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43 光るコア
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真っ黒な大きな立方体を、次から次へと飛び移りながら、薄茶色の絨毯(じゅうたん)がやってくる。
絨毯の下のふたつの金色の光は、すぐに左右の眼となった。
その下には、ふんわりとした襟巻(えりまき)のような純白の体毛。
そして、せわしく動く、ふたつの白い前足が、だんだん見えてきた。
あっ、モフ猫っ!
娘たちが、歓喜する。
……ノルウェー・ジャン・フォレスト・キャットですね… と文(ふみ)。
実際より大きく、頭が、娘たちの腰ぐらいまでの高さ。
なぜか、モフ猫は、真奈の手前の、二連ゴンドラの舳先(へさき)に、ひとっ飛びして、四本足で止まった。
小首をかしげる真奈。
ネコの額に、HとTを組み合わせたマークが見えた。
……あのモフ猫、阪神タイガース・ファンだね!… と船尾から権子。
……飯岡せんぱいっ、違います。これって――… 真奈が顔を赤らめる。
……フミヤ・タダシ、の略です。ねっ、お父さんっ!…
モフ猫が、機嫌よさそうに、ひとつ、鳴き声を上げる。
真奈ちゃんの、お父さんの、アバターなのっ?! と娘たち。
……そのようです…
モフ猫に向き直る真奈。
……あの崩れる巨大生物の、光るコアを捕ってきて!…
言い終わらないうちに、モフ猫は、身をひるがえした。
白い蒸気に包まれた巨大生物の残骸に向かって、モフ猫が、黒いブロックからブロックへと飛び移る。
コアの輝きの中に、モフ猫が飛び込み、見えなくなった。
……お父さんっ!!… 真奈が叫ぶ。
静寂の十数秒が、過ぎゆく。
この間にも、青い地球の姿が、どんどん大きくなってくる。
白い雲や、その合間から見える洋上の島々が、まるで手に取るようだ。
ひときわ大きく、噴煙たなびく活火山を中央に据えた、若々しい島が、眼下に近づいてくる。
あれって、ニュー・アトランティス島っ?!
娘たちの眼が、火山島に釘づけになる。
と、モフ猫が、横っ飛びに、真奈や権子たちが乗る二連ゴンドラの舳先に戻ってきた。
口に、懐かしい生き物の襟首をくわえ、ぶら下げている。
し、柴犬ヤマトぉ――っ!
しっぽを元気に振りながら、吠えて応える柴犬のヤマト。首輪には、まぶしく明滅するUSBメモリ・スティックが揺れている。
絨毯の下のふたつの金色の光は、すぐに左右の眼となった。
その下には、ふんわりとした襟巻(えりまき)のような純白の体毛。
そして、せわしく動く、ふたつの白い前足が、だんだん見えてきた。
あっ、モフ猫っ!
娘たちが、歓喜する。
……ノルウェー・ジャン・フォレスト・キャットですね… と文(ふみ)。
実際より大きく、頭が、娘たちの腰ぐらいまでの高さ。
なぜか、モフ猫は、真奈の手前の、二連ゴンドラの舳先(へさき)に、ひとっ飛びして、四本足で止まった。
小首をかしげる真奈。
ネコの額に、HとTを組み合わせたマークが見えた。
……あのモフ猫、阪神タイガース・ファンだね!… と船尾から権子。
……飯岡せんぱいっ、違います。これって――… 真奈が顔を赤らめる。
……フミヤ・タダシ、の略です。ねっ、お父さんっ!…
モフ猫が、機嫌よさそうに、ひとつ、鳴き声を上げる。
真奈ちゃんの、お父さんの、アバターなのっ?! と娘たち。
……そのようです…
モフ猫に向き直る真奈。
……あの崩れる巨大生物の、光るコアを捕ってきて!…
言い終わらないうちに、モフ猫は、身をひるがえした。
白い蒸気に包まれた巨大生物の残骸に向かって、モフ猫が、黒いブロックからブロックへと飛び移る。
コアの輝きの中に、モフ猫が飛び込み、見えなくなった。
……お父さんっ!!… 真奈が叫ぶ。
静寂の十数秒が、過ぎゆく。
この間にも、青い地球の姿が、どんどん大きくなってくる。
白い雲や、その合間から見える洋上の島々が、まるで手に取るようだ。
ひときわ大きく、噴煙たなびく活火山を中央に据えた、若々しい島が、眼下に近づいてくる。
あれって、ニュー・アトランティス島っ?!
娘たちの眼が、火山島に釘づけになる。
と、モフ猫が、横っ飛びに、真奈や権子たちが乗る二連ゴンドラの舳先に戻ってきた。
口に、懐かしい生き物の襟首をくわえ、ぶら下げている。
し、柴犬ヤマトぉ――っ!
しっぽを元気に振りながら、吠えて応える柴犬のヤマト。首輪には、まぶしく明滅するUSBメモリ・スティックが揺れている。
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