60 / 414
第60話 竜、王都に行く
しおりを挟む
「疲れないの?」
「大丈夫よ! 夫とリヒトを交代で抱っこしているし」
「いや、馬でも結構距離があるんだけど……」
馬の歩行速度に合わせて夫婦が並走し、ガルフ達の連れている馬であるハリヤーの背を撫でたりしていた。
最初はあまり速くならないよう手綱を調整していたが、通常走行でまったく問題ないと途中から早足になった。
「あーい」
「ぴよー」
「立派なたてがみねえ」
トワイトがハリヤーに近づくと、リヒトがたてがみをふさふさし、ひよこ達はついばもうと首を伸ばす。
当のハリヤーはなにも言わないが触られるとくすぐったそうに耳をぴこぴこさせていた。
「あー♪」
「お耳はダメよリヒト」
「うー?」
耳の様子が面白いのかリヒトが手を伸ばす。しかしトワイトがやんわりと自分の耳に手を持って行った。
「そういえば今日は寝ませんね」
「知らないところを歩いているから興奮して寝付けないのかもしれないわね。疲れたら寝ると思うからそれまで遊ばせておきましょう♪」
「あー♪」
「ぴよー♪」
「ふふ、可愛い」
リヒトはひよこ達と遊び始め、レイカが目を細める。そこへヒューシが口を開く。
「折角ですし王都に着いたら商店を回るのもいいかもしれません。赤ちゃん用のおもちゃだったり、抱っこの負担を軽減する用具も売っていると聞いたことがあります」
「今はそういうのがあるのねー。それじゃあモルゲンロートさんのところへ行った後、ショッピングをしましょうか」
「あーい!」
「都に来るのは何百年ぶりかのう」
「スケールがちがうぜ……!?」
そんな調子で歩を進め、昼過ぎに王都へと到着した。
ガルフは馬車を門へ向かわせると、門番が片手を上げて止まるように指示を出してきた。
「よーし、そこで待機だー」
「よっ! 戻って来たぜ」
指示された通りある地点で止まると、ガルフが片手を上げて門番へ挨拶をした。
すると門番はヘルムのバイザーを上げてから苦笑する。
「見慣れた馬だと思ったらガルフだったか。他の連中も無事に戻ってきたようだな」
「まあ、依頼で出てたわけじゃねえからな」
「なるほどな。それでこちらの人達は? 一緒だったみたいだし、知り合いか?」
そこで門番が夫婦に気付き、ガルフ達に尋ねる。
それを聞いたユリが荷台から飛び降りてから二人を紹介し始めた。
「いつもお世話になっているディランさんとトワイトさん! キリマール山の管理者って言った方が通用するかしら?」
「……! おお、あなた方が! あの山を管理するとお触れがありましたが、こんなに若い方だったとは!」
「いや、にせん……もご」
「ウチのパパ、若く見えるでしょー? ママもずっと若いもんね。これが管理者証よ!」
ディランが馬鹿正直に答えようとしたのをトーニャ飛び掛かって口を塞ぐ。
そこで親子だと明かし、若く見えるのだと答えた。
「まあ、トーニャちゃんったら♪」
「あー♪」
「おや、最近ガルフ達と一緒に行動するようになった子じゃないか。両親がそうだったのか」
「旅をしていて故郷から移動したっていうのを追ってたんだけど、ようやく見つけたの」
「へえ、そりゃ大変だったな。それじゃ通っていいぞ」
門番は他の同僚に合図をすると開門が始まった。ヒューシが眉を顰めて呟く。
「身分のチェックはしないんですか?」
「お前達の知り合いだし、管理者というのも解っている。陛下の選んだ人だし、問題はないよ」
「あーい♪」
「お、息子さんかい? 可愛いですねえ」
「ええ♪」
「ごゆっくり!」
リヒトが手を上げて声をあげると、門番の顔がほころんでいた。
別の門番も目を細めて見守り、中へと入れてくれた。
「赤ちゃんは強いわねえ」
「実際、可愛いしねリヒト君。泣かないし」
「だよなあ。子供ってよく泣くもんだと思ったけど、リヒトは強いよな」
ゆっくりと中へ進み、トンネルのような場所を歩いていく。
それなりに厚みのある城壁なので町中がある出口まで距離があった。
通路には松明があるため、薄暗い状況が続く。
「こけー?」
「夜じゃないぞい」
「こ」
周囲が暗くなったことで夜かと首を出して様子を見るジェニファーだったが、違うとわかり、またカバンに潜り込んだ。
程なくして通路を抜けると大きな広場に出た。
「やはり村と違って大きいですね。向こうに見えるのがお城かしら」
「そうそう。謁見できるか確認しにいかないとね。商品はザミールさんのお店がいいと思うから終わったら案内するね」
「ええ」
何度か謁見をしているためガルフ達も慣れたものだった。まずは登城すると道を指差す。
「ぴよー……」
「ぴよぴー……」
「ぴよっ……」
「うー?」
喧騒の中を進んでいく一行。
その途中、ひよこ達がポケットの中へ引っ込み、顔だけ出してか細く鳴いていた。
リヒトが首を傾げていると、ディランが顎に手を当てて口を開く。
「人が多いから驚いておるのう。かくいうワシもこれほどとは思わなかったから困っておる」
「はは、別に取って食いやしねえしディランのおっちゃんのが強いのに」
「強いから良い、というわけではないのじゃよ。トーニャも心得ておくのじゃぞ」
「いつも言っていた『武、寡黙なりて勇とせん』だっけ?」
「それは?」
ディランは強ければいいではない、と口にした後でトーニャが聞きなれない言葉を言う。ヒューシが疑問を投げかけると、ディランが答えた。
「ワシとその刀を持っていた者と考えていた共通認識、というやつじゃな。真の強者は強さをひけらかすことなく、必要な時に必要な力を出すのでいいという意味じゃ」
「はー……カッコいいわね……トワイトさんが惚れるわけだわ」
「なるほど……強さはひけらかすものではない、か」
「無駄に見せる力はトラブルを招くこともある。それを忘れぬことじゃ。む?」
ディランは顎髭を触りながらガルフ達に告げる。そこで、彼は道の途中で気になることを発見した。
「今、お前がぶつかって来たんだろうが!」
「いーや、お前だね! 謝れって」
「んだと……!」
「きゃっ……!?」
道の途中で喧嘩をしている冒険者二人が目に入った。
どうもぶつかったらしく、どっちが先かというような話をしていた。
周囲の状況が見えていないのか、買い物の籠を下げた女性とぶつかりよろけさせた。
「おっと、大丈夫かのう」
「あ……! はい、ありがとうございます」
「てめえ!」
「やるか!」
ディラン達に気づいていない二人は尚も喧嘩を続ける。そこでディランは二人の首を掴んで引き離す。
「うお!?」
「な、んだ……!?」
「これ、他の者が困っておるじゃろう。この女性にぶつかって転ぶところだったんじゃぞ?」
「離せ……って動かねえ……!?」
「マジか、Bランクの俺が……!?」
「まずは謝るべきじゃろう?」
ディランがそう言って目を細めると、ふたりは圧を感じた。ごくりと生唾を飲んでから大きく頷いた。
「も、申し訳ない」
「すみませんでした……」
「あ、いえ、大丈夫ですよ。こちらの方が助けてくれましたし」
「些細なことで喧嘩をしていたら格が下がるぞい」
「あ、はい……」
「うむ。すまんな、手荒な真似をして」
「い、いえ……」
ディランはそう言ってトワイトのところへ戻っていく。
「待たせたわい」
「い、いや、全然大丈夫だけどよ。鎧を着こんだ二人を軽々と持ち上げてたよな……」
「まあそれほど重くないからのう」
「うーん、ディランさんと手合わせした方が強くなれそうな気がしてきたわ……!」
「むう、女の子と戦うのはしたくないのう……」
あっさりと冒険者をいなしているのをガルフが目を丸くして驚き、ユリが実戦形式で鍛えてもらえるのではという。
しかしディランは難しい顔で踵を返して歩き出す。
「うふふ、お父さんは優しいですねリヒト♪」
「あーい♪」
「ええい、行くぞい」
トワイトがリヒトに微笑みかけると手を上げて同意し、ディランは耳を赤くして先を歩き出した。
ガルフ達は強いのになあと苦笑しながら後を追うのだった。
「大丈夫よ! 夫とリヒトを交代で抱っこしているし」
「いや、馬でも結構距離があるんだけど……」
馬の歩行速度に合わせて夫婦が並走し、ガルフ達の連れている馬であるハリヤーの背を撫でたりしていた。
最初はあまり速くならないよう手綱を調整していたが、通常走行でまったく問題ないと途中から早足になった。
「あーい」
「ぴよー」
「立派なたてがみねえ」
トワイトがハリヤーに近づくと、リヒトがたてがみをふさふさし、ひよこ達はついばもうと首を伸ばす。
当のハリヤーはなにも言わないが触られるとくすぐったそうに耳をぴこぴこさせていた。
「あー♪」
「お耳はダメよリヒト」
「うー?」
耳の様子が面白いのかリヒトが手を伸ばす。しかしトワイトがやんわりと自分の耳に手を持って行った。
「そういえば今日は寝ませんね」
「知らないところを歩いているから興奮して寝付けないのかもしれないわね。疲れたら寝ると思うからそれまで遊ばせておきましょう♪」
「あー♪」
「ぴよー♪」
「ふふ、可愛い」
リヒトはひよこ達と遊び始め、レイカが目を細める。そこへヒューシが口を開く。
「折角ですし王都に着いたら商店を回るのもいいかもしれません。赤ちゃん用のおもちゃだったり、抱っこの負担を軽減する用具も売っていると聞いたことがあります」
「今はそういうのがあるのねー。それじゃあモルゲンロートさんのところへ行った後、ショッピングをしましょうか」
「あーい!」
「都に来るのは何百年ぶりかのう」
「スケールがちがうぜ……!?」
そんな調子で歩を進め、昼過ぎに王都へと到着した。
ガルフは馬車を門へ向かわせると、門番が片手を上げて止まるように指示を出してきた。
「よーし、そこで待機だー」
「よっ! 戻って来たぜ」
指示された通りある地点で止まると、ガルフが片手を上げて門番へ挨拶をした。
すると門番はヘルムのバイザーを上げてから苦笑する。
「見慣れた馬だと思ったらガルフだったか。他の連中も無事に戻ってきたようだな」
「まあ、依頼で出てたわけじゃねえからな」
「なるほどな。それでこちらの人達は? 一緒だったみたいだし、知り合いか?」
そこで門番が夫婦に気付き、ガルフ達に尋ねる。
それを聞いたユリが荷台から飛び降りてから二人を紹介し始めた。
「いつもお世話になっているディランさんとトワイトさん! キリマール山の管理者って言った方が通用するかしら?」
「……! おお、あなた方が! あの山を管理するとお触れがありましたが、こんなに若い方だったとは!」
「いや、にせん……もご」
「ウチのパパ、若く見えるでしょー? ママもずっと若いもんね。これが管理者証よ!」
ディランが馬鹿正直に答えようとしたのをトーニャ飛び掛かって口を塞ぐ。
そこで親子だと明かし、若く見えるのだと答えた。
「まあ、トーニャちゃんったら♪」
「あー♪」
「おや、最近ガルフ達と一緒に行動するようになった子じゃないか。両親がそうだったのか」
「旅をしていて故郷から移動したっていうのを追ってたんだけど、ようやく見つけたの」
「へえ、そりゃ大変だったな。それじゃ通っていいぞ」
門番は他の同僚に合図をすると開門が始まった。ヒューシが眉を顰めて呟く。
「身分のチェックはしないんですか?」
「お前達の知り合いだし、管理者というのも解っている。陛下の選んだ人だし、問題はないよ」
「あーい♪」
「お、息子さんかい? 可愛いですねえ」
「ええ♪」
「ごゆっくり!」
リヒトが手を上げて声をあげると、門番の顔がほころんでいた。
別の門番も目を細めて見守り、中へと入れてくれた。
「赤ちゃんは強いわねえ」
「実際、可愛いしねリヒト君。泣かないし」
「だよなあ。子供ってよく泣くもんだと思ったけど、リヒトは強いよな」
ゆっくりと中へ進み、トンネルのような場所を歩いていく。
それなりに厚みのある城壁なので町中がある出口まで距離があった。
通路には松明があるため、薄暗い状況が続く。
「こけー?」
「夜じゃないぞい」
「こ」
周囲が暗くなったことで夜かと首を出して様子を見るジェニファーだったが、違うとわかり、またカバンに潜り込んだ。
程なくして通路を抜けると大きな広場に出た。
「やはり村と違って大きいですね。向こうに見えるのがお城かしら」
「そうそう。謁見できるか確認しにいかないとね。商品はザミールさんのお店がいいと思うから終わったら案内するね」
「ええ」
何度か謁見をしているためガルフ達も慣れたものだった。まずは登城すると道を指差す。
「ぴよー……」
「ぴよぴー……」
「ぴよっ……」
「うー?」
喧騒の中を進んでいく一行。
その途中、ひよこ達がポケットの中へ引っ込み、顔だけ出してか細く鳴いていた。
リヒトが首を傾げていると、ディランが顎に手を当てて口を開く。
「人が多いから驚いておるのう。かくいうワシもこれほどとは思わなかったから困っておる」
「はは、別に取って食いやしねえしディランのおっちゃんのが強いのに」
「強いから良い、というわけではないのじゃよ。トーニャも心得ておくのじゃぞ」
「いつも言っていた『武、寡黙なりて勇とせん』だっけ?」
「それは?」
ディランは強ければいいではない、と口にした後でトーニャが聞きなれない言葉を言う。ヒューシが疑問を投げかけると、ディランが答えた。
「ワシとその刀を持っていた者と考えていた共通認識、というやつじゃな。真の強者は強さをひけらかすことなく、必要な時に必要な力を出すのでいいという意味じゃ」
「はー……カッコいいわね……トワイトさんが惚れるわけだわ」
「なるほど……強さはひけらかすものではない、か」
「無駄に見せる力はトラブルを招くこともある。それを忘れぬことじゃ。む?」
ディランは顎髭を触りながらガルフ達に告げる。そこで、彼は道の途中で気になることを発見した。
「今、お前がぶつかって来たんだろうが!」
「いーや、お前だね! 謝れって」
「んだと……!」
「きゃっ……!?」
道の途中で喧嘩をしている冒険者二人が目に入った。
どうもぶつかったらしく、どっちが先かというような話をしていた。
周囲の状況が見えていないのか、買い物の籠を下げた女性とぶつかりよろけさせた。
「おっと、大丈夫かのう」
「あ……! はい、ありがとうございます」
「てめえ!」
「やるか!」
ディラン達に気づいていない二人は尚も喧嘩を続ける。そこでディランは二人の首を掴んで引き離す。
「うお!?」
「な、んだ……!?」
「これ、他の者が困っておるじゃろう。この女性にぶつかって転ぶところだったんじゃぞ?」
「離せ……って動かねえ……!?」
「マジか、Bランクの俺が……!?」
「まずは謝るべきじゃろう?」
ディランがそう言って目を細めると、ふたりは圧を感じた。ごくりと生唾を飲んでから大きく頷いた。
「も、申し訳ない」
「すみませんでした……」
「あ、いえ、大丈夫ですよ。こちらの方が助けてくれましたし」
「些細なことで喧嘩をしていたら格が下がるぞい」
「あ、はい……」
「うむ。すまんな、手荒な真似をして」
「い、いえ……」
ディランはそう言ってトワイトのところへ戻っていく。
「待たせたわい」
「い、いや、全然大丈夫だけどよ。鎧を着こんだ二人を軽々と持ち上げてたよな……」
「まあそれほど重くないからのう」
「うーん、ディランさんと手合わせした方が強くなれそうな気がしてきたわ……!」
「むう、女の子と戦うのはしたくないのう……」
あっさりと冒険者をいなしているのをガルフが目を丸くして驚き、ユリが実戦形式で鍛えてもらえるのではという。
しかしディランは難しい顔で踵を返して歩き出す。
「うふふ、お父さんは優しいですねリヒト♪」
「あーい♪」
「ええい、行くぞい」
トワイトがリヒトに微笑みかけると手を上げて同意し、ディランは耳を赤くして先を歩き出した。
ガルフ達は強いのになあと苦笑しながら後を追うのだった。
246
あなたにおすすめの小説
置き去りにされた聖女様
青の雀
恋愛
置き去り作品第5弾
孤児のミカエルは、教会に下男として雇われているうちに、子供のいない公爵夫妻に引き取られてしまう
公爵がミカエルの美しい姿に心を奪われ、ミカエルなら良き婿殿を迎えることができるかもしれないという一縷の望みを託したからだ
ある日、お屋敷見物をしているとき、公爵夫人と庭師が乳くりあっているところに偶然、通りがかってしまう
ミカエルは、二人に気づかなかったが、二人は違う!見られたと勘違いしてしまい、ミカエルを連れ去り、どこかの廃屋に置き去りにする
最近、体調が悪くて、インフルの予防注射もまだ予約だけで……
それで昔、書いた作品を手直しして、短編を書いています。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
貧乏神と呼ばれて虐げられていた私でしたが、お屋敷を追い出されたあとは幼馴染のお兄様に溺愛されています
柚木ゆず
恋愛
「シャーリィっ、なにもかもお前のせいだ! この貧乏神め!!」
私には生まれつき周りの金運を下げてしまう体質があるとされ、とても裕福だったフェルティール子爵家の総資産を3分の1にしてしまった元凶と言われ続けました。
その体質にお父様達が気付いた8歳の時から――10年前から私の日常は一変し、物置部屋が自室となって社交界にも出してもらえず……。ついには今日、一切の悪影響がなく家族の縁を切れるタイミングになるや、私はお屋敷から追い出されてしまいました。
ですが、そんな私に――
「大丈夫、何も心配はいらない。俺と一緒に暮らそう」
ワズリエア子爵家の、ノラン様。大好きな幼馴染のお兄様が、手を差し伸べてくださったのでした。
捨てられた聖女様
青の雀
恋愛
孤児として拾われたジェニファーは、5歳の時、聖女様に覚醒し、バルサン王家の庇護のもと、同い年の第1王子と婚約者になる。
成長するにつれ、王子は、公女様と浮名を流すようになり、国王陛下が早逝されたことをいいことに、婚約破棄されてしまう。
それというのも、公女様が自分こそが真の聖女でジェニファーは偽聖女だという噂を広められ、巡礼に行った先で、石やごみを投げられるなどの嫌がらせに遭う。
国境付近で、まるでゴミを投げ捨てるかのように捨てられたジェニファーは、隣国の貧乏国の王子様に拾われ、聖なる力を解放する。
一方、聖女様を追い出したバルサン国では、目に見えて衰退の一途をたどる。
公爵さま、私が本物です!
水川サキ
恋愛
将来結婚しよう、と約束したナスカ伯爵家の令嬢フローラとアストリウス公爵家の若き当主セオドア。
しかし、父である伯爵は後妻の娘であるマギーを公爵家に嫁がせたいあまり、フローラと入れ替えさせる。
フローラはマギーとなり、呪術師によって自分の本当の名を口にできなくなる。
マギーとなったフローラは使用人の姿で屋根裏部屋に閉じ込められ、フローラになったマギーは美しいドレス姿で公爵家に嫁ぐ。
フローラは胸中で必死に訴える。
「お願い、気づいて! 公爵さま、私が本物のフローラです!」
※設定ゆるゆるご都合主義
婚約破棄、国外追放しておいて、今さら戻ってきてほしいとはなんですか? 〜今さら戻るつもりなどない私は、逃げた先の隣国で溺愛される〜
木嶋隆太
恋愛
すべての女性は15歳を迎えたその日、精霊と契約を結ぶことになっていた。公爵家の長女として、第一王子と婚約関係にあった私も、その日同じように契約を結ぶため、契約の儀に参加していた。精霊学校でも優秀な成績を収めていた私は――しかし、その日、契約を結ぶことはできなかった。なぜか精霊が召喚されず、周りからは、清らかな女ではないと否定され、第一王子には婚約を破棄されてしまう。国外追放が決まり、途方に暮れていた私だったが……他国についたところで、一匹の精霊と出会う。それは、世界最高ともいわれるSランクの精霊であり、私の大逆転劇が始まる。
【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?
咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。
※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。
※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。
※騎士の上位が聖騎士という設定です。
※下品かも知れません。
※甘々(当社比)
※ご都合展開あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる