて余所者は森に入るなと言う。魔物がいるから、と。けど、あの口ぶりからして、それだけじゃないと思う。この森には、何か――
怖いは怖い。でも、いつまでも迷っているわけにはいかない。
(大丈夫。私には魔法がある)
私は意を決して、薄暗い獣道へと足を踏み出した。
魔の森は、想像していたよりちゃんとした道があった。獣道だけど、少なくともサバイバルナイフで立ちはだかる植物を薙ぎ払いながらでないと進めないジャングルではなかった。松葉杖でもなんとか進める。よかった…。ただ、魔物なり魔草なりが生息しているらしく、大なり小なりざわざわとした気配は消えないし、やたらひんやりする。
「ッきゃあぁ!」
ブーンと飛んで来た野球ボール大の甲虫に思わずしゃがみこむ。コン、と結界に弾かれた甲虫――カナブーンはブンブンと旋回して、やがて遠くへ飛んでいった。
「うう…虫がいっぱ~い…」
結界で完全防御しているとはいえ、嫌なモノは嫌だ。あっちいけ!ちょっと前に出くわしたクマっぽいヤツの方がまだマシだ。ちなみに、そのクマっぽいヤツは、飛びかかってきたので《風刃》でサクッとやっつけた。
虫に怯えながら、小一時間ほど森の道を歩くと、不意に視界が開けた。膝くらいの高さ一面に涸れた草が生えている。その向こうに、凪いだ水面が仄見えた。
「あれってもしかして…!」
枯れた草っ原を結界を纏ったまま駆けて…
「見つけた…!スチルの湖!」
◆◆◆
そこは見とれるような美しい湖だった。澄んだ水面に薄紅色の睡蓮がいくつも花を開き、幻想的な美しさを湛えていた。ただ…妙に寒々しい。そして、言いようもない不安な気配がする。何…ここ?
湖の二メートルほど手前で立ち竦み、イヴァンジェリンはじっと感覚を研ぎ澄ませた。
……いる。確かに、ここに何かが。
何だろう…。邪竜?それとも精霊とか?まさか…幽霊?
オイデ…
「ッ!」
ぞわりと肌を撫でた冷気に後ずさる。今…!
オイデ…マニ、アイサレタコ…
崩れるように結界が霧散する。脳に直接声が呼びかけてくる。意図せず足が勝手に歩きだす。
「!!」
何…これ。私、引き寄せられてる!?
背を冷や汗が伝う。
これはよくない!すっごくよくない!
必死に松葉杖で地面を押さえて、言うことを聞かない脚を抑える。
ホラ…イイコダカラ、コッチニオイデ…
尚も声が誘う。冷気が強く…
「危ないよ」
トン、と肩に置かれた手にビクリとして振り返ると…
「一人で、森に入ってはいけないよ」
落ち着いた声でゆっくりと諭された。空色の凪いだ瞳がこちらを見つめている。
「帰ろう」
水浴びでもしていたのだろうか。茶色の髪はしっとりと濡れ、ぽたりぽたりと水滴が落ちて。
「あ…」
左腕だけじゃない。シャツから仄見える胸まで鱗が――
もう、時間がない。
◆◆◆
森にこっそり入ったエヴァを回収し、家に戻るとアルが部屋を訪れた。
「帝国へ行くんだろう。俺も同行する」
「ありがとう。頼もしいよ」
礼を言うと、彼は抱えていた包みを私に押しつけた。
「使え。服、買ってないだろ」
どうやら包みの中身は服らしい。了解を取って紐を解くと、現れたのは漆黒の地に銀糸で品良く刺繍が施されたジャケットだった。揃いのシャツやクラヴァット、ズボンに紺青のサファイアをあしらったタイピンまで…!
「これ…!」
目を見開く私に、アルは居心地悪そうに目を逸らしボソッと、「昔着てたやつだ」と教えてくれた。と、いうことはこれって…
「はぅ!彼シャツ?!」
なっ!前世ではまるで縁がなかったファッションがここに…!私は感動のあまり、アルのお古をギュウッと抱きしめた。男装に初めてときめいたっ!
「これをアルだと思って頑張るよッ!」
「…いや、俺も行くからな?」
「大事に着る!絶対洗わない!」
「…いや、汚れたら洗えよ?」
アルは苦笑して、私の髪をわしゃわしゃとかき混ぜた。誰も見ていない…なら、少しくらいいいかな…つま先立ちになって、彼の唇に軽く唇を触れさせた。
「ッ?!」
見上げたアルの顔がみるみる赤くなって、思わず笑ってしまった。驚いた顔は、子供の時の彼を彷彿とさせて、なんだか可愛かった。
◆◆◆
ベイリンの屋敷からはるばるここまで馬を走らせてきた侍女からの衝撃的な報告――
父がモルゲンに戦を仕掛けたが、返り討ちに遭い、モルゲンは独立。既にメドラウドをはじめ、ニミュエなどの古参派とも結んでいるという。しかも、不毛の地と名高いバレン領の火山灰を金貨に変えたとか。
面白くない。実に面白くない。
しかも、ノエルの実家は跡形もなく取り壊されたという。屋敷にこの侍女が残ってくれていて本当に良かったと言える。ノエルは、侍女を労い、とりあえず城内の客室を宛がった。
ベイリンは宿敵モルゲンの手に落ちた。兄二人は国外にいるので無事だろうが、呼び戻したところで役に立つか…
そこでふと思い出した。
「フェリックスは?あの子はどうしたのかしら?」
弟は、兄二人と違って魔法の素質があった。今ここにある紅い宝石も、もともとは弟の――
◆◆◆
一方、同じ城内にいるライオネルは…
「この手紙はゲッティモーノ公爵夫人に…」
日がな一日、手紙を書く作業に明け暮れていた。何を隠そう、金を貸してくれとド直球な内容の。それを母である王妃をはじめ、名前を知っている貴族に片っ端から書いては出していたのである。無論、バカ王子が貴族らしく婉曲表現で盛ったあるいは宗教を盾にした立派な手紙など書けるわけがない。それはもう、一枚目など「金がない、困ってる、貸してくれ」としか書いてない。王太子のバカッぷりを舐めてはいけない。
しかし…
「ん?具体的何フロリン貸してくれと書いてないとダメではないか!」
…一応、バカ王子にも学習能力はある。そんなわけで、何十枚と書く内に、手紙の内容はより具体的に、より南部の窮状を訴える物に変わっていったのである。
念のため付け加えておくが、これは決して美談ではない。為政者たる者、自領の弱みと窮状を明かす者は選ばねばならない。ライオネルは、王妃派だけではなく古参派のニミュエにまで手紙を送ってしまったのだ。
手回し洗濯機手作りしてたら、昼近くになってしまった。遠くでアナベル様がまたもや火おこしを始め、ギャラリーが集まりだした。アナベル様…サバイバル能力を確実に身につけておられる――こないだ初めて飛んでいるカルガーモを射落としてガッツポーズして…以下略。
「あ…ああ。親書が届いたんだぁ。謁見に来いってさ」
「謁見?帝国の皇宮に?」
「じゃない?リアちゃんは飛竜を借りれないかアル君に話しに行ったよ」
帝都は馬車を使うと、ひと月じゃ辿り着けない…季節によってはふた月近くかかるくらい遠い。
「ここは私が残るし、今までだってひと月くらい留守にしたって大丈夫だったし…」
ウィリスのことは心配しないでいいと言いながら、エヴァの声は暗い。
「皇帝はパッと見は名君なんだけどぉ…」
あくまでも『ゲーム』ではね、と前置きして、エヴァは声を潜めた。
「嗜虐趣味もある冷酷キャラだから、気をつけて」
「…ヤバい人ってこと?」
尋ね返す私に、エヴァは珍しく困ったように眉を下げた。
「う…ん、実際会ったことないから、人となりはわからないんだぁ。私、外交に首を突っ込む前にママンといろいろあったからさぁ」
そう言って、アル君を連れていきな、と不服そうに助言をくれたのだった。
◆◆◆
お昼時。私は一人で魔の森の中にいた。
「ティナ、近くに誰もいない?」
「大丈夫~。誰もいないよー」
ティナに確認を取ってから、私は服を脱いだ。
ここは、森の奥にある小さな泉。持ってきた盥に水を汲んで魔法でお湯を作り、頭からそれを被った。
「ふぅ…」
竜化した腕を見られないために、私は村の皆が食事をしている時間に、森の奥で水浴びをしている。持ってきた石鹸を泡立て、丁寧に髪や身体の汚れを落とす。
「また…広がってる」
左腕だけだった鱗は、今や背中は肩甲骨の辺りまで覆い尽くし、左胸も半分くらい侵食してきている。
確実に、『その時』は近づいているのだろう。
それまでに…なんとか。
この国を安定させて、ちょっとやそっとじゃ揺らがない平和を手に入れる――
「帝国…」
今、私が胸の内にしまっている考えを実行するには、かの国も巻き込んだ方がいいだろう。身体の泡を洗い落としながら、私はまだ見ぬ帝国に思いを馳せた。
◆◆◆
「この先が、魔の森…」
松葉杖をつきながらやってきた森の入口で。私――イヴァンジェリンは薄暗い森を見つめて呟いた。『ゲーム』でも、不気味な森の背景スチルは出てきた。そして――
(あの湖も、きっとこの森にある)
アルフレッドルートの回想シーン。彼がサイラスを手にかけたと告白する場面。テキスト枠の後ろに、睡蓮咲き誇る美しい湖の背景――
(勘だけど、たぶんサイラス君の死にあの場所が関わっている…!)
正直、この不気味な森に脚の悪い自分が一人で入るのは勇気がいる。けれど、ウィリス村の人たちは、口を揃えて余所者は森に入るなと言う。魔物がいるから、と。けど、あの口ぶりからして、それだけじゃないと思う。この森には、何か――
怖いは怖い。でも、いつまでも迷っているわけにはいかない。
(大丈夫。私には魔法がある)
私は意を決して、薄暗い獣道へと足を踏み出した。
魔の森は、想像していたよりちゃんとした道があった。獣道だけど、少なくともサバイバルナイフで立ちはだかる植物を薙ぎ払いながらでないと進めないジャングルではなかった。松葉杖でもなんとか進める。よかった…。ただ、魔物なり魔草なりが生息しているらしく、大なり小なりざわざわとした気配は消えないし、やたらひんやりする。
「ッきゃあぁ!」
ブーンと飛んで来た野球ボール大の甲虫に思わずしゃがみこむ。コン、と結界に弾かれた甲虫――カナブーンはブンブンと旋回して、やがて遠くへ飛んでいった。
「うう…虫がいっぱ~い…」
結界で完全防御しているとはいえ、嫌なモノは嫌だ。あっちいけ!ちょっと前に出くわしたクマっぽいヤツの方がまだマシだ。ちなみに、そのクマっぽいヤツは、飛びかかってきたので《風刃》でサクッとやっつけた。
虫に怯えながら、小一時間ほど森の道を歩くと、不意に視界が開けた。膝くらいの高さ一面に涸れた草が生えている。その向こうに、凪いだ水面が仄見えた。
「あれってもしかして…!」
枯れた草っ原を結界を纏ったまま駆けて…
「見つけた…!スチルの湖!」
◆◆◆
そこは見とれるような美しい湖だった。澄んだ水面に薄紅色の睡蓮がいくつも花を開き、幻想的な美しさを湛えていた。ただ…妙に寒々しい。そして、言いようもない不安な気配がする。何…ここ?
湖の二メートルほど手前で立ち竦み、イヴァンジェリンはじっと感覚を研ぎ澄ませた。
……いる。確かに、ここに何かが。
何だろう…。邪竜?それとも精霊とか?まさか…幽霊?
オイデ…
「ッ!」
ぞわりと肌を撫でた冷気に後ずさる。今…!
オイデ…マニ、アイサレタコ…
崩れるように結界が霧散する。脳に直接声が呼びかけてくる。意図せず足が勝手に歩きだす。
「!!」
何…これ。私、引き寄せられてる!?
背を冷や汗が伝う。
これはよくない!すっごくよくない!
必死に松葉杖で地面を押さえて、言うことを聞かない脚を抑える。
ホラ…イイコダカラ、コッチニオイデ…
尚も声が誘う。冷気が強く…
「危ないよ」
トン、と肩に置かれた手にビクリとして振り返ると…
「一人で、森に入ってはいけないよ」
落ち着いた声でゆっくりと諭された。空色の凪いだ瞳がこちらを見つめている。
「帰ろう」
水浴びでもしていたのだろうか。茶色の髪はしっとりと濡れ、ぽたりぽたりと水滴が落ちて。
「あ…」
左腕だけじゃない。シャツから仄見える胸まで鱗が――
もう、時間がない。
◆◆◆
森にこっそり入ったエヴァを回収し、家に戻るとアルが部屋を訪れた。
「帝国へ行くんだろう。俺も同行する」
「ありがとう。頼もしいよ」
礼を言うと、彼は抱えていた包みを私に押しつけた。
「使え。服、買ってないだろ」
どうやら包みの中身は服らしい。了解を取って紐を解くと、現れたのは漆黒の地に銀糸で品良く刺繍が施されたジャケットだった。揃いのシャツやクラヴァット、ズボンに紺青のサファイアをあしらったタイピンまで…!
「これ…!」
目を見開く私に、アルは居心地悪そうに目を逸らしボソッと、「昔着てたやつだ」と教えてくれた。と、いうことはこれって…
「はぅ!彼シャツ?!」
なっ!前世ではまるで縁がなかったファッションがここに…!私は感動のあまり、アルのお古をギュウッと抱きしめた。男装に初めてときめいたっ!
「これをアルだと思って頑張るよッ!」
「…いや、俺も行くからな?」
「大事に着る!絶対洗わない!」
「…いや、汚れたら洗えよ?」
アルは苦笑して、私の髪をわしゃわしゃとかき混ぜた。誰も見ていない…なら、少しくらいいいかな…つま先立ちになって、彼の唇に軽く唇を触れさせた。
「ッ?!」
見上げたアルの顔がみるみる赤くなって、思わず笑ってしまった。驚いた顔は、子供の時の彼を彷彿とさせて、なんだか可愛かった。
◆◆◆
ベイリンの屋敷からはるばるここまで馬を走らせてきた侍女からの衝撃的な報告――
父がモルゲンに戦を仕掛けたが、返り討ちに遭い、モルゲンは独立。既にメドラウドをはじめ、ニミュエなどの古参派とも結んでいるという。しかも、不毛の地と名高いバレン領の火山灰を金貨に変えたとか。
面白くない。実に面白くない。
しかも、ノエルの実家は跡形もなく取り壊されたという。屋敷にこの侍女が残ってくれていて本当に良かったと言える。ノエルは、侍女を労い、とりあえず城内の客室を宛がった。
ベイリンは宿敵モルゲンの手に落ちた。兄二人は国外にいるので無事だろうが、呼び戻したところで役に立つか…
そこでふと思い出した。
「フェリックスは?あの子はどうしたのかしら?」
弟は、兄二人と違って魔法の素質があった。今ここにある紅い宝石も、もともとは弟の――
◆◆◆
一方、同じ城内にいるライオネルは…
「この手紙はゲッティモーノ公爵夫人に…」
日がな一日、手紙を書く作業に明け暮れていた。何を隠そう、金を貸してくれとド直球な内容の。それを母である王妃をはじめ、名前を知っている貴族に片っ端から書いては出していたのである。無論、バカ王子が貴族らしく婉曲表現で盛ったあるいは宗教を盾にした立派な手紙など書けるわけがない。それはもう、一枚目など「金がない、困ってる、貸してくれ」としか書いてない。王太子のバカッぷりを舐めてはいけない。
しかし…
「ん?具体的何フロリン貸してくれと書いてないとダメではないか!」
…一応、バカ王子にも学習能力はある。そんなわけで、何十枚と書く内に、手紙の内容はより具体的に、より南部の窮状を訴える物に変わっていったのである。
念のため付け加えておくが、これは決して美談ではない。為政者たる者、自領の弱みと窮状を明かす者は選ばねばならない。ライオネルは、王妃派だけではなく古参派のニミュエにまで手紙を送ってしまったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる