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おそらく凛の人生において最も運命的な日が、この日だった。凜が最近は日課になっている、図書室での分権漁りをしていたまさにその時。
「タチバナ!」
ふいに自分の声を呼ばれ、怪訝そうに眉をひそめながらその方向を振り返る。金髪に青い目の少女が息を切らして立っていた。確か、アメリカ国籍で瞬と同じAクラスではなかったか。
「図書室では静かにしていただきたいんですが。どうかしましたか?」
冷淡に問いかけた。周りの生徒も、何事かというように凜とその少女を見ている。
「タチバナさんが……いえ、お兄様のほうが……」
「兄がどうしましたか?」
少女が目に涙をためて、凛のほうに近づいてくる。
「とにかく早く3階の広間へいらしてください! 校長がお待ちなんです!」
「校長が待っている?」
どうやらただ事ではないようだ。凜は少女に「そこの本を片付けといてください」と指示を出し、彼女に言われた3階の広間へ向かった。
「タチバナ!」
ふいに自分の声を呼ばれ、怪訝そうに眉をひそめながらその方向を振り返る。金髪に青い目の少女が息を切らして立っていた。確か、アメリカ国籍で瞬と同じAクラスではなかったか。
「図書室では静かにしていただきたいんですが。どうかしましたか?」
冷淡に問いかけた。周りの生徒も、何事かというように凜とその少女を見ている。
「タチバナさんが……いえ、お兄様のほうが……」
「兄がどうしましたか?」
少女が目に涙をためて、凛のほうに近づいてくる。
「とにかく早く3階の広間へいらしてください! 校長がお待ちなんです!」
「校長が待っている?」
どうやらただ事ではないようだ。凜は少女に「そこの本を片付けといてください」と指示を出し、彼女に言われた3階の広間へ向かった。
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