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第五章:疑惑の女神と破壊神編
第百九話 目的のために
しおりを挟む今後の予定を決めた俺達は早速移動を開始。
ブルーゲイルの面々が神殿を物色するも、祭壇と石碑しかなく、肩透かしを食っていた。ここは本当に封印をするための場所だったのだろう。
だけど俺には解せないことがあるのだ。
アウロラが破壊神であるエアモルベーゼを封印したまではいいが、この神殿を造ったのは誰か? ということだ。それにグラオザムはティリアのことを『光の勇者』と言っていたらしく、そこも不可解。魔王であって勇者ではないのだから。
まあ相手から見れば勇者に見えなくもないがどうも引っかかるのだ。アウロラの封印については重要なことが隠されているのではないか? そう思い、俺達はクロウ達を連れて聖華の都、アウグゼストへと向かうことになった。
メリーヌ師匠が単身乗り込んだのも気になっていたので、無事を確認する意味もある。そんな考えごとをしながら神殿、そして洞窟を出るとルルカが声をあげた。
「……あれ? 風が止んでいますね……」
「本当だ、凄まじい勢いだったのに……」
リファも晴天の空を見上げながら不思議そうに言い、ティリアが口を開く。
「もしかしたら封印を守っていたのかもしれませんね。解かれたので役目を終えたから、ではないでしょうか?」
「その可能性は高いな。この山へは徒歩以外で辿り着けないようにしていたと思うべきだろう」
バウムさんがティリアのに同意し頷いて言う。そういえば魔物も少なくなったような気がしないでも無い。
「気にはなるけど、今は調べている暇がない。とりあえず山を降りよう」
魔物が減ったなら僥倖だ、後は来た道を戻るだけなので、早々に山を立ち去った。
◆ ◇ ◆
「おお、戻ってきたか! どうじゃった、怪しい連中は?」
村に到着すると村長が出迎えてくれた。
「この通り、一応捕まえて来たよ。でも、まだ解決したわけじゃなくてな。すぐにでも出発するつもりだ」
「ふむ、ドラゴンならあっちにおる。それにしても山の突風が途絶えたようじゃが、何かあったのかのう?」
「……いや、特には。村長はあの山について何か知っていることはあるかい? 例えば500年前のこととか」
俺が聞いてみると、ここに村が出来てまだ100年も経っていないらしく、情報は手に入らなかった。
「また気が向いたら寄っておくれ、娘を助けてくれた恩人ならいつでも歓迎じゃ。良い旅をな」
村長はそれだけ言って立ち去ると、次にブルーゲイルの面々が声をかけて来てくれた。
「……役に立てなくてすまなかったな。むしろ余計な手間をかけちまった」
「気にしないでいいさ。お互い化け物と戦って命があって良かったと思おうぜ? これからどうするんだ?」
俺の問いにニドが口を開こうとしたが、コトハが横から割り込んできた。
「正直、今でも破壊神の化身い出会ったという恐怖は拭えません……できればお力になりたいところですが、一介の冒険者に太刀打ちできるものでもないと思います」
「……なので、わたし達はわたし達で、女神と破壊神に関する情報を集めたいと思います」
コトハとサンが青い顔をしたまま力強い口調でそう言う。
「でも、無理して関わらなくてもいいんだぞ?」
リファが返すと、アルが手を上げて冷や汗をかきながら呟く。
「オレ達も金がなきゃやっていけないから、そこは無理せずにってな。行く先々で聞いて回り、何か分かったらユニオンを通じて知らせる、そんな感じだよ」
「私達は助かりますが……」
「構わないさ、あれが本格的に動き出したら魔王様達全員でかかってギリギリだろう? 封印が複数あったとして、他にもあんなのが増えたら世界は終わっちまうよ。かといって俺達じゃ勝てない。だから魔王様達を利用する、そういうことさ」
ドアールがティリアを手で制止、俺達のわがままだと気を使ってくれる。
「なら、宜しく頼む。もしヴァント王国へ行くことがあったら、燃える瞳というパーティは俺の知り合だ、そこから王子や領主さんに協力を仰げるかもしれないから探してみてくれ」
「王子……お前はホント……いや、いい。ヴァント王国だな、なら俺達はそっちに行ってみよう。定期的にユニオンに顔を出しておいてくれ、セフィロトの通信を使って伝言を残しておくかもしれないから」
ニド達も予定を決めると、少し村で休息してから港町へ向かうらしい。うまく行けばまた会えるかもしれないと言い合いながら俺達はドラゴンの元へと向かった。
【ガオーン!(旦那! 戻って来やしたか! 助けてくださいよー……)】
ファライディが俺を見るなり声をかけてきたが、その声は重い。それもそのはずで、村の子供達が文字通り群がっていたからだ。
「大人しいのはいいことだと思うけどな。すまないな、俺達はそいつに乗って帰るからどいてくれ」
俺が子供達に言うと、すげぇ! とか言いながら遠巻きに離れてくれた。
「とりあえず、俺とデヴァイン教徒とがファライディに乗って、バウムさんとフィアム、ティリアとルルカ、リファ、それとクロウはチューズディに乗ってくれ。大人五人、いけるか?」
【ガウ(お安いご用でさあ。ちょっと速度は落ちますけど)】
「いいさ、とりあえず城まで……」
「え? この人ドラゴンと喋ってるの……?」
と、俺がファライディに話しかけていると、レオッタが驚き、乗りこもうとしたところでバウムさんが俺に言った。
「私達もここで別れよう。直接エルフの集落へ戻るよ」
「え? 乗っていけばいいのに?」
「少し考えたが私は神殿を調べて帰ろうと思う。戻って来たものの気になるのだよ」
一旦帰ろうとしたけど、何も無いとは思えないそうだ。フィアムと共に山へと戻るらしい。バウムさんの強さなら魔物相手なら何とかなると思うけど……。
「あいつが戻って来ないとも限らない、くれぐれも用心をしてくれ」
「分かっている。カケルが居なければ死んでしまうからな。はっはっは! ……そっちも気を付けてくれ、デヴァイン教の本拠地だしな」
「い、嫌だ!? また死ぬ目にあったりしたらいやぁぁぁぁ!?」
「やかましい、大人しく来るんだ。性根を鍛えなおしてやる」
それでは、と片手を上げてつつ、涙目のフィアムを引きずって村から出て行った。そこでずっと黙っていたクロウが声を出した。
「……な、なあ、僕もそっちに……レオッタ、代わってくれないかい?」
「? いいじゃない、女の子ばっかりだし~? もう乗ったから降りたくないわ」
「そうだぞ、もう乗ったからいいじゃないか」
「ち、近い! 僕から離れろ!」
「こら大人しくしなって。ボク達もそんな慣れてるわけじゃないんだから」
リファとルルカに拘束されて動けないクロウ。羨ましいな……おっと、そんなことを言っている場合じゃないな。
「それじゃ、一旦、王都オルカンへ! ファライディ頼むぞ!」
【ガオオン!(あいあいさー!)】
「……ハッ!? ここは!? うわあ、高いぃぃぃ!? うーん……」
「お、おい、トロベル! ……ダメだ、また気絶した」
ずっと気絶していたトロベルと呼ばれていた男が、折角起きたのにまた気絶してしまう。
さて、身動きを取るなら教徒達が居た方が便利だが、あまり人数が多いのも動きにくいか? どうするか考えながら、眼下で小さくなっていくベリーの村を後にした。
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第5章開始時のステータス
【ジュミョウ カケル】
レベル12
HP:2900
MP:28800
力:44
速:41
知:30
魔:40
運:35
【スキル】
回復魔王
Lヒール
L【還元の光】
魔法:炎弾 風刃 氷の楔 地獄の劫火
剣技:斬岩剣
能力値上昇率アップ 全魔法適正 全武器適性 ステータスパラメータ移動 全世界の言語習得:読み書き
【同調】
【特殊】
寿命:99,999,619年
魔王の慈悲:相手に自らの寿命を与えて回復させることができる。
生命の終焉:触れた相手の寿命を吸い取る事ができる。スキルが強力になると一瞬で絶命させる事も可能
ナルレア:レベルアップやスキルを覚えた際、音声で色々と知らせてくれる。(音声説明アシストとTIPSが合成されました)
追憶の味:自身が飲み食いした料理について限りなく再現可能になり、食材を見極めることもできる。
運命の天秤:死ぬ運命にあった人間を助けようとすると、自身の寿命が減る代わりに死の運命を傾ける事が出来る。ただし#$%&――
※一般的なレベル12のおよそ2.5倍近い強さ。なお、感じ方には個人差があります。
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