【R18】異世界転生したら、まさかの総受ヒロインポジ(しかもΩ)だったんだが?

二久アカミ

文字の大きさ
4 / 11
1:はじまりはじまり

攻略対象が分からないんだが?

しおりを挟む
「ルイ様はこちらでお過ごしください。何かありましたら、いつでもお呼びくださいね」

 従者の少年はカイトといい、礼儀正しく部屋を出ていった。

 俺には王宮の一室が与えられた。ランベールが神殿に部屋を用意してくれていたのだが、クロヴィスの提案でこうなったのだ。
 部屋は独りで過ごすには十分すぎるほどの広さがある。どっしりとした机に大きな窓に応接セット。そして、また天蓋付の乙女チックなベッドを用意されてしまった。しかし……

(おかしい……ゲームの中では神殿住まいだったはずだ)

 ストーリーや恋愛シーンは覚えているが、細かい設定は覚えていない。けれど、どうにもこれは自分が知っている「物語」ではない気がした。しかし、世界や人物は同じ。

(俺はいったいどうなるんだ?)

 攻略対象にクロヴィスを選び、うまく恋愛を進めれば楽しいかも、なんて思っていた気楽さ。
 こうなると、この世界はゲームの中のようでゲームでないのかもしれない?

(やっばい。混乱してきた。それに俺が主人公ってことはΩなわけで……)
(ヒートにもなるってことだろ? えー! 俺、確かにボトムだったけど、ヒートってどういう感じ……?)

 とにかく不安が尽きない。
 俺は大きなベッドにぼふっと音を立てて沈むと、一生懸命ゲームの設定を思い出そうとした。

 元のゲームでは最初に守護者を選び、その守護者と共に神子に与えられる試練やトラブルを乗り越えて愛をはぐくんでいく。クロヴィスの場合は、最終的に第一皇子として王位継承をするか、神子の守護者に専念するかの悩みがあり、ハッピーエンドではどちらも兼任して、国を見事に治める、というものだった。
 実際にこの大きな城や規模を見れば、国の統治と神託を兼任するなど、現実味もなければリスキーだと思うのだが、ゲームらしいエンドでよかったし、最後のR18スチルはエロかったし、いいエンディングだった。
 思考がそれた。違う違う! 問題は……

(嫉妬システム、だよな)

 このゲームには「攻略対象以外の好感度をあげすぎる」と「嫉妬やトラブル」でゲームオーバー=死という極端なバッドエンディングが用意されているのだ。
 例えば、俺はクロヴィスを攻略対象にしてゲームをしていたんだけれど、途中でディディエのツンデレに気づかず、彼の好感度がいつのまにかあがってしまっていた。そして、そのディディエが闇落ちして俺を刺してしまいバッドエンドを経験している。
 そういうシステムがあると分かってからは、嫉妬ステータスが分かるアイテムを手に入れて、慎重にストーリーを進めてクロヴィスとのハッピーエンドを手に入れたのだ。

(いきなりバッドエンドだったからビビったんだよな。公開初週はそういうパラメータ作用があまり分かってなくて……。他のキャラとはあんまり絡んでないけど、確かレポでゴーチエの嫉妬バドエンがぐろすぎるってあったような……?)

 レポを思い出してぶるりと震える。ゴーチエの嫉妬バッドエンドは確かレイプに四肢切……ダメだ、リアルに考えたらグロすぎる!
 また寄り道してしまった思考を元に戻そう。

 つまり、今俺はどのルートにいるのか分からない。

 もし、転生させてくれた神(?)によって生前の俺の好みが反映されてるならクロヴィスと迷わずいちゃらぶできるストーリーをすすめればいいだけだが、そうでない場合はクロヴィスか攻略対象者に嫉妬されてバッドエンド=死の可能性があるってことじゃないんだろうか。

「いや、えっぐ! 俺にどうしろと!?」

 そもそもこの制度自体があるのかは分からないが……しかも、難しいのは攻略対象にも嫉妬ステータスはあって、それはそれでいい方に作用したりするわけだ。

(ゲーム世界でのアイテムもこっちにあるんだろうか? ステータスは今のところ見えない。いや、俺が生身なんだから当たり前か)

 そう思うとゲームはなんて楽だったんだろう。人の心がステータスバーで分かりやすく表示されているのだから……
 
「とりあえず、全員ともう一回接触してみるか……」

 俺はごろんとベッドに寝転がり、大きな溜息をつくしかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています

水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。 そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。 アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。 しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった! リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。 隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか? これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

処理中です...