鞍馬天狗に拐かされた私。~運命の番で神の子を孕める巫女ですって? それでも規格外は無理です!~

寺原しんまる

文字の大きさ
4 / 12

 屋敷に着いてから木葉天狗が一から説明してくれたが、どうやら珠音が最初に降り立ったのは、今は物置として使っている屋敷の方だったということ。それを本宅だと珠音が勝手に勘違いしていたようだった。

 宴会の間のような場所で隣り合って座る珠音と鞍馬。その周囲には配膳をする美女天狗が数人座っている。

木の葉天狗が追加の酒持って現れた。小さな子供の様な身体だが力持ちなのか、大きな徳利を軽々と運んでいる。

 鞍馬の膳には日本酒とツマミ。珠音の膳には下界と同じような和食が並んでいた。焼き魚に煮物。吸物、田楽に箸休め。派手さはないが、丁寧に作られた品々だと一目で分かる。

「似おてるで、その朱色の着物。お前の大きな黒い瞳にピッタリや」
「き、着物なんて子供の頃に着た浴衣以来よ……」
「ここでは、ずっと着物やで。脱がせやすいからな。いつでもどこでも子作り開始できるやろ?」
「な、なに言ってるのよ!」

 珠音はボロボロだった服を着替えさせられ、単衣の着物を着ていた。派手ではない柄。髪も綺麗に結われ、頭を動かすと花の簪がシャラシャラと音を出す。

 豪華絢爛な屋敷には、沢山の使用人(天狗)がいた。皆、背中に羽根が生えており、和装で美男美女。珠音は目を大きく見開いて彼らを見てしまう。勝手に使用人は木の葉天狗一人だと思っていたが、どうやら見当違いだったようだ。

 女性は皆んなナイスバディで妖艶。そんな彼女たちではなく、お世辞でもセクシーとは言えない珠音を番だという鞍馬を、とてもではないが信じられない。珠音は少し小ぶりの自分の胸と、彼女たちの爆乳を交互に見てしまう。

「どうして私なの? ここの女性はみんな美人でしょ。彼女たちと、こ、子作りすれば良いじゃない……」
「はあ? あれらは位が低いから俺の子種を授精できんわ。俺の力が強すぎて、口もきけん。会話にならん。それに摩羅を入れたら破裂する」
「破裂って……、怖いんだけど。それに位っていうけど、私なんて人間でしょ? 神様の子供なんて無理──」
「お前はほんまに綺麗で魅力的や。魂が清いし処女やし……。俺は心が汚れとる奴の側にはおれん」

 鞍馬は珠音を強引に抱き寄せてきた。口に酒を含んで、そのまま口移しで飲ませてくる。珠音はドンドンと彼の胸を押して拒絶したが、無理矢理唇をこじ開けられ酒が流し込まれていく。

 喉をゆっくりと伝っていく酒は滑らかだ。初めて味わう不思議な風味。四肢に染み渡るアルコール濃度は高い。神酒とはこういうものをいうのかと、身体が歓喜に震える。やはり酒も下界とは違うのだろうか。

「美味いか?」
「お、おいしい……」

感想 0

あなたにおすすめの小説

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

婚約破棄?いいですけど私巨乳ですよ?

無色
恋愛
 子爵令嬢のディーカは、衆目の中で婚約破棄を告げられる。  身分差を理由に見下されながらも、彼女は淡々と受け入れようとするが、その時ドレスが破れ、隠していた自慢のそれが解き放たれてしまう。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

皇太子殿下は、幼なじみに触れていないと落ち着かない

由香
ファンタジー
幼い頃から一緒に育った皇子は、なぜか距離が近すぎる。 後ろから抱きしめられ、手を取られ、頬に触れられるのが当たり前の日常。 やがて彼は皇太子となるが――その距離は変わらないどころか、むしろ深まっていき。 「触れていないと、落ち着かない」 公の場でも離してくれない彼の執着に、周囲は騒然。 けれどその腕の中は、どうしようもなく安心してしまう。 これは、幼なじみの距離のまま始まる、逃げ場のない溺愛の物語。

推しの旦那様に心の声が筒抜けでした!?〜バレた瞬間、毎回キスで黙らされます〜

由香
恋愛
推しに似ているという理由で政略結婚した相手は、冷酷と噂の公爵様。 ――のはずが。 (無理、顔が良すぎるんだけど!?尊い!!) 心の声が、なぜか全部本人に聞こえていた。 必死に取り繕うも時すでに遅し。 暴走する脳内実況を止めるたび、旦那様はなぜか――キスしてくる。 「黙らせるのにちょうどいい」 いや全然よくないです!!むしろ悪化してます!! 無表情公爵様 × 心の声だだ漏れ令嬢 甘くて騒がしい新婚生活、開幕。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。