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最初から君は特別(滉大視点)
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中学の頃の俺は、どこかパッとしない男だった。
成績も普通で特に秀でた才能もない普通の男子中学生で、スポーツや勉強で頭角を現した友人たちを見る度に羨ましいと思っていた。
高校に入って眼鏡からコンタクトに変えて髪を染めたのは、高校デビューを狙ったわけではなく、単純に姉プロデュースだ。
『あんた、素材はいいんだからもっとお洒落しないとダメよ』と言って、入学ギリギリに美容室に行かされたのだ。
それが思いのほか周囲の評判が良く、女の子から告白されることが多くなり、『入れ食い』なんてあだ名をつけられたものだから、調子に乗ったんだと思う。
何人かの女子ととりあえず付き合っては別れるを繰り返して、1年の夏休み前に付き合い始めたのが莉愛だった。
美人に告白されて舞い上がったが、付き合ってから彼女の性格がとてつもなく悪い事が判明した。
他の女子の悪口か自分の自慢しか言わないし、俺の髪型や行動にも煩く口を出すので、正直、一緒に居ても楽しいとは思えなかった。
それでも莉愛と付き合っていると注目を浴びて、自分が特別な人間になった気分になる。
そんな愚かな虚栄心の為にダラダラと彼女と付き合って1年近く経った頃。
『あんたの彼女、浮気してるわよ』
そう言ったのは、姉の千晴だ。
姉は以前、莉愛と俺の家の前で会った時に、馬鹿にしたように笑われた事があるので、彼女の事をよく思っていない。
姉に教えられた通り、莉愛のバイト先に行くと、裏口から一緒に出てきたバイト仲間と思われる大学生くらいの男とキスしているのを目撃した。
翌日、彼女を問い詰めると、その大学生が本命彼氏で、俺はただのキープだとあっさり認めた。
俺の方も彼女にもう愛情はなかったから、別れをきりだしたが、莉愛は頑なに別れてくれなかった。
「嫌よ。私、滉大の顔と声が好きなの。だから絶対に別れない」
プライドの高い彼女は、周囲に別れ話をしているのがバレたくないらしく、学校では妙にベタベタしてくる。
俺はそんな彼女と話すのが嫌で、昼休みに安息を求めて空き教室などで過ごすようになった。
そんな時だ。演劇部の部室の前で、舞ちゃんと初めて話をしたのは。
『…そこ。どいてくれます?邪魔なんですけど』
ツンとした声でそちらを見ると、最初に視界に飛び込んできたのは自分と同じ青のスリッパ。
少し視線を上げると不機嫌そうに俺を睨みつける、背の低い女子生徒と目が合った。
俺の周囲にいるスカート丈をわざと短くしている女子とは違い、規定のスカート丈に紺色のハイソックス。長い黒髪を一つ縛りにして、眼鏡をかけた地味な女子。
だけどよく見ると、鼻筋はすっと通っていて、唇はぷるんとピンク色で、化粧っ気がないのに可愛いと思った。
特徴的なのは、目尻がきゅっと上がった大きな猫目。
(黒猫みたいだ)
ゆらゆらと揺れる黒いポニーテールと、心まで見透かされるようなまっすぐな視線に、目が離せない。
ちょっとからかうとすぐに頬を膨らませるその顔が可愛くて、もっと構いたい衝動に駆られた。
その日から、俺は昼休みを演劇部の部室で過ごすようになった。
最初は辛辣な態度だった舞ちゃんも、だんだんと優しくなって色んな話を聞かせてくれた。
彼女と過ごす時間は本当に心地よくて楽しくて、いつの間にか俺は舞ちゃんに恋をしていることに気が付いた。
でも、莉愛の問題を解決せずに彼女と仲良くしたことで、舞ちゃんに迷惑がかかるなんて、この時の俺は考えてもいなかったんだ。
***
舞ちゃんを追いかけるように彼女のサークルに加入した日は、たまたま俺の19歳の誕生日当日だった。
友人の伝手を使ってサークルまで辿り着き、代表である麦野先輩に「裏方でもいいから」と加入をお願いしたが、最初は断られた。
どうやら先輩は、人づてに俺の元カノが舞ちゃんに嫌がらせをした話を聞いたらしく、名前と出身校を言った瞬間に顔を歪めて「立ち去れ!チャラ男!」と言われてしまったのだ。
時間をかけて俺の舞ちゃんに対する気持ちを伝え、高校時代の言動を謝罪すると、なんとか条件付きでサークルに入れてもらえることになった。
その条件というのが厄介だったのだけど。
「…10年、ですか?」
「そう!10年間舞ちゃんとの友人関係を崩さないこと!それまで、告白も必要以上に2人きりになる事も禁止!勿論、他に恋人を作っちゃ駄目だからね!一途に舞ちゃんを思ってる君の誠意が私に伝わる事が目的なんだから!それを守れれば、君のサークル加入を許そう!できなければ即刻立ち去るがよい!」
(噂通り、本当に変な人だな。…でも)
彼女が舞ちゃんを大事に思っている事が伝わってくる。
本来、こんな約束を守る必要なんてない。だが、先輩が舞ちゃんを大好きなのと同時に、舞ちゃんもまた、先輩が大好きだ。
この人の信頼を得ることが、舞ちゃんの信頼を得ることにもつながる気がする。
「わかりました!その条件を飲みます!」
「よろしい!では、これを君に預けましょう!」
先輩はポケットをゴソゴソしたあと、紫色のガラスがついた小さな指輪を、俺の掌にころんと乗せた。
「そのピンキーリング。私の大事なものなんだけど、君に貸すよ。いくら君が信用出来ないと言っても、さすがに10年も行動を制限させるのは悪いかなって思って。それね、舞ちゃんとおそろいなの。こっそりおそろいの物を持てば、モチベーションも上がるんじゃない?だからちゃんと約束は守ってよ」
(変な人だけど、考え方はしっかりしてるんだよな。それに、舞ちゃんとお揃いは単純に嬉しい)
「ありがとうございます。お借りします」
「うん。10年後にちゃんと返してね。あ、あと。君、裏方じゃなくて声優をやってくれる?君の声、すごくいいから、きっと人気が出るよ!ちょうど女性向けボイスを作る予定で男性声優を探してたんだよね」
「声優?え、俺、演技とかやった事ないんですけど…」
「ノープロブレム!今からでも学べばいいさ。ようこそ!『主食同盟』へ!」
***
心に穴が開くというのは、こういう事を言うのだと、その時初めて知った。
訃報があった一週間前まで普通に会って話していたのに。
あの人がもういないなんて、悪い夢なんじゃないかと今でも思う。
『…もしもし日浦君?私だけど…。うん。舞ちゃんの事で相談があって。…あれから無理やり仕事には行ってるみたいなんだけど、睡眠も食事もロクに取ってないみたいで…。唯奈ちゃん…あ、舞ちゃんの職場の後輩の子が無理矢理食事に連れだしても、あんまり食べてないんだって。私も出来る限り電話したりしてるんだけど…。え?様子を見に行ってくれるの?ありがとう。お願いね』
理恵ちゃんとの通話を切った後、俺は静かに息を吐いた。
麦野先輩が亡くなって1ヶ月。
お葬式で見た時の舞ちゃんは目が虚ろで、声をかけても覇気がなかった。
俺も理恵ちゃんもかなり落ち込んでいるが、一番ショックだったのは姉妹のように仲が良かった舞ちゃんだろう。
心配になった俺は、仕事終わりに様子を見に行くことにした。
(この時間なら、舞ちゃんも仕事が終わったところだから、運がよければ会えるかもしれない)
彼女の職場の近くの駅のホームで、会えたら夕飯に誘おうと考えながら歩いていた時だった。
電車を待つ黄色い線の場所で、一人でぽつんと立っている舞ちゃんを見つけた。
(やった!会えた!…あれ?)
ゆっくりと近づいて彼女の横顔を見た時、様子がおかしいことに気づく。
ぼーっと線路を見つめる舞ちゃんが、少しづつ前に進んでいて、このままだと線路に落ちてしまいそうだったのだ。
いくら電車がまだ来ていないとはいえ、危ない。
「舞ちゃんっ!!」
「え?」
慌てて声をかけるとぴたりと動きが止まり、虚ろな目で彼女が振り返る。
「…あ、日浦、君?」
俺の顔を見た瞬間、彼女の瞳に生気が戻ったのでホッとした。
(飛び込むつもりだった?無意識?…とにかく間に合ってよかった)
俺が声をかけなかったらと考えたら、ぞっとする。
彼女を混乱させないように、わざと明るく声を出した。
「奇遇だね。舞ちゃんも今、帰り?俺はこの近くの営業所に用があってさ」
さりげなく線路から離れるように誘導する。
彼女は自分が線路に飛び込むところだったとわかっていないのか、特に動揺した様子もない。相変わらず元気はないけど。
「舞ちゃんはもう夕飯食べた?俺はまだなんだけど、よかったら一緒に食べない?」
てっきり断られるかと思ったのに、彼女は静かな声で言った。
「…たまご」
「え?」
「だし巻き卵が食べたい」
だし巻き卵は舞ちゃんの好物だ。
先輩が生きていた頃、よく3人で居酒屋に行って食べた記憶がある。
(思い出して悲しくならないかな…。でも、今避けたとしてもこの先、ずっと続くだろうし、それなら舞ちゃんが辛い時に俺が傍にいてあげたい)
「了解。居酒屋でいい?俺、お酒を飲みたい気分なんだ」
「…いいけど、煩くない所がいい」
「おっけー、任せて!」
手を伸ばせば触れそうな距離を保ちながら、並んで歩く。
まだその手を握る事は出来ないけれど、いつか自然に触れあえる関係になれたら。
大好きな女の子に触れたい衝動を心の奧に押し留めて、何気ない話をしながら駅の階段をゆっくりと昇っていった。
成績も普通で特に秀でた才能もない普通の男子中学生で、スポーツや勉強で頭角を現した友人たちを見る度に羨ましいと思っていた。
高校に入って眼鏡からコンタクトに変えて髪を染めたのは、高校デビューを狙ったわけではなく、単純に姉プロデュースだ。
『あんた、素材はいいんだからもっとお洒落しないとダメよ』と言って、入学ギリギリに美容室に行かされたのだ。
それが思いのほか周囲の評判が良く、女の子から告白されることが多くなり、『入れ食い』なんてあだ名をつけられたものだから、調子に乗ったんだと思う。
何人かの女子ととりあえず付き合っては別れるを繰り返して、1年の夏休み前に付き合い始めたのが莉愛だった。
美人に告白されて舞い上がったが、付き合ってから彼女の性格がとてつもなく悪い事が判明した。
他の女子の悪口か自分の自慢しか言わないし、俺の髪型や行動にも煩く口を出すので、正直、一緒に居ても楽しいとは思えなかった。
それでも莉愛と付き合っていると注目を浴びて、自分が特別な人間になった気分になる。
そんな愚かな虚栄心の為にダラダラと彼女と付き合って1年近く経った頃。
『あんたの彼女、浮気してるわよ』
そう言ったのは、姉の千晴だ。
姉は以前、莉愛と俺の家の前で会った時に、馬鹿にしたように笑われた事があるので、彼女の事をよく思っていない。
姉に教えられた通り、莉愛のバイト先に行くと、裏口から一緒に出てきたバイト仲間と思われる大学生くらいの男とキスしているのを目撃した。
翌日、彼女を問い詰めると、その大学生が本命彼氏で、俺はただのキープだとあっさり認めた。
俺の方も彼女にもう愛情はなかったから、別れをきりだしたが、莉愛は頑なに別れてくれなかった。
「嫌よ。私、滉大の顔と声が好きなの。だから絶対に別れない」
プライドの高い彼女は、周囲に別れ話をしているのがバレたくないらしく、学校では妙にベタベタしてくる。
俺はそんな彼女と話すのが嫌で、昼休みに安息を求めて空き教室などで過ごすようになった。
そんな時だ。演劇部の部室の前で、舞ちゃんと初めて話をしたのは。
『…そこ。どいてくれます?邪魔なんですけど』
ツンとした声でそちらを見ると、最初に視界に飛び込んできたのは自分と同じ青のスリッパ。
少し視線を上げると不機嫌そうに俺を睨みつける、背の低い女子生徒と目が合った。
俺の周囲にいるスカート丈をわざと短くしている女子とは違い、規定のスカート丈に紺色のハイソックス。長い黒髪を一つ縛りにして、眼鏡をかけた地味な女子。
だけどよく見ると、鼻筋はすっと通っていて、唇はぷるんとピンク色で、化粧っ気がないのに可愛いと思った。
特徴的なのは、目尻がきゅっと上がった大きな猫目。
(黒猫みたいだ)
ゆらゆらと揺れる黒いポニーテールと、心まで見透かされるようなまっすぐな視線に、目が離せない。
ちょっとからかうとすぐに頬を膨らませるその顔が可愛くて、もっと構いたい衝動に駆られた。
その日から、俺は昼休みを演劇部の部室で過ごすようになった。
最初は辛辣な態度だった舞ちゃんも、だんだんと優しくなって色んな話を聞かせてくれた。
彼女と過ごす時間は本当に心地よくて楽しくて、いつの間にか俺は舞ちゃんに恋をしていることに気が付いた。
でも、莉愛の問題を解決せずに彼女と仲良くしたことで、舞ちゃんに迷惑がかかるなんて、この時の俺は考えてもいなかったんだ。
***
舞ちゃんを追いかけるように彼女のサークルに加入した日は、たまたま俺の19歳の誕生日当日だった。
友人の伝手を使ってサークルまで辿り着き、代表である麦野先輩に「裏方でもいいから」と加入をお願いしたが、最初は断られた。
どうやら先輩は、人づてに俺の元カノが舞ちゃんに嫌がらせをした話を聞いたらしく、名前と出身校を言った瞬間に顔を歪めて「立ち去れ!チャラ男!」と言われてしまったのだ。
時間をかけて俺の舞ちゃんに対する気持ちを伝え、高校時代の言動を謝罪すると、なんとか条件付きでサークルに入れてもらえることになった。
その条件というのが厄介だったのだけど。
「…10年、ですか?」
「そう!10年間舞ちゃんとの友人関係を崩さないこと!それまで、告白も必要以上に2人きりになる事も禁止!勿論、他に恋人を作っちゃ駄目だからね!一途に舞ちゃんを思ってる君の誠意が私に伝わる事が目的なんだから!それを守れれば、君のサークル加入を許そう!できなければ即刻立ち去るがよい!」
(噂通り、本当に変な人だな。…でも)
彼女が舞ちゃんを大事に思っている事が伝わってくる。
本来、こんな約束を守る必要なんてない。だが、先輩が舞ちゃんを大好きなのと同時に、舞ちゃんもまた、先輩が大好きだ。
この人の信頼を得ることが、舞ちゃんの信頼を得ることにもつながる気がする。
「わかりました!その条件を飲みます!」
「よろしい!では、これを君に預けましょう!」
先輩はポケットをゴソゴソしたあと、紫色のガラスがついた小さな指輪を、俺の掌にころんと乗せた。
「そのピンキーリング。私の大事なものなんだけど、君に貸すよ。いくら君が信用出来ないと言っても、さすがに10年も行動を制限させるのは悪いかなって思って。それね、舞ちゃんとおそろいなの。こっそりおそろいの物を持てば、モチベーションも上がるんじゃない?だからちゃんと約束は守ってよ」
(変な人だけど、考え方はしっかりしてるんだよな。それに、舞ちゃんとお揃いは単純に嬉しい)
「ありがとうございます。お借りします」
「うん。10年後にちゃんと返してね。あ、あと。君、裏方じゃなくて声優をやってくれる?君の声、すごくいいから、きっと人気が出るよ!ちょうど女性向けボイスを作る予定で男性声優を探してたんだよね」
「声優?え、俺、演技とかやった事ないんですけど…」
「ノープロブレム!今からでも学べばいいさ。ようこそ!『主食同盟』へ!」
***
心に穴が開くというのは、こういう事を言うのだと、その時初めて知った。
訃報があった一週間前まで普通に会って話していたのに。
あの人がもういないなんて、悪い夢なんじゃないかと今でも思う。
『…もしもし日浦君?私だけど…。うん。舞ちゃんの事で相談があって。…あれから無理やり仕事には行ってるみたいなんだけど、睡眠も食事もロクに取ってないみたいで…。唯奈ちゃん…あ、舞ちゃんの職場の後輩の子が無理矢理食事に連れだしても、あんまり食べてないんだって。私も出来る限り電話したりしてるんだけど…。え?様子を見に行ってくれるの?ありがとう。お願いね』
理恵ちゃんとの通話を切った後、俺は静かに息を吐いた。
麦野先輩が亡くなって1ヶ月。
お葬式で見た時の舞ちゃんは目が虚ろで、声をかけても覇気がなかった。
俺も理恵ちゃんもかなり落ち込んでいるが、一番ショックだったのは姉妹のように仲が良かった舞ちゃんだろう。
心配になった俺は、仕事終わりに様子を見に行くことにした。
(この時間なら、舞ちゃんも仕事が終わったところだから、運がよければ会えるかもしれない)
彼女の職場の近くの駅のホームで、会えたら夕飯に誘おうと考えながら歩いていた時だった。
電車を待つ黄色い線の場所で、一人でぽつんと立っている舞ちゃんを見つけた。
(やった!会えた!…あれ?)
ゆっくりと近づいて彼女の横顔を見た時、様子がおかしいことに気づく。
ぼーっと線路を見つめる舞ちゃんが、少しづつ前に進んでいて、このままだと線路に落ちてしまいそうだったのだ。
いくら電車がまだ来ていないとはいえ、危ない。
「舞ちゃんっ!!」
「え?」
慌てて声をかけるとぴたりと動きが止まり、虚ろな目で彼女が振り返る。
「…あ、日浦、君?」
俺の顔を見た瞬間、彼女の瞳に生気が戻ったのでホッとした。
(飛び込むつもりだった?無意識?…とにかく間に合ってよかった)
俺が声をかけなかったらと考えたら、ぞっとする。
彼女を混乱させないように、わざと明るく声を出した。
「奇遇だね。舞ちゃんも今、帰り?俺はこの近くの営業所に用があってさ」
さりげなく線路から離れるように誘導する。
彼女は自分が線路に飛び込むところだったとわかっていないのか、特に動揺した様子もない。相変わらず元気はないけど。
「舞ちゃんはもう夕飯食べた?俺はまだなんだけど、よかったら一緒に食べない?」
てっきり断られるかと思ったのに、彼女は静かな声で言った。
「…たまご」
「え?」
「だし巻き卵が食べたい」
だし巻き卵は舞ちゃんの好物だ。
先輩が生きていた頃、よく3人で居酒屋に行って食べた記憶がある。
(思い出して悲しくならないかな…。でも、今避けたとしてもこの先、ずっと続くだろうし、それなら舞ちゃんが辛い時に俺が傍にいてあげたい)
「了解。居酒屋でいい?俺、お酒を飲みたい気分なんだ」
「…いいけど、煩くない所がいい」
「おっけー、任せて!」
手を伸ばせば触れそうな距離を保ちながら、並んで歩く。
まだその手を握る事は出来ないけれど、いつか自然に触れあえる関係になれたら。
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