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1:はじまりはじまり
攻略対象が分からないんだが?
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「ルイ様はこちらでお過ごしください。何かありましたら、いつでもお呼びくださいね」
従者の少年はカイトといい、礼儀正しく部屋を出ていった。
俺には王宮の一室が与えられた。ランベールが神殿に部屋を用意してくれていたのだが、クロヴィスの提案でこうなったのだ。
部屋は独りで過ごすには十分すぎるほどの広さがある。どっしりとした机に大きな窓に応接セット。そして、また天蓋付の乙女チックなベッドを用意されてしまった。しかし……
(おかしい……ゲームの中では神殿住まいだったはずだ)
ストーリーや恋愛シーンは覚えているが、細かい設定は覚えていない。けれど、どうにもこれは自分が知っている「物語」ではない気がした。しかし、世界や人物は同じ。
(俺はいったいどうなるんだ?)
攻略対象にクロヴィスを選び、うまく恋愛を進めれば楽しいかも、なんて思っていた気楽さ。
こうなると、この世界はゲームの中のようでゲームでないのかもしれない?
(やっばい。混乱してきた。それに俺が主人公ってことはΩなわけで……)
(ヒートにもなるってことだろ? えー! 俺、確かにボトムだったけど、ヒートってどういう感じ……?)
とにかく不安が尽きない。
俺は大きなベッドにぼふっと音を立てて沈むと、一生懸命ゲームの設定を思い出そうとした。
元のゲームでは最初に守護者を選び、その守護者と共に神子に与えられる試練やトラブルを乗り越えて愛をはぐくんでいく。クロヴィスの場合は、最終的に第一皇子として王位継承をするか、神子の守護者に専念するかの悩みがあり、ハッピーエンドではどちらも兼任して、国を見事に治める、というものだった。
実際にこの大きな城や規模を見れば、国の統治と神託を兼任するなど、現実味もなければリスキーだと思うのだが、ゲームらしいエンドでよかったし、最後のR18スチルはエロかったし、いいエンディングだった。
思考がそれた。違う違う! 問題は……
(嫉妬システム、だよな)
このゲームには「攻略対象以外の好感度をあげすぎる」と「嫉妬やトラブル」でゲームオーバー=死という極端なバッドエンディングが用意されているのだ。
例えば、俺はクロヴィスを攻略対象にしてゲームをしていたんだけれど、途中でディディエのツンデレに気づかず、彼の好感度がいつのまにかあがってしまっていた。そして、そのディディエが闇落ちして俺を刺してしまいバッドエンドを経験している。
そういうシステムがあると分かってからは、嫉妬ステータスが分かるアイテムを手に入れて、慎重にストーリーを進めてクロヴィスとのハッピーエンドを手に入れたのだ。
(いきなりバッドエンドだったからビビったんだよな。公開初週はそういうパラメータ作用があまり分かってなくて……。他のキャラとはあんまり絡んでないけど、確かレポでゴーチエの嫉妬バドエンがぐろすぎるってあったような……?)
レポを思い出してぶるりと震える。ゴーチエの嫉妬バッドエンドは確かレイプに四肢切……ダメだ、リアルに考えたらグロすぎる!
また寄り道してしまった思考を元に戻そう。
つまり、今俺はどのルートにいるのか分からない。
もし、転生させてくれた神(?)によって生前の俺の好みが反映されてるならクロヴィスと迷わずいちゃらぶできるストーリーをすすめればいいだけだが、そうでない場合はクロヴィスか攻略対象者に嫉妬されてバッドエンド=死の可能性があるってことじゃないんだろうか。
「いや、えっぐ! 俺にどうしろと!?」
そもそもこの制度自体があるのかは分からないが……しかも、難しいのは攻略対象にも嫉妬ステータスはあって、それはそれでいい方に作用したりするわけだ。
(ゲーム世界でのアイテムもこっちにあるんだろうか? ステータスは今のところ見えない。いや、俺が生身なんだから当たり前か)
そう思うとゲームはなんて楽だったんだろう。人の心がステータスバーで分かりやすく表示されているのだから……
「とりあえず、全員ともう一回接触してみるか……」
俺はごろんとベッドに寝転がり、大きな溜息をつくしかなかった。
従者の少年はカイトといい、礼儀正しく部屋を出ていった。
俺には王宮の一室が与えられた。ランベールが神殿に部屋を用意してくれていたのだが、クロヴィスの提案でこうなったのだ。
部屋は独りで過ごすには十分すぎるほどの広さがある。どっしりとした机に大きな窓に応接セット。そして、また天蓋付の乙女チックなベッドを用意されてしまった。しかし……
(おかしい……ゲームの中では神殿住まいだったはずだ)
ストーリーや恋愛シーンは覚えているが、細かい設定は覚えていない。けれど、どうにもこれは自分が知っている「物語」ではない気がした。しかし、世界や人物は同じ。
(俺はいったいどうなるんだ?)
攻略対象にクロヴィスを選び、うまく恋愛を進めれば楽しいかも、なんて思っていた気楽さ。
こうなると、この世界はゲームの中のようでゲームでないのかもしれない?
(やっばい。混乱してきた。それに俺が主人公ってことはΩなわけで……)
(ヒートにもなるってことだろ? えー! 俺、確かにボトムだったけど、ヒートってどういう感じ……?)
とにかく不安が尽きない。
俺は大きなベッドにぼふっと音を立てて沈むと、一生懸命ゲームの設定を思い出そうとした。
元のゲームでは最初に守護者を選び、その守護者と共に神子に与えられる試練やトラブルを乗り越えて愛をはぐくんでいく。クロヴィスの場合は、最終的に第一皇子として王位継承をするか、神子の守護者に専念するかの悩みがあり、ハッピーエンドではどちらも兼任して、国を見事に治める、というものだった。
実際にこの大きな城や規模を見れば、国の統治と神託を兼任するなど、現実味もなければリスキーだと思うのだが、ゲームらしいエンドでよかったし、最後のR18スチルはエロかったし、いいエンディングだった。
思考がそれた。違う違う! 問題は……
(嫉妬システム、だよな)
このゲームには「攻略対象以外の好感度をあげすぎる」と「嫉妬やトラブル」でゲームオーバー=死という極端なバッドエンディングが用意されているのだ。
例えば、俺はクロヴィスを攻略対象にしてゲームをしていたんだけれど、途中でディディエのツンデレに気づかず、彼の好感度がいつのまにかあがってしまっていた。そして、そのディディエが闇落ちして俺を刺してしまいバッドエンドを経験している。
そういうシステムがあると分かってからは、嫉妬ステータスが分かるアイテムを手に入れて、慎重にストーリーを進めてクロヴィスとのハッピーエンドを手に入れたのだ。
(いきなりバッドエンドだったからビビったんだよな。公開初週はそういうパラメータ作用があまり分かってなくて……。他のキャラとはあんまり絡んでないけど、確かレポでゴーチエの嫉妬バドエンがぐろすぎるってあったような……?)
レポを思い出してぶるりと震える。ゴーチエの嫉妬バッドエンドは確かレイプに四肢切……ダメだ、リアルに考えたらグロすぎる!
また寄り道してしまった思考を元に戻そう。
つまり、今俺はどのルートにいるのか分からない。
もし、転生させてくれた神(?)によって生前の俺の好みが反映されてるならクロヴィスと迷わずいちゃらぶできるストーリーをすすめればいいだけだが、そうでない場合はクロヴィスか攻略対象者に嫉妬されてバッドエンド=死の可能性があるってことじゃないんだろうか。
「いや、えっぐ! 俺にどうしろと!?」
そもそもこの制度自体があるのかは分からないが……しかも、難しいのは攻略対象にも嫉妬ステータスはあって、それはそれでいい方に作用したりするわけだ。
(ゲーム世界でのアイテムもこっちにあるんだろうか? ステータスは今のところ見えない。いや、俺が生身なんだから当たり前か)
そう思うとゲームはなんて楽だったんだろう。人の心がステータスバーで分かりやすく表示されているのだから……
「とりあえず、全員ともう一回接触してみるか……」
俺はごろんとベッドに寝転がり、大きな溜息をつくしかなかった。
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