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第358話 竜、少しずつ作っていく
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黒竜の島へ来てから七日ほどが経過した――
「やっぱ石造りだって! 見ろよこの堅牢な門構えを!」
「いや、木のぬくもりが感じられる木造だな。石は冷たくてダメだね」
「吹けば飛ぶようなのは――」
「意見が分かれておるのう」
「ええことじゃ。お互いのいいところとダメなところを言い合うことで知恵も浮かぶ」
――家屋の建設はじわじわと進んでいた。
思いのほか器用な黒竜も居たので、ディランから教わったことをすぐに吸収してくれた。そこから手分けして家を作れるようになったのが大きい。
現在は五十ほどが完成し、見た目だけならそれなりなものが出来ている。
しかしこっちの方が出来がいいといった感じの諍いがあった。
ディラン曰く、文化を取り入れると自分の感覚が養われるので最初はやらせておけと語る。
「これでいいのかい?」
「うむ。そこに種を植えればええ。ロクローが耕した土じゃからすぐ成果が出るぞ」
「これで野菜が食えるのか……」
「おーい、ディラン爺さん! 水田というやつを見てくれー」
「あいわかった」
畑と水田も三日目くらいから自主的に進めており、ディランは相談役となっていた。ポテンシャルはドラゴンらしく高いようだ。
呼ばれたのでディランがついて行くと、川の近くに作られた立派な水田に到着する。
この島は本当に大きく、海の上にある無人島としては最大規模。シルヴィアスの住む極北の島よりもさらに大きい。
流石にクリニヒト王国やグラーデン国といった国土ほどはないが人の姿になれば町がいくつか作れる程度はあるのであった。
堤防を作成し、釣りをする場所も設けた。
住宅地、田畑、釣り場など『人型』を意識した土台作りが進んでいた。
「よい感じじゃ。これなら美味い米が作れるぞい」
「おお……あのトワイトさんが出してくれた白い粒ができるのか」
「あれは美味かった。いつも魔物を直接食っている我等では味わえないものだったな」
「うふふ、みんなもお料理を覚えているからすぐに美味しいお米を使ったお料理ができるわ」
「こりゃ楽しみだ!」
水田は構築が大変だったが、米を先に食べさせていたため、あれが食べられるならと嫌がらず作っていた。
「東の国が近いからお味噌やお醤油を買えば幅が広がるのだけど」
トワイトのお料理教室もかなり進み、基本的な焼き魚や卵焼きなどを伝えていた。
ただ、今は一家が持って来た食材で作っているため他の調味料なども欲しいと口にしていた。
「今度行ってみましょうか。お買い物もしてみたいし」
「あ、是非! トワイトさんと一緒なら安心ですもの!」
仲良くなった女性黒竜から提案をいいねされていた。お料理は楽しいようで、ドラゴンによって同じものでも味が変わるのが面白いと笑いあっていた。
「そういえばリヒト達はどうしたのじゃ?」
「ソルさんとエレノアさんと一緒ですよ。エーナさんも連れてお散歩に行っていますよ。あ、帰って来たわ」
「あーい! とーちゃ! おかーさ!」
「あうー!」
「ぴぃー♪」
そこへダル達に乗ったリヒトとライルが帰って来た。ちゃっかりルミナスに抱き着いていた。
「戻りました。みんな元気ですね。人型で歩くのが久しぶりなので少し疲れました」
「ぴぃ!」
「はいはい、抱っこね♪」
「ありがとうね面倒を見てくれて」
「いいえ、双子ちゃんとペットちゃんは手がかからないですよ」
「わほぉん」
「うぉふ!」
「わん!」
「「「ぴよー♪」」」
「アー!」
「ぷぎー♪」
「数が多いな……」
エーナがルーナを抱っこすると、トワイトがお礼を言う。エーナは笑顔で問題ないと口にし、ペット達は誇らしげに鳴く。
数が多いので大合唱である。水田担当の黒竜がタオルで顔を拭きながら呆れていた。
「こけー!」
「ぴぃー♪」
「ルーナはジェニファーがお気に入りなのね?」
「そうなんです。卵に乗っていたからでしょうか」
そんな中、ジェニファーが鳴くとルーナが喜ぶ。白く丸っこい生き物が大層お気に入りのようで手を伸ばしていた。
「そうそう、後で海へ行ってもいいでしょうか? あそこなら走り回れるので、アッシュウルフ達にはいいかもしれません。グラソンさんも海で過ごすのがいいみたいですし」
「ああ、いいわね。私も一緒に行きますよ」
「そっちは頼むわい。ワシはロクローと家屋を見て回り、次は家具をつくることにするわい」
「わかりました。それじゃ、お昼ご飯を仕込んでから行きましょうか」
そうしてディランはまだ作業を続けるといい、トワイトは休息がてら海岸沿いへ行くことになった。
「うぉふ♪」
「ぴよー♪」
「ぷひー♪」
「あーい♪」
「あうー!」
そして海に到着した一行は早速砂浜に飛び出ていた。ヤクトやリヒトは走り、ライルはトワイトと手を繋いでよちよちと追いかけた。
「わほぉん……」
「ダル君は行かないのね」
「ダルはのんびり屋さんだからいざという時だけ動くの」
ダルはいつも通り、その辺に落ちていた大きな葉っぱを引っ張ってきてその上に寝そべった。日向ぼっこをしながらリヒト達の様子を見る態勢になった。
「ぴぃー!」
「ふふ、行きましょうか」
もちろん楽しそうにしているリヒト達を見てルーナがぐずりだす。エーナは苦笑しながら後を追った。
「アー♪」
「あーい! ……あー!?」
『……!』
「うふふ、リヒトはまだ海に入れないから仕方ないわね」
「うぉふ」
「ぴよー」
グラソンは水を得たペンギンとなり滑るように泳ぎ始めた。リヒトが追いかけるも、ざざーんと波が押し寄せて来て慌ててヤクトに抱き着いた。
前にフロストドラゴンのコウの住処探しに海へ行った際は磯辺で遊ぶだけだったため波は初めてだったからだ。
「あうー」
「久しぶりの海だし、グラソンは遊ばせてあげましょう。ほらライル、砂でお家を作りましょう」
「あう♪」
「あい!」
『……♪』
グラソンは楽し気にしていたのでライルも気にしていたが、たまに海で泳がせてあげようと砂で遊ぶことにした。
そこでリヒトがスコップをカバンから取り出してライルに貸してあげた。
ライルとトワイトが遊んでいると、ルーナも一緒に遊び始めた。
リヒトもまざるかと思いきや、そこで彼は少し離れたところにダルと同じく日向ぼっこをしている黒竜を発見した。
「あー♪」
「うぉふ!」
「ぷひー!」
「わん!」
リヒトはダッと駆け出し、黒竜のところへ向かう。ヤクトとルミナス、そして子豚はそんなリヒトを追う。
「やっぱ石造りだって! 見ろよこの堅牢な門構えを!」
「いや、木のぬくもりが感じられる木造だな。石は冷たくてダメだね」
「吹けば飛ぶようなのは――」
「意見が分かれておるのう」
「ええことじゃ。お互いのいいところとダメなところを言い合うことで知恵も浮かぶ」
――家屋の建設はじわじわと進んでいた。
思いのほか器用な黒竜も居たので、ディランから教わったことをすぐに吸収してくれた。そこから手分けして家を作れるようになったのが大きい。
現在は五十ほどが完成し、見た目だけならそれなりなものが出来ている。
しかしこっちの方が出来がいいといった感じの諍いがあった。
ディラン曰く、文化を取り入れると自分の感覚が養われるので最初はやらせておけと語る。
「これでいいのかい?」
「うむ。そこに種を植えればええ。ロクローが耕した土じゃからすぐ成果が出るぞ」
「これで野菜が食えるのか……」
「おーい、ディラン爺さん! 水田というやつを見てくれー」
「あいわかった」
畑と水田も三日目くらいから自主的に進めており、ディランは相談役となっていた。ポテンシャルはドラゴンらしく高いようだ。
呼ばれたのでディランがついて行くと、川の近くに作られた立派な水田に到着する。
この島は本当に大きく、海の上にある無人島としては最大規模。シルヴィアスの住む極北の島よりもさらに大きい。
流石にクリニヒト王国やグラーデン国といった国土ほどはないが人の姿になれば町がいくつか作れる程度はあるのであった。
堤防を作成し、釣りをする場所も設けた。
住宅地、田畑、釣り場など『人型』を意識した土台作りが進んでいた。
「よい感じじゃ。これなら美味い米が作れるぞい」
「おお……あのトワイトさんが出してくれた白い粒ができるのか」
「あれは美味かった。いつも魔物を直接食っている我等では味わえないものだったな」
「うふふ、みんなもお料理を覚えているからすぐに美味しいお米を使ったお料理ができるわ」
「こりゃ楽しみだ!」
水田は構築が大変だったが、米を先に食べさせていたため、あれが食べられるならと嫌がらず作っていた。
「東の国が近いからお味噌やお醤油を買えば幅が広がるのだけど」
トワイトのお料理教室もかなり進み、基本的な焼き魚や卵焼きなどを伝えていた。
ただ、今は一家が持って来た食材で作っているため他の調味料なども欲しいと口にしていた。
「今度行ってみましょうか。お買い物もしてみたいし」
「あ、是非! トワイトさんと一緒なら安心ですもの!」
仲良くなった女性黒竜から提案をいいねされていた。お料理は楽しいようで、ドラゴンによって同じものでも味が変わるのが面白いと笑いあっていた。
「そういえばリヒト達はどうしたのじゃ?」
「ソルさんとエレノアさんと一緒ですよ。エーナさんも連れてお散歩に行っていますよ。あ、帰って来たわ」
「あーい! とーちゃ! おかーさ!」
「あうー!」
「ぴぃー♪」
そこへダル達に乗ったリヒトとライルが帰って来た。ちゃっかりルミナスに抱き着いていた。
「戻りました。みんな元気ですね。人型で歩くのが久しぶりなので少し疲れました」
「ぴぃ!」
「はいはい、抱っこね♪」
「ありがとうね面倒を見てくれて」
「いいえ、双子ちゃんとペットちゃんは手がかからないですよ」
「わほぉん」
「うぉふ!」
「わん!」
「「「ぴよー♪」」」
「アー!」
「ぷぎー♪」
「数が多いな……」
エーナがルーナを抱っこすると、トワイトがお礼を言う。エーナは笑顔で問題ないと口にし、ペット達は誇らしげに鳴く。
数が多いので大合唱である。水田担当の黒竜がタオルで顔を拭きながら呆れていた。
「こけー!」
「ぴぃー♪」
「ルーナはジェニファーがお気に入りなのね?」
「そうなんです。卵に乗っていたからでしょうか」
そんな中、ジェニファーが鳴くとルーナが喜ぶ。白く丸っこい生き物が大層お気に入りのようで手を伸ばしていた。
「そうそう、後で海へ行ってもいいでしょうか? あそこなら走り回れるので、アッシュウルフ達にはいいかもしれません。グラソンさんも海で過ごすのがいいみたいですし」
「ああ、いいわね。私も一緒に行きますよ」
「そっちは頼むわい。ワシはロクローと家屋を見て回り、次は家具をつくることにするわい」
「わかりました。それじゃ、お昼ご飯を仕込んでから行きましょうか」
そうしてディランはまだ作業を続けるといい、トワイトは休息がてら海岸沿いへ行くことになった。
「うぉふ♪」
「ぴよー♪」
「ぷひー♪」
「あーい♪」
「あうー!」
そして海に到着した一行は早速砂浜に飛び出ていた。ヤクトやリヒトは走り、ライルはトワイトと手を繋いでよちよちと追いかけた。
「わほぉん……」
「ダル君は行かないのね」
「ダルはのんびり屋さんだからいざという時だけ動くの」
ダルはいつも通り、その辺に落ちていた大きな葉っぱを引っ張ってきてその上に寝そべった。日向ぼっこをしながらリヒト達の様子を見る態勢になった。
「ぴぃー!」
「ふふ、行きましょうか」
もちろん楽しそうにしているリヒト達を見てルーナがぐずりだす。エーナは苦笑しながら後を追った。
「アー♪」
「あーい! ……あー!?」
『……!』
「うふふ、リヒトはまだ海に入れないから仕方ないわね」
「うぉふ」
「ぴよー」
グラソンは水を得たペンギンとなり滑るように泳ぎ始めた。リヒトが追いかけるも、ざざーんと波が押し寄せて来て慌ててヤクトに抱き着いた。
前にフロストドラゴンのコウの住処探しに海へ行った際は磯辺で遊ぶだけだったため波は初めてだったからだ。
「あうー」
「久しぶりの海だし、グラソンは遊ばせてあげましょう。ほらライル、砂でお家を作りましょう」
「あう♪」
「あい!」
『……♪』
グラソンは楽し気にしていたのでライルも気にしていたが、たまに海で泳がせてあげようと砂で遊ぶことにした。
そこでリヒトがスコップをカバンから取り出してライルに貸してあげた。
ライルとトワイトが遊んでいると、ルーナも一緒に遊び始めた。
リヒトもまざるかと思いきや、そこで彼は少し離れたところにダルと同じく日向ぼっこをしている黒竜を発見した。
「あー♪」
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*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
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