お隣どうしの桜と海

八月灯香

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お隣同士の海と桜 ふうふ編

苦手なおじさん✴︎ (未遂ですが強姦表現あり)

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グンナーおじさんと桜の設立した会社でやってるアパレルブランド「SjØ」に勤めてから2年が経とうとしてる。

俺は相変わらずお隣一家に猫可愛がりされながら社会人としての経験を積んでいる。

ただ時々、シーズン前とかの制作会議でグンナーおじさんと桜が苛烈な言い争いをする時があってそういう時は二人とも俺がわからない様にノルウェー語で喋ってるし、俺と目が合うと言い合ってても二人とも笑顔になるからなんか面白くなってくるんだけど多分お互いの悪口言い合ってる。
最初は桜が俺の耳を塞いでドンパチやってたんだけど一度、お昼を菜奈ちゃんが作って持ってきてくれた時にその場面にでくわしたときがあって、二人とも菜奈ちゃんに早口の英語でめちゃくちゃ怒られていた。
あんな怒った菜奈ちゃん産まれて初めて見た。

その後俺は菜奈ちゃんからノイズキャンセラーのついたいいヘッドホンを贈答された。
「バカな人達が言い合いはじめそうになったら海君はこれで身をまもってね。」と二人の目の前で渡された。
最近は始まる気配を察して俺はすぐにヘッドホンを装着して音楽聴きながら事務作業をしている。

グンナーおじさんと桜は家だと良く言い合いをするみたい。
俺がいる時は桜が猫を被るから全然なかったから菜奈ちゃんはずっと俺に家にいて欲しかったらしい。


最初は軽作業を任されていたけど、グンナーおじさんも桜もよく褒めてくれるからちょっとずつ出来ることが増えていって取引先の工場に一緒についてったりして挨拶回りに行くし、自分の名刺だって持たせてもらった。

ただ、出来るだけ印象よく勤めてるつもりなんだけど、一人だけどうしても苦手な人がいる。

雑誌載せてもらう時にお世話になってる人なんだけど。
俺より10以上歳上で、中肉中背、桜より全然背は低い。
高級車乗ってて、パーマかけた長い髪に色黒で髭を生やしてちょっとギラギラしてる三宅っていう編集さん…
話も面白いし、清潔感が無いわけでもないし愛想もいいんだけど。
俺に対しての距離感がバグってて一回会った後から何回も飲みに誘ってくる。
「夏野君二十歳なってんでしょ?ソールバルグ君と結婚してるんだっけ?」とか言ってくるのに、二人でどこそこ行こう、海君と飲みたいなぁみたいな事を仕事の電話で話す度に言ってくるのをなんとかかわしてる。

しかもなんか桜が居ない時狙ったみたいにそう言う電話してくる。

最初に苦手に思ったきっかけは、一緒に居た桜が接待モードになってたから。

桜は警戒してる相手には機械みたいになる。
桜が俺と話させない様にしてくれてたのに三宅さんは隙をついては連絡先を交換しようとかしてきて。

会社用のスマホの連絡先が書いてある名刺を渡すだけにとどめた。

他の雑誌とかもある程度桜の撮影に付き添ってるんだけど、なんか三宅さんのいる現場は俺が居辛くなってきてた。

「今日の現場来なくていいよ。海おやすみの日にして。」

って桜が朝ごはん食べてから一緒に出る準備してる時に言ってきた。
三宅さん苦手でしょ。と言われて素直に頷いてしまった。
お世話にはなってるけど、極力関わりたく無い。

「俺、預けてあるクリーニング取って来たりしよかな」と桜に抱きつきながらいうと、みたい映画とかあったら気晴らしに行って来ていいよって言ってくれた。

やった。今やってるアクションでスクリーンで見たいやつある。





上映時間がお昼からの回
映画は完全にハズレだった。
期待していたけど、アクションは派手だけど話がダレてて何を見せたいのかわからなくて退屈だった。

季節ものを出していたのをクリーニングに取りに行って帰って来たら、明日にはやらないといけない発注書の存在を思い出して仕事場に来た。

グンナーおじさんが「あれ、ウミ休みじゃないの?」って言われたけど明日どうせやらないとだからちょっとだけ仕事しますって。
会社用のスマホの電源を入れてすぐに着信がなる。

「…ゲェ」

せっかく今日会わずに済んだと思った三宅の名前が表示されている。
今日は撮影立ち会いになってるはずだから無視するわけにはいかない。
俺はスマホを耳にあてる。


「いつもお世話になってます。夏野です。今日三宅さんソールバルグの撮影じゃなかったでしたっけ?」

できるだけ明るい声で電話に出ると、三宅さんが撮影で使うはずのウチの商品で足りないのがあって、仕事が進まないから指定の場所まで持って来てくれないか、との事だった。

桜がサンプルは事前確認して持ってった筈なのに…

無いと桜が困るから仕方ないか、と重い腰をあげる。
「俺今から届けますね。」と言って電話を切った。
撮影場所変わりました、とショートメールで住所が届く。

「グンナーおじさんちょっと届け物してくるね」




繁華街を抜けて、飲み屋ばっかりある場所にたどり着く。

「地図がわかりにくい…」

早く届けたいのに、このまま無駄にぐるぐる歩いてたら時間くって夜になってしまう。
撮影に合流したら桜と一緒に帰れるしな。

仕方なく三宅さんに電話をかける。
近くまで来ているはずなんですけど、と伝えると入り口わかりにくいけど酒屋とファーストフードの店の間の路地に入ってすぐ右手のビルの入り口に地下に降りる階段あるから、そこを降りてこいって言われる。
細いドアを開けるとすぐにバーカウンターがあって、三宅さんが「来たね!」と手を挙げた。
あれ…?撮影は…?とキョロキョロしてたら。

「待ってたよ~!海君こうでもしないとサシで会ってくれないでしょ!」

とテカテカした笑顔で笑てるんだけど…ええええどう言う事騙されたのコレ…


近づいてきた三宅さんに入って!と肩に手を回され席に座らされる。

「いやー、撮影でさ、今日海君居ないの?ってソールバルグ君に聞いたら休みだって言うからさ!
すぐ電話しちゃった!
偶には息抜きしたいじゃん」

全開で悪気のない喋りをかましてくる…
いや待って三宅さん撮影ほっぽり出してるって事!?

今回ムック本が出る前にウェブと紙面大きく割いて特集してもらってる手前、無下に断るわけにもいかず仕方なくカウンターに腰掛ける。

「何飲む?」と聞かれたのでこの後も仕事あるのでノンアルで、とお願いした。
バーテンダーの人が手際よくノンアルコールのカクテルを作ってくれる。

何となく時間を気にしてスマホを見ると、三宅さんがパッとそれを取り上げて電源を落としてしまった。

「海君、せっかく二人なんだし時間気にしないで飲もう!」

しまった、失礼をしたか、と思って謝るとセラミックにしたと自慢していた真っ白な歯を見せて硬くならないでよ、と言われた。

暫くは三宅さんの趣味の話に付き合った。
昔のモテ自慢から始まり、新車がもうすぐ納品されるからドライブ行こうよとか、友達がセブ島に別荘持ってるから今度撮影で行こうとか、ドバイがどうとかなんか調子いい事いっぱい言ってくる。

「すみませんちょっとトイレ」と席を立つと、店の奥にあるからと教えてくれた。

早く帰りたい…
席戻ったら帰るって言ってみようかな。
三宅さん、圧が強くてやっぱり苦手だ。
身体を話してるのに身を乗り出して距離詰めてくる。

手を洗って席に戻ると俺の飲み物が新しくなっていた。
引っ掛けて倒しちゃって、と言っていた。

「海君コレ飲んだら今日は帰っていいよ」

と言うので、なるべく早く、失礼にならない様に飲み干した。
すぐ帰りますだとあんまりな態度になりそうだし飲み終わって少しだけ間を空ける。

「すみません、そろそろ俺帰りま……」

席を立った瞬間、膝から崩れ落ちた。
椅子が倒れて店内に派手な音が鳴る。
なんだ???なんか力が全然入らない。
三宅さんが「大丈夫?」と手を伸ばしてくれるけど、頭にもやがかかって耳がどんどん遠くなってる気がする。

「海君ごめん、さっきのドリンク間違えてアルコール入れちゃってんだって」

顔を近づけて三宅さんが言ってくるけど、俺そんなに酒に弱くないのに。
頭もボヤけてくる。
何が起きてるのかわからない。



バーから抱えて連れ出されたところまでは何となくおぼえているんだけど、気がついたら知らない天井がぼんやり見える。

何処ここ。


起きあがろうとしても酷い倦怠感で身体がぜんぜん動かない。

「海君気が付いた?」と三宅が近づいてくる。
なぜか三宅さんはバスローブ姿だ。

ニヤニヤと笑いながら太ももを撫で上げられる。
何が起きているのかわからないまま、嫌悪感で鳥肌が立ってくる。
手を払いのけたくても動かない。

「海君ごめんね、俺君とお近づきなりたくてずっとチャンス狙ってたんだよね。
ソールバルグ君のガードも硬いし。」

言いながら覆い被さってくる。
値踏みするみたいに俺の顔をじろじろと見て、頬をべろりと舐めて無理矢理キスしてくる。
気持ち悪い…

「結婚指輪、ヤケちゃうよね。」

と左手薬指を撫でてくるけど、やめろって声も出ない。

「さっきのお店で海君が飲んだお酒にちょっと薬盛っちゃった。安心して、アルコールに入れちゃったから強く効いてるけど害のあるもんじゃないよ」

ああ、そう言う事。
トイレ行った隙にやられたのか…。

「男の子ってさぁ、俺やった事無いんだけど、海君ならオッケーどんとこいだよ!
一回やってよかったら、セフレなろうよ~。俺テクニックある方だと思うんだぁ!
初めて海君にあった時にビビッと来たんだよね~。
ソールバルグ君だってあんな見た目してるんだもん他にも絶対遊んでるんだからさぁ。
海君も遊んだらいいじゃんね!」


勝手にビビッときてんじゃねーよ…
ふざけんなよ桜はそんな事しない。

勝手な三宅さんのデカい独り言に頭にくるけど口が動かない。

海君がソールバルグ君に言わなかったらバレないしね、そうしようよと勝手な事をペラペラ喋りながら三宅さんが俺のズボンとパンツを膝まで下ろしてくる。

「へぇ…凄いね…」

と三宅が俺の露出した下半身を見て呟く。
俺の腹や股間あたりには昨日桜がつけた鬱血がいくつもあるはずだ。
ニヤニヤしながら変色した皮膚に指を這わせてくる。

「海君のここ全然遊んで無い色しててそそる。」

三宅が俺のチンコに触れてくる。
身体は動かないのに何故かそこは触られる前から反応していて、これも薬のせいかとぼんやり考えてしまう。

「気持ちよくしてあげるから安心してよ」と三宅の頭が下がって俺のチンコ舐めた。
嫌悪感が凄いのに、なんでぜんぜん動けないの。
涙が浮かんできてこめかみに流れる。
何にも気持ちよくない。
頭が上下するたびにわざと立てられた派手な音が耳に届いて嫌だ。
三宅さんの鼻から抜ける声も気持ち悪い。

なかなかイかないから、躍起になってチンコに触れてくる。

「ビンビンなのになー」とか「もうちょっとかな?」とか一人で喋ってる。

乱暴に歯が当たって怖い。

「うーん、仕方ない」

だめかぁ、と三宅が諦めて身体を起こして、バスローブの前をくつろげた。
桜の体とは全然違う汚いおじさんの身体だ。


「順番に気持ちよくなろう。
今度は海君にやって貰おうかな」

と俺を跨いでイキリたった股間を顔に持って来ようとする。
桜以外のチンコなんてマジマジと見たくないし、気持ち悪いから目を逸らす。

「ね、海君舐めてよ」

ああ、こんなオッサンにめちゃくちゃにされるの嫌だな…

と思ったその瞬間三宅さんが俺の上から消えた。

派手な落下音と言い争う音がしてる。

怒鳴るみたいに名前を呼ばれて、すぐに俺の下半身に布がかけられて抱き起こされた。

グンナーおじさんだった。

「ウミ、もう大丈夫だよ。大丈夫。」

しきりに身体をさすられるけどぼんやりした頭でなんの反応も出来ない。



あの後、俺はすぐに病院に搬送された。
盛られた薬は抜けたら大丈夫そうだと医者が言っていた。
腕には点滴が刺さっている。

一晩様子を見るのに入院手続きをと枕元でナースが言ってるのを聞いたけど、俺がやっと声が出る様になって「さくら、さくら」と言うもんだから家に帰る事になった。

グンナーおじさんが抱っこしてくれて
「シグルドの所に帰ろうね」と言ってくれても、桜の名前を呼びながら涙が溢れて止まらなかった。



紙面用の撮影仕事で指定のスタジオに来たら、三宅が今日は海君居ないのかと聞いてくる。
お前が気持ち悪いから連れて来なかったんだよ、と言いたい所だが今日は休みですと返した。
コイツはいつも海が一人になる隙を狙って張り付いつていて、その度に海はため息をついていた。

暫くすると三宅の姿がスタジオから消えていた。
休憩時間に入った頃合いでスマホを見ると、父さんから海が足りないサンプルを届けに出たとメッセージが入っていた。
サンプルなら全て持ってきてる。
なんの話だ。

すぐに海のスマホに入れたGPSアプリを追跡する。

この撮影スタジオからは時間がかかる場所だった。

撮影の立ち会いスタッフに三宅さんはと聞くと「随分前に帰りました」と言ってくる。
すぐに父さんに電話をかけた。

「海が危ないかもしれない。」

幸いその場所は家からはそんな距離はないし、車ならすぐだ。
父さんは伝えた住所あたりに車で待機してもらう事にした。

三宅は以前から海の事を気にかけていた。
時々、あんな可愛いパートナーどこで見つけたのとか男とのセックスはいいのかとか下世話な事を聞いてきていた。

海はここ最近、小柄なままだが少年らしさが抜けて美しい青年の顔つきになってきた。
海自身には自覚がまるで無いがああいう好色の大人にとっては魅力的に見えるはずだ。

いつか問題にしてやろうと思っていたが三宅の行動の方が早かった。

あらかた撮り終えていたので物撮りだけなら任せても大丈夫と判断し、次の仕事があると言って撮影所をすぐにでてタクシーを捕まえる。

ジリジリと苛立ちが募る。
GPSを追跡しつづけた。

先ほど見た場所から少しだけ移動している。
止まったGPSの座標を検索にかけるとラブホテルが表示された。
こんな事に役立てる為に入れた物じゃないが入れておいて良かった。
父さんにすぐに連絡して警察にも通報を入れる。

頼むから何もない間に、間に合ってくれ。

車の中で苛立ちだけの時間が過ぎていく。
父さんからの電話が来る。

「ウミいた」

海が鞄に入れていたプライベート用のスマホのおかげで居場所がわかった。

三宅が海に乗り上げたところを背中から投げ飛ばした。
なんとか未遂で部屋に踏み込めた、仕事用のスマホは電源が落とされていたが、なんらかの薬を飲まされて会話が出来ない状態だから病院に搬送する。

薬を使われたと聞いて怒りで全身の血が沸騰しそうだった。

三宅は強姦未遂の現行犯で取り押さえられて警察に連行されていった。




病院からマンションに連れて帰ったと連絡が入った。
行き先の変更を告げて急いでマンションに帰ると、父さんが海を診ていてくれた。
母さんと楓さんに今伝えて家での騒ぎが大きくなると海を傷付ける可能性があるから伝えるなら後日という事になった。

ベッドに寝かせようとすると泣いてパニックになるので父さんがソファで膝の上に海をブランケットでくるんで横抱きにしていた。

「ウミ寝てる」

下が脱がされかかっていたが強姦されずにいてよかった。
涙の跡がついた寝顔が可哀想だ。

「かわる」

と海を受け取る。
動いたことで目が覚めかけたのか薄く海の瞼が持ち上がる。
暫くぼんやりした視線が彷徨ってから俺を見る

「さくら」

と口にした途端にボロボロと涙をこぼし始めてしまう。

「さくら…さくら…」

毛布から海の腕が伸びて首に抱きつく。
怖がって震える身体を抱きしめてさする。

父さんは静かに部屋を出ていってくれた。

「海が無事でよかった。」

海の顔に唇を落とすと、海がくしゃくしゃな表情になる。

「さくら、泣くなよぉ」

海に何かが起きてると知った時、耐え難い恐怖を感じた。
自分の行動の遅さのせいで海が傷ついてしまう可能性が許せなかった。

頭が燃える様に熱くなって涙が溢れる。
海は俺の涙を見て自分の方が怖い目に遭ったのに俺の事を思って声をあげて泣いてしまう。

「大丈夫。」

と何度も唇を啄んだ。

ああ、良かった。
海が無事で腕の中にいる。



後日、三宅さんの件はしっかりニュースになっていた。
俺の名前は出なかったけど、ああいう人はちゃんと裁かれないとダメだ。

編集部から編集長と副編集が謝罪にきた。

三宅さんの行動は以前から問題視されていて、他にもセクハラを受けた人がいると言う報告を受けていたのに問題にするのになかなか踏み切れずに居て、ついに今回の事件にまでなってしまった、と。


話し合いで、何事も無かったように今回も誌面には載せさせて欲しい事、何か不安を感じたらすぐに相談対応できる体制を編集部で作っていく、と言ってもらえたのでそれを信じる事にした。

俺は桜のあの接待モードの時の相手は厳重注意するという意識が固まった。

怖かったんだけど、なんか薬の影響なのか実はあんまり覚えてない。

グンナーおじさんのキレた顔が桜とよく似てるなと思ったのは覚えてる。

桜はあの後俺を触って怖がらせるのが少し怖くなっちゃってて軽いキスとかハグはいっぱいしてくるのにセックスしてくれなかったから昨日俺が限界きて桜の服を剥ぎ取って燃えたね。
途中から桜も大丈夫って思ったみたいで遠慮が無くなってバカほど気持ちよかったわ。

ホテルでグンナーおじさんに股間見られたけど、鬱血は三宅さんがつけたと思ってるっぽい「両腕折ってやればよかったね!」とか言ってた、いえ、あなたの息子さんですとは訂正し辛いからなんかそう言う事にしとこ…。
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