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116話 夢じゃなかった!
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いつになく満ち足りた気分で目を覚ますと、時刻はすでに昼前だった。
昨夜は本当に夢のような――って、あれ?
これってもしかして、いわゆる夢オチだったりする?
「痛っ」
嫌な考えを振り払うように勢いよく上体を起こすと、下腹部がズキッと痛む。
身じろぎするだけでも痛いけど、これこそ昨夜の出来事が現実であることの確固たる証明だ。
先輩たちと結ばれたのは、夢じゃなかった。
どのタイミングで眠ってしまったのか、ハッキリとは覚えていない。
和室の中に充満する濃厚な香気。的確に言い表す言葉を私は持ち合わせていないけど、『エッチな匂い』という表現がしっくりくる。
先輩たちはまだ起きそうにないし、先にシャワーを浴びておこう。
「いたた」
想像していたより痛みが鋭く、歩き方がぎこちなくなってしまう。
でも、悪い気はしない。
愛する先輩たちの幸せそうな寝顔に癒してもらいつつ、そろりそろりと和室を離れる。
***
私が和室に戻って数分ほど経った頃、先輩たちも続々と目を覚まし始めた。
先輩たちも体が汗などでベタベタなので、じゃんけんで順番を決めてシャワーを浴びに行く。
全員がサッパリしたところで、襖を開け放って換気したり、庭に布団を干したりする。
真里亜先輩は朝食――もとい昼食を作るため、一足先にキッチンへ。
姫歌先輩が真里亜先輩のサポートに入り、残る三人はお箸やコップの用意など各々のできる範囲で手伝う。
みんなそろって動きがぎこちないけど、理由が明らかだから誰も疑問には思っていない。
先輩たちの初めてを貰ったことを意識したら、急に顔が熱くなってきた。
「いただきます」
食卓に着いて声を合わせ、お茶碗を手に取る。
盛られているのは白米ではなく、お赤飯。
起きてからそれほど時間が経っていないにもかかわらず、みんないつもよりたくさん食べた。
あれだけ激しい運動をしたのだから、なにも不思議なことはない。
「うふふ❤ それにしても、昨夜の悠理はすごかったわねぇ❤」
「そっ、そうですか?」
「そうだよ~。あーしたち、足腰立たなくなっちゃったもん」
「や、優しいのに、激しくて、い、いろいろと、すごかった」
「ドМとして太鼓判を押せるほどの快楽責めだったわ」
「えへへ、ありがとうございます」
先輩たちに喜んでもらえたのが嬉しくて、ニヤニヤが抑えられない。
「ところで、悠理は今日あんまり動いちゃダメよ❤」
「へ?」
「当然でしょ。しっかりほぐしたとはいえ、あんな無茶した後なんだから安静にしてなさい」
「結局最後まで指一本ですらめちゃくちゃキツかったのに、最初にいきなり四本だもんね~」
「と、トイレに行く時とか、いくらでも、か、肩を貸すよ」
「確かにズキズキしてますけど、平気です。だいたい、それを言ったら先輩たちだって――」
それからしばらくの間、体を気遣うやり取りが延々と続いた。
途中から昨夜の感想を語り合う流れに変わっていき、幸せに満ちた声と笑顔が途切れぬまま、あっという間に陽が沈む。
どれだけ時間があっても、到底語り尽くせない。
本当に最高の初体験だったと、胸を張って断言できる。
昨夜は本当に夢のような――って、あれ?
これってもしかして、いわゆる夢オチだったりする?
「痛っ」
嫌な考えを振り払うように勢いよく上体を起こすと、下腹部がズキッと痛む。
身じろぎするだけでも痛いけど、これこそ昨夜の出来事が現実であることの確固たる証明だ。
先輩たちと結ばれたのは、夢じゃなかった。
どのタイミングで眠ってしまったのか、ハッキリとは覚えていない。
和室の中に充満する濃厚な香気。的確に言い表す言葉を私は持ち合わせていないけど、『エッチな匂い』という表現がしっくりくる。
先輩たちはまだ起きそうにないし、先にシャワーを浴びておこう。
「いたた」
想像していたより痛みが鋭く、歩き方がぎこちなくなってしまう。
でも、悪い気はしない。
愛する先輩たちの幸せそうな寝顔に癒してもらいつつ、そろりそろりと和室を離れる。
***
私が和室に戻って数分ほど経った頃、先輩たちも続々と目を覚まし始めた。
先輩たちも体が汗などでベタベタなので、じゃんけんで順番を決めてシャワーを浴びに行く。
全員がサッパリしたところで、襖を開け放って換気したり、庭に布団を干したりする。
真里亜先輩は朝食――もとい昼食を作るため、一足先にキッチンへ。
姫歌先輩が真里亜先輩のサポートに入り、残る三人はお箸やコップの用意など各々のできる範囲で手伝う。
みんなそろって動きがぎこちないけど、理由が明らかだから誰も疑問には思っていない。
先輩たちの初めてを貰ったことを意識したら、急に顔が熱くなってきた。
「いただきます」
食卓に着いて声を合わせ、お茶碗を手に取る。
盛られているのは白米ではなく、お赤飯。
起きてからそれほど時間が経っていないにもかかわらず、みんないつもよりたくさん食べた。
あれだけ激しい運動をしたのだから、なにも不思議なことはない。
「うふふ❤ それにしても、昨夜の悠理はすごかったわねぇ❤」
「そっ、そうですか?」
「そうだよ~。あーしたち、足腰立たなくなっちゃったもん」
「や、優しいのに、激しくて、い、いろいろと、すごかった」
「ドМとして太鼓判を押せるほどの快楽責めだったわ」
「えへへ、ありがとうございます」
先輩たちに喜んでもらえたのが嬉しくて、ニヤニヤが抑えられない。
「ところで、悠理は今日あんまり動いちゃダメよ❤」
「へ?」
「当然でしょ。しっかりほぐしたとはいえ、あんな無茶した後なんだから安静にしてなさい」
「結局最後まで指一本ですらめちゃくちゃキツかったのに、最初にいきなり四本だもんね~」
「と、トイレに行く時とか、いくらでも、か、肩を貸すよ」
「確かにズキズキしてますけど、平気です。だいたい、それを言ったら先輩たちだって――」
それからしばらくの間、体を気遣うやり取りが延々と続いた。
途中から昨夜の感想を語り合う流れに変わっていき、幸せに満ちた声と笑顔が途切れぬまま、あっという間に陽が沈む。
どれだけ時間があっても、到底語り尽くせない。
本当に最高の初体験だったと、胸を張って断言できる。
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