120 / 124
119話 すごろく大会②
しおりを挟む
画用紙のマス目がすべて埋まり、残るはお題箱の準備のみ。
本体となるのは、ティッシュの空箱。お題を記したメモ用紙を折り畳んで箱に入れ、『ランダム』のマスに止まればここから一枚引くことになる。
問題は、先輩たちが相当過激なお題を用意しているということ。
少なくとも葵先輩が『みんなで順番に悠理のおっぱいを吸う!』と書いており、その衝撃的な内容を見て私以外に誰も驚かなかったことから、他の先輩たちも同等かそれ以上の内容だと考えておくべきだろう。
「うーん、これはさすがにアウトかしらぁ❤ みんなの意見を聞かせてほしいわ❤」
小首を傾げつつ、姫歌先輩がメモ用紙をテーブルの中央に置く。
内容は、以下の通り。
『悠理がイくまで●●●する』
いやいやいやいや、これはどう考えてもアウト。セーフになる要素が見当たらない。
「あーし的には、ギリギリセーフってとこかな」
「あ、アリスは、全然、せ、セーフだと、思う」
「『みんなで』って付ければ、文句なしにセーフよね」
「おお~っ、いいね! あーしも真里亜の意見に賛成!」
「う、うん、アリスも、そっちの方が、いい」
「天才的な名案ね❤ ありがとう、参考になったわ❤」
「あはは……」
どうしよう、乾いた笑いしか出てこない。
『ランダム』に止まらなければ大丈夫だけど、さすがに五人でプレイして一度も止まらないなんてことはないはずだ。
こうなってくると、アリス先輩や真里亜先輩のお題も気になる。
とりあえず、近くにいるアリス先輩に訊いてみよう。
「アリス先輩はどんなお題を書いたんですか?」
「そ、そんなに、すごいことは、か、書いてない」
アリス先輩が自信なさげにメモ用紙を見せてくれる。
いくらなんでも、先に公開された内容と比べればさすがに――ん?
『悠理の●●に鼻を当てて深呼吸 みんなで』って、充分すぎるほどすごいことが書いてあるんだけど。
しかも、直前に話していたことを踏まえて『みんなで』と書き足されている。
「ま、真里亜先輩のも見せてもらっていいですか?」
アリス先輩にメモ用紙を返しつつ、そこはかとない不安を抱きながら真里亜先輩に声をかける。
「もちろん。なんなら参考にしてもいいわよ」
参考にできるような内容であってほしい。
おそるおそる、手渡されたメモ用紙に目を通す。
『浣腸』という単語が目に入った時点で反射的に破り捨ててしまったので、全部は読めなかった。
「ちょっと悠理、なにしてんのよ!」
「それはこっちのセリフですよ!」
確かに問答無用で破棄した私に非があるけど、こればかりは容認できない。
「まぁ、悠理が嫌がるなら仕方ないわね。違うのを書くわ」
「ありがとうございます」
「うふふ❤ 悠理が強硬手段に出るなんて珍しいわね❤」
「目にも留まらぬ速さで破いてたよね~」
「ま、真里亜、ど、どんなこと、書いたの?」
「どんなことって、あたしはただ――」
真里亜先輩は新しいメモ用紙にペンを走らせつつ、こともなげに説明した。
改めて全文を把握し、破いてよかったと安堵する。
「あらあら❤ それなら、わたしたちは大歓迎よ❤」
「うんっ! ビックリしたけど、あーしも興味ある!」
「想像しただけで、こ、興奮する」
先輩たち、いろんな意味で懐が深すぎる……。
***
一人あたり三枚程度のメモ用紙をお題箱に入れ、すべての準備が完了した。
創作部による第一回すごろく大会が、いよいよ始まる。
本体となるのは、ティッシュの空箱。お題を記したメモ用紙を折り畳んで箱に入れ、『ランダム』のマスに止まればここから一枚引くことになる。
問題は、先輩たちが相当過激なお題を用意しているということ。
少なくとも葵先輩が『みんなで順番に悠理のおっぱいを吸う!』と書いており、その衝撃的な内容を見て私以外に誰も驚かなかったことから、他の先輩たちも同等かそれ以上の内容だと考えておくべきだろう。
「うーん、これはさすがにアウトかしらぁ❤ みんなの意見を聞かせてほしいわ❤」
小首を傾げつつ、姫歌先輩がメモ用紙をテーブルの中央に置く。
内容は、以下の通り。
『悠理がイくまで●●●する』
いやいやいやいや、これはどう考えてもアウト。セーフになる要素が見当たらない。
「あーし的には、ギリギリセーフってとこかな」
「あ、アリスは、全然、せ、セーフだと、思う」
「『みんなで』って付ければ、文句なしにセーフよね」
「おお~っ、いいね! あーしも真里亜の意見に賛成!」
「う、うん、アリスも、そっちの方が、いい」
「天才的な名案ね❤ ありがとう、参考になったわ❤」
「あはは……」
どうしよう、乾いた笑いしか出てこない。
『ランダム』に止まらなければ大丈夫だけど、さすがに五人でプレイして一度も止まらないなんてことはないはずだ。
こうなってくると、アリス先輩や真里亜先輩のお題も気になる。
とりあえず、近くにいるアリス先輩に訊いてみよう。
「アリス先輩はどんなお題を書いたんですか?」
「そ、そんなに、すごいことは、か、書いてない」
アリス先輩が自信なさげにメモ用紙を見せてくれる。
いくらなんでも、先に公開された内容と比べればさすがに――ん?
『悠理の●●に鼻を当てて深呼吸 みんなで』って、充分すぎるほどすごいことが書いてあるんだけど。
しかも、直前に話していたことを踏まえて『みんなで』と書き足されている。
「ま、真里亜先輩のも見せてもらっていいですか?」
アリス先輩にメモ用紙を返しつつ、そこはかとない不安を抱きながら真里亜先輩に声をかける。
「もちろん。なんなら参考にしてもいいわよ」
参考にできるような内容であってほしい。
おそるおそる、手渡されたメモ用紙に目を通す。
『浣腸』という単語が目に入った時点で反射的に破り捨ててしまったので、全部は読めなかった。
「ちょっと悠理、なにしてんのよ!」
「それはこっちのセリフですよ!」
確かに問答無用で破棄した私に非があるけど、こればかりは容認できない。
「まぁ、悠理が嫌がるなら仕方ないわね。違うのを書くわ」
「ありがとうございます」
「うふふ❤ 悠理が強硬手段に出るなんて珍しいわね❤」
「目にも留まらぬ速さで破いてたよね~」
「ま、真里亜、ど、どんなこと、書いたの?」
「どんなことって、あたしはただ――」
真里亜先輩は新しいメモ用紙にペンを走らせつつ、こともなげに説明した。
改めて全文を把握し、破いてよかったと安堵する。
「あらあら❤ それなら、わたしたちは大歓迎よ❤」
「うんっ! ビックリしたけど、あーしも興味ある!」
「想像しただけで、こ、興奮する」
先輩たち、いろんな意味で懐が深すぎる……。
***
一人あたり三枚程度のメモ用紙をお題箱に入れ、すべての準備が完了した。
創作部による第一回すごろく大会が、いよいよ始まる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
327
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる