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混血の放浪者 2-2
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敷石の間に生える雑草の濃さが増していく。
ナジカの祠付近はこの村の中でも最も緑が濃い場所となっているようだ。
村の外とは打って変わってこの村の中では今でも植物が生い茂っている。
草木も死に絶えたこの荒野の中での唯一のオアシスと言ってもいい。
坂を上りきると木の枝同士がお互い混ざり合い自然に出来たアーチが祠の入り口を形作っている。
その樹がぐるりと祠の周囲を柱のように取り囲みその樹々の間にはホワイトシダーと共存してツタが巡り、そのツタの合間を美しい花々が鮮やかに彩っている。
外で見た光景とは違い生命力に満ちたその光景に放浪者は思わず足を止めてしまった、ここでは坂の下で感じた寂しさとは無縁で、豊かさがそこにはあった。
アーチをくぐった先には、農園が広がっていた、ここを管理しているのはさきほどあった不思議な老人であろうか。穀物、根菜類、葉物。それぞれが丁寧に区画分けされており管理しやすくなっている。
麦畑を越えるころに、簡易的な木製の建造物が見えた。
まるで小さな家ではあったが、在るのは装飾の無い柱と屋根のみ、そしてその中心には石碑のようなものが在り、さらにその奥には不思議と扉の枠のみがあるが、そこにドアはついていなかった。
ただぽっかりと木の洞のように不思議と空間がありその向こうはこの農地と祠を仕切る樹がぐるりと生えているだけだった。
ナジカの石碑の近くによってみると、それは石ではなく、古く遠い歴史の中で生まれ今現在にまで至り在る樹木の化石であった、そこに刻まれた文様。
見るにこれがかの豊穣の姫神の像なのだろう。
供物台には何も置かれていなかった、老人が誰も訪れることはないと語って居た事が良くわかる。
ここの管理をあの老人一人がしているとは思えない、彼には重すぎる労力だからだ。
風の揺らぎが薄明に近い太陽の傾きに照らされた麦畑を揺らす、その合間に小さな背中を見た。
放浪者は麦畑を越えて彼に歩み寄った。
「……あ、おじさん」
ダヤンは放浪者を一目みて、気まずそうに見上げた。
土の上に座る彼の手はあの老人のように土に濡れ、その顔には汚れがついていた。放浪者は静かにダヤンの横に腰を下ろして、彼が見つめている先を同じように見た。
「あれ、若木なんだ。デムさんが言っていた、どんどんこの村では植物が育たなくなっているって、だからあれがもしかしたらこの村で生える最期の樹になるかもしれないって・・・・。あ、デムさんっていうのは、朝はなしたおじいさんの事だよ」
放浪者とダヤンが見つめるその若木は50インチほどの小さなものだった。
他の樹々と同じホワイトシダーなのかそうではないのか見分けがつかないが、その若木の表皮は淡いブラウンで太さは子供一人分はある立派なものだった。
「おじいさんが言うにはぼくが産まれた日に、生え始めたんだってさ。だからきっとこの樹は僕と同い年で、きっと兄弟なんだ。ぼくが産まれたのもここだから」
放浪者は周囲を見渡した、静かな農園と祠。
人がひとり産み落とされるには不向きな所ではあるが、ダヤンの父と母の境遇を鑑みるに。
きっとそうせざるを得ない理由があったのだろう。
「おまえが、ここを管理しているのか」
そう尋ねられたダヤンはまた放浪者を見上げた、その眼は赤く晴れているが。
どこか嬉しそうな風に見えた。
「最初はおじいさんだけだったんだ、村の人はそういう事に無関心になってしまったんだって。もうこの村は今に誰も住めなくなってしまう、だけども出ることも簡単じゃないから、皆生きることを諦めはじめているんだって言ってた。だけど、ぼくはここが好きだから、少しでも長く在って欲しいんだ」
「そうか……簡単な事じゃないな」
「うん、とっても難しい。ちょっとづつ覚えていって、なんとかやってる。でも去年よりも今年の収穫は少なくなるだろうって」
豊かに見えるこの場所も、そして村も。
いずれ外の荒廃した土地に飲み込まれ同じように果ててしまうのかもしれない。
村の者には会って居ないが、そのような状況から抜け出そうとすることを諦め戦う事をやめたのだろう。
一人を除いては。
「やはりお前は勇敢だな……ダヤン」
「そんな事はないよ、村の外で死にそうになったし。おじさんが来てくれなきゃ、今頃はここに居なかったかもしれない……それに母さんをまた悲しませてしまったし……」
放浪者は、広げた手を、一瞬ためらい・・・彼の肩に置いた。
放浪者は畏敬の念を幼いこの少年に抱いたのだ。
「生きていれば、誰かを悲しませる事も、そして喜ばせることもある。大丈夫だ、お前の勇敢さはラナも誇りに思って居るに違いない。会ってまだ僅かな時間だが、それは分かる、きっとそうだ。おれが保証する」
ダヤンは不思議そうな顔で放浪者を見上げた。
その表情に放浪者はマスクの奥で微笑みを浮かべていた。
「だから家に戻ろう、悲しませたと思ったのなら、どうにかして喜ばせないとな」
少年はその言葉に、少し考えるように俯き。
うんと小さくうなずき、そして放浪者を見上げ力強く頷き返した、どうやら心の整理はついたようだ。
「ありがと、おじさん。きっと帰ったら母さん顔から火を噴いちゃうよ」
「あぁ、いざとなったら火事にならないように水瓶を持って鎮火に回ろう」
少年はよっと掛け声を挙げて立ち上がり、尻についた土汚れを払った。
放浪者も倣い一緒に立ち上がる。
ふとした瞬間、僅かな警戒を告げるように首筋がざわついた。
顔を動かさずにフード奥の視線で周囲を見通した。夜が近い、遠くの輝きが今日最後の光を落とし始めている。
「どうしたの?おじさん、帰ろ?」
ナジカへの挨拶を終えたダヤンは放浪者に歩み寄り見上げ、そのマントの端を引っ張った。
放浪者はダヤンへ視線を落とし、そっとその背に手をあてがい村の方を見て示した。
「ダヤン、すぐに帰る、先に家に帰っておいてくれないか」
「え?だってもう暗くなるよ、この辺は灯りもつけないから見えなくなっちゃう」
「大丈夫だ、おれは暗い場所でも昼のように見える。それにちょっと寄りたい所があってな」
ダヤンは眉を顰め、唇を尖らせた。その姿に思わず苦笑いを放浪者はしてしまった。
「ちぇッ、母さんの大目玉を一人でくらうの?、おじさんってばぼくとの共同戦線はどうしたんだよッもう、おじさんの分の果物食べちゃうからねッ」
「悪いな、すぐに助力に行くよ、必ず」
「あ、でもどうしても暗くなって帰れそうになかったら、憂う木漏れ日亭に行ってね!母さんの友達が居るんだ、それにおれの幼馴染も!きっとおじさんの事気に入ると思うから!」
ダヤンはアーチへ向かい、振り返りざまに叫んだ。
その言葉に放浪者は了解と手を軽く掲げてダヤンの背を見送った。
その下ろした右手はマントの下で腰の裏、剣の柄に伸ばし隠し……気配を探った。
数は一人、僅かな敵意を感じ取る。
だがその向けられたものは今すぐに放浪者に放たれる様子は無かった。
マントを左手で閉じ、放浪者はややあって祠を抜け、農園の出口であるアーチをくぐった。
距離をとってその気配は薄くなるがどうやらついて来るらしい。
「余計な手土産は不要だな」
憂う木漏れ日亭。
この村の規模では客足は不安だが少なくとも、気配の主をダヤンの家に導くよりはマシだろう。
陽はとうに暮れあたりは宵闇が暗さで覆い始める、坂下の遠く村の広場では灯りが焚かれそこに酒場は確かあった。放浪者は夜の酒場にしけこむ事を決めた。
ナジカの祠付近はこの村の中でも最も緑が濃い場所となっているようだ。
村の外とは打って変わってこの村の中では今でも植物が生い茂っている。
草木も死に絶えたこの荒野の中での唯一のオアシスと言ってもいい。
坂を上りきると木の枝同士がお互い混ざり合い自然に出来たアーチが祠の入り口を形作っている。
その樹がぐるりと祠の周囲を柱のように取り囲みその樹々の間にはホワイトシダーと共存してツタが巡り、そのツタの合間を美しい花々が鮮やかに彩っている。
外で見た光景とは違い生命力に満ちたその光景に放浪者は思わず足を止めてしまった、ここでは坂の下で感じた寂しさとは無縁で、豊かさがそこにはあった。
アーチをくぐった先には、農園が広がっていた、ここを管理しているのはさきほどあった不思議な老人であろうか。穀物、根菜類、葉物。それぞれが丁寧に区画分けされており管理しやすくなっている。
麦畑を越えるころに、簡易的な木製の建造物が見えた。
まるで小さな家ではあったが、在るのは装飾の無い柱と屋根のみ、そしてその中心には石碑のようなものが在り、さらにその奥には不思議と扉の枠のみがあるが、そこにドアはついていなかった。
ただぽっかりと木の洞のように不思議と空間がありその向こうはこの農地と祠を仕切る樹がぐるりと生えているだけだった。
ナジカの石碑の近くによってみると、それは石ではなく、古く遠い歴史の中で生まれ今現在にまで至り在る樹木の化石であった、そこに刻まれた文様。
見るにこれがかの豊穣の姫神の像なのだろう。
供物台には何も置かれていなかった、老人が誰も訪れることはないと語って居た事が良くわかる。
ここの管理をあの老人一人がしているとは思えない、彼には重すぎる労力だからだ。
風の揺らぎが薄明に近い太陽の傾きに照らされた麦畑を揺らす、その合間に小さな背中を見た。
放浪者は麦畑を越えて彼に歩み寄った。
「……あ、おじさん」
ダヤンは放浪者を一目みて、気まずそうに見上げた。
土の上に座る彼の手はあの老人のように土に濡れ、その顔には汚れがついていた。放浪者は静かにダヤンの横に腰を下ろして、彼が見つめている先を同じように見た。
「あれ、若木なんだ。デムさんが言っていた、どんどんこの村では植物が育たなくなっているって、だからあれがもしかしたらこの村で生える最期の樹になるかもしれないって・・・・。あ、デムさんっていうのは、朝はなしたおじいさんの事だよ」
放浪者とダヤンが見つめるその若木は50インチほどの小さなものだった。
他の樹々と同じホワイトシダーなのかそうではないのか見分けがつかないが、その若木の表皮は淡いブラウンで太さは子供一人分はある立派なものだった。
「おじいさんが言うにはぼくが産まれた日に、生え始めたんだってさ。だからきっとこの樹は僕と同い年で、きっと兄弟なんだ。ぼくが産まれたのもここだから」
放浪者は周囲を見渡した、静かな農園と祠。
人がひとり産み落とされるには不向きな所ではあるが、ダヤンの父と母の境遇を鑑みるに。
きっとそうせざるを得ない理由があったのだろう。
「おまえが、ここを管理しているのか」
そう尋ねられたダヤンはまた放浪者を見上げた、その眼は赤く晴れているが。
どこか嬉しそうな風に見えた。
「最初はおじいさんだけだったんだ、村の人はそういう事に無関心になってしまったんだって。もうこの村は今に誰も住めなくなってしまう、だけども出ることも簡単じゃないから、皆生きることを諦めはじめているんだって言ってた。だけど、ぼくはここが好きだから、少しでも長く在って欲しいんだ」
「そうか……簡単な事じゃないな」
「うん、とっても難しい。ちょっとづつ覚えていって、なんとかやってる。でも去年よりも今年の収穫は少なくなるだろうって」
豊かに見えるこの場所も、そして村も。
いずれ外の荒廃した土地に飲み込まれ同じように果ててしまうのかもしれない。
村の者には会って居ないが、そのような状況から抜け出そうとすることを諦め戦う事をやめたのだろう。
一人を除いては。
「やはりお前は勇敢だな……ダヤン」
「そんな事はないよ、村の外で死にそうになったし。おじさんが来てくれなきゃ、今頃はここに居なかったかもしれない……それに母さんをまた悲しませてしまったし……」
放浪者は、広げた手を、一瞬ためらい・・・彼の肩に置いた。
放浪者は畏敬の念を幼いこの少年に抱いたのだ。
「生きていれば、誰かを悲しませる事も、そして喜ばせることもある。大丈夫だ、お前の勇敢さはラナも誇りに思って居るに違いない。会ってまだ僅かな時間だが、それは分かる、きっとそうだ。おれが保証する」
ダヤンは不思議そうな顔で放浪者を見上げた。
その表情に放浪者はマスクの奥で微笑みを浮かべていた。
「だから家に戻ろう、悲しませたと思ったのなら、どうにかして喜ばせないとな」
少年はその言葉に、少し考えるように俯き。
うんと小さくうなずき、そして放浪者を見上げ力強く頷き返した、どうやら心の整理はついたようだ。
「ありがと、おじさん。きっと帰ったら母さん顔から火を噴いちゃうよ」
「あぁ、いざとなったら火事にならないように水瓶を持って鎮火に回ろう」
少年はよっと掛け声を挙げて立ち上がり、尻についた土汚れを払った。
放浪者も倣い一緒に立ち上がる。
ふとした瞬間、僅かな警戒を告げるように首筋がざわついた。
顔を動かさずにフード奥の視線で周囲を見通した。夜が近い、遠くの輝きが今日最後の光を落とし始めている。
「どうしたの?おじさん、帰ろ?」
ナジカへの挨拶を終えたダヤンは放浪者に歩み寄り見上げ、そのマントの端を引っ張った。
放浪者はダヤンへ視線を落とし、そっとその背に手をあてがい村の方を見て示した。
「ダヤン、すぐに帰る、先に家に帰っておいてくれないか」
「え?だってもう暗くなるよ、この辺は灯りもつけないから見えなくなっちゃう」
「大丈夫だ、おれは暗い場所でも昼のように見える。それにちょっと寄りたい所があってな」
ダヤンは眉を顰め、唇を尖らせた。その姿に思わず苦笑いを放浪者はしてしまった。
「ちぇッ、母さんの大目玉を一人でくらうの?、おじさんってばぼくとの共同戦線はどうしたんだよッもう、おじさんの分の果物食べちゃうからねッ」
「悪いな、すぐに助力に行くよ、必ず」
「あ、でもどうしても暗くなって帰れそうになかったら、憂う木漏れ日亭に行ってね!母さんの友達が居るんだ、それにおれの幼馴染も!きっとおじさんの事気に入ると思うから!」
ダヤンはアーチへ向かい、振り返りざまに叫んだ。
その言葉に放浪者は了解と手を軽く掲げてダヤンの背を見送った。
その下ろした右手はマントの下で腰の裏、剣の柄に伸ばし隠し……気配を探った。
数は一人、僅かな敵意を感じ取る。
だがその向けられたものは今すぐに放浪者に放たれる様子は無かった。
マントを左手で閉じ、放浪者はややあって祠を抜け、農園の出口であるアーチをくぐった。
距離をとってその気配は薄くなるがどうやらついて来るらしい。
「余計な手土産は不要だな」
憂う木漏れ日亭。
この村の規模では客足は不安だが少なくとも、気配の主をダヤンの家に導くよりはマシだろう。
陽はとうに暮れあたりは宵闇が暗さで覆い始める、坂下の遠く村の広場では灯りが焚かれそこに酒場は確かあった。放浪者は夜の酒場にしけこむ事を決めた。
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