7 / 9
アリア
しおりを挟む
目を覚ますといつもの景色。何度も見る悪夢に、息切れも冷や汗も出なくなった。優馬は起き上がって普段着に着替えて、家を出た。
優馬は考えた。安全な場所なんてどこにもない。ならば、ひかるも孝司もいないどこか遠くに逃げようと。
玄関を開けて、外に出る。家の前にひかるはまだ着ていない。優馬は、学校に行く方向と逆の方向に歩き出す。行く当てもないまま人知れずに。
優馬は歩きながら、この世界について考えていた。今優馬が見ている世界は、現実なのかそれとも夢なのか、それを確かめるために、街の真ん中にある大きなビルのついえる日付と時間を見る。
《7月19日 8時45分》
夏休みが始まる二日前だ。孝司と話したときも夏休みが始まる二日前だ。ひかるが夏休みの注意事項のプリントを持ってきてくれたのも二日前だ。
この世界は夏休みが始まる二日前をループしている。
ループするきっかけは、優馬が死ぬかひかると孝司が死んだときだ。今俺に身に起きていることが知る限りの程度だけどな。
「どこに、行こうかな」
歩き続けてついた場所は、大きなビルが立ち並ぶ街に緑あふれた
ひっそりある公園だった。
公園の真ん中に噴水がある。近くにベンチがあり、そこに腰を掛ける。
別に疲れたわけではないが、なんか座りたくなった。
この時間だから、辺りを見渡しても、犬の散歩しているじいちゃんや、池の周りを走っている女性、公園のゴミ拾いをしているおばちゃんがいるだけ。
この時間に学生はまずいないだろう。
優馬は、じっと噴水し続ける水を見ていた。大量流れ続ける水に自分がどう映っているのか見たくなった。
優馬は腰を上げて、噴水の水面に顔を近づく。結構時間が過ぎたと思ってたけど、顔色や顔が細くなっているとか変化がない。
この世界に来る前と変わらない。
(一体・・・・どれくらいの時間が経ったんだろうか・・・)
優馬の時間の感覚では、3、4日過ごしていると感じである。実際はどれくらいの時間がったのかわからない。一週間、二週間、一か月、または一年かもしれない。
早く、この世界から覚めなければならない。
「何をそんなに焦っているの?」
ふと後ろから甲高く小さな声が聞こえた。後ろを振り向くと、白のワンピースに腰まである銀髪の少女が立っていた。
シルクのような肌に見透かされているような瑠璃色の瞳に目に見つめられる。
「この世界に来たかったんじゃないの?」
少女はゆっくりと歩きながら、話しかける。
近くに来ると百五十㎝くらいで腕を掴んだら折れてしまうくらいの小柄だ。
少女は優を見上げまた問いかける。
「この夢はあなたが望んだ世界じゃないんですか?」
聞いたことのある声。そうだ。この世界に来てひかるが轢かれたときに聞いた声だ。
「・・・・あなたの名前は?」
何も発しない優馬に、少女は再び質問を言う。
「広原・・・優馬・・・」
ようやく我に返った優馬は少女から聞かれた名前を答える。
「優馬ね、わたしの名前はアリアよ。」
「アリア・・・・」
「さっきの質問に答えてくれる?」
「焦っていることか?」
「聞こえてたんだ。そうよ、何でそんなに焦っているの?」
「そりゃ、早くこの世界から抜け出したいに決まっているだろう。早くこの悪夢から覚めて現実に戻るんだ」
優馬が見ている悪夢は大切な人が死んでいく夢と、自分が死ぬ夢。何度も見て何度も覚める。それの繰り返しを見てきた。
「ふーん、この世界に来たかったんじゃないの?」
少女はつまらなさそうに聞いてくる。
「俺はこんな世界を来たくて来たくて。俺が望んだ世界じゃない。」
「でも、この世界に来たのはあなたが見たいと思ってた夢でもあるのよ」
「どういうことだ?」
優馬が問いかける。少女は無表情のまま噴水の周りを囲む石垣の上に上る。
「明晰夢って知ってる。」
優馬と同じ目線になり再び優馬に問う。
「明晰夢って確か、自分が夢を見ていることを自覚しながら夢を見るって事だよな。」
「そう、夢を自覚しながら夢をみるって意味もあるけど、もう一つ、違う意味もあるの。
それは、夢を自由に思い通りに見ることができるっこと。」
「どういうことだよ。」
優馬の口調が早くなった。とっさに言ってしまったが、アリアという少女の答えを聞くのが怖くなった。
「ここまでいって分からないのね。さっきから言っている通りこの悪夢を見たいと願ったのは広原君自身なのよ。」
「違う!」
優馬は拳を握りしめ、大きな声で否定した。
「俺は・・俺は、こんな誰かが死ぬ世界を望んでない。死を繰り返す世界を望んでない。そんな嘘やデマかせは信じない!だいたい、アリアは俺の事何も知らないくせに勝手なことを言うな!」
「信じるか信じないかは人の自由だけど、これまでの広原君の周りで起きていることを思い返した方いいよ」
激高している優馬に対しアリアは落ち着いた様子で答える。
「もし、自分が望んだ世界だって自覚してこの世界のことが知りたかったら、廃墟の教会に来て、あたしはそこにいるから」
アリアは石垣から降りて優馬の横を通る。
アリアがいなくなった後、優馬は公園を出て、再び行く当てもなく歩き出す。
優馬はこの世界の事に新たに気付いたことがある。
この世界は太陽が傾かない。時計の針は動くが、ただ針が回っているだけだ。あとは空腹だ。優馬は現実の世界では食欲に無関心だったが、この世界に来てから空腹らしい空腹を感じなかった。
どんなに歩いても疲れない。体が軽くなった感じがする。
現実の世界でもこんなことはない。もしあったのならそれは超人だ。
優馬は街の歩道を通る。男女のカップルや女子高生、親子連れ、子供たちが次々と優馬を行き交う。これも優馬の想像した人物だろうか。もし、今優馬が見ているこの風景が望んで見ているのならば、少し望みを変えてしまったらどうなるのだろうか?
例えば
十メートル先にある銀行から強盗に遭い、強盗が出てきたときに強盗が持っていた拳銃に打たれて死ぬとか・・・・・
優馬はそう考えているうちに、銀行の目の前通った時だ、中から女性の叫び声が聞こえ、自動ドアから黒の帽子にグラサン、マスクをし、深緑色のジャージをきた小太りの中年男性とぶつかってしまった。
優馬はぶつかった反動で地面に尻もちをついた。それに対し男性は軽くよろめき体制を直した。すると、人とぶつかって混乱しているのか懐から拳銃を取り出した。
「邪魔だ!どけーー!」
焦点の合っていない目で、優馬に向かって拳銃の引き金を引いた。
バンッ!
大きな音が町中に響いた。拳銃から飛んだ弾は、優馬の右のわき腹を撃ち抜く。
「えっ・・・・・」
体の脇が熱い、触ってみると手に真っ赤な血が付いている。
「あ・・・あぁ・・・」
血を見た瞬間、鼓動が早くなり息切れがする。恐怖した。
バンッ!
優馬の様子を余所に、左肩に弾が貫通。続いて左ひざを貫通。痛みを感じない。
最後の弾は優馬の額に撃ち抜かれ、世界が暗転し意識が飛んでしまった。
優馬はゆっくりと目を覚まし、体を起こす。今までのような息切れ、冷や汗、動悸がなく落ち着いていた。
優馬は倒れる前の状況を整理する。
アリアという少女が言ってた、自分を思い通りに夢を見ることができる明晰夢を、試しに頭でこれからできることを想像してみた。
本当に起きてしまった。これが明晰夢であることを理解した。
だが、少し疑問が残った。
それは、優馬が想像した出来事だ。
なぜ、自ら死ぬような真似をしたのか、死ぬイメージじゃなくても、未確認生物の発見や有名スターと出会うなど死なない想像をつくことができたはずだ。
優馬はそれらをイメージすることをしなかった。
無意識なのだろう
だが、このようなことが起こす前に優馬は夢を覚める方法を聞くべくアリアが居る廃墟の教会に行くことを決心した。
服を着替え、朝食を摂らず教会に向かう。
家からあまり遠くないところに、森がある。森の中に一部立ち入り禁止となっているところがある。いつから立ち入り禁止になっているかわからないが、禁止区域の中に今にも崩れそうな廃墟化した教会がある。
おそらく、アリアが言ってた教会はそこなのだろう。
優馬は考えた。安全な場所なんてどこにもない。ならば、ひかるも孝司もいないどこか遠くに逃げようと。
玄関を開けて、外に出る。家の前にひかるはまだ着ていない。優馬は、学校に行く方向と逆の方向に歩き出す。行く当てもないまま人知れずに。
優馬は歩きながら、この世界について考えていた。今優馬が見ている世界は、現実なのかそれとも夢なのか、それを確かめるために、街の真ん中にある大きなビルのついえる日付と時間を見る。
《7月19日 8時45分》
夏休みが始まる二日前だ。孝司と話したときも夏休みが始まる二日前だ。ひかるが夏休みの注意事項のプリントを持ってきてくれたのも二日前だ。
この世界は夏休みが始まる二日前をループしている。
ループするきっかけは、優馬が死ぬかひかると孝司が死んだときだ。今俺に身に起きていることが知る限りの程度だけどな。
「どこに、行こうかな」
歩き続けてついた場所は、大きなビルが立ち並ぶ街に緑あふれた
ひっそりある公園だった。
公園の真ん中に噴水がある。近くにベンチがあり、そこに腰を掛ける。
別に疲れたわけではないが、なんか座りたくなった。
この時間だから、辺りを見渡しても、犬の散歩しているじいちゃんや、池の周りを走っている女性、公園のゴミ拾いをしているおばちゃんがいるだけ。
この時間に学生はまずいないだろう。
優馬は、じっと噴水し続ける水を見ていた。大量流れ続ける水に自分がどう映っているのか見たくなった。
優馬は腰を上げて、噴水の水面に顔を近づく。結構時間が過ぎたと思ってたけど、顔色や顔が細くなっているとか変化がない。
この世界に来る前と変わらない。
(一体・・・・どれくらいの時間が経ったんだろうか・・・)
優馬の時間の感覚では、3、4日過ごしていると感じである。実際はどれくらいの時間がったのかわからない。一週間、二週間、一か月、または一年かもしれない。
早く、この世界から覚めなければならない。
「何をそんなに焦っているの?」
ふと後ろから甲高く小さな声が聞こえた。後ろを振り向くと、白のワンピースに腰まである銀髪の少女が立っていた。
シルクのような肌に見透かされているような瑠璃色の瞳に目に見つめられる。
「この世界に来たかったんじゃないの?」
少女はゆっくりと歩きながら、話しかける。
近くに来ると百五十㎝くらいで腕を掴んだら折れてしまうくらいの小柄だ。
少女は優を見上げまた問いかける。
「この夢はあなたが望んだ世界じゃないんですか?」
聞いたことのある声。そうだ。この世界に来てひかるが轢かれたときに聞いた声だ。
「・・・・あなたの名前は?」
何も発しない優馬に、少女は再び質問を言う。
「広原・・・優馬・・・」
ようやく我に返った優馬は少女から聞かれた名前を答える。
「優馬ね、わたしの名前はアリアよ。」
「アリア・・・・」
「さっきの質問に答えてくれる?」
「焦っていることか?」
「聞こえてたんだ。そうよ、何でそんなに焦っているの?」
「そりゃ、早くこの世界から抜け出したいに決まっているだろう。早くこの悪夢から覚めて現実に戻るんだ」
優馬が見ている悪夢は大切な人が死んでいく夢と、自分が死ぬ夢。何度も見て何度も覚める。それの繰り返しを見てきた。
「ふーん、この世界に来たかったんじゃないの?」
少女はつまらなさそうに聞いてくる。
「俺はこんな世界を来たくて来たくて。俺が望んだ世界じゃない。」
「でも、この世界に来たのはあなたが見たいと思ってた夢でもあるのよ」
「どういうことだ?」
優馬が問いかける。少女は無表情のまま噴水の周りを囲む石垣の上に上る。
「明晰夢って知ってる。」
優馬と同じ目線になり再び優馬に問う。
「明晰夢って確か、自分が夢を見ていることを自覚しながら夢を見るって事だよな。」
「そう、夢を自覚しながら夢をみるって意味もあるけど、もう一つ、違う意味もあるの。
それは、夢を自由に思い通りに見ることができるっこと。」
「どういうことだよ。」
優馬の口調が早くなった。とっさに言ってしまったが、アリアという少女の答えを聞くのが怖くなった。
「ここまでいって分からないのね。さっきから言っている通りこの悪夢を見たいと願ったのは広原君自身なのよ。」
「違う!」
優馬は拳を握りしめ、大きな声で否定した。
「俺は・・俺は、こんな誰かが死ぬ世界を望んでない。死を繰り返す世界を望んでない。そんな嘘やデマかせは信じない!だいたい、アリアは俺の事何も知らないくせに勝手なことを言うな!」
「信じるか信じないかは人の自由だけど、これまでの広原君の周りで起きていることを思い返した方いいよ」
激高している優馬に対しアリアは落ち着いた様子で答える。
「もし、自分が望んだ世界だって自覚してこの世界のことが知りたかったら、廃墟の教会に来て、あたしはそこにいるから」
アリアは石垣から降りて優馬の横を通る。
アリアがいなくなった後、優馬は公園を出て、再び行く当てもなく歩き出す。
優馬はこの世界の事に新たに気付いたことがある。
この世界は太陽が傾かない。時計の針は動くが、ただ針が回っているだけだ。あとは空腹だ。優馬は現実の世界では食欲に無関心だったが、この世界に来てから空腹らしい空腹を感じなかった。
どんなに歩いても疲れない。体が軽くなった感じがする。
現実の世界でもこんなことはない。もしあったのならそれは超人だ。
優馬は街の歩道を通る。男女のカップルや女子高生、親子連れ、子供たちが次々と優馬を行き交う。これも優馬の想像した人物だろうか。もし、今優馬が見ているこの風景が望んで見ているのならば、少し望みを変えてしまったらどうなるのだろうか?
例えば
十メートル先にある銀行から強盗に遭い、強盗が出てきたときに強盗が持っていた拳銃に打たれて死ぬとか・・・・・
優馬はそう考えているうちに、銀行の目の前通った時だ、中から女性の叫び声が聞こえ、自動ドアから黒の帽子にグラサン、マスクをし、深緑色のジャージをきた小太りの中年男性とぶつかってしまった。
優馬はぶつかった反動で地面に尻もちをついた。それに対し男性は軽くよろめき体制を直した。すると、人とぶつかって混乱しているのか懐から拳銃を取り出した。
「邪魔だ!どけーー!」
焦点の合っていない目で、優馬に向かって拳銃の引き金を引いた。
バンッ!
大きな音が町中に響いた。拳銃から飛んだ弾は、優馬の右のわき腹を撃ち抜く。
「えっ・・・・・」
体の脇が熱い、触ってみると手に真っ赤な血が付いている。
「あ・・・あぁ・・・」
血を見た瞬間、鼓動が早くなり息切れがする。恐怖した。
バンッ!
優馬の様子を余所に、左肩に弾が貫通。続いて左ひざを貫通。痛みを感じない。
最後の弾は優馬の額に撃ち抜かれ、世界が暗転し意識が飛んでしまった。
優馬はゆっくりと目を覚まし、体を起こす。今までのような息切れ、冷や汗、動悸がなく落ち着いていた。
優馬は倒れる前の状況を整理する。
アリアという少女が言ってた、自分を思い通りに夢を見ることができる明晰夢を、試しに頭でこれからできることを想像してみた。
本当に起きてしまった。これが明晰夢であることを理解した。
だが、少し疑問が残った。
それは、優馬が想像した出来事だ。
なぜ、自ら死ぬような真似をしたのか、死ぬイメージじゃなくても、未確認生物の発見や有名スターと出会うなど死なない想像をつくことができたはずだ。
優馬はそれらをイメージすることをしなかった。
無意識なのだろう
だが、このようなことが起こす前に優馬は夢を覚める方法を聞くべくアリアが居る廃墟の教会に行くことを決心した。
服を着替え、朝食を摂らず教会に向かう。
家からあまり遠くないところに、森がある。森の中に一部立ち入り禁止となっているところがある。いつから立ち入り禁止になっているかわからないが、禁止区域の中に今にも崩れそうな廃墟化した教会がある。
おそらく、アリアが言ってた教会はそこなのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる