【R18】年上上司のオトシ方

二久アカミ

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3:年上上司の愛し方(※)

(6)※

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 腰に手を回すと、腕の中でびくんっと奥村の体が跳ねた。いつもは強気で冷静な目線が、戸惑うように濱口の表情をうかがってくる。上質なスーツの生地の上からゆっくりとなだらかな曲線を撫でる。
 さすがに男二人では狭いソファーの上で、見つめると、背中側のシャツを辿り、またゆっくりと腰を撫でた。

「……さわりたい……」
「っ……」

 視線の泳いだ奥村だったが、じっと見つめてくる濱口の視線に気圧されたのか少し黙り込んでしまう。だめかな、と思っていたけれど、奥村は濱口をじっと下から見つめると、こくりと小さくうなずいた。
 耳も赤く、ひどく慣れていないような素振りで、濱口は戸惑うのと同時に自身がその混乱からか……ひどく興奮しているのがわかった。

(うわ、こんなイメージじゃなかったのに……ほんとは、もっと大人な……いや、でも、すげえ……かわいい)

 オレしかこういうところを知らないんだ、そう思うと緊張で体が震える。
 ネクタイをはずして、落ちたジャケットと一緒に横のローテーブルへ置く。自分のネクタイも急いで外した。そっちは適当に放りおとした。
 シャツを少しずつ脱がそうと、丁寧にボタンをはずす。シャツ一枚をとっても、濱口の身につけているものとはレベルが違う気がした。少しだけ開けたシャツの合間から、薄い肌着とチェーンネックレスが見える。
 この前もつけてたなあ、とそのシンプルだけれど高そうなトップのクロスを見ながら首筋に口付け、掌をゆっくりと胸のあたりに這わせた。下から揉み上げるように撫で、遠慮がちに突起を探すと、びくりと震えた奥村の体がゆっくりとその刺激に反応していく。
 戸惑っているのか、どうもしてこない彼の手に焦れて、濱口は、抱きついて?と自身の背中に手をまわすよう促すと、もう片方の手で優しく彼を抱き締めた。

(……あったけー……かわいいな……もう……)

 とまんねえかも、と熱を帯びた視線で彼の様子を窺うが、奥村は緊張しているのかかたまったままで、少し苦笑いをしてしまう。抱いていた手でなだらかな曲線を掴み、尻の肉をわけるように強めに揉んでいく。うわ、気持ちいいなあ、なんて思っていたら、奥村があまりに恥ずかしそうにぶるぶる震えるので……ますます理性が薄れていった。

「……下、脱ごっか? 脱がせて、いいです、か?」
「……っ」
「……スーツ汚れたら、困るだろうし……」

 もっと触りたいです、と、濱口は素直に気持ちを伝え、奥村の反応を待つ。
 奥村は言葉を発することができないまま、視線を移ろわせ、真っ赤に頬を染めて、ベルトの金具に手をかけた。それを制して、濱口は奥村のベルトをかちゃかちゃとはずしていく。奥村はそれに従いながら、小さく、お前のも、と震える声で呟いて、濱口のベルトに手をかけようとした。それだけで濱口はぐわあっと胸の奥が乱されて、焦って震える手に、落ち着け落ち着け、と言いたくなる。

 申しわけない程度に羽織った上のシャツが擦れ合いながら、かたくなったものを下着越しに擦り付け合う。
 熱が互いに伝わり合い、ひどく興奮しあってるのがよくわかった。濱口の大きな手のひらが奥村の胸を刺激して、指の腹で何度も撫で潰してくるのに敏感になっていく。

「あ……だ……め……っ!」
「あやと……さ……ん……」

 びくっびくっ、と震えながら、間に手を入れて、胸……やだ……なんて言うものだから、余計に濱口の理性など風前の灯火となってしまった。
 肌着の上から舌でぬるりと刺激すると、小さくぷくりと立ち上がった突起が震えていた。舌でおしつぶすように左胸をせめ、下半身を撫で上げると、彼の下着の中がどろどろに熱く濡れているのがわかる。

「パンツ、だめにしちゃった……」
「……っ!」
「オレも似たよーなもんなんだけど……」

 明日、帰りどうしよ、と苦く笑う濱口は、下着から自身を取り出すと、相手の下着もずらして、その熱を重ね合わせた。
 つうっと辿り合う濡れた感触に、奥村は顎をあげ、声にならない声を耐える。濱口はそんな彼を見つめながら、ねえ、と窺うようにねだった。

「……一緒に……握っていぃ……?もうちょっとだけ……太腿開いて……?」
「……んっ……」

 耐えるように唇をかみしめ、恥ずかしそうに脚を開く奥村の中心で、もう先走りの液がぽたりと落ちそうなほどに濡れた性器がたちあがっている。
 かわいそうにぐちゃぐちゃに汚れた下着をもう少しずらし、片足だけそれを引き抜いた。真っ白な太腿を掴むと、不安そうな視線が濱口の手に注がれる。きゅっと引き締まった膝裏をおしつけたい衝動を耐え、濱口は奥村の熱を自分のとあわせて、ゆっくりと扱き始めた。

「ひ……っぁっ!!」
「……あつ……い……ね」
「……っぅっ!」

 器用な長い指に掴まれ、何度も上下に擦られる感覚に、奥村は必死で耐えながらもびくびくと体を震わせてしまう。だめだ、もう、とぎゅうっと目をつぶった瞬間、濱口の悩まし気な息が耳元におりてきて、気持ちいい……と溜息のように呟かれ、体を戦慄かせた。

「あ……っ、オレ、もう、イ……きそっ……」
「ん……ぅっ」

 オレ、も……、と奥村もやっとのことで言え、抱き締めようと腕を伸ばす。その潤んだ目に濱口は耐えきれず、彼の濡れそぼった熱に向かってかけるように精を吐き出した。ああ、先にしちゃった、と後悔しつつ、白くなった視界を取り戻すと、自分の下で、奥村が自らのものをゆるく扱き、口元をおさえながら精を吐き出しているのが見えた。

「あ……あ……やと、……さ……!」

 濱口の呼びかけにはっとした奥村は、見られていたという事実に気付いて、真っ赤になる。真っ白な肌の首から上が朱に染まり、視線を逸らせた。
 濱口は自分の中で巻き起こる衝動に耐え、額を彼の肩にくっつけて溜息をつく。やばい、今のでまだキちゃいそう……なんて思うけれど、自分の下にいる彼がまだ戸惑い半分なのもわかるので、熱い息をそこで整えて耐えた。

「……やだった?」
「……」

 お前こそ……、と応えてくる奥村の顔はまだほんのりと赤い。奥村は唇を迷わせた後、きもちわるくねえの……? ときいてくる。

「え?」

 何のこと、と思ったら、奥村からぎゅうっと濱口に抱きついてくる。

「……なんでもねえ……」

 そんな風に言う彼に、背中をとんとんっと叩いて、あやすように抱いて揺らす。めちゃくちゃかわいいんだけど……と思っているものの、どう伝えても照れられてしまいそうで……濱口はただ奥村の熱を感じるように抱き寄せた。

(い、一歩前進かなー……)

 このまま、もうちょっとくっついてたいなー……なんて……と、濱口はごそごそと奥村の体を弄る。もう一回くらい、と思うのは欲張りだろうか。気持ち良さそうだったし、いいかな、なんて思って手を太腿に這わせると、それは少し嫌がられた。
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