2 / 28
猫と卵焼き
しおりを挟む
舞の好物が卵焼きだということは、友人なら誰もが知っている。
特に、居酒屋にあるような、注文してから焼いてくれる出来立てのだし巻き卵が好きで、添えの大根おろしに醤油をちょろっとかけて一緒に食べるのがいい。
だが、いくら好物で釣られたとしても、相手は日浦。
今までも二人で食事をする事もあったが、そういう時は決まって、何か頼みごとをする時だった。
嫌な予感がしたので断ろうとした時、前から行きたかった居酒屋の名前を出され、さらに飼い猫の動画を見せるという言葉に釣られて、結局ついてきてしまった。
だが今、その事を少し後悔している。
「…ここ、すごく濡れてる。…指、気持ちいいの?…腰、揺れてるよ」
居酒屋の個室から聞こえるのは、日浦の荒い息づかいとかすれた甘い声。
誰かに聞かれたら、こんな所でナニをしているんだ、バカップルが!と思われそうだが、断じて如何わしい事はしていない。そもそも、恋人ではない。
「ちょっと!こんな所で台本読まないでよ!ってか、なんで持ち歩いてるの!」
「ごめんごめん。移動中に読もうと思って鞄に入れてた。せっかくだから舞ちゃんに聞いてもらって意見が欲しくて。大丈夫だよ。ここ、個室だし」
「店員に誤解されるから、マジでやめて」
「あはは」
日浦の手にあるのは『嫉妬深い彼氏とらぶえっち』というタイトルの台本。
舞は病院の受付として働く傍ら、18禁ボイスを配信するサークルの、代表兼シナリオ作成をしている。
そして日浦は、その所属声優という関係だ。
「しっかし、よくこんなエロいの書けるよねぇ。処女なのに」
「黙れ、ヤリチン」
18禁ボイスのシナリオを書いていると、さぞ経験豊富だろうと誤解されるが、舞は実は処女だ。
いわゆる『耳年増』というやつで、経験はないが、漫画や小説による知識だけは豊富で、リアルさに欠ける部分は文章力で誤魔化している。
なんでこの男がそんなことを知っているかというと、酔った勢いで舞が自分から話したから。
いくら同級生で付き合いが長くて気を許していたとはいえ、からかわれるネタを自分から提供してしまうなんて、一生の不覚だ。
「ひど。俺、ヤリチンじゃないし。むしろ一途だし」
「嘘つけ」
日浦とは、高校一年から三年までずっと同じクラスだったが、舞は陰キャ、日浦は陽キャグループに属していたので、在学中はあまり話したことはなかった。
当時の日浦は、明るい茶髪で制服も着崩してチャラい印象だったし、『来るもの拒まず去るもの追わず』で有名だったから、『一途』と言われても信用なんかできない。
ちなみに高校時代の彼のあだ名は、『入れ食いの日浦』。
恋人と別れたと噂が広がれば、本人が何も言わなくても女子たちが群がる入れ食い状態であることから、名付けられた。
オタクではなかった日浦が、なぜサークルに入ったかといえば、今は亡き麦野先輩が彼をスカウトしたからだ。
麦野の「麦」と、米田の「米」で、『主食同盟』と名付けられたサークルは、高校在学中に、麦野と舞で立ち上げたものだ。
きっかけは、同じ高校の演劇部仲間である「戸崎理恵子」の存在。
今は結婚して「木山」に苗字が変わったが、理恵子は舞の親友で、一度聞いたら忘れられないような可愛い声を持っている。
当時、演劇部部長だった麦野は、理恵子の声と演技力に惹かれて、様々なシチュエーションのシナリオを書き、遊び半分で動画投稿サイトに投稿した。
それが、サークルのはじまりだった。
だから最初、サークルの声優は理恵子しかおらず、高校生が書くものなので今みたいに18禁ではなく、全年齢向けの普通のシチュエーションボイスしかなかった。
それが変化したのは、9年前。
舞が高校を卒業し、専門学校生活も慣れた秋頃、「いい声の人を見つけちゃったから、女性向けボイスにも手を出そうよ!」と言って麦野が連れてきたのが、日浦だった。
そして動画視聴者のリクエストに応えるまま18禁に手を出し、今に至るというわけ。
「で?好物で釣ってまで食事に誘った理由は何?お金なら貸さないよ」
「いやいや、違うから!俺、人からお金を借りたことなんてないし!…まぁ、お願いがあるのは事実だけど」
やっぱりか。
どんなめんどくさいお願いをされるのだろうと身構えていると、日浦の口から予想外の言葉が出た。
「来週の日曜日、先輩の命日だよね?今年は俺も一緒に行っていいかな?」
「え?」
思わず、食べようとした卵焼きを皿の上に落としてしまった。
「ダメ?」
「いや。もっと変なお願いをされるかと思ったから、驚いただけ。別にいいよ。理恵ちゃんも一緒だし」
「ありがとう」
日浦は麦野と仲が良かったから、毎回誘ってはいたが、仕事だから別の日に一人で行くと断わられていた。
一緒に行きたがるのは珍しいが、そういう時もあるだろう。
面倒なお願いではないことに、ほっとする。
「お願いしたいことはそれだけだよ。はい。約束の動画。存分に見てね」
そう言って日浦が見せてくれたスマホ画面には、茶色と白のまだら模様の猫が、猫じゃらしのような玩具で遊ぶ映像が流れている。
「うわー♡天使♡」
「でしょー。俺のなーさんは宇宙一可愛いから」
『なーさん』こと『なめこ』は日浦が飼っている猫で、なんだかぬるぬるしてそうな名前だが、実際はモフモフした可愛いメス猫だ。
なめこは6年前、舞と麦野と日浦の3人でいた時に、怪我をして弱っているところを助けた猫だ。
麦野は家族が猫アレルギーで、舞は一人暮らしだがペット不可のアパートだったので、自動的にペット可のマンションに一人暮らししていた日浦が保護して飼い主を探す事になった。結局、飼い主が現れず、そのまま日浦が飼っている。
麦野が亡くなる前は、よく2人で日浦の家に突撃訪問したりしていたのだが、舞一人では行った事がない。
「なーさん可愛い♡ああ、久しぶりにモフモフしたい…。あ!ねぇ!明日は休みだし、今から日浦君ちに行ってもいいかな?」
「え?」
ただの思いつきだった。
アルコールも入って楽しい気分だったし、彼からのお願いが面倒な事ではなかったので、浮かれていたのかもしれない。
だが、舞の言葉に日浦は目を泳がせた。
「…いや。…えっと。家はちょっと…。最近、なーさん、女の人が来ると気が立っちゃって…この前も姉ちゃんが来た時に隠れちゃって大変でさぁ…」
「え…あ、そっか…そうだよね…うん…」
よく考えたら、いくら付き合いが長い友人とはいえ、一人暮らしの男性の家にいきなり行くのは失礼だったのかもしれない。
でも、今までだったら、急に行っても快く迎えてくれたから、断られるなんて思わなかったのだ。
「…ごめんね、変な事言って」
「…ううん。こっちこそ、ごめん。その代わり、この動画を送るから」
「ありがとう」
(何か、変な空気になっちゃった…)
楽しい雰囲気から一変した気まずい空気に耐えきれず、舞は誤魔化すように水を飲んだ。
特に、居酒屋にあるような、注文してから焼いてくれる出来立てのだし巻き卵が好きで、添えの大根おろしに醤油をちょろっとかけて一緒に食べるのがいい。
だが、いくら好物で釣られたとしても、相手は日浦。
今までも二人で食事をする事もあったが、そういう時は決まって、何か頼みごとをする時だった。
嫌な予感がしたので断ろうとした時、前から行きたかった居酒屋の名前を出され、さらに飼い猫の動画を見せるという言葉に釣られて、結局ついてきてしまった。
だが今、その事を少し後悔している。
「…ここ、すごく濡れてる。…指、気持ちいいの?…腰、揺れてるよ」
居酒屋の個室から聞こえるのは、日浦の荒い息づかいとかすれた甘い声。
誰かに聞かれたら、こんな所でナニをしているんだ、バカップルが!と思われそうだが、断じて如何わしい事はしていない。そもそも、恋人ではない。
「ちょっと!こんな所で台本読まないでよ!ってか、なんで持ち歩いてるの!」
「ごめんごめん。移動中に読もうと思って鞄に入れてた。せっかくだから舞ちゃんに聞いてもらって意見が欲しくて。大丈夫だよ。ここ、個室だし」
「店員に誤解されるから、マジでやめて」
「あはは」
日浦の手にあるのは『嫉妬深い彼氏とらぶえっち』というタイトルの台本。
舞は病院の受付として働く傍ら、18禁ボイスを配信するサークルの、代表兼シナリオ作成をしている。
そして日浦は、その所属声優という関係だ。
「しっかし、よくこんなエロいの書けるよねぇ。処女なのに」
「黙れ、ヤリチン」
18禁ボイスのシナリオを書いていると、さぞ経験豊富だろうと誤解されるが、舞は実は処女だ。
いわゆる『耳年増』というやつで、経験はないが、漫画や小説による知識だけは豊富で、リアルさに欠ける部分は文章力で誤魔化している。
なんでこの男がそんなことを知っているかというと、酔った勢いで舞が自分から話したから。
いくら同級生で付き合いが長くて気を許していたとはいえ、からかわれるネタを自分から提供してしまうなんて、一生の不覚だ。
「ひど。俺、ヤリチンじゃないし。むしろ一途だし」
「嘘つけ」
日浦とは、高校一年から三年までずっと同じクラスだったが、舞は陰キャ、日浦は陽キャグループに属していたので、在学中はあまり話したことはなかった。
当時の日浦は、明るい茶髪で制服も着崩してチャラい印象だったし、『来るもの拒まず去るもの追わず』で有名だったから、『一途』と言われても信用なんかできない。
ちなみに高校時代の彼のあだ名は、『入れ食いの日浦』。
恋人と別れたと噂が広がれば、本人が何も言わなくても女子たちが群がる入れ食い状態であることから、名付けられた。
オタクではなかった日浦が、なぜサークルに入ったかといえば、今は亡き麦野先輩が彼をスカウトしたからだ。
麦野の「麦」と、米田の「米」で、『主食同盟』と名付けられたサークルは、高校在学中に、麦野と舞で立ち上げたものだ。
きっかけは、同じ高校の演劇部仲間である「戸崎理恵子」の存在。
今は結婚して「木山」に苗字が変わったが、理恵子は舞の親友で、一度聞いたら忘れられないような可愛い声を持っている。
当時、演劇部部長だった麦野は、理恵子の声と演技力に惹かれて、様々なシチュエーションのシナリオを書き、遊び半分で動画投稿サイトに投稿した。
それが、サークルのはじまりだった。
だから最初、サークルの声優は理恵子しかおらず、高校生が書くものなので今みたいに18禁ではなく、全年齢向けの普通のシチュエーションボイスしかなかった。
それが変化したのは、9年前。
舞が高校を卒業し、専門学校生活も慣れた秋頃、「いい声の人を見つけちゃったから、女性向けボイスにも手を出そうよ!」と言って麦野が連れてきたのが、日浦だった。
そして動画視聴者のリクエストに応えるまま18禁に手を出し、今に至るというわけ。
「で?好物で釣ってまで食事に誘った理由は何?お金なら貸さないよ」
「いやいや、違うから!俺、人からお金を借りたことなんてないし!…まぁ、お願いがあるのは事実だけど」
やっぱりか。
どんなめんどくさいお願いをされるのだろうと身構えていると、日浦の口から予想外の言葉が出た。
「来週の日曜日、先輩の命日だよね?今年は俺も一緒に行っていいかな?」
「え?」
思わず、食べようとした卵焼きを皿の上に落としてしまった。
「ダメ?」
「いや。もっと変なお願いをされるかと思ったから、驚いただけ。別にいいよ。理恵ちゃんも一緒だし」
「ありがとう」
日浦は麦野と仲が良かったから、毎回誘ってはいたが、仕事だから別の日に一人で行くと断わられていた。
一緒に行きたがるのは珍しいが、そういう時もあるだろう。
面倒なお願いではないことに、ほっとする。
「お願いしたいことはそれだけだよ。はい。約束の動画。存分に見てね」
そう言って日浦が見せてくれたスマホ画面には、茶色と白のまだら模様の猫が、猫じゃらしのような玩具で遊ぶ映像が流れている。
「うわー♡天使♡」
「でしょー。俺のなーさんは宇宙一可愛いから」
『なーさん』こと『なめこ』は日浦が飼っている猫で、なんだかぬるぬるしてそうな名前だが、実際はモフモフした可愛いメス猫だ。
なめこは6年前、舞と麦野と日浦の3人でいた時に、怪我をして弱っているところを助けた猫だ。
麦野は家族が猫アレルギーで、舞は一人暮らしだがペット不可のアパートだったので、自動的にペット可のマンションに一人暮らししていた日浦が保護して飼い主を探す事になった。結局、飼い主が現れず、そのまま日浦が飼っている。
麦野が亡くなる前は、よく2人で日浦の家に突撃訪問したりしていたのだが、舞一人では行った事がない。
「なーさん可愛い♡ああ、久しぶりにモフモフしたい…。あ!ねぇ!明日は休みだし、今から日浦君ちに行ってもいいかな?」
「え?」
ただの思いつきだった。
アルコールも入って楽しい気分だったし、彼からのお願いが面倒な事ではなかったので、浮かれていたのかもしれない。
だが、舞の言葉に日浦は目を泳がせた。
「…いや。…えっと。家はちょっと…。最近、なーさん、女の人が来ると気が立っちゃって…この前も姉ちゃんが来た時に隠れちゃって大変でさぁ…」
「え…あ、そっか…そうだよね…うん…」
よく考えたら、いくら付き合いが長い友人とはいえ、一人暮らしの男性の家にいきなり行くのは失礼だったのかもしれない。
でも、今までだったら、急に行っても快く迎えてくれたから、断られるなんて思わなかったのだ。
「…ごめんね、変な事言って」
「…ううん。こっちこそ、ごめん。その代わり、この動画を送るから」
「ありがとう」
(何か、変な空気になっちゃった…)
楽しい雰囲気から一変した気まずい空気に耐えきれず、舞は誤魔化すように水を飲んだ。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました
せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~
救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。
どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。
乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。
受け取ろうとすると邪魔だと言われる。
そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。
医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。
最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇
作品はフィクションです。
本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる