35 / 51
3:年上上司の愛し方(※)
(8)※
しおりを挟む
「あっ……ぁ……」
(やば……舐めたい……っ)
ひっきりなしに声をあげ、それに耐えようとしているのに煽られ、赤くなったそこをちゅぽちゅぽと唇で刺激する。舌で触れると、びくびくっと背中が揺れているのがわかった。初めてなのか開発済みなのかわからなくて、なんともいえない嫉妬にも似た感情が心の中で渦巻く。オレが気持ちよくさせるし! と意気込んで、かりっとそこを歯で強く刺激したり。
「や……だ……ぁっ」
シーツに身を擦り付け逃げるような奥村は、普段からは想像もつかないような幼い声をあげ、少し刺激の過ぎた快感に身を捩った。
「だ……め? よくない……の?」
「……っ……」
ふるふると小動物のように震えるだけの奥村の手を離すと、彼はきゅうっと小さく丸くなって、シーツの上で上がった息を整えていた。濱口はシャツなども脱いで、彼と同じく下着姿になると、またゆっくりとその細い体の上に覆い被さっていく。あまりに反応が素直で、でも口にだせない彼に、つい、意地悪い質問をしてしまう。
「それとも、……イイ……とか?」
耳元で囁かれた言葉に、かあっとなる奥村をおしつけてキスをした。下着を触るとまた濡れていて、その、つうっと撫でる所作に煽られ、また快感を自覚させられ、奥村はまた身を縮めようとする。
そんな震えたままの彼の首筋、鎖骨、胸を暴き、濱口は優しいキスを彼の体中におとして、ゆっくりと愛撫を続けていった。臍のあたりまでその唇が落ちて、太腿を開くと、奥村の濡れた熱量が窮屈そうに下着におさまっている。
「……あー……また汚しちゃった……ごめん」
「あ……っ……ぅ」
「……礼人さん……」
くわえてもいい? と濱口は奥村の下着をずるりとおろす。冷たい空気に触れたそれが目の前にあって、おお、と思わず声が漏れた。かあああっと顔を赤らめた奥村は、思わず膝で濱口の肩を蹴ってしまう。
「……って……っ!」
「!! あ……っ、わ……わり……っ」
いや、オレこそごめん……、と濱口が笑いかけると、奥村は少しだけ体を起こして、じっと濱口を見つめていた。
「礼人さん……?」
「……れて……なく、て……っ」
「え?」
「こういう……の、慣れて、なく……てっ」
「……え?」
「……かっこ……わりぃ……」
真っ赤で呟く彼は、顔だけでなく胸のあたりまで薄く色づいているのが、暗い中でもわかるくらいだった。
「ヨユウでいてえのに……くそ……慣れてなくて悪かったなっ!」
口元をおさえてぶるぶると震える奥村は、悔しそうに顔を歪めるけれど、紅潮した頬や欲情は隠せていない。濱口は呆然と、一糸纏わぬ姿になった元上司の痴態に息を飲んだ。
(嘘……)
感情出すのは不器用だな、とは思ってたけれど、反応のよさとか、それなのに戸惑ってるところなんかは、誰かと何かあったからじゃなくて。単純になれていないということが本人から言われるなんて思ってもいなかった。
(やっぱり男とそういうのないんだ……! もしかしたら……普通にも経験すくねえのかも……うわ、オレ、てっきり……)
興奮がますます欲望を追い立てる中、奥村をみてみる。いつもと違う赤い頬、欲情してる目、汗ばんだ肌に、目の前にある欲情の証。ごくりと息を飲む音が響いた。うわ、オレあからさま、と思って焦るが、奥村もそんなことに気付く余裕はないらしい。少しもごもごと何か言おうとした後、少し黙って、息を吐いた。
(やば……舐めたい……っ)
ひっきりなしに声をあげ、それに耐えようとしているのに煽られ、赤くなったそこをちゅぽちゅぽと唇で刺激する。舌で触れると、びくびくっと背中が揺れているのがわかった。初めてなのか開発済みなのかわからなくて、なんともいえない嫉妬にも似た感情が心の中で渦巻く。オレが気持ちよくさせるし! と意気込んで、かりっとそこを歯で強く刺激したり。
「や……だ……ぁっ」
シーツに身を擦り付け逃げるような奥村は、普段からは想像もつかないような幼い声をあげ、少し刺激の過ぎた快感に身を捩った。
「だ……め? よくない……の?」
「……っ……」
ふるふると小動物のように震えるだけの奥村の手を離すと、彼はきゅうっと小さく丸くなって、シーツの上で上がった息を整えていた。濱口はシャツなども脱いで、彼と同じく下着姿になると、またゆっくりとその細い体の上に覆い被さっていく。あまりに反応が素直で、でも口にだせない彼に、つい、意地悪い質問をしてしまう。
「それとも、……イイ……とか?」
耳元で囁かれた言葉に、かあっとなる奥村をおしつけてキスをした。下着を触るとまた濡れていて、その、つうっと撫でる所作に煽られ、また快感を自覚させられ、奥村はまた身を縮めようとする。
そんな震えたままの彼の首筋、鎖骨、胸を暴き、濱口は優しいキスを彼の体中におとして、ゆっくりと愛撫を続けていった。臍のあたりまでその唇が落ちて、太腿を開くと、奥村の濡れた熱量が窮屈そうに下着におさまっている。
「……あー……また汚しちゃった……ごめん」
「あ……っ……ぅ」
「……礼人さん……」
くわえてもいい? と濱口は奥村の下着をずるりとおろす。冷たい空気に触れたそれが目の前にあって、おお、と思わず声が漏れた。かあああっと顔を赤らめた奥村は、思わず膝で濱口の肩を蹴ってしまう。
「……って……っ!」
「!! あ……っ、わ……わり……っ」
いや、オレこそごめん……、と濱口が笑いかけると、奥村は少しだけ体を起こして、じっと濱口を見つめていた。
「礼人さん……?」
「……れて……なく、て……っ」
「え?」
「こういう……の、慣れて、なく……てっ」
「……え?」
「……かっこ……わりぃ……」
真っ赤で呟く彼は、顔だけでなく胸のあたりまで薄く色づいているのが、暗い中でもわかるくらいだった。
「ヨユウでいてえのに……くそ……慣れてなくて悪かったなっ!」
口元をおさえてぶるぶると震える奥村は、悔しそうに顔を歪めるけれど、紅潮した頬や欲情は隠せていない。濱口は呆然と、一糸纏わぬ姿になった元上司の痴態に息を飲んだ。
(嘘……)
感情出すのは不器用だな、とは思ってたけれど、反応のよさとか、それなのに戸惑ってるところなんかは、誰かと何かあったからじゃなくて。単純になれていないということが本人から言われるなんて思ってもいなかった。
(やっぱり男とそういうのないんだ……! もしかしたら……普通にも経験すくねえのかも……うわ、オレ、てっきり……)
興奮がますます欲望を追い立てる中、奥村をみてみる。いつもと違う赤い頬、欲情してる目、汗ばんだ肌に、目の前にある欲情の証。ごくりと息を飲む音が響いた。うわ、オレあからさま、と思って焦るが、奥村もそんなことに気付く余裕はないらしい。少しもごもごと何か言おうとした後、少し黙って、息を吐いた。
6
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。
ミルクと砂糖は?
もにもに子
BL
瀬川は大学三年生。学費と生活費を稼ぐために始めたカフェのアルバイトは、思いのほか心地よい日々だった。ある日、スーツ姿の男性が来店する。落ち着いた物腰と柔らかな笑顔を見せるその人は、どうやら常連らしい。「アイスコーヒーを」と注文を受け、「ミルクと砂糖は?」と尋ねると、軽く口元を緩め「いつもと同じで」と返ってきた――それが久我との最初の会話だった。これは、カフェで交わした小さなやりとりから始まる、静かで甘い恋の物語。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる